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大胸筋の筋肉痛を早く直す7つの方法!治らない原因〜怪我との見分け方も!

2020年11月03日

比較的大きな筋肉である大胸筋は、筋肉痛になりやすく、困っているという方も多いのではないでしょうか。この記事では、大胸筋の筋肉痛の原因や筋肉痛にならない方法、痛みを和らげる対策などを紹介します。また、大胸筋の痛みが筋肉痛か怪我かを見分ける基準も紹介していますよ。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

大胸筋の筋肉痛は日常生活にも影響が!

大胸筋の筋肉痛がある場合は、怪我につながる可能性があるので注意が必要です。大胸筋は物を抱えたり、押すために腕を伸ばしたりする動作で必要になります。痛みがあるのを忘れて、重い物を落とすようなことになると危険ですね。

また、壁や床に手をついて体重を支える時にも大胸筋が使われます。体重を支えられなくて転倒するようなことがないよう、大胸筋の筋肉痛には気をつけたいですね。

大胸筋の筋肉痛は回復にどれくらい時間がかかる?

傷ついた筋肉が修復され、今までより大きな筋肉になることを超回復と言います。大胸筋にかけた負荷にもよりますが、大胸筋の超回復にはおよそ48時間、つまり2日ほどかかります。

一般的に筋肉痛になりやすいのは、筋肉が伸びながら負荷を受ける動作を行った場合です。大胸筋を鍛えるトレーニングと言えばベンチプレスやダンベルフライなどがありますが、腕を下ろした時に大胸筋が伸びる瞬間があるため、超回復に時間がかかるわけですね。

大胸筋が特に強く伸ばされた場合は、脇の方まで痛くなるので早く治したいと思うかもしれませんが、2日ほど痛むのは覚悟しておく必要があります。

(他の部位に関しても知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。)

大胸筋の筋肉痛が治らない原因

筋肉痛が治らない原因を知っておけば、あらかじめ対策して、筋肉痛から早く解放されることが可能です。それでは、筋肉痛が治らない原因について、パターン別で紹介します。

遅発性筋肉痛である

筋肉痛には即発性筋肉痛と遅発性筋肉痛がありますが、そのうちの遅発性筋肉痛の場合、長く痛みが残る場合があります。即発性筋肉痛は、トレーニング中やトレーニング後に感じる痛みが該当しますね。

一般的な筋肉痛は遅発性筋肉痛であり、痛みが出るまででも1日以上かかることがあります。普段から大きな負荷のかかる筋肉には毛細血管が張り巡らされていますが、普段使わない筋肉にはあまり張り巡らされていません。

そのため、慣れない強度の運動をすると、十分に血液が巡らず、回復に時間がかかってしまうのです。

新陳代謝の低下

筋肉痛が治らない原因として他に考えられるのは、新陳代謝の低下です。新陳代謝が低下すると、傷ついた筋肉を修復するのに必要な栄養が十分に送られず、超回復に時間がかかってしまいます。

新陳代謝の低下は、水分が不足していたり、質の高い睡眠を十分に取れていなかったりする場合に起こります。筋肉痛が治らないときに生活が乱れていると感じるなら、新陳代謝の低下を疑ってみましょう。

運動不足

普段から運動する習慣がない人の場合も、筋肉痛は治りにくいです。普段から運動している人は頻繁に筋肉を使っており、筋肉が活性化されている状態なのですぐに超回復が起こります。

一方で普段運動していない人は、筋肉が活性化していないため、すぐには超回復が始まりません。また、運動によって血流が良くなり、修復に使う栄養が届きやすくなったり、老廃物を流したりという恩恵が受けられます。

運動不足だと血流が良くならず、恩恵が受けられないため、運動不足だと感じる方は運動する習慣が必要です。

睡眠不足

睡眠が不足している場合、超回復が正常に起こりません。質の高い睡眠を取れば、成長ホルモンをはじめとする様々なホルモンが多く分泌され、傷ついた筋肉の修復に使われます。

ホルモン分泌が最も盛んな時間は22時頃なので、それまでに入眠するように意識したいですね。成長ホルモンはこれから成長する子供にしか意味がないと思われがちですが、筋肉の修復にも大切なホルモンなのです。

睡眠不足を改善するためには、睡眠時間だけでなく睡眠の質も改善する必要があります。あまり寝れていないときに超回復の遅れを感じたら、睡眠不足を疑ってみましょう。

栄養不足

筋肉を修復するには、やはり栄養が欠かせません。どれだけ休息をしっかりしても、修復するための材料となる栄養がなければ、いつまでたっても修復できませんよね。

特に、筋肉の修復にはタンパク質が必要です。栄養補給が直接痛みをなくしてくれるわけではありませんが、普段の食事やプロテインでしっかりタンパク質を補給し、筋肉の修復が進むようにしておきましょう。

大胸筋の筋肉痛の回復を早める方法

大胸筋の筋肉痛は腕を動かすとき、特に腕を伸ばすような動作をするときは常に痛みが伴うため、早く治したいと思いますよね。そこで、大胸筋の筋肉痛を早く回復させるための7つの方法を紹介します。

大胸筋への負荷を減らす

筋肉痛を早く治すなら、筋肉への負荷を小さくすることが大切です。トレーニング時の大胸筋への負荷、特に大胸筋が伸びるときの負荷を小さくすることで、筋繊維のダメージが減り、超回復にかかる時間も短くなります。

例えば、レップ数やセット数を減らすといった対策ができますね。もしあなたが今取り組んでいるメニューに、筋肉が伸びて負荷を受ける動作が多いなら、メニューの見直しも効果的です。

筋トレ後にタンパク質を摂る

筋肉を修復するために、タンパク質の摂取は必須です。トレーニング後は最も活発にタンパク質合成が行われるため、このタイミングでタンパク質を摂るのが効果的ですよ。

特に効果的だと言われているのはトレーニング後のわずか30分ほどなので、吸収の早いホエイプロテインがおすすめです。もちろん、朝昼晩の3食でもしっかりとタンパク質を摂取しましょう。また、食事やプロテイン以外に、牛乳もおすすめですよ。

(詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。)

質の高い睡眠を取る

質の高い睡眠を取ると、疲れが取れるだけでなく、筋肉の修復に必要なホルモンも大量に分泌されますよ。睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりしてしまうと、ホルモンが十分に分泌されず、筋肉痛の回復に時間がかかってしまいます。

ホルモン分泌のピークは22時頃です。早寝をしてしっかり眠り、大胸筋の痛みを早く治してしまいましょう。

(筋トレ×睡眠の関係性については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ中や筋トレ前後の水分補給

水分補給を行うことで、筋肉の修復に必要な栄養素を届けたり、老廃物を流したりすることができます。筋トレ中はもちろん、筋トレ前や筋トレ後の水分補給も大切です。特に汗をよくかく場合、多めに水分を用意して、水分が不足しないように気をつけましょう。

水分は冷たいほうが早く吸収されるため、水分補給には冷たいものがおすすめですが、胃に負担がかかるリスクもあります。筋トレ中は冷たい水分、他の時間はぬるめの水分と飲み分け、しっかり水分を補給しましょう。

(筋トレと水分補給の関係については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ後に大胸筋をストレッチをする

ストレッチをすることにより、トレーニングで固まった筋肉を緩め、血流を良くすることができますよ。トレーニング後に筋肉を動かさないでいると、筋肉は硬化していき、超回復が遅くなる原因となってしまいます。

大胸筋のストレッチは、壁を使うと簡単ですよ。壁が横に来るように立ち、壁側の手を壁につけ、壁と反対側を向くように上体を回転させるだけです。手をつく高さを変えるだけで、大胸筋のストレッチする部分を変えることができます。

大胸筋全体が柔らかくなるように、いろいろな角度に手をついてストレッチしましょう。筋肉が柔らかくなると、怪我しにくくなるというメリットもありますよ。

夜はぬるめの湯舟に浸かって筋肉痛を和らげる

湯舟に浸かって温まると、血管が広がり、筋肉痛の回復に効果があります。お湯の温度は38℃から40℃に設定し、15分ほど浸かるのがおすすめです。ただし、筋トレ直後の入浴は避けましょう。

筋トレ直後は筋肉が熱を持っている状態です。大胸筋が熱を持っているときに入浴をしてしまうと、本来大胸筋に多く流れるはずだった血液が全身に分散してしまいます。そのため、トレーニング後は入浴せず、筋肉が熱を持っていない夜に入浴しましょう。

また、マッサージを合わせて行うのもおすすめです。入浴して体を温めつつ、マッサージで血行を良くしましょう。

(筋トレ後のお風呂の効果については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉痛になる前に大胸筋をアイシングする

トレーニング後で筋肉が熱を帯びているときは、アイシングをすることで筋肉痛を予防することができます。筋肉痛とは筋繊維が傷つき炎症を起こしている状態であるため、トレーニング後にアイシングすることで筋肉痛が和らぐのです。

ただし、アイシングによって筋トレの効果が低下してしまうので、筋肉を大きくさせたいというときにはあまり効果的な手段とは言えません。筋肥大より筋肉痛の予防を優先したいという場合に利用してみましょう。

逆に大胸筋が筋肉痛にならない場合は負荷が少ない?

筋肉痛にならないと、「負荷が十分じゃないかもしれない」「超回復が起こっていないかもしれない」と不安になりますよね。しかし、筋肉痛にならなくてもトレーニングの効果はあるので安心してください。あえて筋肉痛を求めて無理に追い込むことはありません。

筋肉痛にならないということは、体がトレーニングに慣れて、正しいフォームで取り組めている証拠です。筋肉痛がないと、体を追い込んだ実感がないかもしれませんが、頑張りすぎてオーバートレーニングになったり、怪我をしたりしては逆効果なので注意しましょう。

(詳しくは以下の記事を参考にしてみてください)

大胸筋が筋肉痛の場合は胸トレを休むべき?

大胸筋が筋肉痛の場合、胸トレは休むべきです。筋肉痛があるということは、まだ筋肉が修復中であり、超回復は起こっていない状態、つまり以前より大きくなる前の段階だということになります。

筋肉痛が治ったように感じても、トレーニングをして大きな負荷をかけると痛みを感じることがありますよね。この場合も、まだ超回復が終わっていないため、胸トレはお休みしましょう。

また、大胸筋が筋肉痛の場合に胸トレを行っても、全力を出すことはできませんし、怪我のリスクも高まります。より効果的に大胸筋を鍛えるためにも、痛みを感じる場合はトレーニングをやめておくのが無難です。

筋肉痛ではなく怪我かも?大胸筋の痛みで受診すべき目安

胸の表面のほうに痛みがある場合は、緊急性のないものである可能性が高いので、受診するほどではありません。しかし、激しく痛む場合は怪我の可能性が高いので受診した方が無難です。

いつもより軽めにしかトレーニングをしていないのに痛むような場合も、怪我をしている可能性が高いため、受診するのがおすすめです。また、締め付けるような痛みであったり、長い期間にわたって痛んだりする症状の場合、怪我だけでなく病気である可能性もあります。

大胸筋の筋肉痛や怪我はフォームが原因かも

筋トレをする際のフォームの乱れも筋肉痛や怪我の原因になります。間違ったフォームだと、普通使わないような筋肉や関節に負担がかかり、非常に危険です。どこに負荷がかかっているか意識しながら、正しいフォームで取り組むことが大切ですよ。

ダンベルフライプレスのフォーム

ダンベルフライプレスは、大胸筋にダイレクトに刺激を与えられる人気の種目ですね。ダンベルフライプレスの場合、ダンベルは胸の高さまで下げることを意識します。また、肩甲骨をしっかり寄せるようにしましょう。

反動をつけてしまうと、間違った筋肉の使い方をしたり、不自然な負荷がかかって関節を痛めたりということに繋がるため、注意が必要です。

(詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。)

ベンチプレスのフォーム

王道の筋トレメニューであるベンチプレスですが、やり方を知らないと、正しく負荷がかからず危険です。ベンチプレスを行う場合、自然なブリッジを作ること、肘の場所をバーベルの真下にすることなどに注意しましょう。

ベンチプレスは大胸筋だけでなく、バランスをとるために様々な部位の筋肉を使います。筋肉痛だけでなく、怪我のリスクも高くなってしまうので、しっかりフォームを確認しましょう。

(詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。)

プッシュアップのフォーム

家でも手軽に取り組めるプッシュアップですが、正しく行わないと体を痛めるだけで効果がない場合もあります。肩甲骨を寄せる、手首を反らないなどをしっかり意識して、きちんと効果のあるトレーニングにしましょう。

通常のプッシュアップが難しい場合は、膝をついてのプッシュアップや、壁を使ってのプッシュアップもおすすめです。無理して体を痛めてしまわないよう、あなたに合ったプッシュアップをしましょう。

(詳しい解説は以下の記事を参考にしてみてください。)

大胸筋の筋肉痛は軽視せず早めに対策しよう

大胸筋は腕を使う動作の補助として使う筋肉であるため、大胸筋に痛みを感じても軽視してしまいがちです。しかし、大胸筋が筋肉痛になって固まってしまうと、姿勢が悪くなりがちになり、肩こりや首の疲れ、息苦しさなどに繋がります。

特に、長時間デスクワークをする人にとって、肩こりや首の疲れは気になりますよね。快適に生活できるように、トレーニング前やトレーニング後の大胸筋のケアを徹底しましょう。