パワーブリーズが『効果なし』というのは嘘!論文を基にメリットを検証!

肺活量がアップすると持久力やパフォーマンスが向上すると良く知らています。この肺活量を効率よくアップすることができるトレーニングアイテムにパワーブリーズがあるのです。しかし効果なしと結論付けられることもあるので、論文を元にパワーブリーズの効果を確認していきます。


監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. パワーブリーズは効果なしとの声も?
  2. パワーブリーズが効果なしと言われる理由
  3. 呼吸が辛い
  4. 肺活量が上がらない
  5. 喉が痛くなる
  6. お腹に負担を感じる
  7. パワーブリーズが効果なしというのは嘘!
  8. 呼吸筋がしっかり鍛えられる
  9. 息切れが改善する
  10. ランニングパフォーマンスが向上する
  11. 回復が早まる
  12. 持久力が向上する
  13. パワーブリーズが効果なしなのは使い方に問題があるのかも

パワーブリーズは効果なしとの声も?

出典:https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51gHb56GZuL._AC_SL1001_.jpg

ダイエットやトレーニング目的でランニングといった有酸素運動を取り入れている人が大勢います。有酸素運動をすると肺活量が増えて歌を歌うときの声量が大きくなるというメリットが良く知られていますが、意外なことにボディメイクにも役立つのです。腹式呼吸をすると体幹の筋肉が鍛えられるように、肺活量が増えると体にいいことがたくさんあります。

この肺活量を増やすことに効果的なアイテムとして注目されているのが、パワーブリーズです。パワーブリーズを使って呼吸筋をトレーニングすることで、持久力や運動パフォーマンスが向上していきます。しかしこのパワーブリーズは効果なしという声もあるのが実情です。そこで今回はパワーブリーズは本当に効果なしか検証していきます。

(ランニングの効果については以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングは効果ないって本当?太るし老ける?論文を元にして理由を解説!

パワーブリーズが効果なしと言われる理由

まずはパワーブリーズが効果なしと言われる理由について解説していきます。一体どのような理由が挙げられるかを調べてみました。

・呼吸がつらい
・肺活量が上がらない
・喉が痛くなる
・お腹に負担を感じる

以上の理由によりパワーブリーズは効果なしと結論付けることが多いことが分かりました。そこでここからはそれぞれの理由を詳しく見ていきます。まずは呼吸が辛いという理由について検証していきましょう。

呼吸が辛い

パワーブリーズを使って呼吸筋トレーニングをしていても効果なしと感じる人の多くは、パワーブリーズを使っていると呼吸が辛いと感じることが大きな理由となっています。呼吸は無意識に行っているものなので、喘息や肺炎といった疾患が無い限り痛みや辛さを感じることはほぼありません。

しかしパワーブリーズを使って呼吸をするとなると意識しながら呼吸をすることになるので、自分のペースが狂ってしまい呼吸をするごとに辛さや痛みを感じてしまうのです。トレーニングですので少なからず辛さを感じることもありますが、我慢できないようなものになるとパワーブリーズを使った呼吸筋トレーニングは意味なしと感じてしまうでしょう。

(筋トレの呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレの呼吸法!息を止めるのはNG?種目別のやり方〜メリットを徹底解説!

肺活量が上がらない

肺活量が上がることは体にメリットがたくさんあることが知られています。例えばマラソンやランニングといったスポーツをする上でも肺活量が高ければ高いほど、一度の呼吸でたくさん酸素を体内に取り入れることができるので、持久力やパフォーマンスが向上していく効果があります。

また呼吸筋を鍛えて肺活量が増えると、スポーツするとき以外の日常生活で少し走ったり自転車に乗ったりするだけで息切れしていたものが、楽に呼吸ができるメリットがあるのです。しかしこういった肺活量が上がらない場合は、パワーブリーズは効果なしと感じる理由になってしまうのです。

パワーブリーズを使ってトレーニングし始めても、呼吸筋はすぐに鍛えられるものではありません。即効性を求める人にとっては効果なしと感じることが多いのでしょう。

喉が痛くなる

パワーブリーズは鼻で呼吸をする腹式呼吸ではなく、息を吸うときは口からの呼吸が推奨されています。どうしても普段の呼吸や腹式呼吸をしてしまう場合は、鼻の穴を閉めるためのアタッチメントを使用してトレーニングすることもできます。このように喉を使った呼吸が中心になるため、喉が痛くなる人も多いのです。

パワーブリーズは口に咥えて使用するトレーニング器具ですので、慣れていないうちは異物感を感じる人も多いことでしょう。その分、口に上手くフィットと余計に喉に力が入ってしまい、喉の痛みを覚えることが増えるのです。結果、喉が痛くなるだけで効果なしと感じることに繋がってしまいます。

お腹に負担を感じる

パワーブリーズは息を吐く時に負荷をかけられるようになっているトレーニングアイテムです。腹式呼吸を行う時と同じように、お腹に力を入れて息を吐くことで腹筋や体幹の筋肉といったインナーマッスルが鍛えられる効果があります。

もちろん負荷の強度は変えることができますが、普段の呼吸と違ってお腹に負担を感じるることがあるのです。パワーブリーズの多くは可変式ですので、負荷の強度は任意に変更することができます。しかし慣れていないうちはお腹の負荷に対してきついと感じてしまうことがあるでしょう。

強めの負荷でも無理にやりすぎてしまうと、お腹が辛いだけで肺活量や呼吸を鍛える目的が達成されず効果ないと判断してしまうのです。

(ランニングの呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングの呼吸法!苦しい症状が改善!疲れない呼吸のリズムを解説!

パワーブリーズが効果なしというのは嘘!

ここまでパワーブリーズは効果なしと感じる理由について解説しました。理由だけを見ていくとパワーブリーズは効果のないトレーニングアイテムのように感じる人もいることでしょう。しかしパワーブリーズはとても効果的なトレーニングアイテムだあると主張する論文があります。ここからは論文を根拠にパワーブリーズの効果を紹介していきます。

呼吸筋がしっかり鍛えられる

パワーブリーズの呼吸筋が鍛えられる効果については、『呼吸筋トレーニングのエビデンスと新展開』という論文に以下のような記述があります。

 従来の呼吸筋トレーニング機器は、内部のスプリングの長さを圧縮あるいは伸展させることにより抵抗を変化させるthreshold型であった。最近、バルブ弁口面積をテーパリング方式により変化させるtapered型の装置が開発され、臨床応用が始まっている。この装置の特徴は、初期の負荷圧は同程度にかかるが、その後弁面積がテーパリング方式により変化するために負荷圧は漸減する。Tapered型では吸気に伴い負荷圧は漸減するが、流入する気量はむしろ増加するため、仕事量としてはthreshold型に比較して大きくなるという特徴がある。さらに tapered 型では,吸気開始とともに負荷圧が漸減するために、吸気に伴う努力感は低下することから、threshold型に比較して小さい努力で大きなトレーニング効果が得られることが期待されている。
(中略)
 最近、こうしたtapered型を用いた呼吸筋トレーニングの有用性が報告された。我々も、同様のtapered型を用いて呼吸筋トレーニングの追試を行い、最大呼吸筋力(PImax)と運動耐容能(₆MWD)に有意な改善効果を確認している。さらに近年、欧米ではこのようなtapered型の呼吸筋トレーニング機器を用い、COPDおよび食道がんの集学的治療に対して呼吸筋トレーニングを行なう大規模臨床試験が開始されており、まもなくその成績が報告される予定である。

この論文では現在流通しているパワーブリーズの仕様について、呼吸筋トレーニングとしての有用性も認められることから医療現場での活用も言及されています。このようにパワーブリーズを使用するればしっかりと呼吸筋が鍛えられ、肺活量も増加するのです。

息切れが改善する

出典:http://akita-city-hospital.jp/pages/page/p501

パワーブリーズを使用すると呼吸筋が鍛えられることにより、肺活量が増加していきます。その結果日常生活においても急な運動により息切れすることも少なくなり、呼吸がしっかりと行えることで心拍数も安定するのです。

COPD患者さんの主な症状である息切れが改善しており、呼吸筋力や全身持久力を示す6分間歩行距離(6分間歩行距離;6分間の最大歩行距離。距離が長い程、全身持久力が高い。)も356mから403mに改善していました。

また、QOL(quality of life;生活の質)にも改善が認められています。息切れと歩行距離の改善によって、日常生活を快適に過ごせるようになったことが、生活の質の向上に繋がったと推察されます。

こちらは市立秋田総合病院が発表している呼吸リハビリテーションの効果に関するもので、呼吸筋が鍛えられることによって、息切れの改善と運動能力の向上について言及しています。

パワーブリーズは呼吸筋を鍛えることに特化したトレーニングアイテムですので、使用していけば自然に呼吸筋が鍛えれ息切れも改善していくでしょう。

(詳しくはこちらの論文も参考にしてみてください)

呼吸筋トレーニングは一般人の運動パフォーマンスに何か影響がありますか?

ランニングパフォーマンスが向上する

ランニングなどの有酸素運動と肺活量は大きな関わりがあります。肺活量が高い人ほど運動中に息切れすることなく高いパフォーマンスを長時間維持することが可能です。肺活量を高めるトレーニングには呼吸筋を鍛える必要があり、パワーブリーズを使用すると効果に鍛えることができるでしょう。

(トライアスリートと呼吸筋の関係については以下の論文も参考にしてみてください)

トライアスリートの練習方法によって呼吸筋パフォーマンスへの影響

回復が早まる

腹式呼吸のようにたくさん息を吸い込んで、ゆっくり吐くことによって体をリラックスさせる効果があることは良く知られています。パワーブリーズを使用して肺活量が上がるとより呼吸によるリラックス効果が高まることに加え、心拍数を安定させる効果があるのです。

これに加え体が穏やかな状態になりやすく回復力が向上していきます。疲労が溜まりやすい人もパワーブリーズによって呼吸が変わると、疲れにくい体に変化させることが可能になるでしょう。

(呼吸と回復について詳しくは以下の論文も参考にしてみてください)

激しい運動からの回復中の血中乳酸 吸気負荷の影響

持久力が向上する

呼吸筋トレーニングは、ダイバーの水泳耐久性を向上させます』という論文は水泳と呼吸の関係について書かれた論文です。結論で述べられているのは水泳のパフォーマンスには呼吸筋が大きく関わっているということです。

水泳のような高い持久力を求められる種目で良い成績を残すには、肺活量の向上が必要です。肺活量と持久力を一度に向上させる効果がパワーブリーズに認められています。持久力に自信のない人はパワーブリーズを使用すると間違いなく効果を実感できるでしょう。

パワーブリーズが効果なしなのは使い方に問題があるのかも

今回はパワーブリーズの効果について解説しました。中には効果なしと感想を漏らす人がいるかもしれませんが、パワーブリーズの効果は論文に裏打ちされているように、肺活量の増加やボディメイクにも素晴らしいメリットがあります。もしも効果ないと感じることがあれば、使い方を見直してパワーブリーズの効果を実感できるようにしましょう。