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筋トレ・運動の知識

パンプアップの意味とは?筋肥大のこと?サプリ・食事の関係、持続時間など徹底解説

2020年05月12日

筋トレ後に筋肉が太くなるパンプアップ。ここでは、パンプアップと筋肥大の違い、パンプアップさせる理由や持続時間を徹底解説していきます。また、パンプアップに効果的な食事やサプリも紹介していきます。パンプアップの方法やコツを知りたい方はこの記事を参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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パンプアップの意味とは?

パンプアップとは、筋肉に高い負荷をかけることで筋肉が太くなる状態のことです。筋肉に刺激を与え続けると、その周辺から血液と水分が流れ込んできます。その結果、一時的に筋肉が大きく膨れる、というのがパンプアップの仕組みです。筋トレ初心者はパンプアップの仕組みの理解とパンプアップする感覚を掴むところから始めるといいですね。

ダンベルで筋トレをするとき、自分の限界ギリギリの重さのダンベルを使うと「ラスト1回がどうしても持ち上げられない」という状態になることがあります。これは筋肉に乳酸が溜まり、筋肉内のエネルギーが不足した状態になっているからです。

酸素や栄養が不足し、疲れ切ってしまった筋肉に対して、体は血液やリンパ液を集中させることで回復させようと働きます。それと同時に、乳酸などの老廃物が蓄積された血液の濃度を下げるために水分を周囲から筋肉に取り込みます。筋中の溶液濃度を下げるために水分を取り込み膨れるというのがパンプアップのメカニズムです。

パンプアップと筋肥大(バルクアップ)との違い

パンプアップは高い負荷によって水分が集中して一時的に筋肉が膨らむことですが、筋肥大は筋肉の量そのものが増えることを言います。

筋肉に高負荷をかけると筋繊維が損傷し、体は損傷した筋肉を修復します。しかし、体は元通りに修復するわけではありません。次に同じことが起きたときには損傷しないよう、以前よりも筋肉を大きく、強くして修復します。そのため、筋肉の損傷と修復を繰り返すと筋肉が増大(バルクアップ)するのです。

筋トレは筋肉量を増やすことを目的にしているのに、パンプアップでの筋肉の増大は一時的なものでしかないように思えるでしょう。しかし、効率よく筋肥大するためにもパンプアップが必要です。なぜ必要なのか、パンプアップさせる理由とメリットを解説していきます。

(筋肥大については以下の記事も参考にしてみてください)

パンプアップさせる理由は?メリットを紹介

パンプアップした筋肉は「2ヶ月間筋トレをした後の筋肉」と言われ、マッチョになった自分の姿を見ることで未来の自分をイメージしてモチベーション維持しているという方もいます。しかし、パンプアップさせる理由は別にあり、筋肥大のためにもとても重要といえるでしょう。

パンプアップのメリットには毛細血管の増加や筋膜層の引き延ばし効果などがありますが、なぜパンプアップでそれらの効果が期待できるのか、なぜ筋肥大に関わるのかを徹底解説していきます。

筋肉を効率よく成長させられる 【パンプアップさせる理由・メリット】

パンプアップを起こした筋肉の毛細血管は、数を増やして次の機会に備えようとします。毛細血管が増えると筋肉に運べる血液量が増加するからです。また毛細血管は細胞に栄養素や酸素を供給するだけでなく、老廃物や二酸化炭素を回収する物流機能、筋肉の材料と筋肥大に役立つホルモンを筋繊維に届ける役割も担っています。

つまり、毛細血管が増えると血液の量が増えるので筋肉の材料が運ばれやすくなり、筋肉肥大にもつながるということです。筋肉にたくさんの血液を送るためにも毛細血管を増やす効果の高いパンプアップを活用して効率よく筋肥大を目指していきましょう。

トレーニングの効果を確認できる 【パンプアップさせる理由・メリット】

たくさんある筋トレメニューに共通していることは、正しいフォームで行うことです。鍛えたい筋肉があっても正しいフォームで筋トレしないと効果は薄くなっていまいます。筋トレがちゃんと効いていればパンプアップは起こりますし、パンプアップが起きれば正しいフォームで筋トレができている証拠になります。

女性が憧れるようなキレイな筋肉を作るために正しいフォームが重要ですが、パンプアップが起きると正しいフォームでできたことを実感できます。筋トレ後はパンプアップした筋肉を見ながら「今日も効いてる」という感覚を楽しみましょう。

筋膜層を伸ばしより大きな筋肥大が可能 【パンプアップさせる理由・メリット】

筋肥大は筋組織が損傷する以外にも筋膜層が伸びて起きることもあります。筋膜層は皮膚と筋肉の間にありますが、実はパンプアップで引き延ばすことが可能です。

パンプアップによって一時的に筋肉が膨らむと、内側から筋膜層が押されて伸びることになります。筋膜層が引き延ばされると、筋肉が成長するためのスペースが広がることになるのです。筋肉も成長できるスペースが広いほうが大きくなりやすいでしょう。

パンプアップで筋膜層を広げて筋肉の成長を促してあげましょう。それが筋肥大の効率化につながります。

パンプアップの持続時間は?

パンプアップは、筋トレ直後から10~20分程度持続します。筋肉に高い負荷が加えられ、状態回復のために集中した水分が血液とともに他の部位へと運ばれていくのに必要な時間が10~20分だからです。

パンプアップのメリットを知っていれば、膨らんだ筋肉が元に戻ってもパンプアップによる効果は残り続けていることがわかるでしょう。パンプアップのメリットである、毛細血管の増殖による血液循環量のアップや筋肥大の効率化は筋肉にとって大きな財産になります。

パンプアップの持続時間は限りがありますが、パンプアップの効果はしっかりと残ります。ここまでパンプアップさせる理由やメリットをお伝えしてきましたが、次はパンプアップの方法やコツを解説していきます。筋トレの参考にしてみてください。

パンプアップの方法&コツ|サプリ・食事など

ここからはパンプアップの方法やコツ、効果的なサプリや食事について紹介していきます。

「パンプアップがなかなか起きない」という方の場合、ちょっとした筋トレの工夫でパンプアップが起こることがあります。パンプアップの方法やコツを見ながら、筋トレの方法を見直してみるというのもいいです。パンプアップの方法の他にも、脱停滞期のヒントになる内容も解説していきます。

また、話題の一酸化窒素(NO)と血液循環量の関係についても解説していきます。普段の食事やサプリの使いどころ、摂取量なども解説するので、そちらも参考にしてみてください。

シンプルな筋トレを高回数で行う【パンプアップの方法&コツ!】

パンプアップをさせるための最重要ポイントは、正しい筋トレフォームです。筋トレをしても正しいフォームでなければ狙った筋肉への効果は低くなってしまいます。複雑な動きを要する筋トレよりもシンプルな動きの筋トレでしっかりと筋肉に負荷をかけることがコツになります。

また、回数をたくさん重ねてあげることでさらに筋肉を追い込むということもポイントです。回数を重ね、長時間筋肉に負荷をかけ続けるように意識しましょう。

上腕二頭筋の場合はアームカール(オルタネイト)がオススメです。動作が複雑すぎず、フォームも安定しやすいです。アームカールを行うときのポイントは、体を前かがみ気味にして乳首のちょっと上くらいまでダンベルを持ち上げることです。上のGIFを参照しながら正しいフォームで挑戦してみてください。

斬進性過負荷原則を意識する【パンプアップの方法&コツ!】

筋肉に与える負荷を少しずつ大きくしていく「斬進性過負荷原則」を意識して筋トレをします。負荷が大きくなると、それだけ筋肉は力を振り絞ることになるのでパンプアップしやすくなります。

また、筋トレを繰り返すうちに筋肥大のペースが落ちてくる期間があります。いわゆる「停滞期」というものです。停滞期は同じ重さでの筋トレを繰り返したことによる、重さへの慣れが原因になっていることもあります。斬進性過負荷原則にのっとった筋トレをすることで停滞期の解消もでき、パンプアップもしやすくなります。

ただ、重さを軽くして回数を増やしたほうがパンプアップしやすいという方がいるのも事実です。負荷を高くしたほうがいいのか、負荷を少なく回数を多くしたほうがいいのかは難しいところです。しかし、自分に合った方法を探しながらめげずに筋トレを行いましょう。

筋肉を休ませない【パンプアップの方法&コツ!】

パンプアップを狙うなら、筋肉を休ませる時間を短くしましょう。筋トレのインターバルを短く設定し、筋肉にどんどん負荷をかけることで筋肉は悲鳴を上げ、体は筋肉に水分を集めてくれます。

ただ、ここではひとつ注意点があります。インターバルを短くするのにも限度があるでしょう。抽象的な表現になってしまいますが、インターバルを短くしていくと「これ以上はダメ」という感覚を覚えます。

筋肉を追い込むことは大事ですが、オーバーワークは禁物です。オーバーワークには筋繊維の過剰な損傷だけでなく、関節や人体にも悪影響を及ぼすリスクがあるからです。ですから、インターバルを短くしていくときは、1分程度のインターバルから始め、50秒、40秒といったように少しずつ短くしていくようにしましょう。

水分は多めに摂取【パンプアップの方法&コツ!】

パンプアップは負荷をかけた筋肉の周囲の水分が集まって起こります。そのため筋トレ中の水分も多めに摂取します。体内の水分量が多いと筋肉に集まる水分が増えるからです。

また、唇が渇いたタイミングで水分を摂ると脱水予防にもなります。飲料の温度は5~15℃くらいだと体内の深部温度が上昇するのを防ぐことができます。ただ、スポーツドリンクは糖分が入っているため飲みすぎに注意が必要です。水や麦茶などを併せて飲むとお腹にも溜まりにくく効率よく水分を摂取できます。

ここまではパンプアップの方法やコツを紹介してきましたが、次からは一酸化窒素(NO)についての解説です。血管の拡張効果で筋トレに有効と言われるNOと体内でNOを生産する方法を解説していきます。

(筋トレと水分補給との関係については以下の記事も参考にしてみてください)

NOを使う【パンプアップに効果的な食事・サプリ】

NOとはニトログリセリンのことを言います。ニトログリセリンと言えば爆薬をイメージしがちですが、狭心症の治療にも使われる成分で、血管を拡張する作用を持っています。血管が拡張し、より多くの血液が流れるためNOが筋トレに有効と言えます。NOの原料になるのは、ホウレン草や春菊などの野菜に含まれる硝酸塩という成分です。

野菜などの植物は成長するときに窒素を硝酸塩という形で吸収するので、野菜を食べることで自然に硝酸塩を摂取することができます。だからと言って、野菜を過度に摂取する必要はありません。なぜなら、厚生労働省の調査によると、日本人の硝酸塩摂取量は全年齢層で推奨摂取量を超えているからです。

「それなら自分の体はもうNOが作れてて、血液の循環量も増えているんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、硝酸塩だけではNOは作られません。NOを体内で生産するにはアルギニンというアミノ酸が必要なのです。

アルギニンでNOを作る【パンプアップに効果的な食事・サプリ】

アルギニンは硝酸塩を酸化させてNOに変える栄養素で、鶏肉や大豆、エビ、マグロに多く含まれています。アルギニンを摂取することで酸素や栄養素の運搬がスムーズになるという報告はアメリカの国立医学図書館に寄せられた研究報告にもあります。アルギニンを摂取することで体内のNO生産が増え、血管を拡張、循環する血液量が増加したためです。

ただ、アルギニンはアルカリ性が強く、アルギニンを大量に摂取することで胸焼けや消化不良を引き起こすこともあります。そのため、アルギニンと合わせて摂取したい栄養素があり、それがシトルリンです。

シトルリンはスイカに多く含まれ、サプリとしても販売されています。しかし、シトルリンはなぜ必要なのでしょうか。アルギニンとあわせて摂取するワケや1日あたりの摂取量は次の項目で解説していきます。

シトルリンは1日2回摂取!【パンプアップに効果的な食事・サプリ】

シトルリンは体内の尿素サイクルによってアルギニンに変換される成分です。シトルリンを多く含んでいるスイカの含有量、100gあたり18mgくらいしかありません。それに対してアメリカ国立医学図書館のサイトに掲載されている研究結果によると筋トレに有効な摂取量は1,500mgととても多くなっています。

スイカでシトルリンを摂取するとしたら、1日につき830g程度のスイカが必要になります。2回に分けて摂取することで体内のアルギニンの量は十分になりますが、毎日1㎏近い量のスイカを食べるわけにはいきません。そのためシトルリンはサプリを使って効率的に摂取することをおすすめします。

また、シトルリンはアルギニンのアルカリ性を中和する役割もあるため、アルギニンとシトルリンの両方を摂取することでアルギニンによる胸焼けなどを抑えることができます。両方を摂取したときに、シトルリンはアルギニンになるまで時間を要するのでタイムリリース効果も期待できるでしょう。

(筋トレのサプリの優先順位については以下の記事も参考にしてみてください)

パンプアップの仕組みを理解して筋トレの効率UP

パンプアップによって毛細血管を増やし、筋膜層を引き延ばします。そこに加えて、NOで筋肉への血液循環量もアップさせることで筋肥大の効率アップができることがわかるでしょう。

鍛え上げられた筋肉は女性だけでなく、男性にも羨望のまなざしを向けられるほど魅力があります。ぜひ皆さんもパンプアップをうまく活用しながらトレーニングをしてみてください。

(筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)