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筋膜リリースの『やりすぎ』で悪化する危険性も!頻度〜休むべき症状まで解説!

2021年03月17日

筋膜リリースをセルフで行うと、翌日に痛い揉み返しが起きることがあります。強い負荷をかけすぎたり、筋膜リリースをやりすぎたことが原因ですが、どの程度の圧力をかけるのが適切なのでしょうか。また、筋膜リリースをやりすぎると起きる症状についても、詳しく紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋膜リリースはやりすぎると悪化するし危険?

筋膜リリースは、筋膜リリースには、理学療法士などから施術を受ける方法や、フォームローラーや筋膜リリースボールなどを使ってセルフで行う方法があります。デスクワークなど、長時間、同じ体勢を続けることで、非常にやわらかい筋膜は、からまったりねじれたりします。

こういった筋膜の癒着が原因で起きた痛みを軽減したり、関節や筋肉などを動きやすく改善させることを目的とする筋膜リリースは、痛い方がより効果があるような気がします。ただし、間違った方法で行ったり、やりすぎると逆効果になってしまうことがあります。このようにメリットも多く、やりすぎるとデメリットもある筋膜リリースについて、次から解説します。

(筋膜リリースの効果的な頻度については以下の記事も参考にしてみてください)

筋膜リリースをやりすぎるとNGな理由

筋膜リリースは、圧力をかけすぎたり、痛いほどやりすぎると、かえって症状が悪化する場合があります。また、あまりに痛い状態が続く場合は、筋膜リリース以外の方法も検討してみるのをおすすめします。筋膜リリースをやりすぎるとNGな理由は、次の5つになります。

①傷つけてしまう
②浮腫みや倦怠感が起きる
③痛みに敏感になる
④内出血を起こす
⑤身体がこわばる
⑥知覚鈍麻が起こる

それでは①筋を傷つけてしまう、から解説します。

筋を傷つけてしまう

筋膜リリースを行う際、圧力が強すぎたりやりすぎると、筋肉の炎症や損傷を引き起こしてしまう場合があります。そうなると、効果も半減してしまうことになってしまいます。特に、硬いフォームローラーを使ってセルフ筋膜リリースを行う場合は細小血管を傷つけてしまう恐れがあるため、あまり長い時間行わないように注意しましょう。

浮腫みや倦怠感が起きる

肩や腰など一か所に強いコリを感じる原因があるのに何のケアも行っていなかった場合、老廃物が溜まっています。筋膜リリースをやりすぎると、一気に滞っていた血液がリンパに流れ出して浮腫みや倦怠感を感じることにつながります。

痛みに敏感になる

筋膜リリースをやりすぎると、交感神経が優位になり、血流の滞った状態が続くことになります。各組織に障害があらわれ、痛みを誘発してしまうことになり、一度痛みが出始めるとなかなか抜け出しにくくなる悪循環につながります。こうなると、効果も期待できなくなってしまいます。

内出血を起こす

筋膜リリースを行うと、筋膜だけではなく、神経や血管、皮下脂肪や皮膚などの組織にも同時に圧力がかかります。かける圧力が強すぎると青あざができてしまうことになり、挫滅(ざめつ)といって、筋肉を傷つけてしまいます。

また、一度、挫滅が起こるとさらに身体はこわばってしまい、効果を感じる前に筋膜リリースを続けるのが難しくなってしまいます。セルフ筋膜リリースを行う際は、自分が心地良いと感じる強さで行うようにしましょう。こういった場合は、振動するタイプのフォームローラーを使うのもおすすめです。

身体がこわばる

痛むほど強く圧力をかけて筋膜リリースを行った場合、脳は過剰な刺激を受けたと判断します。痛みを我慢しているときに、歯を食いしばるのと同じように無意識に力んでしまうため、ますます筋肉がこわばってしまいます。

知覚鈍麻が起こる

筋肉に対して強い圧力をかけて筋膜リリースをやりすぎてしまうと、揉み返しが起こります。揉み返しの症状が進むと、知覚鈍麻といって感覚が鈍ってしまうことになります。施術者に施術してもらう場合も見極めは必要ですが、慣れないうちは力加減がわからないので、注意が必要です。

やり過ぎを防ぐ!筋膜リリースの最適な頻度は?

筋膜リリースは、こまめに筋膜をほぐすとより効果を実感することができます。筋膜リリースを始めたばかりの頃は、痛いと感じることがあります。1か所45秒から60秒を目安に徐々に回数を増やしていくのがおすすめです。

また、慣れてきたら、可動域を広げるために筋膜リリースをウォームアップとして行ったり、柔軟性を維持するために毎日行うのも良いでしょう。午前、午後、入浴後など1日3回行うのが理想です。特に入浴後は筋膜がほぐれやすくなっています。

ただし、毎日の筋膜リリースがストレスになってしまう場合や、体調が思わしくない場合は控えるようにしましょう。筋膜リリースを行う際に重要なのは、継続することです。

筋膜リリースを一旦休むべき症状

ケガや打撲している時や筋膜リリースを行うと激痛が走るなど、筋膜リリースを一旦休むべき主な症状は次の通りです。

①ケガをしている場合
②打撲や骨折が完治していないとき
③筋肉痛が酷いとき
④揉み返しがあるとき

それでは、①ケガをしている場合から解説します。

ケガをしている場合

筋膜リリースは、筋膜を柔らかくして解きほぐし、可動域を広げたりするものです。ただし、ケガや病気による痛みの場合は、悪化させてしまう危険性があるので注意が必要です。セルフ筋膜リリースを行う際、様々なポーズをとると、ほかの部位であっても、患部を刺激してしまう場合があります。

打撲や骨折が完治していないとき

打撲や骨折が完治していない場合は、筋膜リリースを一旦休む必要があります。患部から離れた部位なら筋膜リリースをしても問題ないように思えますが、様々なポーズをとりながら行う筋膜リリースは、直接ではなくても患部に負担をかけてしまうことにつながります。

筋肉痛が酷いとき

肩こりを改善する効果があるといわれている筋膜リリースですが、酷いコリや筋肉痛がある場合は注意が必要です。筋肉に疲労が溜まった状態で筋膜リリースを行うと、かえって症状が悪化してしまうことにつながります。

筋肉痛が治まるまでの間に、筋膜リリースなどで患部に負荷をかけると、筋肉が固まる拘縮状態になります。こうなるとなかなか痛みが引きません。押すと痛みが出るため、筋肉痛など痛みが強いときは、一旦休むようにしましょう。

筋膜リリースを実際にやってみて、痛みが強くなる場合や痛みが変わらない場合もほかの病気が原因となっている場合もあるので筋膜リリースを一旦止めて受診しましょう。

引用元:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/kimmakuririsu.html

また、公益財団法人長寿科学振興財団が解説するところによると、筋膜リリースをやっても痛みが強くなったり変わらない時は他の病気の可能性があるとのこと。痛みが引かないからといって、さらに続けることは危険な場合もあります。

揉み返しがあるとき

筋膜リリースをやりすぎると、揉み返しや、倦怠感を感じることがあります。そういった場合は一旦休んで、筋肉の回復を待つ必要があります。また、筋膜リリースを再開する際も、やわらかいボールを使うなど負担を軽減するようにしましょう。

(筋膜リリースを行った際の揉み返しについては以下の記事も参考にしてみてください)

筋膜リリースのやりすぎに関する体験談

ここまで、筋膜リリースをやりすぎた場合に起こる症状や、適切な頻度について紹介してきました。それではここからは、実際に筋膜リリースをやりすぎてしまったことで症状が悪化した体験談を紹介します。

腰が痛くてしゃがむとつらい



前傾姿勢を続けるポーズや、腰に負荷をかけすぎると、筋膜や筋肉を損傷してしまうことがあります。このため、腰の横部分に激痛が出てしまったことが考えられます。こうなると、筋膜リリースのやりすぎで、逆効果になってしまうことがあります。

倦怠感で朝起きづらい



筋膜リリースをやりすぎたのか、倦怠感で翌日はすっきり起きることができなかったという声もあります。血液やリンパ液、老廃物が滞った状態で筋膜リリースをしたため、一気に流れ出して発生したと考えられます。こうなると毎日続けたい人にとっては、効果が期待できません。

ひどい筋肉痛と疲労



筋膜リリースをする際に、痛いと感じてつい力んでしまうことがあります。筋膜リリースは痛いけれど気持ちいいがいいぐらいの圧で行うことが大切です。また、どのぐらいの時間であればセルフリリースを行うのが適切か見直してみる必要があります。

その他、筋膜リリースに関する記事もチェック

Slopeでは筋膜リリースに関する初心者向けの記事を多数公開しています。筋膜リリースの手軽な始め方や正しいやり方、内出血、筋膜リリースで得られる効果などについて詳しく解説していて役立つので、ぜひチェックしてみてください。

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やりすぎると逆効果になってしまう場合もある筋膜リリースですが、ダイエットや、硬くなっていた身体の可動域を広げることができたりと、メリットもたくさんあります。過度に圧をかけすぎると揉み返しが続いてしまうため、正しい方法、無理なく行うことのできるように続けてみましょう。