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プロテイン・アミノ酸サプリの違いを理解している?
筋トレを行う際に摂取されることが多い、プロテインとアミノ酸サプリ。どちらも筋肉づくりに役立つイメージがあっても、プロテインとアミノ酸サプリがどのように違うのか分からない方もいるかもしれません。
プロテインとアミノ酸サプリにはそれぞれに特徴があるので、違いを理解したうえで適切な摂り方をすると高い効果が期待できます。では、プロテインとアミノ酸サプリにはどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
(バルクアップのためのプロテイン摂取については以下の記事も参考にしてみてください)
バルクアップとは?食事・カロリー・プロテイン・筋トレなど方法を徹底解説
出典: Slope[スロープ]
プロテインについて
プロテインとは英語でタンパク質を意味する言葉。トレーニングの際に摂るプロテインは、タンパク質が主成分の栄養補助食品です。商品によっては、ビタミンB群・鉄・カルシウムなどが配合されているものもあります。
タンパク質は食事からも摂取できますが、タンパク質の摂取量を増やそうと食事の量を増やした場合、糖質や脂肪まで余分に摂取することに。そこで筋トレの際に役立つ成分のみを摂り入れる目的で作られたのが、プロテインです。
(初心者向けのプロテインについては以下の記事も参考にしてみてください)
【筋トレ初心者向けガイド】メニュー・効果・食事・サプリ・プロテインなど徹底解説!
出典: Slope[スロープ]
プロテインの役割や効果
プロテインの役割は、タンパク質の補給です。筋トレを行うと筋肉細胞が傷つきますが、プロテインを飲むと筋肉細胞の修復に役立ちます。またプロテインの主成分であるタンパク質は、筋肉を作る際に欠かせない栄養素でもあるので、プロテインの摂取は筋肉づくりにも効果的です。
現段階ではタンパク質の摂取量・摂取形態・摂取のタイミングによって筋肉の合成がどの程度促進されるのか、最良の摂取方法は実証されていません。ですが、研究を行った論文はいくつかあります。
その一つによると、18歳~29歳のアスリートには1日に体重1kg対して1.08gの量のタンパク質が必要と言われています。高強度のレジスタンストレーニングを行うアスリートに必要なタンパク質の量は、1日に体重1kgに対して1.4g~1.7g。運動を行う際にはタンパク質が欠かせないので、プロテインの摂取が効果的だと言えるのです。
プロテイン内のアミノ酸スコア
プロテイン内のアミノ酸スコアは、多くのプロテインで100です。アミノ酸スコアが100に近ければ近いほどタンパク質が体内で有効利用できるので、プロテインは体内で利用しやすい性質を持っていると言えます。アミノ酸には体内で合成できる非必須アミノ酸と、体内では合成できず食事やサプリで補う必要がある必須アミノ酸があります。
アミノ酸スコアとは、タンパク質に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価するための指標です。アミノ酸スコアの計算には評点パタンが用意されていて、それを元に【食品タンパク質の第一制限アミノ酸含有量(mg/g:タンパク質)÷アミノ酸評定パタン当該アミノ酸含量(mg/g:タンパク質)×100】の計算式に当てはめて計算します。
計算式の「第一制限アミノ酸」は一番足りない必須アミノ酸のことなので、9種類ある必須アミノ酸のうち最も含有量が少ないアミノ酸のスコアが必須アミノ酸スコアになります。100を超えている場合でも、アミノ酸スコアは100です。
出典:日本食品分析センター
アミノ酸サプリメントについて
アミノ酸とは、タンパク質を構成する成分です。人間の体を構成しているアミノ酸の種類は、20種類。体内では合成できず食事やサプリで補う必要がある必須アミノ酸は、そのうちの9種類です。アミノ酸サプリは目的に合わせていくつかのアミノ酸を混合したもので、全てのアミノ酸が配合されているわけではありません。
そこで、代表的なアミノ酸の組み合わせと、効果を確認しましょう。
BCAA
BCAAとは、必須アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシンを組み合わせたものです。BCAAは筋肉を構成している必須アミノ酸の30%~40%にあたり、筋肉の合成に役立ちます。また筋肉のエネルギー源にもなるので、コンディションも整いやすくなります。
持久運動を行う際には、筋肉の材料であるBCAAがエネルギー源として利用され、筋肉が分解されて筋肉が損傷してしまうこともありますが、BCAAの血中濃度が下がらないようサプリを利用すれば筋肉がエネルギー源として使われずにすみます。
BCAAはトレーニング後の疲労感の軽減にも役立つので、質のよいトレーニングが重ねられます。ロイシンを単体で摂取するとバリン・イソロイシンの血中濃度を下げるケースもあるので、BCAAをセットで摂取しましょう。
(BCAAについては以下の記事も参考にしてみてください)
BCAAの効果は?筋肉痛・疲労回復〜筋肥大に?過剰摂取で副作用にも注意が必要
出典: Slope[スロープ]
EAA
EAAは、バリン・ロイシン・イソロイシン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・メチオニン・リジン・ヒスチジンの9種類の必須アミノ酸がすべて含まれているサプリメント。摂取した後に高強度のトレーニングを行うと、筋肥大が狙えるアミノ酸サプリです。
眠気を引き起こすセロトニンという物質が脳に入らないようにする役割もあるので、仕事やスポーツ中の集中力を高める効果も期待できます。
必須アミノ酸がすべて含まれているので、筋タンパク合成の面ではBCAAを上回るとも言われていますが、一気に摂取すると下痢を引き起こす可能性も。飲み方に注意が必要なアミノ酸サプリです。
(EAAの飲み方については以下の記事も参考にしてみてください)
EAAを飲むと下痢になる…。その理由〜誰でも改善する飲み方を解説!
出典: Slope[スロープ]
グルタミン
グルタミンは、非必須アミノ酸に分類される成分です。人体にある非必須アミノ酸の半分以上がグルタミンなので、積極的に摂取することで筋トレによる筋肉組織の破壊を防いでくれます。非必須アミノ酸なので体内でも作れますが、筋トレをする場合は量が足りないため、補うと効果的です。
グルタミンには水や熱に弱い・お酢など酸性の食品との組み合わせると壊れるなどの特徴があるので、食品からの摂取は簡単ではありません。そのため、サプリを利用して摂り入れるのがおすすめです。
アルギニン
アルギニンは非必須アミノ酸に分類される成分ですが、体内で作れる量は少量で、不足分は食事から補わなければいけません。
アルギニンには運動をした時に発生する疲労物質の一つであるアンモニアの増加を抑え、血中濃度を下げる働きがあることから、疲労回復のサポートが期待されます。アルギニンには免疫細胞のマクロファージを活性化させる働きもあるので、免疫力のアップも期待可能です。
アルギニンは成長ホルモンの分泌も促すので、病気にかかりにくい体づくりにもつながります。成長ホルモンには食欲を抑える働きや脂肪の代謝を促し筋肉を強化する効果もあるので、引き締まった体づくりのサポートにも利用したい成分です。
クレアチン
クレアチンとは、アルギニン・グリシン・メチオニンの3種類のアミノ酸から生成される物質です。筋細胞内に多く見られる物質で、骨格筋などに吸収される性質を持っています。筋肉に強い負荷をかけて筋肉量を増やしたい人に向いている成分です。
クレアチンを摂取すると、短期集中的反復トレーニングの際に身体能力の向上も期待できます。また、クレアチンが多く存在していると、筋細胞にエネルギーが供給されやすくなるため、パフォーマンスが向上するメリットも。激しい運動後の回復効果も期待できるので、積極的に取りたいサプリです。
プロテインとアミノ酸サプリはどっちを飲むべき?
プロテインとアミノ酸サプリは性質に違いがあるので、片方だけを利用するのではなく併用すると便利です。
20種類あるアミノ酸はそれぞれ効果が違うので、一部だけを摂取しても筋肉の合成は上手くいきません。プロテインには20種類のアミノ酸がすべて含まれているので、まずはプロテインで筋肉づくりの土台を整え、アミノ酸で不足部分を強化する方法がおすすめです。
プロテインとアミノ酸では、成分が吸収される時間も違います。アミノ酸から構成されているプロテインは、分解・吸収されるまでに3時間~4時間程度必要です。アミノ酸は分解過程の手間を省いたものなので、飲んで約30分程で体に取り込めます。
タンパク質はトレーニング後1時間以内に摂ると効果的なので、トレーニング後に摂取するなら短時間で吸収されるアミノ酸サプリが向いています。プロテインは普段使いにおすすめ。同時に摂るとアミノ酸がプロテインの消化や吸収に巻き込まれて胃腸に長くとどまるため、プロテインとアミノ酸サプリを併用するならタイミングをずらして摂取しましょう。
即効性や特化された目的を求める時にはアミノ酸を利用して、それ以外ではバランスよく摂取できるプロテインがおすすめです。
プロテインとアミノ酸サプリを併用する方法
プロテインとアミノ酸サプリでは、含まれているアミノ酸の種類も違いますし、吸収されるまでの速度も異なります。そのため、プロテインとアミノ酸サプリを併用して、お互いの長所を生かすとより筋トレに役立てられます。では、どのように併用すればいいのか、見ていきましょう。
併用することで必須アミノ酸の摂取量を増やす
プロテインには必須アミノ酸がすべて含まれているので、バランスよく成分を摂取したい場合に向いていますが、商品によってはアミノ酸の配合量がそれほど多くない場合も。プロテインとアミノ酸サプリを併用すると、必要な必須アミノ酸を効率よく摂取できます。
(必須アミノ酸の摂取量を増やす併用の方法については以下の記事も参考にしてみてください)
【EAAの飲み方】摂取量・タイミング〜プロテインなどとの併用方法まで解説!
出典:Slope[スロープ]
併用すると運動強度に合わせてアミノ酸を補える
運動強度が強いトレーニングを行う場合、プロテインのみではアミノ酸が不足する可能性があります。アミノ酸が不足すると、筋肉の材料となるアミノ酸がエネルギー源として利用され、筋肉が分解されて筋肉が損傷してしまうこともあります。そこでアミノ酸を補給しながらトレーニングを行うと、ボディメイク効果が得やすくなります。
運動時以外にプロテインを飲んでおくと、アミノ酸サプリの効果が切れても問題がありません。運動強度に合わせて、足りないと思われる場合に併用すると効果的です。
(運動強度に合わせて併用する方法については以下の記事も参考にしてみてください)
EAA・プロテインの違いは?併用はいらない?混ぜると効果UPという情報の真相も!
出典:Slope[スロープ]
筋トレをするならプロテイン・アミノ酸サプリの理解は必須!
プロテインの主成分はアミノ酸によって構成されるタンパク質で、必須アミノ酸がバランスよく配合されています。アミノ酸サプリはアミノ酸をそのまま摂取できる、必要な成分を選んで利用するものです。
それぞれに特徴があるので、プロテインとアミノ酸サプリについて理解して上手に併用しましょう。