ストリエーションの意味とは？カットと違う？出し方〜画像集まで紹介！

筋トレの専門誌やWEBサイトで出現するワードに、ストリエーション（striation）がありますが、どういう意味なのか疑問に思っていた方も多いのではないでしょうか。そもそもストリエーションには、筋や縞という意味があり、半導体の分野でも使用されている言葉です。そしてボディビル業界においては、筋肉の筋を表す言葉として用いられています。

ストリエーションは、筋肉量を増大させて、なおかつ体脂肪率が少なく体がしっかりと絞れている状態の人でなければ現れることはありません。そのためストリエーションは、ボディビルダーの筋トレの成果やコンディションを図る一つのバロメーターともなります。

今回の記事では、具体的にどんな状態のことをストリエーションと表現するのか、また実際にストリエーションを出すための方法や美しいストリエーションを獲得した人々の画像を紹介します。

こちらは、広背筋や大殿筋にストリエーションが出ている画像です。このきれいな縞模様のことをストリエーションと言います。筋肉を極限まで絞り切っていなければ、ここまで見事なストリエーションが出てくることはありません。

もう少し具体的に言うと、ストリエーションとは、筋肉を形作っている筋線維という細胞が発達して盛り上がっている状態を指します。次の引用文をチェックしてみましょう。

上記は日本医療研究開発機構からの引用文です。この文からは、筋肉は筋線維という細胞が束になったものである、ということが分かります。逆説的に言えば、筋線維の一本一本を太くすることが筋肉を太くすることへと繋がる、とも言えます。

また、ストリエーションと混同されやすい用語が、バスキュラリティとカットです。バスキュラリティとは、筋肉をパンプアップさせて血管がくっきりと浮き出ている状態を指します。そして、カットとは、筋肉と筋肉の間の筋のことを指すときに用いられます。

意味を知ったことで、カットとストリエーションの違いが余計に分かりづらいという方もいるかもしれません。よく用いられる表現として、カットについては「カットが深い」と言いますし、ストリエーションについては「ストリエーションが走っている」という言い回しが一般的です。この表現を覚えておくと、両者の違いのニュアンスを把握しやすいでしょう。

ではどのようにすればストリエーションを効果的に出すことができるのでしょうか。ここではその方法を下記の5項目に分けて解説します。

①体脂肪率を下げる
②筋肉量を増大させる
③水分量を減らす
④平らな面を持つ筋肉
⑤筋肉収縮の状態にする

では、まず「①体脂肪率を下げる」から見ていきましょう。

ストリエーションが走る筋肉になるための条件として、まず体脂肪率が10％以下になることが、一つのボーダーラインとなってきます。前述したように、ストリエーションは筋肉の束が見えている状態なので、皮膚と筋肉のあいだにある脂肪が厚いと、ストリエーションを出すことはほぼ不可能です。

体脂肪率を下げるための大前提は、一日の消費カロリーが摂取カロリーよりも上回る日を増やすことです。食事管理に関しては、脂質を抑えて高たんぱく質の食材を食べることが大切になってきます。条件に見合う代表的な食材としては、鳥のささみ肉やむね肉、水煮タイプのツナ缶などがありますし、もちろんプロテインもおすすめです。

また、夕食を取る際は、糖質を抑えつつも絶対に抜かないことがポイントとなります。理由としては、糖質ゼロの状態が続くと筋肉が瘦せてしまい、結果的に脂肪燃焼が上手くできずに太りやすい体質となってしまうためです。筋トレでせっかく育て上げた筋肉が減ってしまうという事態を招かないように、気をつけて下さい。

（体脂肪率については以下の記事も参考にしてみてください）

筋肉量を増やすことも、ストリエーションを出すために欠かせない条件です。皮膚の下から浮かび上がって見えるほどのストリエーションを走らせるには、まずベースとしての筋肉が備わっていなければならないからです。筋肉を効率的に増強させる方法としては、筋肥大を意識した筋トレメニューや食事管理をおこなうことが効果的でしょう。

筋肥大について簡単に説明すると、筋線維が肥大して、体積が増えていく状態を表す言葉です。一つ一つの筋線維が、筋トレや食事管理によって大きくなることで、体の筋肉全体が増量することを筋肥大と言います。

筋線維が発達する仕組みは、筋トレや運動で筋線維の一部を破断させて、その後適切な栄養と超回復による休養を与えた結果、筋線維が大きく発達していくというものです。筋線維の破断と聞いて、高負荷の筋トレをこなせば良いのかと思う方もいるかもしれませんが、もちろんそうではなく、体に無理な負担をかけない適切な筋トレと食事管理が必須です。

（筋肥大については以下の記事も参考にしてみてください）

水分量を減らすことも有効です。なぜなら人間の体の要素のうちの60％以上が水分で構成されているためです。水分量を減らすことで、皮膚と筋肉のあいだにある脂肪などの組織細胞の体積が減り、ストリエーションがくっきりと見えやすくなります。

水分量を減らすためには、水分の摂取量を減らすこと以外に、塩分や糖質の制限、クレアチンやカリウム、マグネシウムの摂取が効果的です。

このように、塩分を摂り過ぎると水分を多くため込み、体のむくみの原因となってしまいます。糖質に関しても同様のことが言えます。2015年度栄養摂取基準では、高血圧を予防する観点から男性の一日の摂取塩分量を8g未満で推奨しているようです。ストリエーションを目的とする人は、高血圧者向けに推奨する塩分摂取量である6ｇを目指すと効果的でしょう。

また、クレアチンに関しては、塩分や糖質と同様に水分をためる性質を持ってはいますが、筋肉酵素としての働きがあるために、筋肉の水分量に対して有効です。カリウム、マグネシウムに関しては、体から水分を排出させる性質があるため、ストリエーションに対して良い効果を発揮します。

いずれにしても、塩分や糖質は生体を維持する上で必須の成分であるため、過度な制限は病気を招いたり命に関わったりする恐れがあります。実践する場合は、適切な量を摂取するようにしてメニューに組み込んでみて下さい。

仮にワールドクラスのボディビルダーであったとしても、全ての筋肉にストリエーションを走らせることはできません。ストリエーションを出せるのは、平らな面を持つ筋肉であるという条件があります。例を挙げると、大胸筋、広背筋、三角筋や上腕三頭筋といった筋肉です。

大殿筋も平らな部類の筋肉ではありますが、人間の体の中で最も脂肪分の多い箇所でもあるので、ストリエーションを走らせるのは至難の業です。逆説的に言えば、大殿筋にストリエーションを走らせることができれば、筋肉を極限まで仕上げて、食事管理を徹底してきたという輝かしい証にもなります。

また筋肉の部位によっては、腱や膜が厚いためにストリエーションの障害となっている箇所もあります。腹筋や脊柱起立背筋は筋膜が厚く、ストリエーションがとても出にくい部位です。

ストリエーションを走らせるために欠かせないものとして、筋肉収縮があります。通常、何もしていない人間の筋肉は弛緩状態にあり、筋線維が長く伸びているためにストリエーションが出ることはありません。

このように、脳からの指令信号を受け取って初めて、筋線維の組織が収縮を開始し、外部から目視することのできるストリエーションを確認することができるのです。

舞台上のボディビルダーがポージングを披露するときは、必ずそれぞれの部位の筋肉に力を込めています。意識的に筋線維の緊張状態を作り出し、筋膜を内側から押し出すことでストリエーションを走らせているのです。ストリエーションを出すために、筋肉収縮は欠かせない条件の一つです。

ここから、ストリエーションがきれいに出ている方の画像を確認していきましょう。惚れ惚れとする肉体美の数々に、筋トレのモチベーションもアップするはずです。

大胸筋を走るストリエーションが見事な縞模様を描いており、目が釘づけになります。

（大胸筋については以下の記事も参考にしてみてください）

三角筋のストリエーションは、圧巻の一言です。くっきりとできている影が芸術の域です。

三角筋、広背筋ときれいなストリエーションが出ていますが、特筆すべきは大殿筋です。引き締まった大殿筋を走るストリエーションは、徹底した筋トレと食事管理を物語っています。

全身が隈なく磨き上げられた美しい筋肉で覆われています。外腹斜筋のストリエーションが、ますます輝きを加えています。

（外腹斜筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください）

大胸筋と大腿部のストリエーションが美しいです。円熟味すら感じさせる筋肉美は、厳しい筋トレを絶え間なく継続してきた証です。

脚を走るストリエーションが見事なまでの縞模様を描いています。カットの深さも含めて美しい一枚です。

ミスターオリンピア7連覇という記録を持つ、フィルヒースの一枚です。隆起する筋肉と、三角筋、大胸筋を走るストリエーションが王者の風格を漂わせています。

（フィルヒースについては以下の記事も参考にしてみてください）

隈なく鍛え上げられた全身とポージングも相まって、まるで彫刻芸術のように美しい一枚です。外腹斜筋のきれいなストリエーションは過酷な筋トレの成果です。

大胸筋と大腿部のストリエーションが素晴らしい仕上がりで、思わず目が吸い寄せられます。

フィジーク選手の一枚です。完璧に仕上げ切った筋肉美に、外腹斜筋のストリエーションが華を添えています。

（フィジークについては以下の記事も参考にしてみてください）

ストリエーションの意味、そして実際に手に入れるための方法や美しい筋肉を手に入れた人々を紹介しました。決して楽な道のりではありませんが、もしもストリエーションを走らせることができれば達成感もひとしおのはずです。トレーニングの究極の証であるストリエーションを目指して、日々の筋トレに励みましょう。