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HIITトレーニングとはどんな運動?
HIITとは「High Intensity Interval Training」の略で、日本語で言うと「高強度インターバルトレーニング」という名前になります。
インターバルトレーニングとは、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れるトレーニングのことです。そしてその強度をさらに高くしたものをHIITと呼びます。今回はこのHIITトレーニングの効果的なやり方やダイエットをする人に適したメニュー、また頻度や注意点などを紹介します。
それでは最初にHIITトレーニングの効果から見ていきましょう。
(動画で見たい方はこちら)
(HIITに効果がないという噂については以下の記事も参考にしてみてください)
話題の『HIIT』は効果ないって本当?論文を参考にエビデンスを追究!
出典:Slope[スロープ]
HIITトレーニングの効果
HIITトレーニングを行うことで得られる代表的な効果は以下の4つあります。
・運動後の代謝アップが狙える
・時間の節約
・持久力・心肺機能の向上
・血糖値の改善
それでは1つずつより詳しく見ていきましょう。
運動後の代謝アップが狙える
HIITトレーニングはかなりの強度で行うため、運動後に酸欠状態に陥ります。そのためHIITを行った後にはEPOCと呼ばれる運動後の酸素消費量が上昇する状態になるのです。そしてこのEPOCの状態では酸素を通常時よりも多く摂取し、消費することで安静時のエネルギー消費量も上昇します。
つまりHIITを行うとその後における代謝アップを狙えるということなのです。これは消費カロリーを増やして、少しでも脂肪を燃焼させたい人にとっては非常に大きな効果の1つと言えるでしょう。
(基礎代謝を上げる筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
基礎代謝を上げる筋トレ7選!鍛えるべき筋肉〜痩せやすくなるなどメリットまで解説
出典:Slope[スロープ]
時間の節約
詳しくは後ほど説明しますが、HIITトレーニングは基本的に短時間で終わります。運動時間は20~40秒、そして間の休息時間は長くても倍程度しかないのです。そして合計で約5セットほどしか行いません。つまり例え運動時間が40秒であっても、約10分程度で運動が終わるのです。
もちろん、体力がある人は5セット以上こなしても良いのですが、先ほども解説したようにHIITはかなり高い強度で行います。そのため体力がある人でもすぐに疲労してしまうため、結局短時間で終わってしまうのです。
これはHIITの直接的な効果というよりはメリットですが、忙しくて運動時間が確保できない人には嬉しい特徴と言えるでしょう。
持久力・心肺機能の向上
HIITトレーニングは先ほどの解説通り、短時間しか運動しません。しかし、強度が高いためエネルギーを生み出す経路である有酸素性エネルギー代謝と無酸素性エネルギー代謝の両方が刺激されます。それによって短時間の運動であっても持久力や心肺機能向上の効果も期待できるのです。
血糖値の改善
HIITトレーニングは強度の高い運動です。しかし、このHIITトレーニングよりも強度が低いインターバルトレーニングでも過去にインスリン抵抗性が改善して血糖値が低下したという結果が報告があります。そのため強度の高いHIITトレーニングでも当然、この血糖値の改善効果が期待できるのです。
ただし、糖尿病などが原因で血糖値が高い場合は注意が必要です。HIITトレーニングのような強度の高い運動では血糖値が下がり過ぎて、低血糖症状を引き起こす可能性があります。安全を確保するためにも必ず医師に相談した上で取り組むか決めてください。
(筋トレで血糖値を下げる方法については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレで血糖値を下げて糖尿病を対策!効果の理由〜正しい運動方法まで解説!
出典:Slope[スロープ]
HIITトレーニングのやり方の基本
それでは次にHIITトレーニングのやり方の基本を解説します。HIITトレーニングでは基本的に高強度運動の後にインターバルを挟むというセットを繰り返します。
運動時間はご自身の体力に合わせて20~40秒の間で設定してください。インターバルの長さは運動時間と比率が1:2くらいになるように設定しましょう。ちなみに余裕があれば、インターバルはもう少し短くしても構いません。後は5セットを目安に限界まで追い込むだけです。
ちなみにこの後、HIITトレーニングに向いているメニューを紹介します。ただ、いずれの場合も必ず手を抜かずに常に全力で動作を行うことを意識してください。少しでも気を抜いてしまうと効果が減ってしまうので注意しましょう。
HIITトレーニングのセット例
次にHIITトレーニングの具体的なセット例について以下の2つを紹介します。
・サーキットトレーニング
・タバタ式トレーニング
それでは早速、サーキットトレーニングから詳しく見ていきましょう。
サーキットトレーニング
サーキットトレーニングとはHIITトレーニングの一種で、複数の種目を回すように組むやり方です。具体的には以下のようにセットを組んだりします。
①マウンテンクライマーを20秒+インターバルを40秒
②スクワットを20秒+インターバルを40秒
③スクワットジャンプを20秒+インターバルを40秒
④ランジジャンプを20秒+インターバルを40秒
⑤もう一度①から④まで行う
このように高強度の有酸素運動や筋トレなど複数のメニューをサイクルさせながら運動するのがこのサーキットトレーニングというやり方です。同じ動作を繰り返すのが苦手な方や複数の筋肉などを動かしたい人などには向いている方法だと言えるでしょう。
(サーキットトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)
サーキットトレーニングの効果&やり方!筋トレ・有酸素運動メニューまで紹介!
出典:Slope[スロープ]
タバタ式トレーニング
タバタ式トレーニングは、日本発祥のHIITのセットの組み方です。高強度の運動を20秒行った後、10秒のインターバルを取るのを合計で8セット繰り返します。具体的には以下のようにセットを組んだりします。
①バーピーを20秒間行う
②インターバルを10秒挟む
③①と②を連続で8セット繰り返す
このセットの組み方では8セットでも合計で4分しか運動時間がありません。しかし、週2回行うだけで、60分間の有酸素運動を週5回行った場合と同程度の最大酸素摂取量が増加する報告もあるほど効果があるのです。ダッシュなどの高強度の有酸素運動でも実践できるので、短い時間で追い込みたい人には向いているやり方だと言えるでしょう。
(タバタ式トレーニングのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
タバタ式トレーニングの効果&メニュー!4分で運動不足が解消するHIITのやり方を解説
出典:Slope[スロープ]
HIITトレーニング(筋トレ・有酸素運動)のメニュー例&やり方
HIITトレーニングは先ほど紹介した運動時間などを守れば良い、というわけではありません。安全に全力を出すのに向いている種目でないとあまり効果を期待できないのです。
そこでここからHIITトレーニングに使えるおすすめのメニュー例を6つ紹介します。どんなメニューを選べばいいのか悩んでいる方は参考にしてください。
マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは今回紹介するメニューの中でも最も強度の低い運動方法です。そのためまだ体力に自信がない人はこの種目からHIITトレーニングに挑戦してみると良いでしょう。
▼マウンテンクライマーのやり方
①うつ伏せの状態で両手を床につき、腕立て伏せの体勢になる
②左右どちらか片方の膝を胸に引きつけるよう前方に持ってくる
③走るように、左右の足を入れ替える
▼マウンテンクライマーのコツ&注意点
・体が大きく弾まないようにする
・背中が丸まらないように注意する
マウンテンクライマーは素早く脚を入れ替えることが重要です。しかし、初心者はの方は正しいフォームが身に付くまではゆっくり目からはじめて、徐々にスピードを上げていくと良いでしょう。
(マウンテンクライマーのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
マウンテンクライマーの効果&やり方!短期間で脂肪燃焼して激痩せ!腰痛改善にも
出典:Slope[スロープ]
バイシクルクランチ
バイシクルクランチは上半身の捻りながら自転車を漕ぐように足を動かすメニューです。腹斜筋や腹直筋などの腹部の筋肉に強い刺激が入るので、くびれを作りたい女性などには特に向いています。また強度もあまり高くないので、初心者にもおすすめです。
▼バイシクルクランチのやり方
①仰向けになって手を頭の後ろか横に置く
②上背部と臀部を少し浮かせる
③腰回りを支点にして肘と膝をクロスさせるように動かす
④同じ動作を左右交互にスムーズに繰り返す
▼バイシクルクランチのコツ&注意点
・背中をべったりと地面に付けない
・なるべく肘を足方向に持っていく意識を持つ
バイシクルクランチをHIITトレーニングのメニューとして行う場合、マウンテンクライマーと同様になるべく素早く動作を行うのがポイントです。ただし、スピードに意識が向いてしまうとフォームが崩れることもあるので注意してください。
(バイシクルクランチのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
バイシクルクランチのやり方!短期間で美くびれGET!腹筋に効果的に効かせるコツを解説
出典:Slope[スロープ]
スクワット
一般的にスクワットは下半身の筋肉を全体的に鍛える為の筋トレとして行われます。しかし、このスクワットを連続して、なるべく早く動作を繰り返せばHIITトレーニングにも使えるのです。また静かにできるので、家の中でも実践しやすいメリットもあります。
▼スクワットのやり方
①足の真ん中に体重をかけて立つ
②膝の角度が90度になるまでしゃがみこむ
③立ち上がって元に戻る
▼スクワットのコツ&注意点
・腰が曲がらないように意識する
・つま先と膝の方向を一致させる
・膝が内側に入らないようにする
スクワットでは大腿四頭筋に加え、大臀筋やハムストリングスといった筋肉も鍛え上げることができます。ダイエット効果や体力向上効果だけでなく、下半身の筋肉も同時に鍛えたい人は積極的に取り組むと良いでしょう。
(スクワットのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
スクワットの効果&正しいやり方!13種類のフォーム、回数・重量などコツも解説
出典:Slope[スロープ]
スクワットジャンプ
スクワットジャンプは深くしゃがんでジャンプするメニューです。通常のスクワットよりも強度が高い種目なので、体力が付いてきたら応用の方法として取り入れてみると良いでしょう。
▼スクワットジャンプのやり方
①足を肩幅くらいに広げて立つ
②思い切りしゃがみ、勢いよくジャンプする
③膝に負担がかからないように静かに着地する
▼スクワットジャンプのコツ&注意点
・着地時に膝が内側に入らないようにする
・膝はつま先よりも前に出さない
・大臀筋やハムストリングスを使って滑らかに着地する
スクワットジャンプではしゃがむスピードだけでなく、できるだけ高く飛ぶように心がけるのも重要です。その分キツくなりますが、最大限の効果を得るためにもぜひ意識してみてください。
(スクワットジャンプのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
ジャンピングスクワットの効果&やり方!短期間で下半身痩せ・脂肪燃焼するコツを解説
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
ランジジャンプ
ランジジャンプはランジでジャンプしながら、空中で足を入れ替えるメニューです。スクワットジャンプよりもテンポよく行えて、さらに負荷を高められます。
▼ランジジャンプのやり方
①直立姿勢になる
②足を前後に開いてランジの体勢になる
③勢いよくジャンプして空中で足を入れ替える
④ランジの体勢で着地する
▼ランジジャンプのコツ&注意点
・できるだけ静かに着地する意識を持つ
・上半身が前屈みになったり、反ったりしないようにする
ランジジャンプはスクワットジャンプと同様にできるだけ高く飛ぶ意識を持つことが大事です。しっかりと高く飛んで、より負荷を高めていきましょう。
バーピー
バーピーはスクワットジャンプに腕立て伏せの動作を加えたHIITトレーニングの代表的なメニューです。全身の筋肉を動かす運動で非常に強度が高いので、体力に自信が付いてきたら取り入れてみてください。
▼バーピーのやり方
①直立姿勢からしゃがみ、腕立て伏せの姿勢になる
②この状態から一度腕立て伏せする
③身体を畳んで、しゃがんだ姿勢に戻る
④しゃがんだ姿勢からなるべく高くジャンプする
▼バーピーのコツ&注意点
・筋力がない人は腕立て伏せの姿勢になるだけでもOK
バーピーは高強度の有酸素運動にもなり、効率的に脂肪を燃焼できるのでダイエットにも最適です。ただし、先ほども触れたようにかなり強度の高い運動なので、もし体調が優れない場合や怪我をしている場合には無理に行わないでください。
(バーピーのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
バーピージャンプの効果&やり方!短期ダイエットで痩せる!HIITの種目でも人気!
出典:Slope[スロープ]
HIITトレーニングの最適な頻度は?毎日やるべき?
HIITトレーニングの効果を早く得たいと考える人の中には毎日のようにトレーニングをしようとする人もいるでしょう。しかし、HIITトレーニングは毎日やるべきではありません。なぜなら強度が高いが故に毎日やると疲労が溜まって、全力が出せなくなるからです。
全力が出せなくなるとHIITトレーニングの効果の1つである運動後の代謝アップがあまり起きなくなります。また筋肉などに疲労が溜まり過ぎるとオーバーワークに陥る可能性もあります。そのためHIITトレーニングに取り組む時には2日か3日に1回程度の頻度に抑えておきましょう。
(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのやりすぎは危険。病気などのリスク〜オーバーワークの基準&対策を徹底解説
出典:Slope[スロープ]
HIITの効果を高める為のポイント
最後にHIITトレーニングの効果を高める為の以下のポイントを紹介します。
・全力で限界まで追い込む
・ウォーミングアップを十分に行う
それでは1つずつ詳しく解説していきます。
全力で限界まで追い込む
最近になってHIITトレーニングの人気度は高くなってきており、色々な場所で紹介されています。その中には1時間などの長めの時間行うようなものもありますが、そういったものは残念ながらHIITトレーニングとは言えないのです。
先ほども解説したようにHIITトレーニングでは最高強度に近い有酸素運動や筋トレを行う必要があります。終えた後は倒れ込むくらいほど追い込むことを前提としているのです。もしこれだけ追い込めないといくら運動時間を伸ばしてもHIITトレーニングの効果はあまり得られません。
しっかりと結果を出すためにもだらだらと長く行うのではなく、全力で取り組んで短時間で限界まで追い込むようにしましょう。
ウォーミングアップを十分に行う
HIITトレーニングは短時間で終わることが1つのメリットですので、時間がない人には適した運動と言えます。しかし、いくら時間がなくてもHIITトレーニングを行う前には必ずウォーミングアップを十分に行うようにしてください。
HIITトレーニングは強度が高いため、ウォーミングアップを行わずにいきなり始めると筋肉や関節の怪我を引き起こす可能性があります。また急に心拍数を上げることで心臓などに大きな負担がかかってしまう危険もあるのです。
そういったリスクを避けるためにもHIITトレーニングは始める前に必ずウォーミングアップをして、身体が十分に温めるようにしましょう。
(ウォーミングアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのウォーミングアップで効果倍増!種類&行う順番〜メニュー一覧を紹介!
出典:Slope[スロープ]
HIITトレーニングで脂肪燃焼してダイエット効果を高めよう
HIITトレーニングはかなりキツい運動をしますが、その分短い期間で脂肪燃焼や体力アップなど様々な効果を得られます。体脂肪を減らして痩せたい人や運動不足を解消したい人は今回紹介したメニューなどを参考にぜひHIITトレーニングに挑戦してみてください。
(ダイエットについては以下の記事も参考にしてみてください)
『痩せる』筋トレメニュー総特集!ダイエットを短期間で成功させるコツを徹底解説
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