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プロテインの豆乳割りはダメ?女性ホルモン増加?メリット・デメリットまで解説

2021年02月14日

男性・女性問わず飲んでいる人が多いプロテイン。タンパク質が豊富に含まれていて、筋トレ後やダイエットにも役立ちます。しかし、水に溶かして飲むことに飽きてしまうこともありますよね。そこで今回は、プロテインを豆乳で割ると筋肉に悪いのかを検証します。

【監修】パーソナルトレーナー きらまい【吉良舞子】

REXER南青山でパーソナルトレーナーとして活動する傍ら、美容専用ソイプロテインの開発、おうちフィットネスアプリ出演等、多岐にわたり活動しております。NESTA PFT認定トレーナー / RYT200 / FRP認定ピラティスインストラクター / JYIA日本ヨガインストラクター協会認定講師 / Instagram

プロテインの豆乳割りはダメって本当?

「健康的にダイエットしたい」「筋肉をつけたい」という人におすすめのプロテイン。プロテインはタンパク質を多く含んでいて、疲労回復や美容にも効果があります。味噌や醤油を日頃から使っている私たちには馴染みのある、大豆が原料の豆乳もタンパク質が豊富です。

豆乳は大豆イソフラボンを多く含んでおり、エストロゲンという女性ホルモンに似た作用をすることが判明しています。他にも鉄・大豆レシチン・サポニン・オリゴ糖などの栄養素も含有。厚生労働省による調査によると、日本人が日々の食事から摂取している量は1日16~22mgです。

タンパク質が豊富な2つを同時に摂ると、良質な筋肉がつくのでよいと感じる一方、太るのではないかと気になります。これから豆乳割りがダメだと言われている理由を説明していきます。

(プロテインのコーヒー割りについては以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインの豆乳割りがダメだと言われる理由

1日に何度もプロテインを飲む人は、必然的にタンパク質を摂取している量が多いことになりますね。毎回豆乳で割るとカロリーが高くなり、タンパク質や他の栄養素を過度に摂りすぎてしまいます。また、豆乳に含まれる大豆イソフラボンを摂取することで、女性ホルモンを過剰に取り入れてしまうことが心配されます。

女性ホルモンが増えるから

豆乳割りがダメだと言われる理由は、大豆イソフラボンに含まれるエストロゲンの作用によるものです。エストロゲンによりホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンであるテストステロンが減少し、男性の身体が女性化してしまう可能性があると言われています。ここからは実際の研究結果をもとに検証します。

男性ホルモンに影響はない

3.5.3 男性n 男性が大豆イソフラボンを摂食した場合については、次に示すとおり、幾つかの報告がされており、血清ホルモン値の一部が変動したとされているが、臨床的に問題ないとされるものが多い。摂取量の数値は全てアグリコン換算値で示している。n男性に豆腐、大豆イソフラボン含有錠剤、大豆タンパク飲料(40~119 ㎎/日)を4週間~1年摂取させた場合、ホルモン系の数値に影響がなかった。

引用元:https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_daizuisofurabon170428.pdf

平成17年に発表された食品安全委員会の論文によると、男性が4週間~1年大豆イソフラボンを摂取し続けてもホルモン系の数値に異常は見られなかったと報告されています。また、豆乳で割ることにより女性ホルモンが上昇したという研究結果もありません。

豆乳には筋肉を作る効果がある

運動直前にプラセボもしくは大豆ペプチドを飲んでもらい、スクワット運動により誘発されるDOMSに対する効果をVAS法により検証しました。結果的に、大豆ペプチド飲料を摂取した場合、運動後1日後また2日後にプラセボ飲料に較べて筋肉痛が減少しました。

引用元:https://www.fujioil.co.jp/healthy_soy/peptide/02/index.html

豆乳に含まれているペプチドという成分は、脂肪を燃焼し筋肉の疲労回復を促す効果があり、筋肉を再構築する作用が期待されています。大豆加工素材を扱っている不二製油株式会社 によると、スクワット後に大豆ペプチド飲料を摂取したところ、筋肉痛が軽減するいう結果が出ています。

悪玉(LDL)コレステロールを減らす

一日あたりに摂取するタンパク質の50gを動物性タンパク質から大豆タンパク質に代えることにより、LDLコレステロールが約3%だけ低下すると結論づけている(16)。

引用元:https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%80%A7%E5%9B%A0%E5%AD%90/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%90%88%E7%89%A9/%E5%A4%A7%E8%B1%86%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%B3

日本微量栄養情報センターによると、大豆のタンパク質は動物性タンパク質より約3%悪玉(LDL)コレステロールを減少させるとの研究結果もあります。また、植物性のタンパク質である大豆は、血圧の上昇を防止しコレステロールを抑制します。

骨粗鬆症を予防する

マウス由来の骨芽細胞様細胞にイソフラボンを与えて、骨形成マーカー「オステオカルシン」の変化をみた実験では、48時間の培養で1.5倍程度増加して、明らかな骨形成の促進が認められました。

引用元:https://www.fujicco.co.jp/corp/rd/isoflavone/section2/09.html

大豆製品を扱うフジッコ株式会社によると、大豆イソフラボンは骨を形成する作用があると発表しています。また、骨粗鬆症予防には大豆イソフラボンの摂取と運動が有効だとしています。これらの研究結果を見ても、筋トレをしてマッチョを目指す男性によくないという明確な根拠はありません。

(男にソイプロテインは危険?については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインを豆乳で割るメリット・デメリット

豆乳は牛乳と同じく体内で消化されるのに時間がかかるため、プロテインと同時に飲むと満腹感が持続。朝食の代用に飲んだり、食事前に飲んで食欲を抑えたり、筋トレ後以外にもさまざまな場面で飲むことができます。それでは、プロテインを豆乳で割るとどのようなメリット・デメリットがあるのかを検証します。

(筋トレには牛乳・豆乳どちらが効果的かについては以下の記事も参考にしてみてください)

プロテイン全般と豆乳

プロテインは、動物性のタンパク質を含むホエイとカゼイン、植物性のソイの3種類。それぞれ身体に吸収される速度が異なり、含まれている栄養素も違います。牛乳・豆乳の100gあたりのタンパク質含有量を比較すると、牛乳が3.3g、豆乳が3.6gです。

メリット

プロテインの豆乳で割りは悪玉(LDL)コレステロールの低下が期待できます。豆乳のカロリーは牛乳の約3分の2で、高タンパク低カロリー。ダイエットをしている人や筋肉をつけたい人にもおすすめです。豆乳で割ることで味に変化が生まれるのも嬉しいですね。

デメリット

プロテイン・豆乳に含まれるタンパク質や栄養を過剰に摂取する恐れがあり、体重増加に繋がります。また、豆乳と割ることで体内への吸収速度が遅くなるので、筋トレ後に効率的に補いたい人には不向きです。

ホエイプロテインと豆乳

出典:https://www.pinterest.jp/pin/847943436081418121/

ホエイプロテインは牛乳が原料で、ホエイはヨーグルトの上部にできる透明な液体を指し乳清とも呼ばれています。このホエイに含まれているタンパク質を取り出し、粉末にしたものがホエイプロテインです。

メリット

ホエイプロテインは必須アミノ酸やBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)が入っており、筋肉の修復をサポートすることが期待されています。体内への吸収が早く胃に負担がかかりにくいのも特徴。特に、筋肉の疲労を感じる筋トレ後にホエイプロテインを飲むと、より強靱な筋肉を手に入れることができます。

また、豆乳に含まれている栄養素を摂取でき、消化吸収のスピードもゆっくりなので満腹感も得られます。血液中のアミノ酸の濃度が一定に保たれ、健康の維持に繋がります。

デメリット

ホエイプロテインは消化吸収の早さがポイントでした。しかし、豆乳と割ることで緩やかに吸収されるので、効果を早く感じたい人には向いていません。即効性を求める人は水で割って飲むことをおすすめします。

価格が他のプロテインと比べると高いのも気になります。プロテインの含有量を減らしたりソイプロテインと併用したりと、価格や機能面で調整をしている商品もあります。

(ホエイプロテインはニキビが増えるについては以下の記事も参考にしてみてください)

カゼインプロテインと豆乳

出典:https://www.pinterest.jp/pin/689050811731626977/

カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく牛乳から作られます。牛乳に酸を加えヨーグルト状に固まったタンパク質がカゼインです。

メリット

カゼインプロテインは身体への吸収が緩やかで、タンパク質が時間をかけて体内に行き渡ります。豆乳で割るとより吸収が穏やかになる為、満腹感が持続。ダイエット中の間食の代用や、トレーニングをしていない日のタンパク質の補給にも適しています。甘い方が好きな人は、砂糖が入っている調製豆乳や豆乳飲料で飲むとよいでしょう。

デメリット

飲む回数やタイミングによっては、カロリーを摂りすぎてしまう恐れがあります。ダイエット中の間食や寝る前に飲む場合は水で割るなど工夫が必要です。

ソイプロテインと豆乳

出典:https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=219&category=beauty

ソイプロテインは、大豆のタンパク質を粉末にしたものです。ホエイ・カゼインとは違い、植物性のタンパク質が豊富で、糖質や脂肪の吸収を抑制することが期待されています。

メリット

大豆イソフラボンが含まれており、美肌や血流を良くすることが分かっています。また脂肪の燃焼にも一定の効果が認められるため、体型維持にも役立ちます。筋肉量を落とすことなく体重を減らしたい人におすすめですね。

ソイプロテインを豆乳で飲むとより大豆の香りを楽しむことができ、大豆の栄養を多く体内に取り入れることができます。カゼインプロテインと同様、消化吸収のスピードが緩やかなので満腹感が持続します。

デメリット

豆乳で割ると大豆の栄養を多く摂りすぎてしまう恐れがあります。1日に数回プロテインを飲む人は、1杯は豆乳で他は水で割るなどの工夫が必要です。ソイプロテインは水に溶けにくく、粉っぽさを感じて飲みにづらくなることもあるので、ダマにならないように少量のお湯で溶いてから豆乳を混ぜるとよいでしょう。

プロテインを豆乳で割るなら種類の理解が必要

プロテインを豆乳で割ると、味がまろやかになりさらに飲みやすくなります。豆乳は主に3種類で無調整豆乳・調製豆乳・豆乳飲料があり、JAS規格により定義。これから3つの豆乳の特徴について説明します。

無調整豆乳

出典:https://www.k-tounyu.jp/lineup/131/

無調整豆乳は、「大豆から成分を溶出させ、繊維質を取り除いて得られる乳状の飲料」のことで、これを大豆豆乳液といいます。JAS規格では、「大豆以外の原材料を使用していないこと」「大豆固形分が8%以上であること」と定められています。豆腐を作るプロセスにおいて、おからを除去したものが無調整豆乳ということになりますね。

水と大豆のみで作られていて少し苦みを感じることもありますが、大豆自体の味や香りを楽しむことができます。また、3種類の中で最もタンパク質の量が多く含まれています。

調製豆乳

出典:https://www.k-tounyu.jp/lineup/89/

調製豆乳は、「大豆豆乳液に大豆油その他の植物油脂及び砂糖類、食塩等の調味料を加えた乳状の飲料」「豆乳中に含まれる大豆固形分は6%以上」と定められています。無調整豆乳に塩や砂糖を加えた豆乳です。ほのかに甘い風味で、大豆特有の香りが得意でない人でも飲みやすいでしょう。

豆乳飲料

出典:https://www.k-tounyu.jp/lineup/3853/

豆乳飲料は、豆乳に野菜やフルーツなどを加えて作られています。「大豆固形分の4%以上もの」「果汁入りの場合は2%以上のもの」と定義されています。マイルドな味わいで飲みやすく、子供でも気軽に飲むことができますね。

プロテインを割るには『無調整豆乳』が最適

プロテインと同時に摂取するなら無調整豆乳がおすすめです。プロテインは、水でも美味しく飲めるように甘みがついているため、プロテインの味を損なうことなく楽しめます。無調整豆乳は調整豆乳・豆乳飲料とは違い砂糖や塩が使用されていないので、過剰な糖分を摂ることも防止できますね。

また、大豆固形分が多く含まれており、大豆本来の風味を堪能できます。植物性のタンパク質を豊富に取り入れることでき、健康維持にも繋がります。調整豆乳・豆乳飲料に比べて栄養価が高くカロリーも低いので、ダイエット中の人や筋肉をつけたい人にもよいでしょう。

(プロテインの溶かし方については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインを豆乳で割る際の注意点

プロテインを豆乳で割ると利点がある一方、注意が必要なこともあります。ここからは気をつけなければならない点を解説します。

栄養素の過剰摂取

食品安全委員会は「大豆イソフラボンの安全な摂取目安量の上限値を70~75mg/日」と定めています。1日の摂取量が上限値を超えても、すぐに健康被害には繋がらないと言及しています。

大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 ㎎/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びくというものではないことを強調しておく。

引用元:http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_isoflavone180309_4.pdf

豆乳1杯(200ml)の大豆イソフラボン含有量は約20mgです。ソイプロテインに含まれるのは1杯あたり約40~60mgとなるため、豆乳で飲むのは1日1杯程度がよいでしょう。ホエイ・カゼインプロテインは1日2~3杯ほどが安心して飲める量になります。

プロテイン・豆乳に含まれるタンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーがあり、余分に摂取するとカロリーオーバーになってしまいます。一度に大量に摂っても筋肉を合成するタンパク質が作られるわけではなく、過剰分は脂質になってしまいます。

タンパク質の摂りすぎが気になる人は、甘酒で割るのもおすすめです。甘酒は飲む点滴と言われるほど栄養価が高い飲料です。砂糖不使用の米麹を発酵させた甘酒は、自然の甘みを感じられ糖分も気になりません。

ホットにするなら溶かしてから温める

プロテインをホットで飲む際は、あらかじめプロテインを豆乳で十分に溶かしてから温めましょう。タンパク質には熱変性があり、温めすぎるとダマになりコップの底にべったりとついてしまうことがあります。ホエイプロテインは80℃から熱変性が起こるので注意が必要ですが、カゼイン・ソイプロテイン100℃ほどでは起こらないと言われています。

電子レンジで温める時は、60℃程度の温度設定をするのもよいでしょう。また、ホットで楽しむ時は熱に強くダマになりにくいカゼイン・ソイプロテインを選ぶのもおすすめです。

(プロテインはお湯・ホット牛乳でもOKについては以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインを豆乳で飲んでいる人の体験談

プロテインを豆乳で飲みたいと思っている人は、どのような効果を感じられたのか、どんな飲み方をしているのか体験談が気になりますね。ここからは実際の体験談を紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

食事の代用になる



朝ごはんをプロテインの豆乳割りにしている女性の声です。満腹感があり食事の置き換えとして飲む人も多くいます。栄養を摂りつつダイエットできますね。

肌の調子がよくなる



こちらの方は肌の調子のよさを実感されています。豆乳は美肌によいと言われているビタミン類を豊富に含有。また、大豆イソフラボンはエストロゲンに似た作用をするので肌のハリや弾力を高める効果もあります。

飲みやすくなる



もともとプロテインは飲みやすいよう味つけされています。豆乳と割ることでより口当たりがよくなり、ジュースのような味わいになるので、プロテインに苦手意識を持っている人でも試しやすいですね。これからダイエットや筋トレを始めたい人におすすめです。

他の栄養もプラスできる



青汁の原料であるケールは、アレルギー症状を緩和する効果やコレステロールの上昇を防ぐことが期待されます。青汁を混ぜることで、野菜に含まれるビタミンやミネラルも同時に補うことができ、他の栄養素も同時に摂取できます。

ミキサーでよく混ぜる



プロテインを豆乳で割る際に溶けにくさを感じる人もいます。ミキサーを使ったりムラがないよう十分にかき混ぜると飲みやすくなります。

プロテインを豆乳割りで飲むなら正しい知識が必須!

プロテインの豆乳割りは、女性ホルモンが増加するので男性には不向きと言われていますが、確実な研究結果はありません。植物性のタンパク質を手早く摂取できるため、男性にも女性にもおすすめできます。タンパク質の摂りすぎには注意が必要ですが、適量であれば健康を害することもありません。プロテインを豆乳で飲む際は、栄養過多にならないよう気をつけてください。