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有酸素運動で脂肪燃焼を狙うには心拍数が肝!
ダイエットにおいては、まず脂肪燃焼することが不可欠です。脂肪燃焼するには有酸素運動が効果的といわれるのは有名ですが、どれくらいの強度で行えば良いか考えたことはありますか?
最も脂肪が燃焼しやすいファットバーンゾーンと呼ばれる強度は、「ややきつい」と感じるくらいの強度です。しかし、感覚では明確にどれくらいを目指せば良いかわかりません。そこで、心拍数を用いて目標値を設定することで、誰でも最も燃焼効果の高いファットバーンゾーンが算出できます。
それでは、有酸素運動における目標心拍数を算出する方法と、心拍数をセルフで測る方法について紹介します。
(有酸素運動の効果が出るのはいつからかについては以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動の効果が出るのはいつから?頻度・時間など成果を早めるコツ&注意点を解説!
出典:Slope[スロープ]
脂肪燃焼を狙う有酸素運動の目標心拍数
心拍数とは、心臓が1分間に血液を送り出す回数のことです。ポイントはまず、自分の安静時の心拍数を知っておくことにあります。安静時の心拍数は運動をしていない時に測ることができ、個人差はありますが、1分間に約60~100回が正常値です。
安静時の心拍数を算出できたら、目標心拍数を計算します。計算式は二通りあり、最大心拍数から算出する方法と、カルボーネン法と呼ばれる方法です。
最大心拍数
一般的な目安としてよく使われるのが、年齢ごとの最大心拍数から目標心拍数を算出する方法です。最大心拍数は「220-年齢」で求めることができます。この最大心拍数の60%が、脂肪燃焼効果の高い目標心拍数となります。例えば、20歳、30歳、40歳の目標心拍数は以下の通りです。
▼40歳の場合
(220-40)×0.6=108
最大心拍数の計算式では誰でも簡単に算出することができ、、同じ20代や30代、40代でも前半と後半で負荷をより明確に分けられます。しかし、唯一のデメリットは、個人差のある安静時の心拍数を考慮していないことです。人によって同じ年代でも脈拍の強さには差があるので、個人の目標として算出するには少し足りません。
カルボーネン法
燃焼効果の高い目標心拍数を、個人の脈拍数に応じてより明確に算出するのが、専門的な計算式であるカルボーネン法です。「220-年齢」の最大心拍数を元に以下の公式で求めることができます。
▼公式
(最大心拍数‐安静時の心拍数)×運動強度+安静時の心拍数
▼例)40歳で安静時の心拍数が70、運動強度が0.5~0.6の場合
(180-70)×0.5~0.6+70=125~136
カルボーネン法で算出する場合、脂肪燃焼効果の高い運動強度は0.5~0.6と言われます。つまり、この間の心拍数になるようなきつさで有酸素運動を行うことで、最も脂肪燃焼効果が期待できるのです。この心拍数より下すぎると強度が足りず、上がりすぎると無酸素運動となり、脂肪燃焼ができなくなってしまいます。
安静時の心拍数を70とした場合、一般的な年代別の目安として、20代は132~145、30代は128~139、40代は123~133の心拍数で運動を行うことを奨励されています。
心拍数を自分で測る方法は?
カルボーネン法の計算では、自分の安静時の脈拍を測っておくことが前提となります。また、脂肪燃焼効果を持続させるため、運動中にもファットバーンゾーンの脈拍になっていることを測っておかなければいけません。自分ではどのような方法で脈拍を測ることができるでしょうか?
手首に指を当てて測る
身体の中で最も測りやすいと言われているのが、手首の橈骨動脈と呼ばれる部分での計測です。安静時での心拍数の測り方は以下の通りです。
①楽な姿勢になり、心拍数が落ち着くまで数分待つ
②測る腕の親指の付け根にもう片方の人差し指、中指、薬指を当てる
③1分間の脈拍をカウントする(15秒間カウントし、4倍してもよい)
手首の他、首筋の頸動脈や左胸に手を当てて測ることもできます。運動時の心拍数をカウントする場合は、運動中や運動直後に同じ方法で10秒間測り、6倍することで測定することができます。
脈拍計で測る
手首に指を当てて測る方法では主観的なカウント数で測るため、誤差が出たり運動中に測ることが難しく、正確でない場合があります。そのため、より正確に測るには市販されている脈拍計を使うのがおすすめです。市販の脈拍計では、リストバンドやスマートウォッチなど、腕に巻くタイプが最も測りやすいです。
そもそも有酸素運動が脂肪燃焼に効果的な理由は?
有酸素運動には、心拍数によって脂肪燃焼効果が得られやすいファットバーンゾーンがあることがわかりました。そもそも、なぜダイエットにおいて脂肪燃焼は有酸素運動が良いのでしょうか?無酸素運動との違いは何でしょうか?無酸素運動と比較しながら、エネルギーが作り出される仕組みや脂肪燃焼が行われる仕組みを解説します。
有酸素運動と無酸素運動の違い
有酸素運動と無酸素運動の違いは、運動中に呼吸があるかというわけではありません。運動において筋肉を動かすエネルギーを作り出す時に、酸素を使うかどうかが分かれるポイントとなります。また、エネルギーの元がどこにあるかも分かれる要素となります。
無酸素運動に代表される筋トレなどでは、筋肉を動かす際に大きな力を出す瞬発力が必要です。瞬発力を出す時には糖からエネルギーが作り出され、短時間で消費されます。エネルギー源が糖であり、脂肪燃焼は行われず酸素も使われないため、無酸素運動と呼ばれているのです。
対して有酸素運動は、中~長時間で筋肉を動かしながら行い、持久力が必要な運動です。持久力に必要なエネルギーは体内に蓄積された脂肪から作り出され、この時に酸素を使うため、有酸素運動と呼ばれます。ダイエットの脂肪燃焼に有酸素運動が良いとされるのは、エネルギー源が脂肪であるためです。
(有酸素運動と無酸素運動との違いについては以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動と無酸素運動の違いは?特徴&効果〜順番・時間配分の組み合わせ方を解説
出典:Slope[スロープ]
有酸素運動で脂肪が燃焼される仕組み
有酸素運動での脂肪燃焼を効率よく行うには、無酸素運動にならないよう強度を保つことも大事ですが、長く続けることも大事です。これには、脂肪燃焼の仕組みが関わっています。
脂肪は、そのままでは燃焼することができません。まず、運動すると活性化される、リパーゼと呼ばれる酵素を使って脂肪を分解します。リパーゼによって分解された脂肪は、燃焼しやすい脂肪酸となって血中に送られ、エネルギー源となります。
運動が終わり余った脂肪酸は、再び肝臓に送られ分解前の中性脂肪へと戻ります。そのため、ダイエットでより多くの脂肪燃焼を行うためには、脂肪燃焼効率を高めながら長く続ける必要があるのです。エネルギー切れを起こしてしまわないような丁度良い強度で有酸素運動を長く続けることで、より多く脂肪燃焼ができます。
(有酸素運動でのダイエットについては以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動でダイエット!痩せる為の時間・頻度、筋トレの必要性まで解説!
出典:Slope[スロープ]
脂肪燃焼に効果的な有酸素運動は?
ダイエットで脂肪燃焼に良い有酸素運動として代表的なものは、ランニングやジョギング、水泳などです。運動が苦手な人は、ウォーキングも脂肪燃焼効果がありおすすめです。ただし、普通の早歩き程度では脂肪燃焼が見込めないため、目標心拍数を意識して歩行スピードは速めに、歩幅は大きめにしてウォーキングしましょう。
自転車も脂肪燃焼効果がある有酸素運動です。ジョギングより楽な運動であるため、脂肪燃焼効果が薄れてしまわないよう30分~1時間ほど行いましょう。距離にして5㎞~20㎞が目安となります。ギアを重くすると脂肪燃焼できない無酸素運動となるので、ギアは軽めにし、長距離をしっかり漕ぐことが理想です。ジムのサイクリングマシンを使っても良いでしょう。
これまで有酸素運動は20分以上続けないと脂肪燃焼効果がないと言われていましたが、最近の研究では運動し始めた直後でも効果があることがわかっています。1日1時間を1回行うのも30分ずつ2回にわけて行うのも同じ脂肪燃焼効果が得られるので、無理なく長く続けましょう。脂肪燃焼効果のある有酸素運動のおすすめは、以下の記事も参考にしてみてください。
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脂肪燃焼が目的の有酸素運動は目標心拍数を決めよう!
ダイエットで効率よく脂肪燃焼をしたいときは、有酸素運動が最適です。ただ有酸素運動をするのではなく、脂肪燃焼効果の高い心拍数のゾーンを把握しておく必要があります。紹介した計算式で目標心拍数を決め、無理なく続けるようにしましょう。