軍隊式トレーニング特集!
戦場でいざという時にすぐ力を発揮できるよう、軍隊では日々過酷な訓練を行っています。格闘技や対人の戦闘訓練、空中や水中などで行う実戦向けの訓練もありますが、体力や筋力を強化する基礎的な筋トレメニューも充実しています。そのため、軍隊の兵士たちはジムに行かずとも、自重を使った独自のトレーニング方法でしっかりと筋肉を鍛えているのです。
この記事では本物の軍隊が行っているという軍隊式トレーニングについて、自重で行うト筋力レーニングを中心にメニューややり方を紹介します。ジムへ行かなくても確実に筋肉がつけられる筋トレ方法をチェックしましょう。
軍隊は1週間どんなトレーニングをしている?
まず、軍隊式トレーニングで行う1週間のトレーニングメニュー例を紹介します。軍隊式トレーニングでは、筋力をつける筋トレや、減量してスタミナや基礎体力をつける有酸素運動も取り入れています。
一週間のトレーニングメニュー例
月曜日:テンポトレーニング(5.6km)、筋トレ
火曜日:上半身トレーニング
水曜日:スプリントドリル、筋トレ
木曜日:高強度トレーニング
金曜日:集団ランニング、筋トレ
アメリカの軍隊の例では、毎日の筋トレと週3回ランニングなどの有酸素運動を行っています。筋肉だけでなく基礎体力や持久力も一緒に鍛え、実戦でしっかり動ける身体作りをしています。火曜日と木曜日は特に筋トレに力を入れており、火曜日はプッシュアップドリルや懸垂、オーバーヘッドリフト、サンドバッグでのトレーニングなど、上半身がメインです。
木曜日は障害物コースを走ったり、足のトレーニング、自重でのスクワット、ランジなど下半身のメニューが中心です。各トレーニングは1種目40秒の後インターバルを20秒挟んで10種目行い、4セット繰り返します。筋トレメニューは偏らないよう毎週異なっています。
軍隊式トレーニングメニュー
軍隊式トレーニングでポイントとなるのは強度です。自重ですが、しっかりと負荷をかけて、効果的に筋肉を鍛えていきます。どのようなトレーニングメニューがあるか、種類ややり方を詳しく解説します。
自衛隊式腕立て伏せ
元空挺レンジャー隊員が教える、自衛隊式の腕立て伏せです。基本の腕立て伏せですが、しっかりと正しい姿勢で回数をこなすことで自重で負荷をかけられます。
▼自衛隊式腕立て伏せのやり方
①かかとから頭の先まで一直線になるよう姿勢を作る
②腕を肩幅に広げる
③床に胸をついて戻す
腕はしっかり曲げて、床に胸がつくまで下げて戻し、1回カウントします。1セット100回行い、インターバルを取る時はお尻が上がらないよう、腕立て伏せを開始する姿勢のまま休憩します。慣れてきたら2~3セットやりましょう。
▼自衛隊式腕立て伏せのコツ&注意点
・音がするまで胸を床につける
・姿勢を崩さない
筋肉を強化するには、基本の姿勢を維持して回数をひたすらこなすことがポイントです。慣れてきたらプッシュアップの速度を上げて回数を増やしましょう。毎日行うより、週に2~3回でも、集中して行うことが重要です。
(腕立て伏せの効果&フォームについては以下の記事も参考にしてみてください)
腕立て伏せの効果&フォームを種類別に!呼吸法・回数などのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
自衛隊式腹筋
元空挺レンジャー隊員が教える、自宅でも行える自衛隊式腹筋のやり方です。7cmほどの段差がある場所で行うとやりやすいです。尾てい骨を痛めないよう、タオルを敷いて行いましょう。
▼自衛隊式腹筋のやり方
①手を重ねて後頭部に添え、脇を締める
②肘が膝につくまで身体を起こす
③腰が床につくまで身体を下げる
自衛隊式腹筋は、背中をつける場所などが細かく規定されています。基本の姿勢を維持することがポイントです。2分間で100回ほど行い、慣れてきたら4~5セット行います。2分間でペースが落ちないようペース配分に気をつけましょう。
▼自衛隊式腹筋のコツ&注意点
・手は組まずに重ねる
・背中は肩甲骨までつかないよう注意する
手が離れてしまったり、背中をつけすぎたり肘と膝がついていなかったりするとノーカウントになりますので、注意しましょう。辛くなったときは鼻から息を大きく吸うと力を入れられます。
アメリカ軍隊式腕立て伏せ
自重で腕の幅広い部位を鍛える腕立て伏せです。姿勢は基本の腕立て伏せですが、徐々に腕を広げていくことで腕から肩のさまざまな部位に効かせることができます。
▼アメリカ軍隊式腕立て伏せのやり方
①腕を肩幅より狭く開いた状態でプッシュアップする
②腰を上げ、腕を肩幅程度に広げてプッシュアップする
③腰を上げ、腕を肩幅より広く開いてプッシュアップする
④腰を上げ、腕を更に広げてプッシュアップする
腕の広さは4~5段階に分けて徐々に広げていきます。腕立て伏せは1ヶ所につき2分間行い、2分間の中でできるだけ多くの回数をこなしましょう。
▼アメリカ軍隊式腕立て伏せのコツ&注意点
・姿勢は頭からかかとまで一直線を保つ
・インターバルを挟むときは、膝や腰を床につけない
腕を狭く開いた状態では内側の部分、腕を大きく広げるにつれ、腕の外側の部分や肩を鍛えられます。
(高負荷の腹筋メニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
高負荷の腹筋メニュー20選!短期間でバキバキに割るコツを自宅&ジム別に解説
出典:Slope[スロープ]
アメリカ軍隊式ダイブボンバー
腕と一緒に脚を開いて行うことで、大胸筋に効かせる腕立て伏せのやり方です。普通の腕立て伏せは真っすぐ身体を下ろしますが、ダイブボンバーは掬い上げるような動きで行うことで、自重で負荷をかけます。
▼アメリカ軍隊式ダイブボンバーのやり方
①腕を肩幅に開き、脚を大きく開く
②腰を高く上げる
③身体を斜めに下ろしながら、重心を頭の方へ移動させて腕を伸ばす
④重心を後ろに移動させながら元のポジションに戻す
通常の腕立て伏せのように速いペースで行うのではなく、ゆっくりめに行います。30回を1セットとし、5~6回行うと良いでしょう。
▼アメリカ軍隊式ダイブボンバーのコツ&注意点
・身体を下げる時に地面すれすれまで下げる
・掬い上げるような軌道で重心を前後に動かす
重心を移動させて掬い上げることで、大胸筋にしっかりと負荷をかけられます。自重のみで行いますが、かなりの負荷と強度のトレーニングです。
アメリカ軍隊式スクワット
太ももに効かせるアメリカ軍隊式スクワットです。姿勢は基本的なスクワットのやり方ですが、しっかりと腰を下ろして手を前で組むことで、自重でより高い負荷をかけることができます。
▼アメリカ軍隊式スクワットのやり方
①脚を肩幅に開き、手を横にした状態で立つ
②腰を下ろして膝を90度曲げ、手を前で組む
③①の姿勢に戻る
動画ではゆっくり下ろすやり方ではなく、テンポよくスクワットを行っています。速いテンポでやると、勢いがついて負荷がかかっていないこともありますので、勢いをつけないように注意しましょう。決められた時間で回数を多くこなすのがおすすめです。
▼アメリカ軍隊式スクワットのコツ&注意点
・曲げたときに膝がつま先よりも前に出ないようにする
・背中が曲がらないようにする
背筋は伸ばしたまま、膝がしっかりと90度に曲がるよう腰を落とすのが、高負荷をかけるコツです。
(正しいスクワットの有益情報については以下の記事も参考にしてみてください)
【動画集】正しいスクワットの有益情報を厳選!家で音楽で楽しめるものまで!
出典:Slope[スロープ]
アイアンマイクドリル(ランジ)
アメリカ軍で取り入れられている、ランジの軍隊式トレーニングです。しっかりと姿勢を保ち、片足ずつ負荷をかけて行うことで、お尻と太ももを効果的に鍛えることができます。
▼アイアンマイクドリルのやり方
①手を腰に当てる
②片足を大きく前に出し、腰を落とす
③出した足を戻し、元のポジションに戻る
筋トレでは脚を交互に出して行うことが多いですが、アイアンマイクドリルでは、ランジを片脚ずつ行います。初心者は片脚10回程度、中級者は15回程度、上級者は20~30回ずつ行い、何セットかこなしましょう。
▼アイアンマイクドリルのコツ&注意点
・膝を曲げたとき、つま先よりも前に出ないようにする
・肩が腰より前に出ないようにする
ランジで下半身にしっかり効かせるには姿勢がポイントです。背筋は伸ばしたまま、太ももやお尻に効いているのを感じながら限界まで下ろしましょう。
(レッグランジのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
レッグランジのやり方!太もも・お尻の引き締めに!初心者〜上級者向けのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
マウンテンクライマー
クラウチングスタートのような姿勢で脚を蹴り、筋持久力をつけられるマウンテンクライマーも軍隊式トレーニングで取り入れられています。
▼マウンテンクライマーのやり方
①手を肩幅に開き、床につける
②片脚を蹴って胸に引き付けるように前へ出す
③片脚を戻しながら反対側の脚を前へ出す
マウンテンクライマーはテンポよく足を蹴りながら行います。回数なら30回以上、時間で行う場合は2分以内に多くの回数をこなせるようにしましょう。慣れたら速度を速めてみてください。
▼マウンテンクライマーのコツ&注意点
・肩の位置が手より前に来るようにする
・お尻が上がらないようにする
疲れてくるとお尻が上下したり、重心が上手く動かせなくなってくることもあります。しかし、しっかり姿勢を保つことが鍛えるコツですので、インターバルを挟みながらトレーニング時間は集中して追い込みましょう。
(マウンテンクライマーのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
マウンテンクライマーの効果&やり方!短期間で脂肪燃焼して激痩せ!腰痛改善にも
出典:Slope[スロープ]
バックエクステンション
自重で背筋を鍛えるバックエクステンションです。器具がなくても負荷をかけられ、怪我のリスクを少なく鍛えることができます。
▼バックエクステンションのやり方
①うつぶせになり、両手を頭の横に出す
②上半身を持ち上げ、元のポジションに戻す
③両手を伸ばして上半身を持ち上げ、元のポジションに戻す
バックエクステンションでは、回数をこなすのではなく、ゆっくりと背中の筋肉を使って限界まで上げるのがポイントです。3秒かけて限界まで上半身を引き上げるのを30回行います。
▼バックエクステンションのコツ&注意点
・腰を逸らしすぎない
・速く上げ過ぎない
背中を逸らしすぎてしまうと、返って腰を痛める原因となります。逆に腰が曲がってしまうと効かなくなるので、姿勢を意識して行いましょう。
(バックエクステンションについては以下の記事も参考にしてみてください)
バックエクステンションの効果&やり方!姿勢が短期間で改善されるコツ&腰痛予防も!
出典:Slope[スロープ]
フラッターキック
腹筋と大腿直筋、腸腰筋を鍛えるフラッターキックです。下半身の軍隊式トレーニングで取り入れられている種目となります。
▼フラッターキックのやり方
①仰向けになり、両手を尻の下に置く
②脚を少し床から浮かし、蹴り上げるように交互に動かす
フラッターキックは一定のテンポで脚を上げ下げします。両方の脚を30回交互に繰り返すか、30秒~1分の間で多く回数をこなすようにしましょう。
▼フラッターキックのコツ&注意点
・脚を床につけない
・膝を曲げないようにする
フォームが崩れてしまうと、負荷が弱くなってしまい効果的に鍛えることができません。脚は常に床から浮いている状態を維持し、腹筋や太ももに効いていることを意識しながら行いましょう。
バーピー
バーピーはもともとアメリカ軍のトレーニングから生まれたエクササイズであり、有酸素運動での体力アップと筋トレが両方行えます。アメリカ軍でも積極的に取り入れられているトレーニングです。
▼バーピーのやり方
①脚を肩幅に開く
②ジャンプして頭の上で手を叩く
③着地すると同時に両手を床について足を後ろに伸ばし、腕立て伏せの姿勢になる
④脚を蹴って戻し、再度ジャンプして頭の上で手を叩く
最初からペースを上げようとせず、各ポジションで正しい姿勢を保つことが重要です。回数は1セット30回ほどこなすか、1分間でできるだけ多くの回数をこなすようにしましょう。
▼バーピーのコツ&注意点
・正しいフォームで行う
・息を止めず、しっかり呼吸をする
基本のバーピーに慣れたら、ジャンプした時に膝を胸につけるなどのアレンジをすることで、より負荷をかけて鍛えることができます。実際の軍隊では、障害物を走る途中に取り入れられていることもあります。
(バービージャンプについては以下の記事も参考にしてみてください)
バーピージャンプの効果&やり方!短期ダイエットで痩せる!HIITの種目でも人気!
出典:Slope[スロープ]
軍隊式トレーニングメニューを取り入れている人たち
高度な負荷と強度で行う軍隊式トレーニングは、短期間で筋肉を効率よく鍛えられるため、さまざまなジムやスポーツ団体などでも取り入れられています。取り入れている様子を紹介します。
軍隊式トレーニング5種
【全身バキバキ!】軍隊式トレーニング
— 斉藤 隼生 (@hayakiii) March 19, 2017
軍隊で取り入れられているトレーニング5種をご紹介
これを続ければあなたも軍人のような体に?
目次
・ダイブボンバー
・オルタネイトランジ
・マウンテンクライマー
・バックエクステンション
・軍隊式腹筋
各10〜15回行ってみてください pic.twitter.com/mXA5WvT6TE
こちらは軍隊式トレーニングの種目を組み合わせ、1セットで高負荷な筋トレを行っています。一ヶ所の部位だけでなく、全身を満遍なく鍛えるようプログラムされているので、続けることで全身にバランス良く筋肉をつけることができます。
ブートキャンプ
貴女も シムs ブートキャンプ参加希望ですか? pic.twitter.com/40k27nBNyh
— 最強鹿 (@Saikyo_Banbi) September 29, 2020
こちらはジムで行うブートキャンプです。ブートキャンプとは、アメリカ軍における訓練プログラムのことであり、有名どころではアメリカ軍隊式トレーニングのビリーズブートキャンプのDVDなどがあります。ブートキャンプでは、体力や筋力を鍛える効果的なトレーニングプログラムがすでに組まれているため、自分で筋トレの組み合わせを考える必要もありません。
軍隊式トレーニングに挑戦して強靭な肉体を手に入れよう
軍隊式トレーニングのメニューや、軍隊で取り入れられている自重の筋トレを紹介しました。どのトレーニングもしっかりと負荷をかけられ、筋力や体力アップができます。筋トレを組み合わせて回数をこなし、上半身と下半身でバランスよく筋肉を鍛えることがポイントです。ぜひ取り入れてみてください。