広背筋のストレッチメニュー!どこでも出来て簡単に背中を柔軟にするコツも解説

広背筋は背中にある筋肉ですが、この部分は凝りやすい部分です。バキバキに凝ってしまった広背筋を緩めるストレッチを紹介します。タオルを使ったり寝ながらできるストレッチなど、簡単・手軽に背中を楽にするストレッチメニューを毎日の生活に取り入れてみましょう。

監修 |パーソナルトレーナー 福田翔馬
所属:広島県内整形外科クリニック 経歴:2013年広島大学卒業、理学療法士免許取得。以後広島県内整形外科クリニックにて理学療法士として活動する傍ら、社会人野球チームのトレーナーとしても帯同。...
所属:広島県内整形外科クリニック 経歴:2013年広島大学卒業、理学療法士免許取得。以後広島県内整形外科クリニックにて理学療法士として活動する傍ら、社会人野球チームのトレーナーとしても帯同。現在も小児から高齢者まで幅広い世代のリハビリを行う。

目次

  1. 広背筋の構造・作用
  2. 広背筋は人体で最も大きい筋肉
  3. 広背筋の作用
  4. 広背筋のストレッチをするメリット
  5. 広背筋のストレッチメニュー&緩めるコツ
  6. 立ったままその場でできるストレッチ体操①【広背筋のストレッチメニュー】
  7. 立ったままその場でできるストレッチ体操②【広背筋のストレッチメニュー】
  8. ヨガマットを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】
  9. バーを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】
  10. タオルを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】
  11. 寝ながらできるタオルを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】
  12. バランスボールを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】
  13. 広背筋のストレッチをして筋トレ効果UP

広背筋の構造・作用

広背筋は人体で最も大きい筋肉

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-5

広背筋は背中側についている筋肉で、上の図を見ると分かりますが背中の大部分を占めています。背骨の部分を覆うように筋肉が張り巡らされています。人体で最も面積の大きい筋肉で、逆三角形のボディに憧れている人はこの部分を鍛えることが欠かせません。

広背筋は骨盤と脊柱、上腕をつなぐ役割をしています。この筋肉を使う動作といえば懸垂やロープを登ることなどがあげられます。腕を伸ばした状態から自分の体を引き寄せる動きを想像してもらえば分かりやすいでしょう。

広背筋の作用

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-5

広背筋の作用には上腕を上から下に引き下げる動作があります。この場合、広背筋がぎゅっと縮まり背中や骨盤の方に腕の骨が引き寄せられます。また上腕を内側にねじる作用も含まれます。

広背筋の作用には骨盤を上に引き上げるという作用もあります。その場合は上腕骨が固定されている状態で、広背筋が縮むことで骨盤を上に引っ張ることになるので、骨盤が上に上がるのです。

ストレッチメニューからみたい方はこちら

(広背筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

広背筋の筋トレ11選!逆三角形ボディに爆速で近づく鍛え方のコツを解説

広背筋のストレッチをするメリット

長時間スマホやパソコンを使っていると、知らず知らずのうちに姿勢が前のめりになり、背中が猫背になってしまいます。その姿勢の悪さが疲れや内臓の不調の元になってしまうこともあるのです。そこで注目したいのが、広背筋を柔軟にする効果があるストレッチや体操です。

広背筋をストレッチや体操で、ぐっと伸ばしてあげることで前のめりになっていた姿勢が矯正されます。また肩こりの改善、疲労回復、アンチエイジングなど嬉しい効果も期待できます。

このようにストレッチや体操をすることによって筋肉を柔軟にし、健康促進に役立ちます。ストレッチには様々なやり方がありますが、手軽にできるものでないと長続きしない場合もあります。そこで、ここでは簡単で手軽にできるものを選んでみました。

広背筋のストレッチメニュー&緩めるコツ

立ったままその場でできるストレッチ体操①【広背筋のストレッチメニュー】

まず一番最初は簡単で場所を取らず、誰にでもできるお手軽ストレッチ体操をご紹介します。オフィスや仕事先では背中が凝ってきても、なかなかストレッチをする場所が見つからない場合が多いものです。

ついそのままの姿勢で作業を続けてしまい、さらに背中の広背筋や肩甲骨の周りが凝り、首の関節も痛くなるという悪循環になってしまいます。手軽に行えるストレッチ体操で広背筋を柔軟にしてあげましょう。

▼立ったままその場でできるストレッチ体操①のやり方

① 軽く足を開いて立つ。
② そのまま両手を上にバンザイするように上げ、この時に腕に力を入れないようにする。
③ あげた腕を、下腕の関節を90度の角度まで下げたら、そのまま下げていく。
④ 腕を下まで下げたら再び腕をバンザイして上に上げ、この動作を繰り返す。

上の一連の動作を20回を1セットとし、2セット行います。2セットを行うと初めての場合はかなりきつく感じるかもしれません。広背筋が収縮している感覚を意識しながら動作を行いましょう。

▼立ったままその場でできるストレッチ体操①のコツ&注意点

・腕や肩甲骨に力を入れずに行うのがコツです。
・腕や肩甲骨に力が入ってしまうと背中の広背筋に力が伝わらず、腕に力が伝わって効果が半減してしまいます。
・腕を下げる時はひじの関節を曲げて、地面に腕を突き刺すような感覚を意識しましょう。
・腕の関節は90度に曲げるようにします。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

広背筋は腕を内側に捻る筋肉なので、ストレッチの時は外側に捻ることが重要です。掌がまっすぐ前に向くくらい、肩を外に捻りましょう。

立ったままその場でできるストレッチ体操②【広背筋のストレッチメニュー】

こちらも場所をとらずにその場で簡単・手軽にできるストレッチ体操です。動作も覚えやすいので、細切れの休憩時間などにもサッと筋肉伸ばしをすることが出来ます。すっきり・柔軟になった体でリフレッシュ効果も大です。

このストレッチ体操は脇の所から骨盤までつながっている広背筋の新しいストレッチ体操です。筋肉と筋肉膜を柔軟にする、二つの筋肉に着目した動きとなっているのが特徴です。


▼立ったままその場でできるストレッチ体操②のやり方

①足は軽く肩幅くらいに広げて立つ。
②両手をバンザイしててまず左手で右の手首の関節あたりをつかむ。
③手首の関節辺りをつかんだまま体を右側に捻る。
④捻った体制をキープしたまま体を前に倒す。
⑤左手で右手首を前に引っ張り広背筋が伸びているのを意識しながらストレッチする。

手首を前に引っ張る際に力を入れないで、力を抜いた状態で引っ張るようにしましょう。左右とも30秒その姿勢をキープし、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

▼立ったままその場でできるストレッチ体操②のコツ&注意点

・体を倒す際やひねった際に痛くなる人は無理に続けないようにしましょう。
・無理をすると、痛みが増幅する可能性がありますので様子を見ながら行うようにします。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

捻った後、真っ直ぐに倒してしまうと広背筋よりも脊柱起立筋へのストレッチ効果が高くなります。捻りを加えて、まっすぐ前よりやや横気味に倒す意識を持ってください。

ヨガマットを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】

次はヨガマットを使ったストレッチをご紹介します。床を利用しますので、ヨガマットを下に敷くとやりやすくなります。ヨガマットがない場合はカーペットの上や畳などの上でもよいでしょう。このストレッチも簡単な動作で手軽に行うことができます。

猫背になっている人は広背筋から肩甲骨のあたりが硬くなっている人が多いようです。そこで普段から姿勢が悪い人は広背筋をストレッチで十分伸ばしてあげることが大切です。広背筋や肩甲骨が柔らかく柔軟になることで姿勢の悪さも改善されます。

普段広背筋を使っていないとストレッチもうまくできないかもしれませんが、ヨガマットを使ったお手軽ストレッチで少しづつ伸ばしてあげましょう。

▼ヨガマットを使ったストレッチのやり方

①ヨガマットの上に四つん這いになり、両肘を床につける。
②その姿勢から右手を左手側の方に斜めに伸ばしていく。
③腕は関節を曲げずに、遠くに伸ばす。
④そのまま10秒キープし、元の姿勢に戻る。
⑤次は反対側の左手を右手側の方に腕の関節を曲げずに、斜めに伸ばしていく。
⑥10秒キープし、元の姿勢に戻る。

▼ヨガマットを使ったストレッチのコツ&注意点

・このストレッチを行う際にはお尻の位置に注意します。
・お尻の位置が変わると広背筋にかかる力が弱くなり、効果が半減してしまいます。
・最初のうちは誰かとペアを組んで、フォームをチェックしてもらいながら行いましょう。

体が硬くて思うように広背筋を伸ばせない場合は手を反対側にクロスさせてストレッチを行ってみましょう。腕の関節を曲げずにまっすぐ伸ばします。体が柔軟になり、動作が楽になります。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

広背筋は腰の部分にもついているので、腰のポジショニングも大切です。腕を斜め前に伸ばすときに、骨盤を後傾すれば効果的にストレッチが可能です。

バーを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】

次はバーを使ったストレッチです。広背筋から肩甲骨にかけての部分は固まりやすい筋肉で、この部分が硬くなると腰痛や肩こりの原因にもなってきます。広背筋や肩甲骨は後ろにあり普段は見えにくい場所なので、意識して普段から筋肉をほぐし、柔軟にしてあげるようにしましょう。

広背筋や肩甲骨が固まらないようにするには、腕と骨盤の距離をできるだけ広くしてあげることが大切です。バーを使って簡単に広背筋や肩甲骨を伸ばすストレッチを試してみましょう。

▼バーを使ったストレッチのやり方

①頭の高さくらいのバーの横に体が平行になるように立つ。
②そのまま左手でバーをつかむ。
③左手はバーをつかんだまましゃがんでいきます。その時に右膝は立てて左ひざだけ地面に付けましょう。バーを持った左側の骨盤を落としていくようなイメージでしゃがんでいきます。
③ しゃがんだらそのままゆっくり30秒キープします。
④ 次に反対側の腕も同じようにして30秒キープします。

このストレッチは左右一回ずつ行います。広背筋が伸びて柔軟になると腰痛の予防にもなります。また広背筋が柔らかくなると背中のトレーニングも効きやすくなります。トレーニング中の人にも広背筋のストレッチはおすすめです。

▼バーを使ったストレッチのコツ&注意点

・握力が持たない場合はパワーグリップやストラップを使用してみましょう
・広背筋を伸ばすときは身体がバーに向かって少し曲線を描くようなイメージで

福田翔馬

パーソナルトレーナー

自宅でバーがなければ、写真のように指を引っかかる場所があれば可能です。広背筋の脇の部分を伸ばすために指に力が入りすぎると、肩にも力が入って伸びにくくなるので注意しましょう。

タオルを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】

誰でも持っているタオルで簡単・手軽に、かつ効果的な広背筋のストレッチができます。場所も取らず、動作も簡単にできるのでオフィスの休憩時間や家事の合間にもおすすめです。広背筋を伸ばしてあげることにより肩こりも楽になります。

このタオルを使ったストレッチは姿勢改善、肩こりにアプローチします。お風呂に入った後などタオルを使った後に手軽にできるのも魅力です。隙間時間をみつけて手軽に取り組んでみましょう。

▼タオルを使ったストレッチのやり方

①タオルを一本用意し、立ったままの状態でタオルを両手でつかむ。
②タオルをつかんだまま両腕を上に上げ、脇の下を伸ばす。
③腕の関節は曲げずまっすぐにするが、タオルをグーで握らずに、人差し指と親指を外して握る。
④そこから両肘の関節をまげて頭の後ろにタオルを持っていく。
⑤その姿勢のまま10秒キープする。
⑥10秒キープしたら再び両腕を上に持ち上げ、それを10回繰り返す。

上の動作を1セットとし、合計3セット繰り返します。セット間の休憩は30秒から60秒を目安にしましょう。毎日行っても良いですし、できれば1日おきにストレッチをします。

▼タオルを使ったストレッチのコツ&注意点

・タオルをつかんだ時に人差し指と親指を外すのを忘れないようにしましょう。
・グーでタオルを握ると脇が下がった状態になってしまい、効果が落ちてしまいます。
・タオルを頭の後ろに持っていく時、頭とタオルの間にスキマを開けるのがコツです。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

動かすときに、肩を上下させるだけでなく肩甲骨から動かす意識が大切です。猫背になると肩甲骨の動きが悪くなるので、しっかり背筋を伸ばしましょう。

寝ながらできるタオルを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】

タオルを使った広背筋のストレッチで寝ながらできるバージョンです。誰でも持っているタオルで寝転がれるスペースがあれば簡単に行うことが出来ます。シャワーの後リラックスしている時、寝転んでいるついでにストレッチしてみてはいかがでしょうか。

▼寝ながらできるタオルを使ったストレッチのやり方

①仰向けに寝転んで、腕を伸ばして頭の上にタオルを両手でつかむ。
②①の状態から胸に向かってタオルを引き寄せる。
③胸にタオルを引き寄せたら、元の位置に戻す。
④呼吸はタオルを引くときに吸い、腕を伸ばす時に吐く。

▼寝ながらできるタオルを使ったストレッチのコツ&注意点

・タオルを胸に寄せる時に肩を上げないようにします。
・腰をそらせすぎると腰を痛めますので、注意しましょう。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

広背筋の収縮を利用したストレッチなので、広背筋を動かす必要があります。腕だけでなく肩甲骨も動かすことで、広背筋の収縮が入りやすくなりストレッチもかかりやすいです。

(寝ながらできるストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)

【寝ながらストレッチ特集】背中・腰・股関節などの簡単メニュー17選を大公開

バランスボールを使ったストレッチ【広背筋のストレッチメニュー】

ストレッチに適したツールにはストレッチポールやバランスボールなどがありますが、ここではバランスボールを使ったストレッチをご紹介します。バランスボールはインナーマッスルを鍛えたり、平衡感覚を身に付けたりすることが出来ます。バランスボールの上に寝ながら、また座っているだけで体幹を鍛えることもできます。

様々な使い方が出来るバランスボールですが、広背筋のストレッチにも使うことが出来ます。簡単にできますので、バランスボールを使ったストレッチを取り入れてみて下さい。

▼バランスボールを使ったストレッチのやり方

①床にバランスボールを置きその前に座る。
②左手をまっすぐ前に伸ばしてバランスボールの上に手を置く。
③親指が天井を向くようにする。
④右手は床の上におき、体を安定させる。
⑤ボールをそのまま前に動かし、ボールの動きに合わせてゆっくりと体を前に動かす。
⑤腕が伸びきったらそのまま動作を止めて深呼吸する。
⑥反対側の腕も同じようにする。

バランスボールを動かす時はまっすぐに伸ばし、腕を耳につけるようにしましょう。バランスボールを前に転がして腕が伸びきった時、腕の付け根から脇腹、脇の下の筋肉が十分伸びていることを確認します。

▼バランスボールを使ったストレッチのコツ&注意点

・バランスボールを動かす時に斜めに転がさないようにします。
・ボールが曲がってしまうと筋肉がきちんと伸びません。
・腕もまっすぐに伸ばすようにしましょう。

バランスボールを使ったストレッチで万が一、脇の下や腕などに痛み、痺れなどを感じたらむりやりストレッチを行わず医師や専門家に相談しましょう。

福田翔馬

パーソナルトレーナー

ボールを前に出すときに、腕をボールに押し付けると肩が下がって負担をかけすぎてしまいます。前に伸ばす意識をしっかり持つことで、広背筋の効果的なストレッチが可能です。

(バランスボールのトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

バランスボールで背筋を鍛える!背中痩せ効果抜群のトレーニングを紹介!

広背筋のストレッチをして筋トレ効果UP

オフィスワークや携帯電話で背中や肩が凝りやすい現代人に、広背筋のストレッチは欠かせません。休憩時間に手軽で簡単にできる広背筋のストレッチを取り入れてみましょう。

また広背筋のストレッチは、逆三角形のボディになりたい人にもおすすめです。器具を使わなくても家にあるタオルなどを使って、簡単で手軽にエクササイズが出来るので、毎日のメニューに取り入れてみて下さい。