アイソトニック・アイソメトリックトレーニングとは?利点・欠点の違いを解説!

この記事ではトレーニングの種類としてよく耳にする「アイソトニックトレーニング」「アイソメトリックトレーニング」について、具体例を挙げながら解説します。それぞれの利点・欠点や使い分けなどの理解を深めて、より効果的にトレーニングを行いましょう。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. アイソトニック・アイソメトリックってなに?
  2. アイソトニックトレーニングの特徴
  3. アイソトニックトレーニングの種目
  4. アイソトニックトレーニングのメリット・デメリット
  5. アイソトニックトレーニングのメリット
  6. アイソトニックトレーニングのデメリット
  7. アイソメトリックトレーニングの特徴
  8. アイソメトリックトレーニングの種目
  9. アイソメトリックトレーニングのメリット・デメリット
  10. アイソメトリックトレーニングのメリット
  11. アイソメトリックトレーニングのデメリット
  12. アイソトニック・アイソメトリックトレーニングの使い分け
  13. アイソトニック・アイソメトリックトレーニングを理解しよう

アイソトニック・アイソメトリックってなに?

筋トレをしていると「アイソトニック」「アイソメトリック」といった言葉を耳にする機会がありますよね。しかし、それぞれの意味を理解しないまま何となくトレーニングを続けている方も多いのではないでしょうか?

これらはトレーニングの種類の名称で、関節の動きと筋肉の収縮運動にフォーカスを当てたものです。また、アイソトニックトレーニングとアイソメトリックトレーニングのそれぞれの特徴や利点・欠点を知り、上手く使い分けることで筋トレがより効果的なものになります。まずは、アイソトニックトレーニングについての理解を深めていきましょう。

アイソトニックトレーニングの特徴

アイソトニックトレーニングは一定した抵抗がかかっている状態で筋肉が伸縮して動く、つまり関節の動きを伴ったトレーニングのことです。「等張性収縮運動」とも呼ばれ、一般的な自重種目や器具を使用する種目の反復運動がこれにあたります。

では、ダンベルの上げ下げの運動を具体例として、アイソトニックトレーニングの動きについて考えてみましょう。ダンベルを上げ下げする際には、肘を屈曲・伸展させます。このときに動かす上腕二頭筋をはじめとする筋肉への抵抗はダンベルの重さです。ダンベルの重さは動作の間は変わらないため、抵抗は一定の状態になります。

つまり、ダンベルの重さという一定の抵抗がかかった状態で上腕二頭筋などの筋肉が伸縮運動を行っているため、ダンベルを上げ下げする筋トレはアイソトニックトレーニングに当てはまるということです。

アイソトニックトレーニングの種目

アイソトニックトレーニングの種目としては先ほど取り上げたダンベル運動やベンチプレスなど器具を使うものをはじめ、自重種目ではスクワットや腕立て伏せが挙げられます。また、日常生活のなかでの「椅子に立つ・座る」「かかとの上げ下げ」といった動きも、体重という一定した抵抗がかかったアイソトニックトレーニングの一種です。

では、アイソトニックトレーニングの特徴や動きを押さえたうえで、このトレーニングにおけるメリット・デメリットについての理解を深めていきましょう。

(ダンベル運動については以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベル筋トレメニュー!自宅で初心者も簡単!上〜下半身の各部位を網羅!

アイソトニックトレーニングのメリット・デメリット

豊富な種目があるアイソトニックトレーニングですが、このトレーニングにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?ここでは、アイソトニックトレーニングのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。筋トレにアイソトニックの動きを効果的に取り入れるために、ぜひメリット・デメリットについても押さえておきましょう。

アイソトニックトレーニングのメリット

アイソトニックトレーニングのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・伸縮の連続という動的なトレーニングを楽しめる
・速度など動作のコントロールが自由にできる
・エネルギー消費が多く筋肥大や持久力アップが期待できる
・筋肉のポンプ作用などにより血流の阻害が少ない
・回数や重量を設定して行うため達成感が大きい
・負荷になる器具がなくても自重での代用トレーニングが可能

アイソトニックトレーニングはこのあと解説するアイソメトリックトレーニングに比べて自由度が高く、筋トレそのものを楽しむことができるのが大きな強みだと言えます。また、目標の回数や重量をクリアすることで大きな達成感が得られ、スキルアップへのモチベーションが高められるのも魅力のひとつです。

アイソトニックトレーニングのデメリット

アイソトニックトレーニングのデメリットには、以下のようなことがあります。

・重大な事故につながる危険性のある種目が多い
・疲労が溜まりやすいため効率があまり良くない
・効果を得るための動作が複雑な種目がある
・マシンなどの器具の入手・設置が困難
・動作の速度を変えると負荷が変動しやすい
・動作の角度を変えると抵抗の向きがぶれやすい
・筋肉に最大負荷をかけることができない

アイソトニックトレーニングは自由度が高い分、それに伴うデメリットがいくつかあります。事故や怪我を引き起こさないように、扱う重量やトレーニング回数の設定は慎重に行わなければなりません。また、抵抗の向きや負荷が変動しやすいというデメリットもあるため、正確なフォームでの動作を行うことが非常に重要です。

(筋トレによるデメリットについては以下の記事も参考にしてみてください)

【危険】筋トレにはデメリットも多数!よくある噂の真偽〜身体・精神・金銭面別の悪影響も

アイソメトリックトレーニングの特徴

続いて、アイソメトリックトレーニングについて解説していきます。アイソメトリックトレーニングは一定の抵抗が常にかかっている状態下で筋肉が伸縮しない、つまり関節の動きを伴わないトレーニングのことです。「等尺性収縮運動」とも言い、一定時間(約7~15秒)で動作を全力で継続するトレーニングを複数回繰り返すものがこれにあたります。

では、重量のあるバーを持ち上げた状態を保つ運動を具体例として、アイソメトリックトレーニングの動きについて考えてみましょう。バーを持ち上げる際、強い力を入れて上げようとすると上腕二頭筋などの腕の筋肉に抵抗がかかってきます。そして、バーを上げきった状態を保っているときは上げる力と抵抗とが釣り合っている状態です。

つまり、バーを上げる力と釣り合った抵抗は一定であるということになります。また、バーを上げきった状態では筋肉は収縮していますが、腕は伸ばしたままなので関節は動いていません。そのため、バーを持ち上げた姿勢を保つ運動は、抵抗が一定で関節の動きを伴わないアイソメトリックトレーニングに当てはまると言えます。

アイソメトリックトレーニングの種目

アイソメトリックトレーニングの種目としては、先ほど取り上げた「重いものを持ちあげたまま姿勢を保つ」「プランクのように腕立て伏せの姿勢をキープする」といったトレーニングを挙げることができます。また「手のひらを合わせて押し合う」「固定された壁を押し続ける」という運動も、アイソメトリックトレーニングの代表的なメニューです。

では、アイソメトリックトレーニングの特徴や動きを押さえたうえで、このトレーニングのメリット・デメリットについても知っておきましょう。

(プランクについては以下の記事も参考にしてみてください)

プランクの種類20選!短期間で効果が出るやり方のコツも!初心者〜上級者向けまで多数紹介

アイソメトリックトレーニングのメリット・デメリット

ここからは、アイソメトリックトレーニングのメリット・デメリットについて解説していきます。関節の動きがないアイソメトリックトレーニングには、どういったメリットやデメリットがあるのでしょうか?

アイソメトリックトレーニングのメリット

アイソメトリックトレーニングのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・負荷の限度を調整できるため安全性が高い
・場所を選ばずトレーニングができる
・時間や器具がなくてもトレーニングができる
・疲労が溜まりづらく高頻度で行える
・筋肉の増強効果が期待できる
・筋肉に最大負荷をかけることができる

アイソメトリックトレーニングは筋肉が収縮・伸展したままの状態で持続的な動作を行うため、無理をしなければ事故や怪我のリスクは非常に低いと言えます。また、場所を選ばず器具がなくても簡単にトレーニングを行うことができるのも大きな強みです。

アイソメトリックトレーニングのデメリット

アイソメトリックトレーニングのデメリットには、以下のようなことがあります。

・単調な運動が多い
・持久力向上には期待できない
・力む時間が持続するため、血管に負担がかかる
・筋肉のポンプ作用が働きづらく血流が阻害されやすい
・さまざまな関節角度でトレーニングしなければならない

アイソメトリックトレーニングにおいては、関節の動きがないという大きな特徴がこれらのデメリットに直結しています。そもそも筋力は関節の動作のためにあるものなので「アイソメトリックトレーニング自体が筋トレに効果的ではない」という声もあります。では、アイソトニック・アイソメトリックトレーニングをどう使い分けていけば良いのでしょうか?

アイソトニック・アイソメトリックトレーニングの使い分け

ここまでアイソトニック・アイソメトリックトレーニングのそれぞれの特徴、メリットやデメリットについて解説してきました。ただ、そのなかで「これらをどう使い分ければ良いの?」と気になった方もいるでしょう。そこで、ここでは各トレーニングの使い分けについて、どういった目的で使うのに適しているかということに焦点を当てて解説します。

まず、アイソトニックトレーニングは関節を動かして行うため「動作のなかで力を活かす」ということを目的とした筋トレに適しています。筋力向上をはじめ、持久力やスピード、バランスといったピンポイントな鍛え方をしたい場合はもちろん、総合的なトレーニングに取り入れるのもおすすめです。

それに対して、関節を動かさないアイソメトリックトレーニングは「関節のリハビリ」「中高年の筋力回復」といった目的で使うのに適しています。関節には負担をかけず筋肉に刺激を与えられるため、筋肉の衰えを防ぐことが可能です。また、通常の筋トレにおいては「基礎的な筋力づくり」「体幹の強度アップ」などの目的で使用すると良いでしょう。

(体幹トレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

【体幹トレーニング】自宅で簡単自重トレ25選!効果&やり方のコツ〜器具のおすすめまで解説

アイソトニック・アイソメトリックトレーニングを理解しよう

アイソトニックトレーニングとアイソメトリックトレーニングのそれぞれの特徴や利点・欠点を理解し、適切に使い分けることで筋トレはより効果的なものになっていきます。アイソトニック・アイソメトリックトレーニングへの理解を深め、自分がどう鍛えたいかを考えながら上手に筋トレメニューに取り入れてみてくださいね。