ハイプルでスポーツ能力を爆上げ!全身の筋肉を連動させるやり方のコツを解説!

ハイプルとはウエイトリフティングの動作の一つで、主に下半身の力を使ってダンベルやケトルベルを床から首元まで持ち上げるトレーニングです。ジャンプ力など、スポーツ能力を向上させる狙いがあります。アップライトロウやハイクリーンと似ている種目です。

監修 |パーソナルトレーナー 高津 諭
トレーニング指導歴年 大阪・兵庫を中心に活動する「食べて、鍛えて、整えて」豊かな人生を創造するパーソナルトレーニングを提供しています。 業界のパイオニアとして専門誌にも取り上げられたこともあり、...
トレーニング指導歴22年 大阪・兵庫を中心に活動する「食べて、鍛えて、整えて」豊かな人生を創造するパーソナルトレーニングを提供しています。 業界のパイオニアとして専門誌にも取り上げられたこともあり、現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している■HPブログTwitter

目次

  1. ハイプルとは?
  2. ハイプルで鍛えられる筋肉部位&メリット
  3. その①僧帽筋
  4. その②三角筋
  5. その③大腿四頭筋
  6. その④下腿部
  7. その⑤ハムストリングス
  8. ハイプルの正しいやり方
  9. ハイプルのコツ&注意点
  10. クイックリフトトレーニングOKな施設か確認
  11. 垂直にバーを上げる
  12. 上げきった瞬間は股関節を伸ばす
  13. 最後はハーフクワットの体勢
  14. ハイプルはケトルベル・ダンベルでも可能
  15. ケトルベルを使ったハイプルのやり方
  16. ダンベルを使ったハイプルのやり方
  17. ハイプルでスポーツ能力が向上した人の体験談
  18. ジャンプ力がアップ
  19. サッカーのパフォーマンスが向上
  20. リフト競技のパフォーマンスが向上
  21. ハイプルを取り入れてスポーツ能力向上へ

ハイプルとは?

出典:https://www.muscleandfitness.com/workouts/workout-routines/sumo-deadlift-high-pull-wod/

ハイプルとはウエイトリフティングの動きの一部であり、バーベルやケトルベル、ダンベルで行うことができます。ウエイトリフティングの練習だけでなく、爆発的な力を出したい、瞬発力やジャンプ力を身に着けたいスポーツ選手にも有効なトレーニングです。

ハイプルと似た種目の一つに、アップライトロウというトレーニング方法があります。ハイプルやハイクリーンは膝を伸ばして重りを引き上げますが、アップライトロウは膝を曲げずに三角筋や僧帽筋を使って肘を外側に引き上げて重りを肩まで上げます。

(アップライトロウの効果、やり方ついては以下の記事も参考にしてみてください)

ケーブルアップライトロウの効果&やり方!三角筋に初心者でも簡単に効かせられる!
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ハイプルで鍛えられる筋肉部位&メリット

ハイプルを筋トレメニューに取り入れることで鍛えられる筋肉として、僧帽筋、三角筋、大腿四頭筋、下腿部、ハムストリングスが挙げられます。その筋肉を鍛えることでどのような運動、スポーツで効果的なのかを解説します。

その①僧帽筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-4

僧帽筋は首の後ろから背中に広がり、皮膚のすぐ下にある筋肉のことです。頚部を動かす筋肉であり、肩甲骨を正常な位置に保持する筋肉でもあります。僧帽筋を鍛えると、物を引っ張ったり持ち上げたりする筋肉が発達するというメリットがあります。

そのため、ウエイトリフティング、ラグビー、柔道といったパワー系の競技で効果的と言えるでしょう。また、肩甲骨を動かす野球、バレーボール、バドミントンといった競技でもパフォーマンスを伸ばすことができます。

僧帽筋の鍛え方!自重〜器具使用の筋トレメニュー&背中をデカくするコツを解説

その②三角筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-2

三角筋とは、肩全体を覆う筋肉でのことで、形は名前の通り三角形です。腕や肩を動かす時に使われる筋肉で、上半身の筋肉の中では一番大きな筋肉です。三角筋を鍛えることで、ダイエットやボディメイクを目指す人は効率的に目標を達成することができます。

また、ラケット競技や走る動きのある競技など、腕を動かすスポーツのパフォーマンスの向上にもつながります。

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三角筋の鍛え方!肩が急激にデカくなる筋トレメニュー&ストレッチの方法を解説

その③大腿四頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-11

大腿四頭筋は太ももの前側にあり、大腿骨を4つの筋肉で覆うようにあります。体重やひざ関節、骨盤の前傾姿勢を保つための筋肉で、この4つの筋肉は体の筋肉の中でも一番大きい筋肉です。

大腿四頭筋鍛えることで、瞬発力やジャンプ力の向上が期待できます。
バレーボールやバスケットボールのような、ジャンプの動作が多い競技で活躍できると言えるでしょう。

大腿四頭筋の筋トレメニュー!自重〜ジムまで!太もも前を鍛えるコツを徹底解説!

その④下腿部

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-13

下腿部の筋肉は、腓腹筋外側頭、腓腹筋内側頭、ヒラメ筋の3つの筋肉で構成されています。ふくらはぎと呼ばれる部位です。膝関節と足関節の曲げ伸ばしに関わってくるので、この部分を鍛えることで姿勢が良くなるというメリットがあります。

また、瞬発性のある動きをすることから、ダッシュ力やジャンプ力の向上につながると言えるでしょう。ダッシュ力を問われる陸上競技、ジャンプの動作があるフィギュアスケートや新体操などの競技に効果的です。

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その⑤ハムストリングス

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-13

ハムストリングスとは、太ももの後ろにある筋肉のことです。上半身の三角筋に次いで大きな筋肉で、大腿二頭筋長頭、大腿二頭筋短頭、半腱様筋、半膜様筋の4つの筋肉の総称です。股関節と膝関節の両方に関わるので、鍛えることでO脚の改善や怪我の予防ができるといったメリットがあります。

また、走力とジャンプ力が向上するので、この2つが必要になるバスケットボールなどで能力アップが期待できます。

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ハイプルの正しいやり方

ハイプルはハイクリーンのキャッチ動作を抜いた種目になります。なぜハイクリーンの代わりハイプルを行うのかというと、ハイクリーンはバーをあげてキャッチをする必要があり難易度が高くなるからです。また、下半身と上半身の動きや連動性を意識したいのに、キャッチに集中してしまい疎かになってしまうという点も挙げられます。

▼ハイプルのやり方(バーベル編)
①バーベルを肩幅で持ち、床に着ける
②バーベルを体に近づけ膝や太ももまで上げる
③下半身を伸ばしながらバーベルを肩まで上げる
④バーベルを太ももや床まで下ろす

瞬発力を向上させたい人は、1セットを6回~10回で限界がくる重量で設定してください。ダイエット目的の場合は、1セットを20回で限界がくる重量でハイプルを行いましょう。セット数は初心者は3セット、慣れてきたら5セットまでにします。

ハイプルのコツ&注意点

ハイプルのコツは、後ろに重心をもってくるというところにあります。その他にもコツがあるので、注意点とともにご紹介していきます。

クイックリフトトレーニングOKな施設か確認

ハイプルは器具を用いた激しい運動です。誤って器具を落としてしまったりすると破損につながりますし、怪我の原因にもなります。行う際はジムのスタッフに確認してからにしましょう。また、ネットでクイックリフトトレーニングができる施設を探してみるのもおすすめです。

垂直にバーを上げる

垂直にバーを上げるために、後ろに膝を抜いて真っすぐにバーを上げる道を作りましょう。バーベルを膝まで持ち上げた時に、くるぶしの少し前の延長線上にバーベルがきているようにするといったイメージで行ってみましょう。

上げきった瞬間は股関節を伸ばす

最後にぐっと引き寄せる動作がうまくいかなかったり、股関節の力が疎かになると感じる場合は、バーベルが上まで来た時に股関節を伸ばすことを意識してください。股関節が伸びることで踵体重になるので、重心が後ろに行き安定します。

最後はハーフクワットの体勢

バーベルを上げると、どうしてもつま先立ちになって前側に体重移動してしまいます。その場合は、ハーフスクワットの状態で重心を後ろに置くようにしましょう。バランスが安定するので、バーベルを下ろした時にも体が前に倒れにくくなります。

ハイプルはケトルベル・ダンベルでも可能

ハイプルは、バーベルだけでなくケトルベルやダンベルでも行うことができます。ジムに通う必要がなく、自宅で気軽にジャンプ力を養えます。

ケトルベルを使ったハイプルのやり方

主に上背部のトレーニングで、ハイクリーンやスナッチの補強や導入として効果的です。

▼ケトルベルを使ったハイプルのやり方
①ケトルベルを片手にもち、肩幅に足を広げる
②股関節を軸に前傾し、ケトルベルを膝で構える
③足と股関節の伸展運動を使ってケトルベルを肩まで引き上げる
④肩は少し引くようにして肩甲骨を内転させる

持久力を向上させたい人は、20回が限界になるような重量で設定します。瞬発的な力を向上させたい人は10回で限界になるような高重量で設定するのがおすすめです。

▼ケトルベルを使ったハイプルのコツ&注意点
・はじめの前傾姿勢時に背骨を丸めない
・腹圧をかけ、胸椎を伸展する
・足の力を使うイメージを持つ

ケトルベルで行うハイプルは、自宅で気軽に始めることができます。また、ハイプルだけでなく、他の筋トレメニューでも使用できるので、とても便利な筋トレ器具です。

ケトルベルのトレーニングメニュー!効果的に腹筋・胸筋など全身を鍛えるコツを解説

ダンベルを使ったハイプルのやり方

ケトルベルと同様にダンベルでもハイプルを行うことで、運動能力の向上が見込めます。

▼ダンベルを使ったハイプルのやり方
①ダンベルを握って膝のすぐ下で構える
②ダンベルを強く持ち自分のできるところまで上に上げる

ケトルベルハイプルと同じで、持久力を向上させたい人は20回、瞬発的な力を向上させたい人は10回が限界になるような重量を設定します。ケトルベルとは違い両手で行いますので、ケトルベルハイプルよりも重量は下げましょう。

▼ダンベルを使ったハイプルのコツ&注意点
・ダンベルを体から遠ざけない
・腰、膝、足首、肘の負担に注意する

ダンベルはジムでも使うことができる器具です。バーベルよりも場所を取らないので、比較的自分のペースでできる筋トレメニューと言えます。

(アップライトロウについては以下の記事も参考にしてみてください。)

アップライトロウのやり方!三角筋・僧帽筋に効く肩をデカくするコツ!ダンベル・ケトルベル版など

ハイプルでスポーツ能力が向上した人の体験談

筋トレメニューにハイプルを取り入れた人たちは、実際にどのような効果を得たのでしょうか。体験談とともに解説していきます。

ジャンプ力がアップ

一般成人(25〜34歳)の垂直飛びの平均は55.2cmです。そのため、104cm跳ぶことができるとなると平均よりも48.8cm上を跳んでいます。この方は筋トレメニューにハイプルを取り入れることで、ジャンプ力の向上に効果をもたらしたと実感しています。

サッカーのパフォーマンスが向上

ハイプルをやりこんだ2日後のサッカーの試合で、最高のコンディションを感じることができたそうです。ジャンプやダッシュとは、まさにハイプルで鍛えられると言える運動能力です。

リフト競技のパフォーマンスが向上

ハイプルのおかげでスナッチの重量が上がったようです。ハイプルを行うことで股関節も鍛えられるので、リフト競技全般に効果があると言えるでしょう。

ハイプルを取り入れてスポーツ能力向上へ

ハイプルを取り入れることで、爆発的な力を発揮することができるようになります。ジャンプ力や投球力などを養えるため、様々なスポーツで効果的なトレーニングです。今のトレーニングでなかなかパフォーマンスが向上しない方も、ぜひハイプルを取り入れてみてください。