フィッシュオイルには副作用が…?過剰摂取で血が止まらず体臭が強くなる?

フィッシュオイルやサプリに多く含まれるオメガ3はDHAやEPAのことです。疾患予防効果が多数ある反面、過剰摂取による副作用の報告もあります。出血障害のため心疾患や脳出血の危惧、魚臭さから体臭や口臭の難点があり、ポイントを抑えた効果的な摂り入れ方を紹介します。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. フィッシュオイルには副作用があるって本当?
  2. フィッシュオイルの過剰摂取による副作用
  3. 止血機能の低下
  4. 体臭が魚臭くなる
  5. 吐き気・下痢
  6. アレルギー症状
  7. 悪玉コレステロール上昇
  8. 血糖値の上昇
  9. フィッシュオイルの副作用に関する体験談
  10. 魚アレルギー
  11. 口臭が生臭い
  12. 胃が魚臭い
  13. もの凄く魚臭い
  14. 吐き気
  15. フィッシュオイルの副作用を引き起こさないポイント
  16. 推奨されている摂取量を守る
  17. 酸化のリスクを知る
  18. 摂取のタイミング
  19. 他の食品や栄養素を軽視しない
  20. その他、フィッシュオイルに関する記事もチェック
  21. フィッシュオイルの効果を検証
  22. 筋トレに効果的なフィッシュオイル
  23. フィッシュオイルの美容効果
  24. フィッシュオイルは過剰摂取をしなければ副作用の心配はない!

フィッシュオイルには副作用があるって本当?

フィッシュオイルは魚を原料に製造された油で、癌の発生を抑制、記憶力の向上、アトピー、アレルギーの改善、血管疾患に対する予防効果などが証明されています。トクホ指定を受けた商品や、医薬品として治療に用いられたりと、その成分が認められているのです。しかしながら過剰摂取や治療、内服薬、サプリメントとの兼ね合いで、副作用の危険が高まります。

(過剰摂取による副作用については以下の記事も参考にしてみてください)

BCAAの過剰摂取による副作用が危険!?事例〜最適な摂取量&NGラインまで紹介

フィッシュオイルの過剰摂取による副作用

サプリメントは効果を期待するもので、治療として治すものではありません。また、薬のように効果を得るために必要な量や飲むタイミングの実証研究が豊富ではありません。そのため用法や用量が目安量としか記載されていないのです。ついその効果を期待するあまり過剰摂取してしまいがちで、副作用をおこしてしまいます。副作用の主なものを6項目紹介します。

①止血機能の低下
②体臭が魚臭くなる
③吐き気・下痢
④アレルギー症状
⑤悪玉コレステロール上昇
⑥血糖値の上昇

それでは①止血機能の低下から解説していきます。

止血機能の低下

フィッシュオイル由来の血液をサラサラにする効果があるEPA、頭が良くなると言われるDHAは、過剰摂取すると出血した際に止まりにくくなるという副作用があります。下記の全日本民医連の記事でも指摘されていますが、1日3g以上摂取するとそのリスクが高まると言われています。摂取し過ぎなければ全く問題はありませんので、飲み過ぎに注意しましょう。

また、血液凝固剤などを服用している人がフィッシュオイルを摂取すると、出血障害を引き起こす可能性があります。脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの疾患から、血液に何らかの作用を及ぼす薬を飲んでいる場合は事前に医師に相談することをお勧めします。

副作用に注意
 EPAは脳梗塞や心筋梗塞など、血栓(血の塊)で血管が詰まって起きる重大な障害を避ける目的で使いますが、副作用もあります。
 血液が固まりにくくなるため、出血するとすぐには止まりません。医薬品として服用する量では安全ですが、1日3グラム以上の摂取では注意が必要です。手術や出血を伴う歯科治療を受けるときは、医師などに相談して数日前から服用を中止しましょう。
 また、医薬品では肝機能障害、健康食品で滲出性紅斑といった副作用も報告されています。薬とサプリメントを飲み、その上に血液をサラサラにする食品をたくさん食べると、副作用の危険性が高まります。ご注意ください。

体臭が魚臭くなる

DHA、EPAを含むすべてのフィッシュオイルやサプリメント商品がそうではありませんが、サプリメントによっては大量に摂ることで、体臭や口臭、便が魚臭くなってしまう、といった副作用が出るものがあります。

フィッシュオイルは魚から抽出した油なので、臭いに対して何も対策がなされていなければかなり生臭いものです。それをカプセルに閉じ込めたタイプのものは体臭ような副作用が出てしまう傾向があります。健康のためにサプリメントを長く続けるためには、オレンジの香り、レモン風味などと記載してある臭い対策しているものを選ぶとよいでしょう。

吐き気・下痢

自分の体に合わない場合は、胃がムカついたり、不快感を感じたりしてしまうことがあります。フィッシュオイルだけで摂取するよりは、他の食品と混ぜ合わせて摂取することで症状が和らぐことが多いです。特に脂肪分を含んだ食事と一緒に摂取すると効果的です。これは消化しにくいので、運動前や寝る前は避け、1日に何回かに分けて摂ると良いでしょう。

体臭や口臭などの副作用によっても胃などの不快感を持ち、腸の調子も悪くなって吐き気や下痢症状が出ることがありますが、この場合は摂取を控えたり、量を減らすことで改善されます。不調であるにも関わらず無理に摂り続けることは逆効果ですので、このような副作用が出る可能性があるということは理解しておく必要があります。

(副作用としての吐き気や下痢については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインで吐き気・胃もたれに…。原因〜即効果の出る対策を解説!

アレルギー症状

オメガ3脂肪酸のDHA、EPAを含むフィッシュオイルは特にいわし、さんま、さばなどの青魚に多く含まれるため、青魚アレルギーのある人、カニなどの甲殻類のアレルギーのある人は、アレルギー症状がでる可能性が高いので摂取しない方が安全です。サプリメントを摂りたい場合は、注意事項をよく読んでから購入することをお勧めします。

(アレルギーについては、以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインは『アレルギー』に要注意!命を落とした事例も?

悪玉コレステロール上昇

1日に3~9gのフィッシュオイルを摂取すると、悪玉コレステロールが上昇する可能性があると言われています。厚生労働省によるとフィッシュオイルの別名オメガ3脂肪酸は、EPA、DHAが含まれますが、その推奨量は1日1gまでとされているため守りましょう。

悪玉コレステロールはLDLコレステロールとも呼ばれ、肝臓で作られたコレステロールを全身に運んだり、ホルモン精製や細胞膜の形成を担うものです。しかしながら血中に多く存在すると血管壁に沈着、蓄積し血管壁で炎症を起こし傷つけ、動脈硬化に起因する心筋梗塞、脳梗塞などの誘因となるものなので、上昇はあまり喜ばしいことではないのです。

血糖値の上昇

ごく稀ですが、血糖値が上昇してしまうという副作用を起こすことがあります。特に心配するほどのものではありませんが、糖尿病の人や血液に作用する薬を常用している人は事前に医師に相談が必要です。糖尿病に限らず何らかの病気の治療をしている人は、サプリメントであっても、医師や薬剤師に相談し安心して摂取することをお勧めします。

(血糖値については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレで血糖値を下げて糖尿病を対策!効果の理由〜正しい運動方法まで解説!

フィッシュオイルの副作用に関する体験談

フィッシュオイル由来のDHA、EPAを摂取した人で副作用を起こしてしまった人の体験談を紹介します。

魚アレルギー

A

青魚アレルギーの持病があるのですが、試しに飲んでみたら体がかゆくなりました。

魚アレルギーの人は控えた方がよいと思います。

青魚アレルギーがありますが試しに飲んでみた人の体験談です。魚アレルギーがある人はサプリメントでも同様に副作用が出るものもあるので、摂取しない方が安全です。

口臭が生臭い

H

粒が大きいので薬が苦手な人には辛いかも。

フィッシュオイルなので、飲んだ後の口臭が生臭くなる。

飲んだ後の口臭が生臭くなってしまったとの体験談です。カプセルに入っていてもフィッシュオイルが体内で溶け出すと臭ってしまいます。サプリメントによっては臭い対策されているものあるので、口臭の副作用が出にくいものを見つけると長く続けやすいです。

胃が魚臭い

MatsKki

30代

健康のため
とても胃が魚臭くなります。
効いているのかわかりません。

胃が魚臭いというのは、飲んだ後にムカムカと生臭い感じが胃から上がってくる様子です。サプリメントのオメガ3脂肪酸のDHA、EPAの効果を実感するには、継続して摂取することが大切なので、苦なく飲めるものを探すことをお勧めします。

もの凄く魚臭い

粒は小さくて飲みやすいようですが、やはり魚臭さは残るようです。フィッシュオイルを閉じ込めたカプセルは体内で溶け出しますが、それがゲップをすることで魚臭さを感じさせてしまうのです。

吐き気

1週間飲んで、百発百中吐き気に見舞われた人の体験談です。体に合わずに胃腸に副作用が表れてしまっています。体調に異変を感じたときは、量を減らしたり中止することをお勧めします。摂取のタイミングを起き抜けではなく、食事といっしょに摂取してみると症状が改善されることもあります。

フィッシュオイルの副作用を引き起こさないポイント

フィッシュオイルにはたくさんの効果がある反面、過剰摂取により副作用を引き起こしてしまうという難点があります。正しい摂取の仕方を知り、上手にフィッシュオイルを取り入れていけば難点はなくなり有益なものになるのです。フィッシュオイルの副作用を引き起こさないポイントは以下の4項目です。

①推奨されている摂取量を守る
②酸化のリスクを知る
③摂取のタイミング
④他の食品や栄養素を軽視しない

それでは①推奨されている摂取量を守るから解説していきます。

推奨されている摂取量を守る

フィッシュオイルをたくさん摂れば健康になれるかというと、そういう訳ではなく、厚生労働省で定められた日本人の食事摂取基準に目安量が記載されているのでそれを守りましょう。多く摂りすぎることは逆効果で、適量を知り、それを守ることが大切です。日本人の食事摂取基準では、オメガ3脂肪酸の目安量は1日2g程度です。3gを越えないように注意しましょう。

オメガ3脂肪酸にはEPAとDHAがあり、フィッシュオイルに多く含まれています。前述したように、炎症を抑える効果や心疾患の予防効果、脳機能低下の予防効果が期待されるものです。そしてこの脂肪酸は必須脂肪酸で体内で合成ができないため食物からの摂取が必要な脂肪酸なのです。

以下の表は日本人の食事摂取基準2020年版に示されているオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の目安量の、年齢別・性別表です。参考にしてみてください。

n─3 系脂肪酸の食事摂取基準(g/日)
性 別 男 性 女 性
年齢等 目安量 目安量
0 ~ 5 (月) 0.9 0.9
6 ~11(月) 0.8 0.8
1 ~ 2 (歳) 0.7 0.8
3 ~ 5 (歳) 1.1 1.0
6 ~ 7 (歳) 1.5 1.3
8 ~ 9 (歳) 1.5 1.3
10~11(歳) 1.6 1.6
12~14(歳) 1.9 1.6
15~17(歳) 2.1 1.6
18~29(歳) 2.0 1.6
30~49(歳) 2.0 1.6
50~64(歳) 2.2 1.9
65~74(歳) 2.2 2.0
75 以上(歳) 2.1 1.8
妊 婦 1.6
授乳婦 1.8

日本人の食事摂取基準2020年版

以下の表は、日本人の食事摂取基準2020年版に示されているオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の摂取量中央値の、年齢別・性別表です。参考にしてみてください。

n─3 系脂肪酸の摂取量(中央値:g/日)1
年 齢 男 性 女 性
1 ~ 2 (歳) 0.71 0.75
3 ~ 5 (歳) 1.13 0.99
6 ~ 7 (歳) 1.59 1.28
8 ~ 9 (歳) 1.39 1.31
10~11(歳) 1.58 1.64
12~14(歳) 1.91 1.59
15~17(歳) 2.16 1.64
18~29(歳) 1.92 1.62
30~49(歳) 2.03 1.59
50~64(歳) 2.16 1.85
65~74(歳) 2.23 1.99
75 以上(歳) 2.09 1.83
妊 婦 1.48
授乳婦 1.81
1 平成 28 年国民健康・栄養調査。表

日本人の食事摂取基準2020年版

酸化のリスクを知る

サプリメントからフィッシュオイルを摂ることは楽ですが、酸化のリスクが大きいというデメリットがあります。いくらオメガ3脂肪酸に多くの健康効果があっても、酸化していたら過酸化脂質となって効果がないどころか、逆に害になる可能性もでてくるのです。

食品の劣化を進行させてしまう酸化は、品質と風味を変質させ、多くの場合は好ましくない変化を起こしてしまいます。栄養価が落ち、臭いと味に影響があり、その度合いによっては摂取することで消火器障害を起こしたり、食中毒を引き起こしかねません。

大きなボトルにたくさん入っているものは一見お得ですが、時間とともに品質は下がっていくため注意が必要です。

摂取のタイミング

フィッシュオイルは胃がムカムカしたり不快感を感じたり、胃腸の調子に影響することがあります。推奨されている摂取量を守ることの他に、何回かに分けて他の食品といっしょに摂取すると影響は緩和されます。

また、他の脂質はオメガ3脂肪酸の吸収を助けるため、フィッシュオイルを摂取する時は、他の脂質を含む食事といっしょに摂取することが推奨されています。脂質は消化しにくいので、運動前や寝る前は避けて、1日に何回かに分けて摂取することをおすすめします。

他の食品や栄養素を軽視しない

フィッシュオイルは疾患予防効果が期待されており、疾患リスクの高い人はフィッシュオイルの摂取が有益です。しかしバランスの良い食事を摂取することの方が、サプリメントに頼り過ぎるより健康的であることを忘れてはいけません。魚を食べるとオメガ3脂肪酸以外にもタンパク質、ビタミンなどの付随する栄養も摂れる上、美味しいのでメリットは断然多いです。

1週間に2食ほど、脂身の多い魚を摂取すると十分なオメガ3脂肪酸が摂取できると言われています。実際多くの疾患を予防する観点からも、魚の摂取はサプリメントと同じ位か、それ以上に有効であると考えられます。そうはいっても、食の欧米化が進む現代で十分な魚の摂取が難しいことも事実で、そんな人にとってサプリメントはとても良い代替え手段なのです。

体を作る炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養成分をバランスよく摂取することが健康に毎日を過ごすためには大切なのです。

その他、フィッシュオイルに関する記事もチェック

slope内には、他にもフィッシュオイルに関する記事があります。フィッシュオイルについてさらに詳しく知り、効果的に摂り入れられるよう参考にしてみてください。

フィッシュオイルの効果を検証

体に嬉しいフィッシュオイルの効果は、本当はないのではとの噂があるため、論文などから真相を検証します。

フィッシュオイルは『効果なし』って本当?噂の真相を論文をもとに検証!

筋トレに効果的なフィッシュオイル

フィッシュオイルは筋トレにも効果的といわれているその理由や実感を紹介し、さらなる効果を解説します。

フィッシュオイルが筋トレに効果的!理由〜摂取方法、実感した体験談も!

フィッシュオイルの美容効果

美容目的でフィッシュオイルを摂取する人が増えていて、その肌や髪などへの効果が評判です。

フィッシュオイルは肌・髪など美容効果も!筋トレ以外の効果を実感した体験談まで!

フィッシュオイルは過剰摂取をしなければ副作用の心配はない!

フィッシュオイルは、様々な疾患予防効果が期待されていることで称賛されています。過剰摂取による副作用について紹介しましたが、どの症状も副作用を起こさないポイントを把握し推奨量をきちんと守れば心配ありません。オメガ3脂肪酸の宝庫として知られるフィッシュオイルやそのサプリメントで不足分を補いながら、健康的に食生活を楽しんでください。