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ダンベルスイングとは
ダンベルスイングとは、ダンベルを両手で持ち筋肉の瞬発力を使って両足の間から肩の高さまで振り子のように振り上げては下ろすと繰り返すトレーニング方法で、大臀筋やハムストリングスなどの下半身の大きい筋肉をはじめ、体幹である背筋・腹筋さらには肩周りと全身の筋肉を一度に刺激することができます。
また無酸素運動と有酸素運動を交互に行うことになるので、必然的に代謝が活発化しダイエット効果も見込めます。女性や中高年の方の中には、このダイエット効果を目的にダンベルスイングに取り組む方もいるようです。確かに無酸素運動と有酸素運動を一度に行えて、しかも手軽なトレーニングとなれば筋トレ初心者にもチャレンジしやすいですよね。
似ているトレーニングにケトルベルを使ったケトルベルスイングがありますが、家にケトルベルはないけれどダンベルならある、という方も多いのではないでしょうか。また重量を変えられるダンベルなら、負荷の掛け方も自由自在に行えるという利点もあります。まずは手元にあるダンベルで手軽に筋トレを始めてみましょう。
フォーム解説から見たい人はこちらダンベルスイングの効果
ダンベルスイングの効果①多部位の筋力向上を狙える
ダンベルスイングは動作としてはダンベルを振り上げるだけなのでシンプルですが、これを行うことで鍛えられる筋肉部位は、大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングス、体幹である脊柱起立筋・腹筋・僧帽筋さらには肩の三角筋までと多岐にわたります。これはダンベルスイングが下半身から体幹、腕までほぼ全身の筋肉部位を連動させた筋トレだからです。
またダンベルスイングは使用するダンベルの重量や行う回数・セット数で自由自在に負荷を変えられるので、筋トレ初心者から熟練者まで年代性別問わず自分のレベルに合わせて全身の筋力強化を図ることができるトレーニングと言えます。
フォーム解説から見たい人はこちら(大臀筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大臀筋の筋トレメニュー集!お尻の効果的な鍛え方を自重・ウェイト別に解説!
出典:Slope[スロープ]
ダンベルスイングの効果②筋肉の瞬発力・持久力を向上させられる
ダンベルスイングでは股関節と大腿筋の瞬発力を使って屈曲・伸展を素早く行うことにより、ダンベルを振り上げる力を生み出し、それに付随して腕を上げ下げしていきます。この際ダンベルを振り上げるために大きな力が全身の筋肉にかかるとともに、体幹にはかかった力に拮抗して身体を支えようとする力が働きます。
このような瞬発力と持久力を伴う運動を数十回繰り返します。ひとつひとつの動きは単純ですが回数を重ねるごとに汗が噴き出してくるのが感じられるはずです。ダンベルスイングはこのような一連の動きを、止まることなく回数を重ねて続けることによって、筋肉の瞬発力と持久力を同時に向上させることができるのです。
(瞬発力トレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)
【瞬発力トレーニング】爆発的なスピードをGETする筋トレ&鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ダンベルスイングの効果③心肺機能の強化とダイエットにも有効
ダンベルスイングでは無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動を交互に繰り返し行うので、心肺機能を強化することにも繋がりHIITにも近い効果が期待できます。このことからダンベルスイングは筋力強化だけでなく、ダイエットとして痩せる効果も期待できるトレーニングと言えます。
ちなみにHIITとはHigh-Intensity Interval Training:高強度インターバルトレーニングの略で、短時間の高強度の運動の間に短い休憩(不完全回復)を挟みながら繰り返し行うトレーニング方法です。この方法は運動能力の向上とともに心肺機能の強化にもつながることから代謝が上がり、脂肪の燃焼にも効果があるとされています。
(HTTTトレーニングの効果&やり方については以下の記事も参考にしてみてください)
HIITトレーニングの効果&やり方!短期間でゲキ痩せするメニュー例&コツも!
出典:Slope[スロープ]
ダンベルスイングの正しいやり方
ダンベルスイングはダンベルさえあれば場所を選ばず、自宅などでも手軽に行うことができるトレーニングですが、方法を間違うと腰や膝を痛めたり狙った効果が得られなかったりすることがあります。ここでは安全にしっかりとした効果が得られるようにダンベルスイングの正しいメソッドを説明します。
▼ダンベルスイングのやり方
①肩幅よりもやや広いスタンスで立つ
②つま先はやや外に向け、膝は軽く曲げる
③両手でしっかりとダンベルを持ち
④前傾姿勢でダンベルを両足の間で構え
⑤股関節を伸展させてダンベルを振り上げる
⑥ダンベルをスタートポジションに戻す
基本的には以上の①~⑥の繰り返しとなります。膝の屈伸運動や腕力ではなく、あくまで股関節の屈曲・伸展の力でダンベルを振り上げることが大切です。また初心者は背中が丸まりやすいので、背筋は伸ばし視線はダンベルに落とさずなるべくまっすぐ前を向くようにしましょう。
ダンベルの持ち方のバリエーション【シャフト持ち】
ダンベルの持ち方にはシャフトを持つ方法と片側のプレートを持つ方法があります。初心者や女性は両手を重ねるようにしてシャフトを持つようにすると、しっかりと持てて負荷も比較的少なく安全なのでおすすめです。
ダンベルの持ち方のバリエーション【プレート持ち】
筋トレ経験者や更なる筋力アップを目指したい方は片側のプレートを持つようにすると、シャフトを持つよりも重心が外側になるので一回のスイングでより大きな負荷をかけることができます。さらに重量可変式のダンベルであれば、外側になるプレートに徐々に重量をプラスしていけばより効果的なトレーニングを行うことができます。
ダンベルスイングの重量・回数・セット数
ダンベルスイングの重量・回数・セット数に関しては目的や個人の筋力にもよるので一概には言えませんが、目安としては初心者や女性は2㎏、ある程度筋トレの経験がある方や男性は4㎏程度から始め、慣れてきて物足りなさを感じてきたら重量を徐々に増やしていくと良いでしょう。
回数は10回1セットとして60秒程度インターバルを挟みながら3セットくらいから始めて、慣れてきたら回数やセット数を増やしていきましょう。最初の目標としてはトータルでのスイング回数を100回程度に定めても良いかもしれません。ただし軽い重量で数をこなすことでも効果は得られますので、無理のない範囲で続けられる目標を設定しましょう。
(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのセット数・回数の最適解はコレ!目標別に成長効率を上げるコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
ダンベルスイングのコツ&注意点
ダンベルスイングのコツ
ダンベルスイングを行うにあたってトレーニング効果を引き出すコツがいくつかあるので、ここでご紹介します。
・ダンベルは腕力で持ち上げるのではなく、あくまで股関節の屈曲→伸展の力で振り上げる。
・ダンベルを振り上げた際、股関節・膝はしっかりと伸ばす。
・ダンベルに引っ張られ、顎が突き出たフォームにならないようにする。
・背中はしっかりと伸ばした状態をキープ、猫背にならないように注意する。
・振り上げた瞬間に息を吐き出すようにリズミカルに呼吸すると有酸素運動として効果的。
ダンベルスイングはダンベルを振り上げることに意識が向きがちですが、あくまで股関節の屈曲・伸展運動が重要です。股関節を伸展する際の瞬発力に伴って膝も伸び、その勢いに付随して腕が振り上がるイメージです。ダンベルを振り上げた際は股関節・膝・背中がまっすぐ伸ばし、胸を張って息を吐き出すことを意識すると良いでしょう。
ダンベルスイングの注意点
ダンベルスイングは誰でもチャレンジできる比較的簡単な動作の筋トレではありますが、間違った方法で行えば腰や膝を痛めたり、他人にケガを負わせてしまう危険性もあります。以下の点に留意し万全な準備のもとトレーニングを行うようにしましょう。
・ダンベルスイングのトレーニング前には軽くストレッチや準備運動をしましょう。
・最初は無理せず軽めの重量から始め、だんだんと負荷を強めていきましょう。
・手の平が濡れた状態でのダンベルスイングは危険ですのでやめましょう。
ダンベルスイングに限らず言えることですが、不慣れな人が急に筋トレを行うと筋肉や腱を痛めたりケガをしやすいです。トレーニング前には軽くアップし無理のない負荷から始めましょう。手の平が濡れていたり、汗で手が滑りやすい状態でのダンベルスイングは危険です。ダンベルをしっかりと持てるコンディションをキープしましょう。
ダンベルスイングは片手で行うのも効果的
応用編として片手で行うシングルアームダンベルスイングというトレーニングもあります。こちらは片手で行うため短時間で得られる効果が大きいですが、その分負荷も大きくなりますので、まずは無理をせず軽めのウエイトで始めるか回数を加減して徐々に負荷を大きくしていくと良いでしょう。
▼シングルアームダンベルスイングのやり方
①肩幅よりもやや広いスタンスで立つ
②つま先はやや外に向け、膝は軽く曲げる
③オーバーハンドグリップでダンベルを持ち
④前傾姿勢でダンベルを両足の間で構え
⑤股関節を伸展させてダンベルを振り上げる
⑥ダンベルをスタートポジションに戻す
⑦既定の回数で片側の手に持ち替えて繰り返す
シングルアームダンベルスイングも基本的には両手のときと同じです。また片側を規定回数続ける方法の他に、一度ずつスイングする側を切り替える方法もあります。慣れてきたらこちらの方法を取っても良いかもしれません。ただし先の方法に比べてダンベルを落とす可能性が高いので、周囲の環境には十分配慮しましょう。
ダンベルスイングと一緒にすべきトレーニング
ダンベルスイングに慣れてきたら、他の筋トレと組み合わせたりすることも可能になります。例えばスクワットスラストと組み合わせて、より全身を使ったトレーニングに発展させることもできます。
スクワットスラストはしゃがんでスクワットの姿勢で床に手をつき、足を後ろに伸ばし腕立て伏せの姿勢を取り、すぐさま足を戻してスクワットの姿勢に戻すという筋トレです。ダンベルスイング10回後スクワットスラスト10回というように加えることで胸筋や腹筋、腿四頭筋にさらに負荷をかけることになるので、より全身の筋力強化につながります。
ダンベルスイングは全身強化できて有酸素運動にも!
以上のようにダンベルスイングは全身の部位をバランス良く強化でき、筋肉の瞬発力や持久力を高めるトレーニングであり、さらには無酸素運動と有酸素運動を組み合わせているので心肺機能の強化やHIITのようなダイエット効果も期待できることがわかりました。
そして効果は絶大ながら必要な道具はダンベルだけで、スペースも広くは必要としないので自宅でも手軽に行うことができます。ぜひこの機会にダンベルスイングを毎日のワークアウトとして取り入れてみてはいかがでしょうか。