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ランニングによる股関節の痛みを解消!症状別の原因〜すぐ効く対策まで解説!

2020年10月23日

ランニング時に股関節や脚の付け根に痛みが出る場合があります。この股関節の痛みの症状別に考えられる原因やすぐ効く対策を紹介します。マッサージやランニング後のストレッチをはじめテーピング方法を確認。どうしても治らない場合の対処法もチェックしましょう。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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ランニングすると股関節の痛みが出る…。

ランニングをすると股関節に違和感がある、どうも股関節に痛みがあるという方がいます。いったいどのようなことが原因でこの股関節の痛みが生じているのでしょうか?痛みの解消方法やストレッチ、マッサージ、テーピング方法までチェックします。

まずはランニングをしたときに出る股関節の痛みの原因を探っていきましょう。

ランニングで股関節の痛みが出る症状別の原因

ランニングやマラソンで股関節や骨盤まわりの痛みが出ことがあります。しかし股関節の痛みとひとことで言ってもそれには症状がいくつかあります。この症状別に痛みの原因を見ていきましょう。

股関節を曲げると痛い場合の原因

股関節を曲げた時にいたいというのはグリーインペインという痛みです。ランニングをしているときや脚をけり出すような動作をした時に鼠径部や脚の付け根に痛みが出ます。原因は股関節の内側の筋肉が硬いケースか外側の筋力が低下しているケースが挙げられます。フォームの崩れが原因になることもあります。

片方の股関節だけが痛い場合

片方の股関節だけが痛いという場合は、走り方やフォームのバランスが崩れていることが原因です。正しいフォームでランニングをしているつもりでも実際はどちらかに傾くなどの癖が出てしまうことがほとんど。この場合、足が着地したときの衝撃をしっかりと吸収できません。その吸収できない衝撃が股関節を直撃してしまい痛みが出ると考えられています。

股関節のどこか一か所だけ痛い場合

股関節の前側だけ痛いという声があります。同時に後ろ側だけ、内側だけという声もありました。股関節全体ではなくてどこか一部分が痛い場合、フォームの癖から筋肉に無理な負荷がかかり炎症を起こしている可能性が高いです。

例えば股関節の前側だけが痛い場合、大腿四頭筋屋足の付け根部分など骨盤周辺の筋肉が炎症を起こしている可能性があります。内側の場合は内転筋や骨盤まわりの筋肉の炎症、後ろ側の場合はお尻の筋肉や骨盤の筋肉の炎症が原因になっています。

ランニングによる股関節の痛みの解消法

ランニングやマラソンにより股関節に痛みが出た場合、いくつかの解消法があります。長期的な目で見て効果のある物から、なるべく即効性をもとめるものまで。どんな解消法があるのか順に見ていきましょう。

筋トレをする

ランニング時の股関節の痛み原因は股関節の内側の筋や外側の筋力が低いことにあります。ということでこれらの筋肉を鍛えてあげれば解消します。内側と外側の筋肉を鍛えることで関節をしっかりと保護し、痛みが及ばないようにするという方法です。

ストレッチをする

ランニングで痛みが出た部分の筋肉をストレッチでしっかりと伸ばす方法です。筋肉に程よい負荷をかけて血流を増し、筋肉の再生を促す効果もあります。また筋肉がほぐされることで単純に気持ちよくランニングを終えられるので人気のある対処法です。太ももの内側・外側のストレッチの他に骨盤のストレッチも効果が期待できます。

マッサージをする

プロの手を借りてマッサージや整体に行くのも良いでしょう。自己流ではないきちんとした施術が期待できます。もちろん、自分でマッサージを行うことも可能です。マッサージをすることでストレッチと同じく筋肉がほぐれ、血流が増すので痛みからの回復が早くなります。

湿布を貼る

筋肉の痛みには湿布が有効です。すぐに痛みを取りたい場合やランニングが終わった後に痛み出した場合は湿布も視野に入れましょう。ランニングで股関節に痛みが出ている場合は消炎鎮痛成分が配合してあるものがおすすめです。ただ、一時的に痛みを取るものと割り切って使用するようにしましょう。

またランニング中やまだこれから走るという場合に湿布を貼るのはおすすめしません。痛みに気が付きにくくなってしまい、無理を重ねてしまう可能性が高いためです。また予防的に貼るのもNG。副作用のリスクが上がるだけでなく汗や日光からの影響も受けやすくなるからです。

テーピングをする

テーピングをするのもおすすめな方法です。テーピングは股関節の動きを補助してくれる役割があるため痛みを軽減し、可動域を制限するために痛みが出なくなる効果が期待できます。ランニング中にも対処できる方法です。

ランニングによる股関節の痛みに対するストレッチ

では、ランニングによって股関節や脚の付け根の痛みが出てしまった場合、どのようにストレッチすればいいのかをチェックしましょう。わかりやすいように動画引用して解説していきます。

股関節の前側が痛い場合のストレッチ

股関節の前側が痛くなってしまうという場合のストレッチのやり方です。簡単ですがプロの方の解説でしっかりと理解できるのでチェックしてみましょう。

▼股関節の前側が痛くなる場合のストレッチのやり方
①つま先を外向けで脚を開く
②しこを踏む×10回を2セット
③腿上げを左右20回ずつ行う
④スクワット10回×2セット
⑤足を開き手を膝に置いて体を捻り30秒×左右
⑥伸脚30秒×左右
⑦片足首を後ろででつかみキープ30秒×左右

ヨガマットを敷いたり、腿上げの時は椅子につかまるなど安全に配慮して行いましょう。キープ時間などは目安なので痛みの出ない範囲で行います。

▼股関節の前側が痛くなる場合のストレッチの注意点
・スクワットをするときはひざが出ないようにする

股関節や内転筋などのストレッチを総合的にできるので、おすすめです。ランニング後に一連の流れを行っておくと痛みの予防にもつながるのでトライしてみましょう。

短時間でストレッチ

短時間でストレッチを行いたい場合は痛みをなるべく早く取りたいという場合におすすめのストレッチはこちらです。股関節を一気にほぐすことで痛みを早く軽減できます。

▼短時間で行う場合のストレッチのやり方
①つま先同士を近づけて両ひざを外に向ける
②お尻をかかとに近づけるように下げ5秒キープ
③そのまま脱力する
④これを1分間繰り返す

一分間で行えるストレッチですが、一分間で何回できるか競うストレッチではありません。ゆっくりと確実に動いて筋肉の動きを感じられるスピードで行いましょう。

▼短時間で行う場合のストレッチの注意点
・気持ちいいと感じる強さで行う
・太ももがハの字になるようにする

簡単で動きも単純ですが太ももがしっかりと伸びるので痛みが軽減しやすくなります。同時に股関節を鍛えることもできるので、続けるうちに痛みが出にくくなってきます。ぜひ継続してやってみましょう。

股関節を正しく使う為のストレッチ

ランニング中に股関節が痛くなってしまう場合やマラソンなど長距離を走れなくなるほど痛くなってしまうという場合にはこちらのストレッチを試してみましょう。ランニング専門トレーナの方が解説している動画で参考になります。

▼股関節を正しく使う為のストレッチのやり方
①壁に手をつき右足を大きく上げ、左後ろに蹴る
②反対側も行う

股関節をきちんと正しく使うためにストレッチをしておけば股関節に余計な負荷がかかりません。そうなれば筋肉に炎症が起こったり、痛みが出てしまうことを避けることができます。同時に持久力やスピード力、筋力もつくのでおすすめです。股関節周りの内側・外側の筋肉をしっかりとほぐすことができます。

▼股関節を正しく使う為のストレッチの注意点
・気持ちいいと感じる強さで行う
・股関節を意識して行う

漫然とけり出す動作をするのではなく、しっかりと股関節を意識して行うことが大事です。また、転倒などの危険に備えて両手をしっかりと壁に添えて行うようにしましょう。

(股関節の動作を鍛える筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングによる股関節の痛みに対する筋膜マッサージ

ランニングやマラソンで股関節が痛いという場合は股関節そのものに炎症が起こっている状態ですが、実は筋膜という全身を包んでいる膜が原因だとする説も。この全身を包む筋膜をしっかりとマッサージしてほぐすことができれば股関節の痛みも軽減するといわれています。

では股関節の痛みに効果がある筋膜マッサージについても動画引用して解説していきます。

臀部や股関節に効く筋膜マッサージ

股関節や臀部の筋肉をしっかりとほぐすマッサージ方法をチェックしましょう。こちらは専門のトレーナーが行う動画です。用意するものはローラーです。

▼臀部や股関節に効く筋膜マッサージのやり方
①痛みがある部分をローラーに乗せる
②筋肉全体にアプローチする
③片足を組んだりして行っても良い

主に臀部をマッサージしているのですが、足を組むことで股関節にもアプローチが可能になっています。自分でマッサージができない部位の場合はこちらのようにローラーを使ってマッサージしていくのがおすすめです。

▼臀部や股関節に効く筋膜マッサージの注意点
・床にしっかりと手をついて転倒に気を付ける
・ヨガマットなどを敷いて衝撃を吸収する

腰回りの筋膜をほぐすことで股関節の痛みも軽減しやすくなります。筋膜は全身で繋がっている全身タイツのようなものなので、少し離れた場所のマッサージでも効果があります。

股関節を柔らかくする筋膜リリース

▼股関節を柔らかくする筋膜リリースのやり方
①テニスボールを用意する
②片膝を伸ばして膝裏にボールを置く
③反対の足は曲げて後ろにおく
④お尻の骨を後ろに押し出すように動く
⑤お尻の骨の前にボールが来ている状態にする
⑥小刻みにマッサージする
⑦左右行う

簡単な動きですが自分で痛い部分に当てながらマッサージを行えるので効果が絶大です。難しくないので、試してみましょう。

▼股関節を柔らかくする筋膜リリースの注意点
・ボールの当たる位置を細かく調節して幅広くほぐす
・床にマットを敷いて安全に配慮する

お尻の骨を後ろに動かす、胸を前に出すように行うといいでしょう。ボールだと小さくて痛いという場合はローラーを使用するのもおすすめです。

内転筋腹膜リリース

自宅でも簡単にできる筋膜のマッサージですが、内転筋に特化したマッサージ方法もチェックしましょう。股関節を柔らかくする効果があるので股関節の痛みの軽減はもとより、痛みが出にくくなるのがポイントです。

▼内転筋腹膜リリースのやり方
①恥骨筋を上から下側に向かってマッサージ
②左右とも同じように行う
③片足を伸ばして横向きに寝転がる
④反対の足のかかとで太ももを圧迫する
⑤反対側も同じように行う


▼内転筋腹膜リリースの注意点
・マッサージは痛気持ちいいくらいの強度で行う

座った状態でも行えるので、転倒の危険などが少ないマッサージ方法です。足腰に不安がある方にもおすすめです。

ランニングによる股関節の痛みに対するテーピング

ストレッチやマッサージは継続して行うことでさらに効果が増すことが分かりました。ではランニング中に痛みが出てしまった場合はどうでしょう?戸外なら当然、マッサージやストレッチがしにくい状況もあり得ます。そんな場合、有効なのはテーピングです。股関節の痛みに対処できるテーピングのやり方も動画でチェックしていきましょう。

▼股関節が痛いときのテーピングのやり方
①5cm幅のものを25㎝の長さで2本用意する
②貼る方の足の筋肉を伸ばす
③おへそから股関節の前を通り脚の付け根まで貼る
④外側から股関節の付け根で交差するように貼る

しっかりとテーピングにテンションがかかるように行いましょう。筋肉を伸ばして春にはベッドなどある程度高い位置から貼る方の足を地面に下げるとやりやすいです。しっかりと貼れている場合、足をまっすぐにしたときにテーピングもまっすぐになります。

▼股関節が痛いときのテーピングの注意点
・しっかりとテンションをかけて貼るようにする

戸外だと適当な場所がなかなか見つからないかもしれませんが、ベンチなどを利用すると比較的簡単にできます。マラソンなど長距離を走るなら最初からテーピングを施しておくのも良いでしょう。

ランニングによる股関節の痛みが治らない場合は?

股関節が痛いという状態でも走り続けているうちに筋力がついて痛くなくなるのでは?と対処をせずにランニングを続けてしまう場合もあります。しかし股関節などに痛みが出ているということは、普通とは違う筋肉の使い方をしているため炎症が起きているということです。炎症が起きたまま放置しても治らないどころか故障につながります。

マッサージやテーピング、ストレッチなどを行っても長期間改善しないようなら病院に行ってしっかりと状態を確認してもらうのがおすすめです。早めに対処したほうが体へのダメージも少なく、短時間で回復できます。

ランニングによる股関節の痛みは早めに対処しよう

ランニングをしていて股関節の痛みが出るのはよくあることと、対処を送らせてしまいがちです。しかし痛いというのは身体からの警告。早めに対処すべきことです。走行フォームを見直すとともにマッサージやストレッチ、テーピングなどで痛みに対処していきましょう。病院で湿布をもらうことや整体マッサージなどプロの診察も視野に入れてください。