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サッカー用語『インテンシティ』の意味とは?言葉の使い方まで初心者向けに解説

2021年06月20日

インテンシティとは英語で「強さ」「激しさ」という意味で、サッカー用語として使われます。サッカーにおけるインテンシティとは、肉体面と頭脳面の両方の強さを示す用語です。具体的にどのような使われ方をしているのでしょうか。詳しい意味と言葉の使い方について解説します。

インテンシティの意味とは?

インテンシティ(intensity)とは、英語で「強さ」や「強度」、「激しさ」や「厳しさ」といった意味を持ちます。使い方は物理的な強度を示す場合と、行動や思想に対して用いる場合などさまざまです。色あいの強さや鮮明さを表す場合にも使われます。

サッカーにおいてもインテンシティは重要な用語です。実際にサッカー用語としてはどのような意味を持つのでしょうか。詳しい解説と使い方を説明します。

サッカー用語『インテンシティ』の意味【フィジカル編】

インテンシティという言葉は、元日本代表のザッケローニ監督の会見がきっかけで日本のサッカー界に定着した用語です。サッカーにおけるインテンシティには肉体的な強さを表すフィジカルと、頭脳的な強さを表すブレインという2つの意味合いを持ちます。どちらか片方を示す時もあれば、両方の強さを総合的に示す時もある用語です。

それでは、まずフィジカル面での意味から解説します。

①プレーの激しさ、力強さ
②動きの素早さ
③パフォーマンスを維持する力

3つの意味をひとつずつ見ていきましょう。

(筋力アップをする方法については以下の記事も参考にしてみてください)

プレーの激しさ、力強さ

激しいプレーや力強さに対しての意味です。タックルにより激しくボールを奪い合うプレーや、体のぶつかりあいにも負けずにボールをキープし続けられる選手を、「インテンシティが高い」と表現します。サッカーは体幹の強さが試合を左右するため、強靭な肉体は球際の攻防に重要です。

動きの素早さ

インテンシティは素早さに対しての意味合いもあります。ドリブル中にボールを奪おうとする相手選手にフェイントをかけるなど、サッカーには素早さも重要です。フィールドを駆け抜けるスピードや、ボールを追いかけて長距離を往復する足の速さに対しても使われます。

パフォーマンスを維持する力

サッカーの試合は前後半それぞれ45分、計90分です。また、フィールドの大きさは最大120mで、90分間かなりの距離を走り続けることになります。ディフェンス、オフェンスに関わらず試合中パフォーマンスを落とすことなくプレーができる選手に対して、「インテンシティが高い選手」と表現します。

サッカー用語『インテンシティ』の意味【ブレイン編】

頭脳や思考、メンタルを意味するブレインにおいても、インテンシティという用語で強さを示します。主には以下の3つです。

①状況判断の素早さ
②考え続けながらプレーする力
③メンタルの強さ

それでは、ブレイン面でのインテンシティの意味を詳しく解説します。

状況判断の素早さ

インテンシティは素早い状況判断に対しても使われます。試合中は刻一刻と状況が変化するため、現在の戦況を瞬時に読む力や予測する力が必要です。的確な状況判断が立ち位置や動き方と繋がり、試合の風向きを左右します。

考え続けながらプレーする力

「インテンシティを高める」とは、考え続ける力を高めることと同義です。的確に迅速な状況判断をするためには、常に思考を巡らせながらプレーする必要があります。サッカーは試合時間が長いため、インテンシティを高めることが重要です。考えながら動くことが勝利や逆転へと繋がります。

メンタルの強さ

メンタルの強さに対しても「インテンシティが高い」という使い方をします。サッカーをはじめスポーツにおいてはメンタルの強さも非常に重要です。メンタルの安定はプレーの安定にも繋がり、どのような状況からでも的確に次の一手を考えることができるでしょう。

インテンシティという言葉を使用しているインタビュー

実際にインテンシティという言葉を用いているインタビューの発言を見ていきましょう。メンタル的なコンディションの状態を表している発言や、肉体的、技術的な強さと総合した意味合いを持つ発言があります。インテンシティは幅広い意味合いを持つ用語ということがわかる使い方です。

原口元気

他の選手たちの反応やコメントを見ていても、セルフコンディショニングは簡単なことではないと思いましたし、リーグ全体でのコンディションが絶対に低下すると思ったので、ここで自分が上げられればすごくチャンスだなと。案の定、再開後はインテンシティがかなり落ちていたので、走るとチャンスになることが増えて、シュートシーンも多くなったので、自分のイメージがそのまま表れましたね。

引用元:https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20200808/1104510.html

日本代表選手、原口元気のインタビューです。新型コロナウィルスの影響により試合が中断していた際についての回答で、再開後に海外選手の士気が下がっていたことを「インテンシティが落ちていた」と発言しています。インテンシティをメンタル的なコンディションに対して使用した発言です。

山根視来

判断のスピードもそうですし、高いインテンシティの中で発揮する技術が本当の技術だと思いました。うまければいいわけではなく、走れればいいわけではない、というレベルの高さで難しさは感じていますね

引用元:https://soccermagazine.jp/national_A/17459639

日本代表選手、山根視来のインタビューです。国際試合に参加した際の気づきとして、他選手の強さを「インテンシティ」と表現して発言しています。発言中でのインテンシティとは肉体的な強さや技術力を指したものです。さまざまな要素の総合的な意味合いで使われています。

早川知伸監督

インテンシティの高い攻撃をいかに守れるかが大事です。そこがキーポイントになります

引用元:https://soccermagazine.jp/j1/17448258

横浜FC、早川知伸監督のインタビューです。横浜F・マリノスとの対戦に際して、相手チームの攻撃力の高さを「インテンシティの高い攻撃」と発言しています。チームの強さはフィジカル、ブレインともにどちらも磨き抜かれたものです。インテンシティは肉体、技術、思考力ともにすべてあわせ持つという意味でも使われています。

インテンシティを評価されているサッカー選手

インテンシティの高さを評価されているサッカー選手を紹介します。激しく力強いプレーで常に世界のトップに立ち、サッカー界を牽引してきた選手たちです。日本人選手、海外選手別にインテンシティの高さを解説します。

日本人編

まずは日本人選手です。海外選手とも互角に渡り合っていた中田英寿、無回転シュートが代名詞の本田圭佑、トレーニングで作り上げた強靭な肉体で戦っていた秋田豊を紹介します。日本代表として世界と戦う選手たちのインテンシティの高さを見ていきましょう。

中田英寿

出典:https://www.pinterest.jp/pin/685813849504245421/

元日本代表選手の中田英寿はインテンシティの高さが秀逸です。優れた判断力と的確に試合の流れを読む力もありながら、強靭な海外選手と互角にぶつかりあえる肉体も持っています。海外選手と比べて体格は秀でて大きくないものの、世界で戦えるインテンシティの高さが評価されていた点です。

(中田英寿については以下の記事も参考にしてみてください)

本田圭佑

出典:https://www.pinterest.jp/pin/468444798718945050/

日本代表選手の本田圭佑は強い筋力がインテンシティの高さとして評価されています。相手選手が入り込む隙のない力強いドリブルと優れたボールのキープ力は強靭な筋肉のたまものです。また、本田圭佑の代名詞と言える無回転シュートを繰り出すためにも強い筋力が必要で、インテンシティの高さは世界から評価されています。

(本田圭佑については以下の記事も参考にしてみてください)

秋田豊

出典:http://sakatuku.blogspot.com/2013/10/blog-post_19.html

元日本代表選手の秋田豊はディフェンダーというポジションの特性から、鹿島アントラーズ入団後より筋力トレーニングに力を入れていた選手でした。トレーニングで出来上がった強靭な肉体を武器に、激しく力強いプレーでインテンシティの高さを発揮していました。数々のMVPを獲得した経歴を持ちます。

(サッカーが上手くなる筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

外国人編

続いて海外選手の紹介です。高い跳躍力と力強いドリブルが持ち味のクリスティアーノ・ロナウド、アフリカ人特有の運動に適した身体能力を持つディディエ・ドログバ、力強いプレーとチームの頭脳として活躍するセルゲイ・ミリンコビッチ=サヴィッチを紹介します。サッカー界が誇る世界トップクラスの選手たちです。

クリスティアーノ・ロナウド

出典:https://www.pinterest.jp/pin/406731410095324743/

イタリア・セリエAユヴェントスFCのクリスティアーノ・ロナウドは高い跳躍力で繰り出すヘディングシュートや力強いドリブル、不規則な軌道の無回転シュートが持ち味です。屈強な肉体を持つインテンシティの高さで、ミドルシュートも難なく決めてしまいます。世界トップクラスの海外選手です。

ディディエ・ドログバ

出典:https://www.pinterest.jp/pin/65724475801364726/

元コートジボワール代表選手のディディエ・ドログバはアフリカ人特有の運動能力に長けた体型を持ち、インテンシティの高さで評価されていました。アフリカ人の身体能力の高さは体幹の太さに対して末端が細いという特徴によるものです。発達した体幹の筋肉から繰り出されるシュートで数々のゴールを奪い、最多得点記録を持つ海外選手でした。

セルゲイ・ミリンコビッチ=サヴィッチ

出典:https://www.soccer-king.jp/player/article/539967.html

セルビア代表選手のセルゲイ・ミリンコビッチ=サヴィッチは190cmの長身を活かしたプレーで球際に強い選手です。ミドルシュートも得意とし、テクニックに長けています。また、肉体的、技術的に卓越しているだけではなく、戦況を読む力が秀でていることが特徴です。頭脳的な面でもチームを支えるインテンシティの高さが評価されています。

サッカーにおけるインテンシティの重要性を理解しておこう

英語で「強さ」や「激しさ」という意味をもつインテンシティという言葉は、重要なサッカー用語です。サッカーにおいては強さの指標を表す用語であり、肉体的な強さであるフィジカル、頭脳やメンタル面でのブレインどちらかを示す時もあれば、総合的な強さの意味で使われることもあります。使い方と重要性を知り、サッカーへの理解を深めましょう。