ボディメイク

マッスル北村の睡眠時間が3時間ほど?寝る間を惜しんで食事をしていたって本当?

2021年03月30日

マッスル北村は、没後20年以上経った今でも多くのファンに愛されているボディビルダーです。ショートスリーパーであることが有名で、その睡眠時間は3時間程度といわれています。本記事では、マッスル北村の睡眠時間と食事との関係について紹介していきましょう。

マッスル北村の睡眠時間が異次元に短い?

出典:http://rle.hatenablog.com/entry/2016/08/13/173947

伝説のボディビルダーと語り継がれているマッスル北村(本名:北村克己)は、1960年10月に東京都練馬区で生まれました。東京学芸大学教育学部付属小・中・高等学校を卒業し、東京大学理科Ⅱ類中退、東京医科歯科大学医学部も中退していますが、非常に頭脳明晰な人でした。

小学6年生のころから肉体と精神の限界を極めたいと思っていた彼は、東京大学在学中にボディビルと出会い、2000年8月3日(享年39歳)に亡くなるその日まで、ストイックなボディビルダー人生を送るのです。

限界を極めるトレーニング生活を送るなかで、マッスル北村の睡眠時間は異次元に短いといわれています。その時間は、毎日2時間もしくは3時間といわれていますが、それはなぜなのでしょうか。

(マッスル北村の生い立ちや名言については以下の記事も参考にしてみてください)

マッスル北村の睡眠時間が短い理由

マッスル北村の睡眠時間が短い理由は、大きな筋肉を作り上げることと、独特な食事が起因しています。睡眠時間を削ってまで、食事に時間をかけていました。

初参戦のボディビル大会での屈辱

東京大学入学直後に先輩の誘いで参加した、ミスター関東学生大会。当時マッスル北村の体重は55kgでした。ボディビルダーほどの筋肉はついていないまでも、これまで筋トレなどで肉体を鍛えてきた自負はありました。

ところが周りの選手の筋肉を見たときに自分がガリガリに見えて、とても悔しい思いをしたのです。当然結果が残せず惨敗でした。のちに本人は、このときの悔しい感情を「価値なしのレッテルを貼られた」と表現しています。

ストイックなボディビル人生のはじまり

初参戦した大会で惨敗した翌日から、肉体改造のため筋肉トレーニングに明け暮れました。警備員、引越し作業員、ブールの監視員などのアルバイトで稼いだお金は、すべて食事に費やしました。家族との食事以外に、全卵20~30個、牛乳2~3L、サバ缶3缶、プロテイン300gが日々のノルマです。

かなりのボリュームで胃もたれも起こすことから、消化・吸収促進のために大量の胃腸薬も服用していました。深夜を回っていても、睡眠時間を削って食事に費やします。顎が疲れて量が食べられないことから、ボディビルダーにとっては有名なレシピ、マッスル北村の「ささみシェイク」が考案されたといわれています。

狂気のトレーニングと食事でリベンジに成功

毎日7~10時間を回数・重量ともに限界まで追い込む過酷なトレーニングに費やしました。食事もすさまじい量を食べることで強制的に胃腸を鍛え、消化と吸収力を高めてバルクアップを成功させます。屈辱を受けた日から10ヶ月ほどで体重は40㎏増量、初戦から2年後の1983年には、ついにミスター関東学生大会で優勝し、リベンジを果たしたのです。

寝る間も惜しむ減量と食事制限

その後は1986年まで国内の数々の大会で優勝し、活躍の場は海外の大会に及びます。体重の増加だけでなく、大会に向けての減量も常軌を逸したものでした。国内大会にむけての減量は、油とたんぱく質を減らし、炭水化物はきちんと摂取する方法でした。

海外の大会に向けての減量は、低炭水化物+高脂肪ダイエットにシフトしています。エネルギー源はオリーブオイルなどの油で摂取していました。思うように減量できないと、油までも取り除き、トレーニング中に意識を失うこともありました。

アジア大会の前には120㎞のマラソンを15時間かけて走りぬき、2日で14kgの減量を成功させた逸話もあります。トレーニングでは、日々最重量更新を目標として鍛えていました。また、トレーニングや食事のシーンを動画に収めて徹夜で編集していたことも、睡眠時間が短かったことの一因といえるでしょう。

(プロテインの1日の摂取量については以下の記事も参考にしてみてください)

マッスル北村の睡眠時間は絶対真似してはいけない?

マッスル北村は、ボディビルダーとして確固たるポジションを築き、肉体と精神の限界を極めて、39歳という若さでいわゆる完全燃焼しました。ボディビルダーでなくとも、少なからずトレーニングをしているのであれば、マッスル北村の睡眠時間を真似することはおすすめできません。

筋トレと睡眠時間の関係

筋トレを行う目的は、人それぞれです。いずれにしても、せっかくトレーニングをするのですから、毎回効果が発揮できるとモチベーションも上がります。トレーニングは前夜から始まっているといっても過言ではありません。

2012年、イギリスのスポーツ機関がアスリートを集めて、睡眠時間によるトレーニング効果への影響を調査しました。睡眠時間8時間以上と6時間未満のグループに分かれて、スクワットやベンチプレスなどの多関節トレーニングを実施します。条件は、重量を各々最大値の85%として限界まで行い、4回繰り返します。

後日、グループメンバーをチェンジして、同じ実験を行います。この実験により、両日とも睡眠時間が6時間未満のグループのほうが、どの種目においても総負荷量が少なくなったという結果がでました。要するに、睡眠時間はトレーニング効果に影響するのです。

(寝不足での筋トレが与えるデメリットについては以下の記事も参考にしてみてください)

食事ができない睡眠時間が危険



マッスル北村の食事の動画には驚きます。睡眠まで削って作り上げた筋肉ですが、筋肉量が増えればカロリー消費も高くなるため、睡眠時間は危険です。

食事と睡眠の大切さを実感



バルクアップのためだけに制限された食事をして減量し、低血糖になってしまうとは考えさせられます。

命日を思い出したら気をつけて!



8月3日はマッスル北村の命日です。水分補給や栄養補給、睡眠時間を見直して、睡眠中の脱水症状には充分気をつけましょう。

睡眠もトレーニングの一部



トレーニングは肉体だけを鍛えるだけではなく、食事と睡眠がいかに大事であるかを頭に入れておきましょう。

(マッスル北村の死因と食事制限による低血糖については以下の記事も参考にしてみてください)

マッスル北村の睡眠時間は一般人には参考にならない…。

マッスル北村は、睡眠時間を削って究極の肉体美を作り上げました。肉体と精神を限界まで追求した結果、減量による低血糖症でこの世を去ります。すべてに超越した彼だからこそ、2~3時間の睡眠で成せる技です。これこそ彼からのメッセージと受け止めて、一般人のわたしたちが健全にトレーニングを行うならば、十分な睡眠もトレーニングのひとつと捉えましょう。