懸垂が全然できない…。
懸垂は背筋の代表的なメニューで筋トレに興味がない方でも一度は行ったことがあるのではないでしょうか?しかし、自重トレーニングでは最も難易度が高く、スポーツをしている方でも1度もできないケースも少なくありません。
そこで今回は、どうすれば懸垂ができるようになれるか、回数を伸ばせるかを初心者にもわかりやすく解説して行きます。まずは懸垂が全くできない原因から確認して行きましょう。
(懸垂の平均回数について知りたい方は下記の記事を参考にしてください)
懸垂の平均回数って?年齢・体重・男女別に紹介!少ないのが普通なので心配不要!
出典:Slope[スロープ]
懸垂ができない原因
何事にもできないことには原因があります。懸垂ができるようになるには、自分が懸垂をできない原因を理解して改善策を考えるのが一番の近道です。
それでは、一般的に懸垂ができない原因とされている問題を3つ解説して行きます。
①体重が重い【懸垂ができない理由】
筋トレを継続して行っており筋肉があるはずなのにできないという方は、体重が原因の可能性が高まります。懸垂は自重トレーニングなので、自分の体重が重くなるにつれて負荷も難易度も高まるからです。筋トレを本格的に行っている方は増量などで体重が増える傾向があるので、減量期に試してみると高回数できたということもおかしくありません。
筋トレを全くやっていなく体重が重い方は、最低限の減量を行うか懸垂は一旦諦めて背筋の基礎能力を高めてから挑戦してみましょう。
②筋力不足【懸垂ができない理由】
懸垂はもちろん筋トレなので最低限の筋肉がなければできないのは当たり前です。懸垂で使用する筋肉は主に広背筋・大円筋となります。あまり背筋を鍛えたことがないない方は、ラットプルダウンなどで最低限の筋肉をつけましょう。
(ラットプルダウンのやり方を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。)
ラットプルダウンのフォーム!腕が疲れず背中に効くコツ!重量・自宅版についても!
出典:Slope[スロープ]
さらに、懸垂には握力も大きく関わってきます。身体は背筋を使って持ち上げられるが手が滑って回数をこなせないという方も少なくないでしょう。その場合、握力のなさが原因なので握力強化もしくはリストラップで補強すると急にできるようになることがあるので試してみてください。
(おすすめのリストラップはこちら)
出典:Amazon
③フォームがぶれている【懸垂ができない理由】
ラットプルダウンなど他の背筋の筋トレメニューでは高重量を扱えるのに懸垂だけ全くできないという方も少なくありません。この場合、懸垂の正しいフォームを習得できておらず広背筋や大円筋ではなく腕などを利用して持ち上げようとしているのでが原因となります。初心者の方も同様ですが、上級者の方もまずは回数はフル無視して正しい動作の習得に時間を割いていると急にできることがあるので、周りの目を気にせず懸垂の練習をしましょう。
懸垂ができない方向けの練習方法
斜め懸垂【懸垂ができない方向けの練習方法】
斜め懸垂は身体を上げる角度が異なることにより、通常の懸垂より広背筋への負荷が大きくなります。大円筋をあまり使用しないので、あまり通常の懸垂の練習にはなりません。しかし、初心者でもできる種目なのでバーを握力や背中の筋力を使用して上体を上げる感覚を掴むのには最適です。全くできない初心者の方は、斜め懸垂からスタートしてみましょう。
▼斜め懸垂の正しいやり方
①バーベルをパワーラックにセットする
②胸をバーベルにぶつけるイメージで上体を上げる
③肘を伸ばしきらないポイントまで降ろす
④動作を繰り返す
▼斜め懸垂のコツ&注意点
・足から頭を真っ直ぐになるよう意識しましょう
・初心者の方はあぐらをかくとやりやすくなります
・指先で持たずしっかり深くバーベルを握りましょう
(斜め懸垂のやり方をもっと詳しく知りたい方は下記記事と動画を参考にしてみてください。)
斜め懸垂のやり方!初心者の懸垂練習に効果的!自宅版の筋トレメニューも紹介
出典:Slope[スロープ]
ぶら下がり懸垂
懸垂が全くできないという方には、バーにぶら下がるだけでも効果があります。ただ、ぶら下がるだけでも懸垂に使用する筋肉が鍛えられ効果的ですが、上体を上げる際の動作を一瞬でも行い回数を重ねると感覚を掴めるのでおすすめです。斜め懸垂ではなく実践に近づけたいという方は、ぶら下がり懸垂から始めましょう。
▼ぶら下がり懸垂の正しいやり方
①手幅は肩幅より拳2個分ほど広くバーを握る
②頭から真っ直ぐな状態でぶら下がる
③広背筋・大円筋を動かし一瞬上体を上げすぐ戻す
④動作を繰り返す
▼ぶら下がり懸垂のコツ&注意点
・上体を上げる際にできるだけキープしましょう
・頭は反らさず真っ直ぐ固定しましょう
・負荷が軽いので慣れたらすぐに練習のレベルを上げましょう
ホールド【懸垂ができない方向けの練習方法】
これは通常の懸垂の上体を引き上げる感覚を掴むのに最適な練習方法です。やり方や使用する器具は通常の懸垂と変わらなく効率が良いので、最低限の筋力があり1回は上体を上げられる方はホールド懸垂からスタートすると良いでしょう。
▼ホールド懸垂の正しいやり方
①台などで足場を作る
②肩幅より1.2倍ほど広くベーを握る
③ジャンプして上体を上げる
④上がった状態で限界までキープする
⑤降りる
⑥動作を繰り返す
▼ホールド懸垂のコツ&注意点
・上体を上げる際にジャンプに頼りすぎずしっかり広背筋。大円筋を意識して上げる
・首は真っ直ぐを意識し反らさないようにする
ずーみー(泉風雅)
動画では少し首が剃り気味ですが、真っ直ぐを意識しましょう。感覚がわからないという方は、次の見出しで紹介したプルアップの動画を参照してください。
ネガティブレップ【懸垂ができない方向けの練習方法】
懸垂のネガティブレップは、最も通常の懸垂に近い練習方法なのでとても効果的です。少し周りの目が気になるという方もいるかもしれませんが、ネガティブレップを継続するのが一番の近道ですので試してみましょう。
▼ネガティブレップの正しいやり方
①台などで足が付く環境を作る
②肩幅より少し広めにバーを握る
③ジャンプをして上体を上げる
④背筋を使ってゆっくり降ろす
⑤動作を繰り返す
▼ネガティブレップのコツ&注意点
・降ろす際に肘が伸ばしきらない段階でなるべく停止してから足をつけましょう
・思いっきりジャンプして上がるのではなく、あくまで背筋の補助という感覚を持ちましょう
(ネガティブレップのやり方をもっと詳しく知りたい方は下記記事と動画を参考にしてみてください。)
プルアップのやり方!背中に効かせるコツで筋トレ効果UP!チンアップとの違いも
出典:Slope[スロープ]
ゴムバンド懸垂【懸垂ができない方向けの練習方法】
ゴムバンド懸垂は、バンドが体重によって伸びた後に戻ろうとする反動で上体を上げる際にサポートしてくれます。自然とサポートしてくれるので、背筋をしっかり支えて通常の懸垂と同じような感覚で行えます。慣れてきたどんどんゴムバンドの負荷を下げて、通常の懸垂に近づけましょう。
▼ゴムバンド懸垂の正しいやり方
①グリップにバンドを取り付ける
②バンドに膝を潜らせ足首付近にセット
③通常の懸垂の動作を繰り返す
▼ゴムバンド懸垂のコツ&注意点
・片足ずつゴムに足をかけ交互に行いましょう
・ゴムバンドがあると楽に高回数できますが、正しいフォームを忘れずに行いましょう
・慣れたらどんどんゴムバンドの負荷を調整しましょう
懸垂ができるようになるまでの期間は?
懸垂が1回もできない人が多数いる中、いったいどれくらいトレーニングを積めばできるようになるのか気になる方も少なくないでしょう。懸垂は体重や筋力によって難易度も変わってきます。よって、厳密にどれくらいの期間練習をすればできるのかという基準が曖昧です。しかし、一般的には1ヶ月継続して懸垂に取り組めば、正しい動作で数回できるようになると言われています。
下記動画で懸垂が10回できるまでの道のりを追っていますので、モチベーションアップの材料としてご覧になってみてはいかがでしょうか。
懸垂は正しいフォームの習得が大切
何度も言及していますが懸垂は正しい動作の習得が必須です。練習をするにしても懸垂の正しい動作を理解した上で行わなくては効果が半減してしまいます。数々紹介した懸垂の練習に入る前に正しい動作を頭に擦り込みましょう。
それでは、懸垂の正しい動作を解説して行きます。
懸垂の正しいフォーム
▼懸垂の正しいフォーム
①手幅は肩幅より腕二本分ほど広く取る
②頭は反らず真っ直ぐに固定
③広背筋・大円筋を意識して鎖骨の下辺りまで上体を上げる
④肘は伸ばしきらず背中に負荷が乗った状態で止める
⑤動作を繰り返す
▼懸垂のコツ&注意点
・肘を伸ばすと次に上体を上げる際に腕への負荷が強くなってしまう為、背中に負荷が入った状態で止めましょう
・指先で握ると肩甲骨の動きが悪くなるので深くバーを握りましょう
・首を反らすと連動して広背筋に効かなくなるので、しっかり真っ直ぐをキープしましょう
ずーみー(泉風雅)
広背筋に特化して負荷を与える場合は脚は後ろで組む方法、大円筋を狙う場合は脚を伸ばして頭から脚を地面に対して垂直にした状態で挙げていくと効果的です。
(懸垂のやり方をさらに詳しくみたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。)
懸垂(チンニング)の効果&やり方!できない人向け&腹筋・二頭筋など部位別のメニューも!
出典:Slope[スロープ]
懸垂ができない方も短期間でできるようになる!
懸垂ができない原因や、懸垂ができない方向けの練習方法について詳しく解説してきました。懸垂は一見動作が簡単そうに見えますが、練習を重ねなければ正しいフォームの習得が困難な種目です。懸垂ができない方が練習を始めるには、正しいフォームの理解が必須となりますので、徐々に感覚を掴んで練習のレベルをアップしていきましょう。