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インナーマッスルとは?アウターマッスルとの違いは?
筋肉には、インナーマッスルとアウターマッスルという2つの種類があります。2つの筋肉のちがいをはっきり言えるという方は少ないのではないでしょうか。それでは、インナーマッスルとアウターマッスルの2つの筋肉の違いや特徴について解説していきます。
アウターマッスル
そもそも筋肉を構成するタンパク質には、酸素と結合して働くミオグロビンというものがあります。これが多く含まれると赤く見え赤筋と呼ばれ、逆にミオグロビンの少ない筋肉を白筋と言います。冒頭でお伝えした2種類の筋肉とはこの2つのことです。そして赤筋は収縮が遅く、白筋は収縮が早いという特徴があります。
アウターマッスルとは身体の表層部に位置する筋肉で、腹直筋や大胸筋、大腿四頭筋、肩にある三角筋など、いわゆる筋トレで鍛えられる目に見えやすい筋肉です。深層にあるインナーマッスルとは違い、身体を直接動かせる強く大きな筋肉のことを指します。
筋肉の分類で言えば速筋と呼ばれる筋肉であり、深層にある遅筋とは異なって酸素を取り込みにくいので作り出せるエネルギーが少なく疲れやすいです。しかし収縮速度が速いため、瞬間的に大きな力を出せるのが特徴です。
インナーマッスル
先ほどの筋肉の分類でいうと、インナーマッスルは遅筋です。遅筋は酸素をエネルギーとして収縮するため、持久力があり疲れにくいですが、収縮速度はゆっくりです。この特徴のように、遅筋であるインナーマッスルは身体を激しく動かすというよりも、肩や股関節など身体全身の深層部にあり全身を支える筋肉のことなのです。
例えば、腹筋の深層にある腹横筋、骨盤付近で内臓を支える骨盤底筋群、肩関節の肩甲下筋などがインナーマッスルです。筋トレで鍛えられる筋肉より深層にあるため、意識的に動かしづらく見ることも難しいです。しかし、姿勢保持筋とも言われるように骨や関節を支え内臓を正しい位置に安定させる作用を持ちます。
インナーマッスルとは?体幹とは別?作用&鍛える効果〜鍛え方など徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
インナーマッスルを鍛える効果・必要性
先ほど説明したように、インナーマッスルには深層部で骨や関節を支えたり内臓を正しい位置に安定させるなどの作用がありました。ここではインナーマッスルを鍛える効果や必要性について詳しく解説していきましょう。
基礎代謝量の向上
基礎代謝は、生命を維持するため何もしていなくても消費されるカロリーです。実は人の消費カロリーのうち約7割が基礎代謝とも言われ、さらに基礎代謝のうち4割が、筋肉によって消費されています。筋肉量が多いほど基礎代謝量があがるということです。
さらに、深層にあるインナーマッスルは身体活動や内臓の働きをスムーズにするためのサポートをする筋肉です。血液循環や体温保持に大きな役割を持つインナーマッスルが多くなるほど基礎代謝量も多くなり、カロリー消費がしやすい身体になります。
内蔵機能の向上
インナーマッスルには、肩や脚の動きを安定させるだけでなく、内臓を正しい位置に安定させる効果もあります。インナーマッスルによって内臓を支える作用が得られなければ、胃腸など内臓の位置が下がってしまいお腹まわりが緩んだ印象になるだけでなく、内臓にも負担がかかり身体の不調にもつながります。
例えば、内臓の位置が悪いと内臓が圧迫され食後の胃腸の蠕動運動を妨げとなり胃痛や胃もたれ、消化不良などの原因になります。インナーマッスルによって内臓が正しい位置に安定すると、お腹周辺の血流も改善し内臓の負担が減るため、内臓機能向上の効果が期待できるでしょう。便秘といった腸の不調の改善も期待できます。
運動機能の向上
インナーマッスル自体が運動機能を司るわけではありませんが、インナーマッスルはアウターマッスルの動きをサポートする作用を持ちます。骨や関節を安定させるため、肩や脚などを動かすときにもブレが少なくスムーズな体の動きを作り出せるのです。インナーマッスルで体幹を鍛えると言いますが、体幹にはこのスムーズな動作をサポートする役割があります。
アウターマッスルを鍛える筋トレだけでなく、インナーマッスルのトレーニングを併用することで、体幹を使ったより効果的な正しい筋トレが行えると言えます。また動作にブレが少なくバランスが良くなることで、怪我のリスクも避けることができるでしょう。
姿勢が良くなる
インナーマッスルは身体のバランスを維持しますが、特にお腹周囲の体幹や股関節周囲のインナーマッスルは、背骨を支える働きがあります。背骨は、首まで伸びており頭を支える役割と同時に、腰やお尻付近まで伸びて全身の姿勢を維持する大切な役割を持ちます。
つまり背骨がしっかりと支えられ骨盤の位置が安定していると、頭を負担なく支えることができ正しい姿勢を維持できるのです。また身体の歪みが解消されることで、姿勢や身体のバランスの悪さを原因とするなかなか治らない腰痛を改善する作用も期待できます。
(姿勢に関わる大腰筋のメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大腰筋のストレッチメニュー9選!ぽっこりお腹&姿勢を改善するコツを大公開
出典:Slope[スロープ]
インナーマッスルが衰えるデメリット
インナーマッスルの効果で説明した通り、インナーマッスルは身体機能だけでなく内臓機能にも作用し身体を安定させる働きがありました。つまりインナーマッスルが衰えると、身体の健康を大きく損なうことになります。ここでは、そのデメリットについて説明します。
怪我や病気のリスクが上がる
健康に生活するには、大きな怪我や病気をしないことが大切です。目には見えなくても陰ながら身体機能を支えてくれるのがインナーマッスルですので、衰えるとちょっとした怪我や病気のリスクが上がってしまいます。
例えば「背骨を支える筋肉が弱く姿勢が悪くなり猫背や反り腰になる」「上半身を自身の筋肉で支えられないため腰痛や膝痛になる」「バランスをうまく保てず転倒する」「スポーツ時にパフォーマンスが低下する」「内臓の位置が安定せず便秘やぽっこりお腹になる」などが考えられます。
疲れやすくなる
インナーマッスルが弱いと遅筋の作用が少なくなり持久力が下がってしまうため、疲れやすくなります。首・肩・腰などの関節部分もスムーズに動かせず負担がかかってしまいますし、肩が落ち姿勢も悪くなることでお腹や内臓の働きも十分でなくなってしまうからです。
疲れやすくなると普段の生活が送りづらいだけでなく、精神的にもストレスがかかってくるものです。心身ともに健康を維持するには、体幹をはじめとしたインナーマッスルを鍛えることをおすすめします。
インナーマッスルを鍛えて効果が出るのはいつから?
インナーマッスルを鍛えるため体幹トレーニングを始めた場合、効果が現れるのは早くて2週間、遅くとも3か月と言われます。ここで問題なのは、インナーマッスルは深層部の筋肉なので、アウターマッスルのように効果が目に見えてわからないという点です。インナーマッスルを鍛えている人はどのように効果を感じているのでしょうか。
体幹トレーニングの効果は、生活上やアウターマッスルのトレーニングをしている中で気付くことが多いようです。例えば、「意識せずとも姿勢が良くなってきた」「アウターマッスルトレーニング時のフォームが整ってきた」「便秘や腰痛、肩痛などの身体の不調が改善した」などが挙げられます。
またインナーマッスルを鍛える中で、筋肉痛のような痛みを感じることがあります。アウターマッスルの筋肉痛とは違う痛みであり、腹痛や胃痛・腰痛、また下痢の症状となって現れることもあります。まずはトレーニングが正しくできているか確認したうえで、とりあえず2~3か月行ってみるとよいでしょう。
筋トレの効果はいつから出る?痩せ・筋肥大など目的別の期間〜体験談まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
インナーマッスルについて詳しく知りたい方はこちら
インナーマッスルの効果を感じていただけたところで、インナーマッスルについての他の記事を紹介します。先ほど触れた、お腹の痛みなどの筋肉痛について解説している記事もあります。対処法も紹介されているので参考にしてください。
インナーマッスルは筋肉痛になる?胃痛・腰痛・腹痛にも?対処法まで解説!
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出典:Slope[スロープ]
インナーマッスルを鍛える効果について理解をしておこう
ここまでインナーマッスルとアウターマッスルの違いをはじめ、肩やお腹などの深層部にあるインナーマッスルを鍛えるメリットについて解説しました。各部分のトレーニング方法についても参考記事を載せていますので、インナーマッスルを鍛えてぜひ健康的な身体を手に入れてください。