目次
ウォーキングランジとは?
ウォーキングランジとは太ももやお尻等の下半身の筋肉を全体的に鍛えられるトレーニング種目です。ランジという代表的な種目がありますが、ウォーキングランジはそのランジの応用種目の1つでもあります。
何も持たずに自重でも行えますが、後ほど説明するようにバーベルやダンベルを持っても行える種目です。今回はこのウォーキングランジの具体的な効果ややり方などについて解説します。下半身の種目としては非常に優れているので、効果的な下半身の筋トレを探している方などは参考にしてみてください。
(通常のランジについては以下の記事も参考にしてみてください)
レッグランジのやり方!太もも・お尻の引き締めに!初心者〜上級者向けのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ウォーキングランジの効果
それではまずウォーキングランジを行って得られる具体的な効果について解説します。
多くの筋肉を同時に鍛えられる
ウォーキングランジは下半身のトレーニング種目ですが、太ももなど下半身の一部しか鍛えられないわけではありません。エクササイズの王様と呼ばれるスクワットと同じようにウォーキングランジでは数多くの筋肉を同時に刺激できるのです。
例えば、太ももの前面にある大腿四頭筋や裏側のハムストリングス、お尻の大殿筋・中殿筋、ふくらはぎのヒラメ筋・腓腹筋などを鍛えられます。それに加えて後ほど紹介するダンベルやバーベル等を使えば、体幹の筋肉にもしっかりと刺激を入れて強くできるのです。
このように多くの筋肉を同時に鍛えられる下半身の種目は少ないので、時間効率を重視する人などには特に適した種目と言えるでしょう。ちなみに伝説のボディビルダーのロニー・コールマンもウォーキングランジを積極的に行っていました。そのため筋肥大を目的とする人にもおすすめできるトレーニングの種目なのです。
(ロニーコールマンについては以下の記事も参考にしてみてください)
ロニーコールマン現在は?怪我・生い立ち〜筋トレ・食事・私生活・名言など紹介!
出典:Slope[スロープ]
代謝を上げやすい
上記の通り、ウォーキングランジでは太ももやお尻等下半身の数多くの筋肉を同時に鍛えられます。そして下半身の筋肉は全体の約6〜7割を占めているので、ウォーキングランジで下半身全体を鍛えると代謝が上がりやすいのです。
代謝が上がれば、1日の消費カロリーが増えますから、当然太りにくく痩せやすい状態となります。そのためウォーキングランジは単純に筋肉を鍛え、強く大きくするだけでなく、ダイエットに取り組む人にも適したトレーニング種目と言えるのです。
基礎代謝を上げる筋トレ7選!鍛えるべき筋肉〜痩せやすくなるなどメリットまで解説
出典:Slope[スロープ]
バランス力の向上
ウォーキングランジは後ほど詳しくやり方を説明しますが、名前の通り歩くような動作を求められます。そのためマシン等の安定した種目とは違って、自分で姿勢やバランスを取る必要があるのです。
そして姿勢・バランスを取るために先程紹介したお尻の中殿筋をはじめとして、太ももや体幹の様々な細かい筋肉が使われます。その結果、体を安定させるバランス力が向上するのです。実際にそのバランス力の向上を目的として筋トレ種目に取り入れているスポーツ選手も多くいます。
そのため趣味などでスポーツに取り組んでいる方や姿勢の安定性を求める方には特にウォーキングランジは取り組む価値が十分にある種目だと言えるでしょう。
(バランス力アップを求める方は以下の記事も参考にしてみてください)
ダイアゴナルのやり方!自宅で体幹&バランス力を鍛えるフォームのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
心肺機能向上
ウォーキングランジは上記の通り、歩くような動作を行います。そのため比較的軽めの負荷で回数を増やして行えば高めの負荷の有酸素運動にもなるのです。そしてそれによって心肺機能を向上させられます。
ただし、結構きつい運動なので、体力がない人が無理して行うとフォームを崩して膝等を怪我したりする可能性もあります。そのため自分の体力に自信がない人が有酸素運動として採用するのであれば、慎重に行うようにしましょう。
ウォーキングランジのやり方
それではここでウォーキングランジの具体的なやり方について説明します。正しいやり方を理解すると筋肉をより効果的に鍛えられるだけでなく、怪我の予防もできるようになるのです。そのためこれからウォーキングランジを取り入れる方はここでしっかりとやり方を覚えておきましょう。
▼ウォーキングランジのやり方
①骨盤の幅に足を開いて立つ
②前方を見て、腰に手を当てる
③片足を前に出し、膝を90度に曲げてしゃがむ
④前足を使い立ちながら、反対側の足を前に出す
⑤反対側も同様に足を出したらしゃがむ
この動作を一定のリズムで交互に行います。はじめて取り組む時には歩数の目安を片足10歩ずつにし、それを合計2セット行うと良いでしょう。
ウォーキングランジのコツ&注意点
では次にウォーキングランジをより効果的、そして安全に行うためのコツや注意点を紹介していきます。
膝がつま先より前に出ないようにする
ウォーキングランジでは前に出した足の膝を曲げる時に、前に出る勢いに負けて体が前に大きく出て、膝がつま先より前に出てしまうケースがよくあります。しかし、膝がつま先より前に出てしまうと足の筋肉ではなく、膝に負荷がかかってしまい怪我をする可能性があるのです。
膝が出ているかどうかは自分では確認し辛く、出ていないと思っていても出ている場合もあります。そのため最初のフォーム習得の時点では鏡や動画撮影などで確認したり、トレーナー等の第三者から確認してもらうと良いでしょう。
膝が内側に入らないようにする
ウォーキングランジでは前に出した足を曲げていきますが、その時膝が内側に入らないように注意してください。実は先程も紹介したお尻の中殿筋や太ももの内側広筋等が弱いと、その影響によって膝が内側に入るKnee-inと呼ばれる現象が起きやすくなります。
そしてKnee-inによって膝が内側に入ってしまうと膝がつま先より前に出た時と同じように膝に負荷がかかり、怪我の原因となり得るのです。それを防ぐためにも先程と同様に鏡等でしっかりとチェックしながらフォームを習得するようにしましょう。
上体は真っ直ぐ維持する
ウォーキングランジでは基本的に上体は真っ直ぐの姿勢を維持しましょう。前や後ろに上体が曲がったり、左右に傾いたりしないように体幹にしっかりと力を入れて、上体がブレないようにしてください。
ちなみに2008年に発表された論文によれば、真っ直ぐや後傾よりも前傾ハムストリングスや大殿筋等への運動指令の数字が高く出ています。そのためハムストリングス等を中心に鍛えたい場合はバリエーションとして前傾姿勢で行っても構いません。
ただ、上体が真っ直ぐの姿勢で行うフォームはバーベルやダンベルを使う応用等にも活きます。そのためウォーキングランジをはじめて取り入れる方は、最初は上体は真っ直ぐの姿勢によるフォームで練習しておくと良いでしょう。
目的に合わせて負荷を調節する
ウォーキングランジでは他の筋トレ種目と同様に目的に合わせて負荷を調節するとより良いトレーニングが行えます。一般的な目安としては筋力アップが目的なら1回から6回、筋肥大には6回から12回、筋持久力の向上や有酸素運動としてなら15回以上で限界となる負荷が良いでしょう。
ただし、ウォーキングランジは不安定な種目ですので、1回から6回しか扱えない重量・負荷で行うと太ももやお尻の筋力が限界を迎えた時にバランスを崩して怪我を引き起こす可能性があります。そのため基本的には6回以上扱えるような重量・負荷で行うと安全です。
ちなみに筋肥大については12回以上行える負荷でも限界まで繰り返し、回数✕セット数の総ボリュームが同じであれば、同程度の筋肥大が期待できます。そのため6回などではバランスが取れない人はもう少し負荷を軽くして、限界まで筋肉を追い込むようにすると良いでしょう。
ウォーキングランジを行う頻度は?毎日OK?
ウォーキングランジを行う頻度については、1週間のボリュームが一定であれば筋肥大の面については毎日行っても1週間に1回でも大きな違いはありません。
例えば、30kgのバーベルを使ったウォーキングランジを1週間に10回✕5セット行うとします。その場合、1週間に1回で10回5セットを行っても、1週間の内5日間で1日1セット行っても総ボリュームが同じなので、筋肥大の面では大きな違いがないのです。
そのため原則としては自分の体調やトレーニング環境等に合わせて頻度を決めれば良いと言えます。ただし、高負荷のトレーニングを行っている場合には、疲労が溜まりにくく、集中力も維持しやすくトレーニングの質が高くなるのでできるだけ頻度は高めた方が良いでしょう。
筋肥大目的の1週間メニュー【ジム・自宅別】最適な頻度〜停滞期打破の対策まで解説
出典:Slope[スロープ]
ウォーキングランジはバリエーションも
先程解説したウォーキングランジのやり方は自重で行う最も基本的なやり方ですが、実はそれ以外にもウォーキングランジにはバリエーションがあります。これから4つのバリエーションを紹介しますので、色々と試してみたい方は参考にしてみてください。
ダンベルウォーキングランジ
これは基本のウォーキングランジをダンベルを持って行うバリエーションです。自重よりも下半身への負荷が高まり、筋力・筋肥大アップに効果的な種目となっています。またダンベルを持つことでバランスを取るために体幹がより使われるので、バランス力アップを狙いたい人にもおすすめです。
▼ダンベルウォーキングランジのやり方
①ダンベルを両手に持って立つ
②片足を大きく前に出す
③そのまま体を真っ直ぐ下に降ろし、お尻を伸ばす
④後ろの足を蹴り上げて直立状態に戻る
以上の動作を繰り返します。この動作中の呼吸は体を下ろして、元に戻る時に吐き出すようにしましょう。
▼ダンベルウォーキングランジのコツ&注意点
・前傾姿勢では刺激が抜けるので上体は垂直を維持
・お腹に力を入れて、お尻が伸びるように意識する
このようにダンベルを持つだけでも、自重のウォーキングランジとはまた違った刺激を得られます。ウォーキングランジの次のステップとして適しているので、自重での動きに慣れたらぜひ挑戦してみてください。ちなみにダンベルの代わりにバーベルを担いでも行えますので、1つの筋トレメニューとして覚えておくと良いでしょう。
プレートを使ったウォーキングランジ
これはバーベルに使用するプレートを活用したウォーキングランジのバリエーションです。ダンベルを使うバリエーションよりもさらに高いバランス力が求められます。
▼プレートを使ったウォーキングランジのやり方
①両手でプレートを持つ
②プレートを頭上に持ち上げ、両腕を完全に伸ばす
③両足を肩幅くらいの幅に広げる
④片足を出し後ろの膝が床に着くまでお尻を落とす
⑤前足に力を入れて、両膝を伸ばして元に戻る
⑥そのまま反対側の足を前に出し、動作を繰り返す
このウォーキングランジを実施する時のプレートの重さは、頭上で30秒以上保持できる重さが適しています。それ以上のものは危ないので止めておきましょう。
▼プレートを使ったウォーキングランジのコツ&注意点
・前足の膝は足の真上に位置するように意識する
・上体は真っ直ぐを維持する
このウォーキングランジは下半身だけでなく、上半身の筋肉も多く使用します。さらに体幹にも強烈な刺激を与えられますので、全身を効率的に鍛えたい人にはおすすめです。ちなみにダンベルでも代用できますので、プレートが無い人はダンベルで試してみてください。
ウォーキングランジ&ツイスト
これはメディシンボールを使ったウォーキングランジのバリエーションです。体幹をねじる動きを加えていますので、これまでのバリエーションとは違って直接的に腹筋周りも鍛えられます。
▼ウォーキングランジ&ツイストのやり方
①立ったままメディシンボールを胸の前で持つ
②片足を出して、上体を下げる
③上体を下げたまま前足の側へ上体をねじる
④上体を元に戻して、膝を伸ばし上体を上げる
⑤そのまま反対側の足を前に出し、動作を繰り返す
この動作で体をねじる時はメディシンボールや顔も固定して同じ方向へ移動させましょう。ちなみにこの動作で使用するメディシンボールはグリップがあり、両手でしっかりと握れるタイプがおすすめです。
▼ウォーキングランジ&ツイストのコツ&注意点
・前足は動かないようにしっかりと固定する
・できるだけ大きく上体をねじる
・両肩は十分にリラックスさせておく
この筋トレ種目は下半身だけでなく、くびれを作るのにも有効です。そのためVシェイプの全体的にバランスの取れたかっこいい体型を目指す人も筋トレメニューに取り入れてみると良いでしょう。
ワンアームオーバーヘッドウォーキングランジ
これは先程紹介したプレートを使ったウォーキングランジのバリエーションに近い筋トレ種目です。先程は両手でプレートを持ちましたが、この種目では片手ずつ重りを持って行うので先程よりも難易度は高くなります。
▼ワンアームオーバーヘッドウォーキングランジのやり方
①ケトルベルかダンベルを片手で頭上に持ち上げる
②そのまま通常のウォーキングランジを行う
③事前に決めておいた歩数か距離をこなす
④一定の歩数か距離をこなしたら、反対の手に変える
⑤再び同じ歩数か距離をランジでこなす
この動作中は上に挙げている腕や上体が前後左右にずれないように、真っ直ぐの上体を維持するように意識しましょう。
▼ワンアームオーバーヘッドウォーキングランジのコツ&注意点
・動作前に腕や上体のポジションをちゃんと作る
この種目では特にダンベルやケトルベルを持っている側の太ももやお尻、また反対側の腹直筋や腹斜筋等に強い刺激が与えられます。高い筋力は必要としませんが、バランス力は必要です。安全に行うためにもこの筋トレ種目を取り入れる時には練習として軽めの重さのダンベル等を使って始めるのをおすすめします。
ウォーキングランジで効率良く下半身を強化!
ここまでウォーキングランジの効果ややり方、バリエーション等を解説してきました。最初にもお伝えしている通り、ウォーキングランジは下半身の多くの筋肉を一度に刺激できる優れた種目でもあります。下半身を鍛えたい人は積極的に筋トレメニューに取り入れて、効率よく下半身の筋力・筋肥大等を実現させていきましょう。