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コンセントリック収縮とは?筋肉痛になりづらい?トレーニングのやり方も!

2020年10月06日

コンセントリック収縮とは、筋肉収縮の種類の一つです。筋トレのメニューの中に意識して取り入れることで、疲弊して生じる筋肉痛の抑制に役立つことがあります。今回はコンセントリック収縮についての概要、その効果や代表的なトレーニング方法なども併せてご紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋肉の収縮には種類がある?

何気なく生活や動作の中で行われている筋肉の収縮は、大きく3つに分類されます。それら3つとは、コンセントリック収縮(短縮性筋収縮)、エキセントリック収縮(伸張性筋収縮)、アイソメトリック収縮(等尺性筋収縮)と呼ばれていて、力の発揮に各々特徴が見受けられます。中でもごく自然に行われている筋肉の動きがコンセントリック収縮です。

(アイソメトリックトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

コンセントリック収縮の特徴とは?

コンセントリック収縮とは、別名「短縮性筋収縮」とも呼ばれています。筋肉を縮ませているときに発揮する収縮様式で、自ら関節を曲げようと意識して起こっている状態です。

トレーニングの中では、ベンチプレスを行う際の大胸筋の動きだけを見れば、バーベルやダンベルなどを押し上げている過程で、力を出しながら胸の筋肉が短くなっているはずです。関節を曲げたときに筋肉の縮まった状態を指します。

コンセントリック収縮とは引き寄せる力

もう少しコンセントリック収縮を分かりやすい例えにすると、水を飲むときにコップを口に持っていくはずですが、まさにその動きが該当します。腕に自然と力こぶができる状態です。

力こぶそのものは上腕二頭筋で、収縮して縮んだことにより関節の動きも起こしています。コンセントリック収縮とは、遠くから近くへと関節を動かして持ち上げたり、引き寄せる力です。

コンセントリック収縮とは飛び上がる力

走り幅跳びやバレーボール、バスケットボールなどジャンプを多彩に繰り広げる競技種目は、足を蹴り上げ跳び上がるときに大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を使っています。跳び上がった状態は、力を出しながら大腿四頭筋が短くなっているので、ここではコンセントリック収縮が発揮されながら脚力が発揮されているのです。

(大腿四頭筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

コンセントリックトレーニングは筋肉痛になりにくい

コンセントリック収縮の運動は、筋肉痛になりにくい特徴があります。仮にアームカール、もしくは腕立て伏せを行っている場合、前腕を徐々に曲げていくときに上腕二頭筋がコンセントリックに収縮している状態です。 筋肉の最大の力に対し小さな動作になっているため、負荷は少なく筋肉痛が起こりにくいのです。

腕立て伏せを行えば分かるのですが、腕を曲げて伏せる動作と腕を伸ばす動作とを比べると、明らかに伸ばすときのほうが負荷が加わり辛さを感じます。一方、筋肉を収縮させている伏せた状態のほうが負荷が少なく感じるはずです。

筋肉疲労の軽減効果がメリット

コンセントリック収縮を主体としたトレーニングをすると、筋肉への極端な負荷を抑えられ、疲労回復を軽減するメリットがあります。そのため、コンセントリック収縮を中心とした筋力トレーニングのことを「ポジティブワーク」とも呼びます。ポジティブワークは取り組みやすく安全なトレーニング方法で、筋肉痛を抑制する効果が期待できておすすめです。

コンセントリックトレーニングの効果&やり方

ウエイトトレーニングのほとんどの動作では、ウエイトを元に戻そうとするときに、自ら筋力でコントロールしゆっくりと効果を確かめるような動作を行います。これはネガティブトレーニングと呼ばれる方法です。

それとは逆にコンセントリック収縮によるトレーニングでは、すみやかにウエイトを元に戻すことでネガティブワークを行わず、ポジティブワークへと移ります。ここでは、コンセントリックトレーニングについての方法をご紹介します。

肩のフロントを強化するコンセントリックトレーニング

肩周りの筋肉を最適にするための、コンセントリック収縮を意識したトレーニングです。ベンチ台を用いながら、上にあげた肩に集中しながら行います。

▼肩のフロントコンセントリックトレーニングのやり方
①ベンチ台へうつぶせに寝そべる
②ダンベルを持った腕を完全に真下へ降ろした状態にする
③腕をそのまま素早く真っすぐにあげる
④ゆっくりと腕を真下へ降ろす

▼肩のフロントコンセントリックトレーニングのコツ&注意点
・しっかりと正しいフォームを覚えて行う
・真上に上げる動作を意識し素早く
・降ろしたときは完全に負荷がゼロの状態であること

ベンチ台に寝そべって行いますが、常に真上にダンベルを引き上げる意識を忘れず、そして下げる動作は、ゆっくりとスピードをゆるめるようにします。このトレーニングを行うと、肩周辺の動きが活発化でき、瞬発力を養えるメリットもあります。

上腕筋を鍛えるコンセントレーションカール

コンセントレーションカールは、上腕二頭筋を緩めることで、上腕二頭筋の下に位置する「上腕筋」という筋肉へ効果を与える筋トレ方法です。上腕筋とは、肘を曲げるときに働いている筋肉で、鍛えることで上腕二頭筋を下から持ち上げて、効率よく力こぶが隆起するようになります。

▼コンセントレーションカールのやり方
①ベンチか椅子に座って両足を開いた状態にする
②ダンベルを持ち太ももや膝の内側へ肘を当てて固定する
③肘を曲げながらダンベルを上げる
④限界まで曲げたらゆっくりと元に戻す

▼コンセントレーションカールのコツ&注意点
・筋トレメニューの一番最初に行うほうがよい
・肘を必ず固定しながら行う
・ダンベルを上げるときは早い動作で行う

コンセントレーションカールは、筋トレメニューの後半に行ってはいけないわけではありません。ただし後半に設定すると、それまでに他のトレーニングですでに上腕が疲弊しきった状態なので、この運動を行っても実際に利いているのか効果が実感できなくなることがあります。まずは最初の軽めなメニューという意味で始めてみてください。

(コンセントレーションカールについては以下の記事も参考にしてみてください)

コンセントリック収縮とエキセントリック収縮は対照的

筋トレの効果をより引き出すために、コンセントリック収縮とエキセントリック収縮それぞれの動作を意識して繰り返し行うことがポイントです。双方は常に対照的な動きになっていると思えばよいでしょう。

基本的な筋トレとは、コンセントリック収縮を中心とした動きにするのか、それともエキセントリック収縮を中心した動きにするのかを、時折考えながら実践していくことです。

(エキセントリック収縮については以下の記事も参考にしてみてください)

コンセントリック収縮の動作は素早く

筋トレにてコンセントリック収縮を行うときは、素早い動作を心がけることがポイントです。速く動作を行うことによって筋繊維をより多く使うことができます。では、なぜ多く使うとよいのでしょうか。それは、筋肉全体を使ってフルパワーで働いていることになるからです。

素早い動作をするとパワーや筋量が向上していきます。コンセントリックトレーニングは、とにかく動作を速く行うことと覚えておくとよいでしょう。

コンセントリックトレーニングを行うときの注意点

コンセントリックトレーニングは素早さを要求する運動ですが、だからと言ってあまりむちゃなことは禁物です。無理に反動をつけてみたり、正しくないフォームで行ってしまうと意味がなく、かえって筋肉痛を助長して痛めてしまいかねません。常に正しいフォームを守り、スムーズな速さを意識しながら、筋トレの効果を向上させることが本来の目的と言えます。

エキセントリック収縮の特徴とは?

コンセントリックトレーニングは、筋肉を縮ませながら素早い動作をすることで成り立ちますが、反対の動作で成り立つのがエキセントリック収縮による動作です。では、エキセントリック収縮とはどのような状態なのか、その詳細についてご紹介します。

エキセントリック収縮は筋肉が伸びた状態

エキセントリック収縮とは、別名で「伸張性筋収縮」とも呼ばれています。簡単にいえば、コンセントリック収縮の真逆な状態を想像すると分かりやすいでしょう。

筋トレなどを行っているときに、筋肉が伸びながら力を発揮している収縮様式です。例えば、肘などの関節を曲げた後には、重力に逆らいながら元の位置に戻ろうとします。曲げた個所を再び伸ばしたり、ブレーキをかけているような動作です。

ダンベルやバーベルのワークで筋肥大化

エキセントリック収縮は、筋肉が収縮方向とは逆に伸ばされつつ力を発揮する収縮状態です。具体的種目としては、通常のゆっくりとバーベルやダンベルを下ろしている動作が該当します。筋トレを熱心に行うと、筋肉痛になることは普通のことです。その結果、筋肥大の効果をもたらします。エキセントリック収縮による負荷で、筋肉が盛んに使われているからです。

エキセントリックトレーニングは別名で「ネガティブトレーニング」「ネガティブワーク」とも呼ばれています。ゆっくりと静かな動作で、曲げた関節を元に伸ばすことが重要です。

(エキセントリック収縮については以下の記事も参考にしてみてください)

アイソメトリック収縮の特徴とは?

コンセントリックとエキセントリック以外に、アイソメトリック収縮という状態があり、最近注目されています。アイソメトリック収縮は、筋肉の長さに一切の変化がなく収縮しながら力を発揮する状態です。では具体的に、アイソメトリック収縮についてをご紹介しましょう。

メリットは事故やトラブルが少ないこと

アイソメトリック収縮は、安全なトレーニングでもあります。「等尺性筋収縮」とも呼ばれ、筋肉の長さについてとくに変化がない状態のまま力を発揮している状態です。言い換えれば、一定のポージングのまま静止しているとき、アイソメトリック収縮が起こっています。故障をするリスクが低いのが特徴です。「空気椅子」というトレーニング方法などが該当します。

アイソメトリックトレーニングの基本はプランク

アイソメトリック収縮の代表的なトレーニング種目としては「プランク」が有名です。体幹トレーニングとしても知られている、アイソメトリックトレーニングの基本的種目にもなっています。最大負荷がかかったままで筋肉の動作が止まり硬直しています。

(アイソメトリック収縮については以下の記事も参考にしてみてください)

コンセントリック収縮はスポーツ選手におすすめ!

コンセントリック収縮の運動によって、蓄積した筋肉疲労を考慮しながら無理なくトレーニングが続けられます。エキセントリック収縮で筋肉痛を長引かせているときは、無理をせずコンセントリックトレーニングに重点を置くとよいでしょう。スポーツ選手や専門競技のアスリートにとっては、体のケアにも重要な役目を果たすのでおすすめです。