マリーシアの意味とは?
サッカーの、マリーシアという言葉を聞いたことがありますか?マリーシアとはポルトガル語で「ずるがしこさ」を意味する言葉です。人気サッカーゲームのウイイレでは「頬をキープした時ファウルをもらいやすくなる」ということなのですが、実際にはサッカーでの駆け引きのことを意味する言葉です。
マリーシアは日本のサッカーに欠如している要素ともされていますが、その一方で嫌いという声や、卑怯であるという意見もあります。しかし、マリーシアは、ブラジル人選手にとってはポジティブな要素としてとらえられているのです。意外性のあるプレーで相手の意表を突いたり、試合によってポジションを変えるなどのプレーが挙げられます。
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マリーシアと評される具体的なプレー
それでは、早速マリーシアと評される具体的なプレーについて見ていきましょう。OKとされるプレーのほかにNGとされる代表的プレーについても紹介するので、続けてチェックしてみてください。
逆方向にドリブルさせてボールをさらう
上記の動画では、ブラジル流のマリーシアでの手の使い方についていくつか紹介されています。この動画の2:40あたりからは、選手がドリブルを行っている最中にDFの肩をたたき、逆方向にドリブルさせるというプレーが紹介されているのでチェックしてみてください。
このマリーシアではまず相手DFの肩をさわることでショルダーチャージをしているかのように思わせ、左側に向かってドリブルをさせます。そのあと、後ろの逆方向に飛び出して、相手DFからボールをさらうというテクニックです。上記の動画では矢印をつけながらわかりやすく解説されているので、参考にしてみてください。
ノールックパス
ノールックパスとは、その名の通り相手を見ずにパスを送るという戦術です。1992年に就任した日本代表監督のハンス・オフト氏に代表されるように、サッカーにおいて相手をしっかりと見てパスを出すことは重要なものとして教えられてきました。
わざと首を反対にひねることでトリッキーなプレイを可能にするものなのですが、実際に試合でノールックパスを使いこなす選手は、世界的に見てもそれほど多くはありません。デル・ピエロはノールックパスならぬノールックシュートを得意としており、左45度はデル・ピエロゾーンと名付けられたほどでした。
試合の最中、力を抜くところも作る
試合中ずっと全力で走り続けるのではなく、試合の最中に適度に力を抜くのも、立派なマリーシアと言えます。かつてブラジル代表キャプテンのドゥンガ選手が、日本人にはマリーシアが足りない、と何度も言っていたことがありました。「マリーシア」がずるがしこい、という意味を持つからか、見えないところでファウルをしろ、と間違って受け取った人もいます。
しかし、もちろんドゥンガ選手がそういう意味で口にしたわけではありません。日本人は試合の90分間ずっと全力で走り続けている選手が多いので、そのまじめさを素晴らしいとしながらも、相手と駆け引きをしたり、休めるところで休むことでよりサッカーにメリハリが出て、日本のプレイ内容がよくなるだろうと指導したのでした。
シミュレーションはNG
サッカーで経験した体験や知識を基に行う戦術であるマリーシアですが、ときには卑怯な戦術がマリーシアとして勘違いされてしまうこともあります。その中の一つが、「シミュレーション」という行為です。シミュレーションとは自分で転んでいるにもかかわらず、相手チームの選手からタックルやチャージを受けたように振る舞うプレーのことです。
ブラジルサッカーではシミュレーションが得意である選手が多くテクニックの一つとして数えられてはいるのですが、やはりルール上はシミュレーションであり、マリアージュとはまた別のプレーとして考えるべきでしょう。
マリーシアを行いたいと考えている場合でも、シミュレーションは行わないように注意してください。
マリーシアの評価が高いサッカー選手
続いて、マリーシアの評価が高いとされるサッカー選手を紹介します。日本人と外国人の両方を順番に紹介していくので、チェックしてみてください。
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日本人編
まずは、日本人でマリーシアが得意な選手を見ていきましょう。マリーシアが日本のサッカーに欠如しているとは言われるものの、中にはマリーシアを得意とする選手もいます。気になる方はチェックしてみてください。
森重真人
森重真人はフィジカルが強い選手で、体の大きい外国の選手を相手にしても引けを取らないプレーが魅力です。また、ドリブルのうまさにも定評があり、攻撃センスのよさも話題に挙がります。そんな彼は、マリーシアが得意なセンターバック、という点も特徴の選手です。
センターバックに限らず日本にはマリーシアを得意とする選手は少なく、ファンの間では「卑怯だ、ズルい」と炎上してしまうことも少なくはありません。動画のようにファウルになってしまうこともあるので、クリーンな選手を好むファンからの評判は良くないこともあります。
しかし、紹介しているように卑怯なプレーとマリーシアとはまた別ものですし、大事な場面では必要になることもあります。マリーシアを行える、貴重な日本人選手と言えそうですね。
渡辺剛
FC東京の渡辺剛は、ブラジル相手の試合でマリーシアとされるプレイをを行ったことがあります。U-22日本代表とU-22ブラジル代表との対戦にて、手を抑えながら倒れ込んで抗議した瞬間がありました。
Você vê que tá complicado, quando a gente não acerta nem na hora de protestar contra o juiz…#NossaSelecao pic.twitter.com/TaWda0ZeSI
— SporTV (@SporTV) October 14, 2019
これに対し、少し大げさだとする意見や、ブラジルに対する日本のマリーシアだ、とする声などがありました。試合全体でみれば、ブラジル相手に臆することなく戦えていることもよくわかります。
外国人編
続いては、外国人でマリーシアが得意な選手について見ていきましょう。海外では、どういうマリーシアが行われているのでしょうか。
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ルイゾン
ルイゾンは2000年にプロとしてキャリアをスタートさせ、2018年に現役を引退したサッカー選手です。ルイゾンはマリーシアを得意とする選手として知られており、ワールドカップ優勝やコパ・ド・ブラジルの優勝など、さまざまなタイトルも獲得する人物です。1996、2000年には得点王になったこともあります。
試合の90分間ずっと全力で走ったりはせず、最高のタイミングでベストなポジションにいて、結果を出すことができる選手でした。相手を挑発して選手のファウルを誘うプレーをすることもあり、「マリーシアの王」と称されることもある選手です。2002年のワールドカップでも、ルイゾンは見事なマリーシアを見せました。
調子の悪いロナウドの代わりにゲームに参加し、ペナルティエリアに大げさに飛び込んで、ブラジルにPKのチャンスをもたらしました。このチャンスをブラジルが物にし、見事初戦を勝利で飾ったのです。
ダビィ
ダビィは鹿島アントラーズやギラヴァンツ北九州で活躍する選手で、ゴールの前で相手のミスを逃がさず、チャンスをしっかりとモノにする選手です。ダビィ選手はマリーシアにも長けており、下記の動画のようなプレーを行っています。
ダビィのマリーシアのどういう点がうまいのかは、上記の動画をチェックしてみてください。こちらはヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズの試合で、チームのパスに反応したダビィ選手の飛び出しが早すぎて、副審にフラッグを挙げられるというシーンがありました。
このときはダビィ選手はボールに触らなかったので、主審が笛を吹かなかったことをダビィ選手は見逃しませんでした。力ないボールを返してきたヴィッセル神戸のボールを見逃すことなく奪い、見事ゴールを決めました。このとき、相手のゴールは無人だったのです。
審判の笛のルールを見逃すことなく、その状況ごとに適したプレーを行うという、ダビィ選手のスキルの高さもうかがえるプレイ内容となっています。
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日本人はマリーシアの能力が低いので学ぶと成長できるかも
日本のサッカーはマリーシアが欠如していると言われており、それと同時に、マリーシアはブラジルサッカーの強さの一因であるとされています。マリーシアはシミュレーションなどとは違い卑怯な戦術という訳ではないので、うまく活用すればサッカーのプレイによい影響を与えることもできるでしょう。マリーシアで、日本のサッカーがより強くなる可能性もあります。