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囚人筋トレ『プリズナートレーニング』が話題!メリット〜やり方まで解説!

2020年11月23日

アメリカで話題の囚人筋トレ『プリズナートレーニング』が、今日本でも注目されています。この記事では、囚人筋トレのメリットややり方について解説していきます。実際に行った人のビフォーアフターや、詳しく解説された書籍も紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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囚人筋トレ『プリズナートレーニング』とは?

プリズナートレーニング(通称囚人筋トレ)とは、ヘロイン密売の罪で約20年間も服役していた元囚人ポール・ウェイドが服役中に考案したトレーニング方法です。このトレーニング方法により、マシンや器具といった設備がなく限られたスペースしかない環境でも、自重を利用したトレーニングで鍛えられた鋼の肉体を手に入れることが可能になります。

ポール・ウェイドは釈放された後、このトレーニング方法を書き記した『Convict Conditioning』という本を発売し全米でベストセラーとなりました。この本は翻訳されて日本でも販売されており話題となっています。記事の最後には書籍を紹介していますので、ぜひチェックしてくださいね。

囚人筋トレ『プリズナートレーニング』のメリット

プリズナートレーニングを行うメリットは、大きく三つあります。一つ目は、とにかく手軽に始められるという点です。自宅や公園で行えるトレーニングなので、ジムに通ったりグッズを購入したりといった手間やお金がかかりません。

二つ目は、初心者でも始めやすいという点です。囚人筋トレという名称から一見かなりストイックな印象を持つ方もいるかもしれませんが、プリズナートレーニングの本は初心者でも実施できる筋トレから解説されいます。初心者向けから上級者向けまで各トレーニングが10ステップに分かれて記載されているので、実力に合わせた筋トレが見つかるでしょう。

三つ目は、プリズナートレーニングで鍛えられる筋肉は無駄がないという点です。ひとつの筋肉だけでなく、体の動作に連動して動く複数の筋肉や腱、関節を意識してトレーニングする方法なので、見栄えだけでなく「跳ぶ」「走る」「よじ登る」といった実際の動作に活かせるのも特徴です。

囚人筋トレ『プリズナートレーニング』は非効率という声も?

手軽さや斬新さから話題となっている囚人筋トレですが、一方で「効率が悪いのでは?」と疑問視する声もあります。なぜ囚人筋トレが非効率と言われているのでしょうか?

囚人筋トレは主に自重で行うトレーニングです。反対に、ウェイトトレーニングはマシンやダンベルなどの器具を使い、自重では与えられない負荷設定ができるトレーニングです。ウェイトトレーニングは高重量を低回数こなすことで短期間でも効果が表れるので、結果が見た目に表れる時間を比較すると、囚人筋トレは一見非効率に見えるかもしれません。

しかし、囚人筋トレは「体を自分の思い通りに動かせるようになる」という目的で行います。時間がかかるのは非効率だからではなく、筋肉以外の腱や関節の柔軟性も無理なく鍛えるため、ゆっくりとステップアップしていく必要があるからだと言えるでしょう。

囚人筋トレBIG6のメニュー&やり方

囚人筋トレは、BIG6と呼ばれる6つのメニューから成り立っています。これらをまんべんなく行うことで全身効率よく鍛えることが可能になります。ここからは、各トレーニングのやり方について解説していきます。

プッシュアップ(腕立て伏せ)

腕立て伏せは、腕だけでなく肩回りや胸など上半身をメインに鍛えられる筋トレです。また、実力や鍛えたい部位に合わせて膝つき腕立て伏せやワイドプッシュアップなど、さまざまな種類があるのも特徴です。ここでは、基本の腕立て伏せのやり方について紹介します。

▼腕立て伏せのやり方
①床にうつぶせになる
②手を地面につき上半身を持ち上げる
③肘を曲げ、上半身を下げる
④手で地面を押すようにして上半身を元に戻す

囚人筋トレは各トレーニングが負荷の大きさごとに10ステップにわかれており、こちらのトレーニングはステップ5に該当します。この腕立て伏せが20回2セット完走できれば、次のステップである「クローズドップッシュアップ」に進めることができます。

▼腕立て伏せのコツ&注意点
・足首から首まで体が一直線になるように注意する
・重心は手首の根本に集中するよう意識する

腕立て伏せは自重トレーニングの中でも負荷の大きいトレーニングですが、ステップ1の「ウォールプッシュアップ」は誰にでもできるトレーニングです。少しずつステップアップをして、最終的に片腕立て伏せが100回こなせるようになるのが目標です。

(腕立て伏せのやり方については以下の記事も参考にしてください)

スクワット

筋トレの王様とも言われているスクワットも、囚人筋トレのBIG6のメニューに組みこまれています。バーベルを担ぐスクワットも筋トレとして人気がありますが、自重トレーニングでも十分筋トレ効果が期待できます。

▼スクワットのやり方

①足を肩幅に広げてまっすぐ立つ
②お尻を突き出してしゃがむ
③ゆっくりと元に戻る

スクワットはお尻を落とす深さによって種類が変わります。膝を90度まで曲げるハーフスクワットは、囚人筋トレではステップ4に該当します。50回を2セット行うのが目標となります。難なくこなせるようになったら、フルスクワット30回を2セット行うステップ5に挑戦してみましょう。

▼スクワットのコツ&注意点
・膝からではなく、股関節から曲げるよう意識する
・腰から背中は一直線になるよう注意する
・膝がつま先より前に出ないようにする

囚人筋トレは自重とはいえ負荷の大きいトレーニングです。すべてのトレーニングに言えることですが、行うことで筋肉痛を引き起こすこともあります。筋肉痛が起こっている間は、トレーニングを休むか他の部位を鍛えるようにしましょう。囚人筋トレの頻度は、1部位を1週間に1回こなせば十分です。

(スクワットについては以下の記事も参考にしてください)

プルアップ(懸垂)

プルアップは、背中全体(広背筋)と首の付け根(僧帽筋の下部)を鍛えられるトレーニングです。器具が必要な為、他のトレーニングと比べてややハードルが高く感じるかもしれません。しかし、初心者向けの「直立プル」は、器具をドアフレームなどで代用でき、手軽に広背筋を鍛えることができます。

▼プルアップ(直立プル)のやり方
①つま先を少し広げた状態で、ドアフレームの前に立つ
②両手でドアフレームをつかみ、徐々に体重を背中に預ける
③ゆっくりと元に戻る

直立プルは、囚人筋トレではステップ1に該当します。30回3セットが難なくこなせるようになったら、引く力で仰向けの状態から上半身を引き起こす斜め懸垂にステップアップします。斜め懸垂は30回3セットをこなすのが目標となります。

▼プルアップのコツ&注意点
・腕の力だけで体を動かさず、背中の筋肉を意識する
・首を反らさない

腕や肩の筋肉がついてきたら、懸垂マシンや公園の鉄棒を使って本格的な懸垂にチャレンジしてみましょう。

(プルアップ(懸垂)については以下の記事も参考にしてください)

レッグレイズ(脚上げ)

レッグレイズは、主に腹筋が鍛えられる筋トレです。腹直筋や腹斜筋を鍛えることで割れた腹筋とくびれたウエストが手に入る他、下腹部にある腸腰筋も鍛えられます。腸腰筋は足の上げ下げといった動作に連動する部分なので、見た目とパフォーマンス向上の両方が叶えられる筋トレと言えるでしょう。

▼レッグレイズのやり方
①仰向けに寝転び、手の平を床につける
②脚をまっすぐに保ったまま、床から垂直に上げる
③脚を下げる

こちらは囚人筋トレでいうステップ4に該当します。回数は、25回を3セット行うのが目標です。他のトレーニングよりステップアップしやすいと言えるでしょう。最終的には「ハンギングレッグレイズ」を30回2セットこなすのが目標となります。

▼レッグレイズのコツ&注意点
・脚を上げる時は、太ももではなく下腹部に力を入れる
・脚を上げる時に息を吐き、下げる時に息を吸う

レッグレイズにもさまざまな種類があり、ここでやり方を紹介している基本のレッグレイズの他にも初心者でも簡単に行えるニーレイズや、上級者向けの椅子やベンチを使用したレッグレイズもあります。筋力の成長が実感できたら、より負荷の大きいトレーニングに変更しましょう。

(レッグレイズについては以下の記事も参考にしてください)

ブリッジ

ブリッジは、筋トレだけでなくストレッチ効果もあるトレーニングです。筋肉は、ふくらはぎから背中にかけての広い範囲や腹筋にアプローチできる他、脊柱起立筋など体幹も鍛えられます。

▼ブリッジのやり方
①仰向けに寝転ぶ
②肘を曲げて顔の横に手をつく
③体を持ち上げる
④10秒ほどキープし、元に戻る

このフォームは囚人筋トレでいうステップ6に該当します。レッグレイズと同じく初心者の方でもステップアップしやすい種目ですね。回数は15回2セットが目標です。これより先のステップは直立の状態からブリッジの体勢になるので、さらに体幹を鍛える必要があります。

▼ブリッジのコツ&注意点
・手の平全体を床につける
・足の裏全体を床につける

囚人筋トレでは最終的に、直立の状態から背中を反らしてブリッジができるようになることをゴールとしています。単純な筋肉量だけでなく、柔軟性や体幹が求められるのが他のトレーニングと違う特徴です。

(ブリッジについては以下の記事も参考にしてください)

ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)

腕立て伏せはBIG6の他のトレーニングに比べ、圧倒的に難易度が高いものです。その分できるようになった時の達成感はひとしおでしょう。囚人筋トレでは、実力によって10個のステップに分かれていますが、ステップ4にあたるスタンダードなハンドスタンド・プッシュアップについて紹介します。

▼ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)のやり方
①逆立ちをして体を一直線に整える
②肘をゆっくり曲げ、体を下げる
③地面を押し上げるように肘を伸ばす

こちらはステップ4から5に該当するフォームで、腕を曲げる角度によってステップが変わります。腕を90度まで曲げるステップ4だと20回2セット、より深く頭を下げるステップ5だと、15回2セット行うのが目標となります。

▼ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)のコツ&注意点
・長時間倒立状態をとらない
・指で地面を掴むように力を入れる

他のトレーニングに比べ、圧倒的に難易度が高い種目ですが、懸垂やブリッジなど、上半身を鍛える他のトレーニングをしっかりとこなすことで逆立ちはできるようになります。バランスをとることが難しいという方は、壁に足を立てかけるようにして行うと良いでしょう。

(逆立ち腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてください)

囚人筋トレを継続した方達のビフォーアフター

続いては、実際に囚人筋トレを実施した方のビフォーアフターを紹介します。自重を用いたトレーニングのみでも、継続することでしっかりとした効果が表れます。

囚人筋トレで腹筋が割れた男性

出典:https://primitiveconditioning.com/training-menu/legraise/

囚人筋トレのBIG6の中には、腹筋を鍛える種目がレッグレイズのみしかありません。レッグレイズで腹筋を鍛えることは可能ですが、どちらかというと下半身強化のためのメニューという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、こちらの方は囚人筋トレのみで腹筋全体を割ることに成功しています。囚人筋トレのみで、クランチやシットアップは行っていないとの事。それでも腹筋の上部までしっかりと割れた腹筋を手に入れています。

3ヶ月でも変化は表れる

出典:https://hpen.jp/prison200/

こちらの方は、囚人筋トレを行って100日目にして大胸筋や肩回りの筋肉が発達しているのがわかります。ダイエットがきっかけで、軽い筋トレから始めたとのことですが、囚人筋トレを始めてから体がシェイプアップされるのと同時に逞しくなっています。

1年かけてヒューマンフラッグができるようになった男性

出典:https://kurochilog.com/calis-book/

こちらの方は、腹筋、胸筋、肩や腕がバランスよく鍛えられています。プリズナートレーニングの本は、ただのトレーニングの紹介だけでなく、わかりやすさやおもしろさもあり、やる気につながったとの事。1日20分の筋トレでも、長期間にわたって続けることで体型を大きく変えることが可能と言えるでしょう。

2年間で胸板がほぼ倍になった男性

こちらの方は、細身な体型から2年をかけ、見事な逆三角形の上半身を手に入れています。見た目の変化も一目瞭然ですが、行っているトレーニング内容も日数が経つごとにハードな筋トレを軽々とこなすようになっている点にも注目です。囚人筋トレはスポーツ感覚で取り組むこともできますね。

ガリガリから細マッチョに変化した男性

こちらの方は、7か月かけて痩せ体型から細マッチョへと大きく体型が変化しています。筋トレの目的は、ダイエットやパフォーマンス向上だけでなく、体を大きくしたいという方も多いと思いますが、こちらの男性は囚人筋トレを実施して体重が増え、体が大きくなったと体感しているそうです。

プリズナートレーニングの本を早速購入しよう!

囚人筋トレは、ポール・ウェイドが執筆した「Convict Conditioning」という本で詳しく解説されています。ここからは、Convict Conditioningを日本語訳した本「プリズナートレーニング」を紹介していきます。

ベーシックな筋トレや筋トレ哲学について解説されているものから実践編に特化した続編まで、シリーズ化されている囚人筋トレの本をすべて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

出典:https://books.rakuten.co.jp/rb/14989272/

こちらは、囚人筋トレの考え方やベーシックなトレーニング内容について解説されている本で「筋トレへの価値観が変わった」「日常生活で実感できるほど効果があった」と高評価レビューが多く投稿されています。

プリズナートレーニング 超絶:bangbang:グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ

出典:https://books.rakuten.co.jp/rb/15345222/

こちらは、題名のとおり囚人筋トレの中でも手首や肘などの関節の鍛え方について詳しく説明されている一冊です。上級者向けの印象があるかもしれません。しかし、この本ではダイエットや疲労回復などライフスタイルについても解説されており、筋トレの目的を再確認やモチベーションアップにつながる情報が満載です。

プリズナートレーニング 実戦!!!スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ

出典:https://books.rakuten.co.jp/rk/7ed5e0625e5d3435a88ea858f7110227/

筋トレを始めたきっかけは人それぞれですが、漠然と「強くなりたい」と思って始めた方も多いのではないでしょうか?この本はただ体を鍛えるだけでなく、しなやかな動きやパフォーマンスの解説に特化しています。体を鍛えた先に何があるのかを、情熱的に訴える一冊です。

プリズナートレーニング外伝 監獄式ボディビルディング

出典:https://books.rakuten.co.jp/rb/15739755/

こちらは、現代の筋トレを真っ向から否定し、独自の視点で筋肉の「強さ」と「大きさ」を求めるためのトレーニングを解説した一冊です。筋肉と筋量の違いや、ダイエットやパフォーマンス向上など目的別の筋トレについても触れられているので、筋トレの目標がぶれがちな方のモチベーションアップにもおすすめです。

囚人筋トレ『プリズナートレーニング』を試してみよう

囚人筋トレは、名前とは裏腹に初心者でも始めやすく、極めることで全身を鋼の肉体に変えることも可能な幅広いバリエーションを持ったトレーニング方法です。手軽に始められるというメリットが特徴があり、実力に合ったトレーニングを選ぶことでケガをしにくいというメリットもありました。みなさんも、話題の囚人筋トレBIG6を試してみてはいかがでしょうか?