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上級レベルの懸垂『スターナムチンニング』のやり方!効果のある部位など徹底解説!

2020年10月06日

スターナムチンニングは、大円筋や広背筋といった背中の筋肉を肥大化させるのに効果的な懸垂です。今回は、スターナムチンニングの効果のある部位、やり方を解説します。スターナムチンニングのやり方をマスターして逆三角形の素敵な背中をつくりましょう。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

上級者向けの懸垂『スターナムチンニング』とは

スターナムチンニングの「スターナム」は胸骨、「チンニング」は懸垂を意味する言葉で、胸骨をグッと上へ突き上げてバーに近づけていく懸垂をいいます。上腕二頭筋(腕)への負荷を抑え、広背筋や大円筋などの背中の筋肉に強い負荷をかけられる筋トレです。スターナムチンニングの効果とやり方を詳しくみていきましょう。

(チンニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

スターナムチンニングの効果

まず、スターナムチンニングの効果を具体的にみていきましょう。

広背筋【スターナムチンニングの効果のある部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-5

スターナムチンニングには広背筋全体を鍛える効果があります。広背筋は背中から腰・腕へとつながる大きな筋肉ですが、一般的な懸垂は広背筋の下部にはあまり効きません。

スターナムチンニングの場合は胸骨をバーに引き寄せるときに、お尻に力を入れて大臀筋を収縮させ身体を後傾させます。これにより骨盤につながっている広背筋の下部をしっかり鍛えられるのです。

(広背筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

大円筋【スターナムチンニングの効果のある部位】

出典:https://bukiya.net/blog/teres-major/

大円筋は肩甲骨の下部から脇の下につながる筋肉で、逆三角形の背中の上部にあたる筋肉です。小さな筋肉ですがスターナムチンニングで大円筋を鍛えることで逆三角形の上部が大きくなり、メリハリのある背中をつくれます。

(大円筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

僧帽筋【スターナムチンニングの効果のある部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-4

僧帽筋は首の後部から肩や背中へと広がる筋肉です。スターナムチンニングには僧帽筋中部と下部を鍛える効果があり、分厚い背中を目指せます。

(背中の筋肉の構造は以下の記事を参考にしてください)

逆三角形の背中をつくる

一般的な懸垂は肘を大きく曲げて垂直方向に体を引き上げます。上腕二頭筋に高い負荷を与えますが、その分、広背筋・大円筋・僧帽筋への負荷は弱まるのが通常です。また、身体を垂直方向に引き上げる懸垂のため、背中を鍛えるのに効果的な水平方向に肘を引く動作が欠けています。

スターナムチンニングの場合は、身体を後傾させながら腕を後ろへ引いて胸骨を引き上げます。この腕を後ろへ引く動作は、広背筋を中心とした背中の筋肉を鍛えるのに非常に効果のある動きです。背中を意識してしっかり腕を引くことで、広背筋・大円筋・僧帽筋に強い負荷をかけられます。

一般的な懸垂でも逆三角形の背中をつくれますが、スターナムチンニングの方がより広がりと厚みのある美しい逆三角形の背中に仕上がるでしょう。

スターナムチンニングのやり方

スターナムチンニングは正しいやり方で行わなければ、回数を重ねても思うような効果を得られません。正しいやり方を覚えて効率よく筋肉に効かせましょう。

▼スターナムチンニングのやり方
①グリップは肩幅より一握りほど広く握る
②バーにぶら下がる
②脚を組んで膝はできるだけ後ろへもっていく
③身体をそらせながら胸骨をバーに近づける
④ゆっくりと体をおろす

バーに向かって胸骨を引き寄せていくときは、地面と身体が水平な状態に近づくように上体を後傾させましょう。グリップはアンダーグリップ(逆手)・オーバーグリップ(順手)・パラレルグリップのうちいずれかで握ります。

アンダーグリップは手のひらが上を向く握り方、オーバーグリップは手の甲が上を向く握り方です。パラレルグリップは両手の手のひらが向き合うように握ります。

スターナムチンニングのコツ&注意点

スターナムチンニングは難易度の高い筋トレです。ここでは、スターナムチンニングを行うときのコツ・注意点を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

グリップ

スターナムチンニングが最もやりやすいグリップがアンダーグリップでしょう。ただしオーバーグリップ・パラレルグリップに比べると、上腕二頭筋への刺激が強くなります。広背筋と大円筋に効かせたい場合は、アンダーグリップは避るほうがよいでしょう。

パラレルグリップはストレートバーではできませんが、手首や腕への負担の少ない握り方です。懸垂用の角度のあるバーを利用する場合は、試してみるとよいでしょう。グリップ幅は狭く握ると僧帽筋への刺激が強まります。逆に広く握ると広背筋への負荷が強くなるのが基本です。

(逆手懸垂の効果は以下の記事を参考にしてください)

引く動作と同時に肩甲骨を寄せる

スターナムチンニングは胸骨を突き上げるときに、肩甲骨を強く寄せるように意識しましょう。肩甲骨を寄せることで広背筋に加え僧帽筋中部・下部をしっかり鍛えられ、厚みのある逆三角形の背中をつくれます。

僧帽筋中部に効かせたいときは、肩甲骨を強く水平に寄せるよう意識しましょう。僧帽筋下部に効かせたいときは、肩甲骨を下方向へ寄せるように意識して行うとよいでしょう。

大臀筋を収縮させる

スターナムチンニングはお尻の筋肉(大臀筋)に力をいれて行うのがコツです。広背筋の下部は骨盤へとつながっています。お尻の筋肉に力を入れることで、広背筋を下の方から収縮できます。広背筋の下部が引き締まり、美しい逆三角形の背中をつくれるでしょう。

身体をまるめない

胸骨からみぞおち辺りの部分を天井に向けるイメージで、上体を後傾させながら引き上げましょう。きつくなってくると足が前に出て、身体が丸まりやすくなります。足を組み膝を後ろにひいた状態をキープして、身体を反らせるようにしましょう。

肩をあげない

肩をすくめたり上げたりすると腕に力がはいってしまい、広背筋や大円筋への刺激が軽減されます。肩が上がらないように注意しながら行いましょう。

スターナムチンニングはハードな筋トレ

スターナムチンニングは非常に負荷の高いハードな筋トレです。筋力に自信のない人や筋トレ初心者には、ハードルの高いトレーニングといえます。まずは一般的な懸垂や足を地面につけたまま行う斜め懸垂などから始め、筋肉を鍛えてからチャレンジするとよいでしょう。

(斜め懸垂のやり方は以下の記事を参考にしてください)

スターナムチンニングの負荷調整

スターナムチンニングはチェーン付きのウエイトベルトを装着したり、腰からダンベルをぶら下げたりして負荷を調整します。「2秒で体を引き上げてトップポジションで1秒間停止、3秒かけてゆっくり体をおろす」という速さを基本とし、この速さで設定回数をこなせたら負荷を加えるとよいでしょう。

回数は筋力アップや筋肥大など、トレーニングの目的にあわせて設定しましょう。

筋力UP目的

筋力UPが目的の場合は3~5回程度で限界を迎えるように負荷調整します。自重で5回をこなせるようであればウエイトベルトを装着するなどして負荷を強め、5回で限界を迎えるよう調整しましょう。

筋肥大目的

筋肥大が目的の場合は8~12回が目安です。自重で回数をこなせるようになったら、加重して負荷調整をしましょう。

筋力持久力UP

筋力持久力のUPを目指すなら15~20回くらいで限界を迎えるよう負荷を調整します。

セット数

セット数は最初は週1回3セットを行い、慣れてきたら週2回6セットを目安にするとよいでしょう。

スターナムチンニングで背中を効率よく鍛えよう

スターナムチンニングは、背中全体の筋肉を効率よく鍛えられるトレーニングです。正しいやり方をマスターすれば、男らしい逆三角形の背中を手に入れられるでしょう。難易度が高く過酷でもあるスターナムチンニングは、トレーニング経験を積んだ上級者向きの懸垂です。筋力を鍛えてからチャレンジしましょう。