腕立て伏せで肘を開く・閉じる違いは?角度で効果が変わる?フォームの解説も!

上半身を効率的に鍛えることができるトレーニングと言えば腕立て伏せです。手軽に始められる腕立て伏せですが、意外と奥が深く、手の開きや置き方といった細かな要素で得られる効果が変化します。ここでは腕立て伏せについて正しいフォームや効果について紹介していきます。

監修 |パーソナルトレーナー 野上 鉄夫
健康運動指導士 /NSCA-CPT /JATI-ATI /トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログ...
健康運動指導士 /NSCA-CPT /JATI-ATI /トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログPV300万PV以上

目次

  1. 腕立て伏せで肘を「開く」「閉じる」違いは?
  2. 腕立て伏せで肘を開くときの効果
  3. 腕立て伏せで肘を閉じるときの効果
  4. 腕立て伏せの正しいフォームをチェック!
  5. 腕立て伏せの肘の角度についてしっかり理解しておこう

腕立て伏せで肘を「開く」「閉じる」違いは?

腕立て伏せは肘を曲げて伸ばすという単純なトレーニングだと思われがちです。しかし単純だからこそ奥が深いのが腕立て伏せというトレーニング。手を置く位置を変えるだけで、肘を開くか閉じるかが変化し、得られる効果も変わります。

腕立て伏せを行うときは鍛えたい筋肉を意識して、肘の向きや脇のしめ方変えるようにしましょう。しかし、どの姿勢がどこの筋肉に効果的なのかは意外と分からないものです。今回は自分に合ったトレーニング法を身に付けるためにも、肘の向きと得られる効果の違いを確認してみましょう。

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腕立て伏せで肘を開くときの効果

腕立て伏せをするときに手の置く位置、肘の位置を変えると使う筋肉が変化します。手を付く位置を開くと、体を沈めたときに肘が開いた状態になりますね。この状態で腕立て伏せを行うと、閉じた状態で行うよりも大胸筋を使うようになります。

より大胸筋をしっかりと鍛えたい場合は、肩甲骨の動きも意識しましょう。肩甲骨を常に寄せた状態で行うのがポイントです。肩甲骨を寄せることで効率的に負荷をかけることができるだけではなく、負荷がしっかりと胸に伝わるので効果の高い腕立て伏せが行えます。

肘を開く腕立て伏せを行う場合は、上から見たときに肘が真横に開くよりもやや後ろ側に開いているのがベストです。開きすぎると肩関節や肘関節に負担がかかりすぎるため、下がりきったときに肘が90度くらいになるように意識しましょう。

(大胸筋に効果的な腕立て伏せについては以下の記事を参考にしてみてください)

ヒンズープッシュアップのやり方!大胸筋・三頭筋に効果的な腕立て伏せのコツを解説

野上 鉄夫

背中は意識する事が難しいので、肩甲骨を寄せると言われてもピンと来ない方もいると思います。そう言う方は胸を開くイメージで、身体を下ろしていきましょう。

野上 鉄夫

肘を開く角度は、真横よりやや斜め下の方向に開く様にします。イメージとしてベンチプレスの肘の角度を思い浮かべると良いでしょう。また指先はやや内側に絞るように手をつくと自然と肘がやや下の方向に開きやすくなります。

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腕立て伏せで肘を閉じるときの効果

腕立て伏せを行うとき手幅を肩幅くらいに開き、肘を体の横に付けて脇をしめて腕立て伏せを行った状態を肘が閉じている状態といいます。肘を閉じた状態で腕立て伏せを行うと肘関節の屈曲動作になるため、より腕に負荷がかかりますね。三角筋前部を意識して鍛えたい人に最適です。

上腕三頭筋は肘を閉じた状態でも開いた状態でも鍛えることができますが、肘と脇をしめる方が三角筋前部と上腕三頭筋を効率よく鍛えられます。腰が反らないように、肩甲骨と肩関節の動きを意識して行いましょう。

手幅を開いて行う腕立て伏せに慣れている場合、肘を閉じて行う動きに慣れずに体を沈めたときに肘が外側に向いてしまうことがあります。肘が外側に向きすぎると、筋肉ではなく関節に余計な負荷がかかってしまうので注意が必要です。

肘が外側に向かないようにするためには、両手の向きも重要です。手が内側に向きすぎると、体を沈めたときに肘が外側へと開いてしまいます。手首に大きな負担がかかってしまうので、脇をしめつつ肩関節の動きを意識してそのまま肘を曲げてください。

(上腕三頭筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニュー!二の腕に効かせる鍛え方のコツも解説

野上 鉄夫

肘を絞る腕立て伏せパソコン指先は頭の方向に向けて床に手をつくと、自然と脇が絞れるようになります。

腕立て伏せの正しいフォームをチェック!

腕立て伏せは特別な器具も必要なく手軽に行えるトレーニングです。しかし、手軽だからといって単純な訳ではありません。間違ったフォームで腕立て伏せを行うと効果が得にくいだけではなく、肘や肩を痛めてしまう可能性もあります。鍛えたい筋肉に働きかけるためにも、ここで正しい腕立て伏せのフォームについてチェックしましょう。

▼正しい腕立て伏せのやり方
①横から見たときに肩・足・手が直角三角形になるよう意識する
②正しい姿勢をとったら息を吸いながら肘を曲げて体を沈める
③息を吐きながら曲げた肘を伸ばし最初の姿勢に戻る

筋トレ初心者は週1回3セット、日ごろから行っている方は週2回6セット程度のセット数がおすすめです。 

▼腕立て伏せのコツ&注意点
・手幅は肩幅の1.3倍~1.5倍を目安に開く
・頭から足まで美しい一直線になるように体を沈める
・肩をすくめず、胸を開くように体を沈める
・手のひらに体重をかけすぎない
・肩甲骨を閉じることを意識する

腕立て伏せでしっかりと効果を得るためには、正しい動きをすることが重要です。大胸筋を鍛えたい場合は肘を肩の高さまで開いた90度の姿勢が基本。また腕立て伏せを行う際は呼吸は「体を沈める時に息を吸う、体を戻す時に吐く」を意識しましょう。腕立て伏せは力が入るためつい息を止めてしまいそうになりますが、血圧の上昇を招くので注意してください。

(腕立て伏せについてのより詳しい解説は以下の記事も参考にしてください)

腕立て伏せの効果&フォームを種類別に!呼吸法・回数などのコツを解説

野上 鉄夫

他には、腰を反らしたり、へっぴり腰で行わない、首は曲げないで真っ直ぐ行うなどの注意点もありますので、ご注意下さい。

野上 鉄夫

腕を置く位置の上下にも気をつけましょう。基本は肩の真下に腕を置くようにします。

腕立て伏せの肘の角度についてしっかり理解しておこう

肘を曲げて伸ばす、という単純な動きの腕立て伏せですが、手の位置や肘の角度など小さな変化で筋肉への効果が大きく変化します。大胸筋を鍛えたいのか、上腕三頭筋や三角筋前部を鍛えたいかで肘の角度を変えるようにしましょう。単純な動きだからこそ正しい姿勢と呼吸、肘の向きによる筋肉の動きを意識することでより確かな効果を得ることができるでしょう。