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有酸素運動

スロージョギングの効果&やり方!楽にダイエット成功した体験談まで紹介!

2020年10月20日

たくさんの健康効果を得られるスロージョギング。普通のジョギングより負担が少なく、ウォーキングより消費カロリーが多い運動です。正しいやり方、室内でのやり方、デメリットについても解説。スロージョギングを利用したダイエットのビフォーアフターも紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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スロージョギングとは?

スロージョギングとは隣の人と話が出来るくらいの強度で行うジョギングのこと。ダイエット効果の他、体力アップや筋力アップも期待出来ます。日本での提唱者は福岡大学のスポーツ科学部の田中宏暁教授です。

ランニングやジョギングをしても、息が上がりきついと感じてしまう方もいます。スロージョギングは疲労がたまらない運動強度で行うため、そんな方も楽に始められ、継続しやすいのです。普段運動をあまりしない人は歩く速度かそれ以下の速度で行うのがおすすめ。スロージョギングを行うことによって健康に良い様々な効果を得ることが可能です。

スロージョギングで得られる効果

スロージョギングはウォーキングより消費カロリーが多く、ランニングやジョギングより楽で継続しやすい有酸素運動です。スロージョギングを行うことで得られる効果について説明していきます。

ダイエット効果

スロージョギングをすることで得られる効果の1つがダイエット効果です。スロージョギングは有酸素運動なので脂肪をエネルギーとして消費出来ます。内臓脂肪も減らせるのでメタボリックシンドロームの改善にも繋るのです。

他の有酸素運動と運動強度を比べると、ウォーキング(時速4km)は3.0メッツ、スロージョギングは6.0メッツ、ジョギングは7.0メッツとなります。スロージョギングは隣の人と話が出来るくらいのペースで行います。このペースがニコニコペース。ニコニコ笑顔で走れるくらいのペースです。

人によってニコニコペースは違うので消費カロリーも違います。一般的にペースが速いほど消費カロリーも上昇。ここでは厚生労働省の健康づくりのための身体活動基準2013のゆっくりとしたジョギングの運動強度をスロージョギングの運動強度として紹介しています。

エネルギー消費量は、健康づくりのための身体活動基準2013によると『運動強度×時間×体重』で求めることが可能です。

体重70kgの人が30分運動をした場合
・ウォーキングでは、3×0.5×70=105Kcal
・スロージョギングでは、6×0.5×70=210Kccal
・ジョギングでは、7×0.5×70=245Kcal
のカロリーを消費出来ます。

ペースにもよりますがスロージョギングはウォーキングの約2倍のカロリーを消費することが可能です。スロージョギングより普通のジョギングの方が消費カロリーはやや多いですが約1.2倍程度。ジョギングよりだいぶ楽に高い運動効果を得ることが出来ます。

(スロージョギングのダイエット効果については以下の記事も参考にしてみてください)

身体機能の向上

スロージョギングを行うと肥満、最大酸素摂取量の低下、筋肉量の低下の予防が可能です。全身運動なので血圧低下、血糖値改善も期待出来ます。

また、有酸素運動を継続することにより心機能が向上。血行が促進され、疲れにくく回復しやすい体になります。さらにウォーキングではあまり鍛えられない大腿四頭筋、大臀筋、大腰筋などの筋肉も鍛えることが可能です。

腰痛・膝痛の改善

腰や膝が痛くてランニングやジョギングが出来ない人でも、負荷が少ないスロージョギングであれば出来る人もいます。スロージョギングは着地時の体重の負荷を最小限にしているので足腰の負担が少ないのです。その結果継続でき、筋肉量が増え、腰痛や膝痛の改善につながります。筋肉量増加による変形性膝関節症の予防を目的に利用されることも。

老化の予防

ストレスを受けるとコルチゾールとDHEAという2つのホルモンのバランスが崩れてしまうことがあります。コルチゾールは血糖値を上げることで活性酸素を発生させてしまい、老化を進めてしまうホルモンです。それに対してDHEAは生活習慣病のリスクを減らしたり筋肉を維持し老化の抑制が期待出来ます。

ホルモンのバランスが崩れ、コルチゾールが過剰に分泌されると老化が進みやすくなってしまうのです。スロージョギングで軽い負荷のかかる運動をすることによりホルモンの分泌バランスが整い、老けるのを抑制出来ます。

脳機能の改善

スロージョギングのように一定のペースで走る運動はそのリズムを繰り返すことによりセロトニンの分泌を促すことが出来ます。セロトニンは精神を安定させたり脳を活発に働かせるホルモンです。

また、習慣的に有酸素運動を継続することのよって血中の中性脂肪やLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増加させることが出来ます。すると動脈硬化のリスクが下がり、脳の動脈硬化も予防し、脳血管性の痴呆症の予防につながるのです。さらに運動することにより、海馬を中心に脳損傷を抑制する物質が増加し、脳機能の改善が期待出来ます。

スロージョギングの正しいやり方

スロージョギングを行うとたくさんの良い効果を得られることが分かりました。次は実際にスロージョギングはどうやって行うのか見ていきましょう!

疲れないペースで

スロージョギングで一番大切なのはペースです。ニコニコペースと呼ばれる走りながら喋れるペースで行いましょう。普段運動をしない人や初心者は歩くくらいのペースから。それでもきつい場合はペースを落として、もっとゆっくり走ります。

個人差がありますが、ニコニコペースの心拍数の目安は『138-(年齢÷2)』です。脈を測ってこの目安より脈が速ければペースを下げ、遅ければペースを上げましょう。スロージョギングを継続すると身体機能が向上し、同じペースでも脈が遅くなってきます。そうなったらペースを上げていきましょう。

(室内でのスロージョギングの効果については以下の記事も参考にしてみてください)

フォアフット着地

フォアフット着地とは足の指の付け根で着地すること。その場で足踏み、または軽くジャンプをした時に着地している場所がフォアフットです。つま先では無いので注意してください。かかとからの着地は衝撃が強く怪我のリスクを高めるので、フォアフット着地をしましょう。

フォーム・走り方

姿勢は背筋をまっすぐ伸ばしましょう。視線を遠くにして顎を少し上げると呼吸しやすくなります。

フォームで大切なのは重心と脚を置く位置です。重心はやや前。まっすぐ立ったまま重心を前に傾けると自然と脚が出ます。そのイメージで、地面を蹴るのではなく押すようにして進みましょう。脚を着地する時は体の重心の真下に置くように意識。この時、重心より前に脚が出てしまうと怪我の原因になります。

スロージョギングの歩幅の目安は10cm~40cmです。15秒に45歩を意識して走ると自然に歩幅が狭くなります。また、一直線上に走ろうとすると怪我のリスクが上昇。平行な2本のレールの上を走るイメージで走るようにしましょう。

腕ふりと呼吸は自然に

腕を意識して振る必要はありません。ひじを90度に曲げ、手は軽く握って、軽く前後にリズムをとる程度で大丈夫です。呼吸は自然にまかせます。息が上がったらペースを下げましょう。

ニコニコペースは人によって違います。焦らずスロージョギングに取り組んでいきましょう。準備運動はしなくても良いですが、たくさん走った後はストレッチをすると疲れが溜まりにくいです。

スロージョギングの時間・速度・距離

スロージョギングでは距離はあまり重要ではありません。むしろ距離を決めると焦ってペースが崩れてしまうことも。ニコニコペースを保ちながら行うことが大切です。時間を決めてその時間で走りましょう。速度の目安は時速4km~5km。30分で2㎞~3㎞走ることが出来るくらいの速さです。

初心者や体力に自信がない人は1日10分から始めましょう。慣れてきたら1日30分を目標に時間を延ばしていきます。1日30分を週3日行うことで体力アップの効果を十分期待することが可能です。ただしダイエットや生活習慣病改善が目的の場合は1週間で180分を目指しましょう。

スロージョギングをする場合は連続して30分行わなくても大丈夫です。30分を1回でも、10分を3回でも同じ効果が得られます。

スロージョギングの最適な頻度は毎日?

効果を早く出すことだけを考えれば毎日走るのが良いです。しかし初心者の方がいきなり毎日スロージョギングをすると怪我のリスクが高まったり、頑張りすぎて疲れてしまったりします。まずは週1日~2日から始めて、自分のライフスタイルに合わせた頻度で行いましょう。行う人が、楽しく継続することが出来る頻度が最適な頻度です。

(ジョギングの最適な頻度については以下の記事も参考にしてみてください)

スロージョギングの効果はいつから出る?

スロージョギングの効果をいつから実感できるかは頻度やペース、時間、個人によって異なります。

スロージョギングは有酸素運動です。有酸素運動で体重の減少などダイエット効果を実感できるまで約1ヶ月ほど。身体機能の向上などの体の変化を実感するには3ヶ月程度必要です。焦らず長期間継続できるように心がけましょう。

(有酸素運動の効果が出る時期については以下の記事も参考にしてください。)

スロージョギングにはデメリットも?注意点を解説

普通のジョギングよりも楽で、高い運動効果を得られるスロージョギング。しかし、そんなスロージョギングにも注意しなければいけないことがあります。

筋肉痛になりやすい

スロージョギングはフォアフット着地でゆっくり走ること、そして長く走れることから普通のジョギングよりも筋肉痛になりやすいのです。特にふくらはぎの筋肉痛は要注意。原因はやりすぎや、脚が体の重心より前に出てしまい、膝から下の筋肉に負担がかかってしまうことです。

これはスロージョギングのフォームが間違っていることのサインでもあります。正しいスロージョギングのやり方を確認して行いましょう。歩幅を小さくすると自然に脚が重心の下に置きやすくなります。また、筋肉痛になったらしっかり休みましょう。

体を痛めてしまうこともある

フォアフット着地を意識しすぎて体を痛めてしまうことも。フォアフット着地を意識してかかとを浮かして走ってしまうとふくらはぎを痛めてしまいます。フォアフット着地は着地後はかかとを着いても良いので意識しすぎない方がいいでしょう。また、筋肉痛と同じように重心より前に脚を出す走り方を続けると足首が痛い、膝が痛いといったトラブルに繋がります。

そして楽に楽しく走れるので、ついついやりすぎてしまうことも。負担が軽くてもやりすぎれば脚を痛めてしまいます。やりすぎた結果、ふくらはぎや膝を痛めてしまう、足底筋膜炎を起こしてしまう、ということもあるのです。痛くなったら痛みがひどくなる前にしっかり休みましょう。

人目が気になる場合も

歩くスピードやそれ以下のスピードで走るスロージョギング。早く歩いている人に追い抜かれることもあります。場合によっては人目が気になることもあるかもしれません。

気になる人は複数人で走ると気になりにくいです。後述する室内で出来るスロージョギングもおすすめ。室内なら人目は気になりません。

(スロージョギングのデメリットについては以下の記事も参考にしてください。)

スロージョギングは室内でもできる!

雨が降っていたり、人目が気になったり、外でスロージョギングをしたくない方には室内で行うのがおすすめ!スロージョギングは室内でも行うことが出来ます。フォームや歩幅、フォアフット着地などは普通のスロージョギングと同じです。

室内でスロージョギングを行う場合、そこまで広い場所は必要ありません。2m~6m程度の間隔、小さな歩幅で6歩分ほど広さがあれば大丈夫です。その間隔の両端に目印になるものを置きましょう。この間を6歩進んで3歩でターンを繰り返します。

8の字を描くようにゆっくり走りましょう。毎回同じ方向にターンをすると8の字に走りやすいです。テレビなどを見ながら行うのもおすすめ。息が上がらないように歩くくらいのペースで行いましょう。集合住宅に住んでいる方は騒音や振動で周囲の迷惑にならないように気を付けてください。

スロージョギングで痩せたなど効果を実感した人の体験談

実際にスロージョギングをしてどれくらい効果を実感できるのでしょうか。スロージョギングを取り入れてダイエット効果などを実感した人の体験談を紹介します。

体脂肪率11%



男性の平均体脂肪率は10~19%です。11%だと引き締まった体つきと言えるでしょう。この方はこの結果にスロージョギングの効果は大きいと感じています。

無理せず楽しく走れる

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CLUB Panasonic クチコミ広場50代女性

1年半前、ほんとに短い距離をスロースロージョギングから始めました。 走るの大嫌い、太ってしまった私にもチョーゆっくりなら走れるやん!からのスタート。 とにかく無理せず、楽しくをモットーに、雨の日以外は毎日。 距離もスピードも徐々に上がり、今では土曜12km、日から金までは8.5km。月間250kmほど走れるようになりました。体重もマイナス15kg!フルマラソン完走を目指してます。体重ももう5k落としたいな。

この方はスロージョギングの醍醐味である楽しく走れるを実感しています。継続することにより、徐々に身体機能が向上したようです。体重も1年半で15kg減り、ダイエットは成功。フルマラソン完走を目指すまでになっています。

体重、体脂肪ともに減少



スロージョギングを始めてからの体重と体脂肪の推移をグラフにしていたこの方。緩やかにですが確実に体重、体脂肪ともに減少。体重は8kg、体脂肪率は5%落とすことに成功しています。

(スロージョギングの消費カロリーについては以下の記事も参考にしてみてください)

見た目がすっきり



この方はスロージョギングの他にお米ダイエット、筋トレを組み合わせてダイエットをしています。ダイエット方法を変えているので体重は少し増えてしまったようですが、見た目はすっきりしたと実感しています。

1年間継続



1年間スロージョギングを継続出来たこの方。体重は9kg、体脂肪率は10%減らすことに成功!スロージョギングは継続しやすいので、長く続けて結果を出すことが出来るのが分かります。

スロージョギングを継続すれば良い効果たくさん!

運動は継続することでより多くの効果を得ることが出来ます。スロージョギングは普通のジョギングより楽で継続しやすい有酸素運動です。運動効果も高く、ウォーキングの約2倍のカロリーを消費出来ます。スロージョギングを取り入れて良い効果をたくさん得ましょう!