HMBサプリの『摂取量・タイミング』などの飲み方！運動しない日には不要？

HMBサプリは筋肉の合成を促す効果や、筋肉分解を抑える効果が期待できるサプリメントです。筋肉の肥大を狙うトレーニーはもちろん、筋肉をつけると基礎代謝が上がり痩せやすい体になることから、HMBサプリを利用して筋肉をつけつつ脂肪燃焼を狙うダイエット目的の方も増えています。

HMBサプリは筋肉にうれしい効果をもたらしますが、むやみにたくさん飲めばよいというわけではありません。正しい摂取量を守り効果的なタイミングで飲むことで、効率のよい効果を得られるのです。では、HMBサプリは一体どのタイミングで、どの程度の量を飲めばよいのでしょうか。摂取量やタイミング、飲み方の注意点などを解説していきます。

HMBの時間経過動態を調査した研究で、HMBの半減期は2時間30分であることがわかりました。血中濃度が少なくなってきたタイミングで新たにHMBを摂取することが理想的ですが、実現するとなると約2時間30分おきに摂取しなければなりません。

しかし、時間的にも金銭的にも難しい内容です。こまめな摂取ができないという場合はおすすめされている特定のタイミングを狙って摂取すると、効率的に筋肉の補助効果を発揮できます。HMBサプリを摂取するタイミングは、朝食後・トレーニング前・トレーニング後・寝る前がよいとされています。

まずは、1日が始まる朝に一度摂取するのが好ましいです。朝食後にHMBを摂取するメリットは、朝の食事で筋肉の素材となるタンパク質を適度に摂取することで、HMBによる筋タンパク質の合成効果を高められるという点にあります。

立命館大学の藤田聡教授によれば、タンパク質の合成と分解は24時間行われており、食後は栄養を摂取した後なので合成が進むといいます。筋肥大を目的としてHMBを摂取するのであれば、タンパク質と合わせて飲むのが好ましいのです。

筋肉を大きくするのであれば、筋肉分解を防いで現状の筋肉を維持しつつ、合成を活発にする必要があります。筋トレをしている最中は筋肉の分解が最も活発になるため、HMBの効果で分解を最小限に抑えることで効率のよい筋肥大が実現できるのです。

HMB-Caは吸収まで1時間から2時間かかるため、トレーニング中に血中濃度のピークを狙うのであればトレーニングの1時間前から2時間前に摂取するようにしましょう。HMB-FAは摂取してから30分程度で吸収されるので、トレーニングの30分前に摂取るとよいです。

トレーニング前だけでなくトレーニング後の摂取も推奨されています。その理由は、筋トレ後はタンパク質の合成が活発になるためです。下村吉治による『運動後の筋タンパク質合成のためのタンパク質・アミノ酸栄養』には、以下のような記述があります。

このように、筋トレ後にタンパク質を摂取すると効果的に筋肉が作られることが研究で証明されています。多くのトレーニーは合成が活発な筋トレ後にプロテインで必要なタンパク質を補っていますが、筋タンパクの合成を促進させるHMBも一緒に摂取することで、筋肉増加の効果を実感しやすくなるというわけです。

トレーニング前は筋トレ中の分解を防ぐために、トレーニング後は合成を促すためにHMBを摂取するということを頭に入れておきましょう。

幸田利敬による筋力トレーニングについてに記されている通り、筋肉の超回復が促進されるのは睡眠に入ってから約2時間が経過したときです。筋肉の合成をサポートするHMBを寝る前に摂取することで、睡眠中の回復を補助するというメリットがあります。

HMB-Caの推奨されている摂取量は1日あたり1,500～3,000mgです。HMBの血中濃度は2時間30分で半減してしまうため、一度に摂取するよりもこまめに分けて飲む方が効率よく効果を発揮できます。例えばHMBサプリを朝・筋トレ前後・就寝前の3回に分けて飲むときは、1回の量を500～1,000mgを目安に摂取するとよいです。

HMBの高用量による追加利点の調査で、6,000mgのHMBを摂取しても効果がないことがわかっています。HMBサプリを飲めば飲むほど効果があるとうわけではないので注意してください。

HMBは錠剤・カプセル・パウダーなど形状がさまざまです。商品によって成分量が異なるので、しっかりと成分表を確認してから飲むようにしましょう。

続いて、HMBサプリを飲むときの注意点を紹介していきます。HMBを摂取するときは、以下の3つの点に注意してください。

・過剰摂取に注意
・飲むだけで痩せることはない
・HMBサプリは苦い

それでは、それぞれ詳しく解説していきます。

適正量を超えての過剰摂取には気をつけてください。先述した通り、HMBサプリは1日に3,000mgを超える量を摂取してもそれ以上の効果を得られません。HMBを1日に6,000mg摂取しても数字に見合う効果を得られなかったことが研究結果でわかっており、効果がないにも関わらず、多くの量のHMBを摂取すると過剰摂取に繋がります。

HMBを過剰摂取したことによる副作用は報告されていませんが、代謝に関係する肝臓などの臓器に負担をかけてしまうこともあります。筋肉を大きくしたいがために規定以上の量を摂取してしまう方もいますが、HMBサプリに限っては適正量以上を飲んでも意味がないうえに、無駄使いになってしまうのです。

（HMBサプリの体に与えるデメリットについては以下の記事も参考にしてみてください）

なかにはHMBサプリを飲むだけで痩せる・飲むだけで脂肪燃焼すると勘違いしている方もいますが、残念ながら飲むだけで脂肪燃焼が起きたり痩せることはありません。HMBサプリの広告でダイエットにも最適と謳うものがありますが、これはHMBサプリを用いてトレーニングをした結果、基礎代謝アップ・脂肪燃焼アップによるダイエット効果を意味しています。

HMBサプリの効果は筋肉の合成促進と分解抑制なので、あくまでもトレーニングの補助サプリメントとして利用するものです。筋肉に負荷をかけることで意味をもたらすサプリメントなので、トレーニングや運動をしていない方で、HMBサプリの効果を実感することは難しいといえます。

（運動をしない方へのHMBサプリの効果については以下の記事も参考にしてみてください。）

HMBは独特な苦みのあるサプリメントです。錠剤・カプセル・パウダーと、形状はさまざまですが苦味を感じるという点は共通しています。パウダーはダイレクトに苦味を感じるため、苦い味が苦手な方は錠剤やカプセルの商品を選ぶようにしましょう。錠剤は噛むことで苦味が口のなかに広がるので、噛まずにそのまま飲んでください。

HMBサプリは単体で飲むよりも、クレアチンと併用することでより高い効果を得られるといいます。アミノ酸の一種であるクレアチンは、運動パフォーマンスの向上や筋肉量増加の効果が期待できる成分です。筋肉を作るHMBサプリに対して、クレアチンは運動をするためのエネルギーを作るものなので、相乗効果によってより高い効果が期待できるというわけです。

HMBサプリとクレアチンを併用したことで効果を発揮したという研究結果が出ています。以下の記事ではHMBとクレアチンを合わせて摂取したことによる効果が詳しく解説されています。

最後に、HMBサプリに関して詳しく解説している記事を紹介します。

HMBサプリにはどんな効果や副作用があるのか詳しく解説しています。

HMBサプリを実際に飲んだ人の口コミを紹介しています。リアルな口コミを見ることで、HMBサプリに効果があることを確認できるでしょう。

筋トレサプリとして有名なHMBとBCAA。それぞれの働きとメリットを解説し、2つの違いについて紹介しています。

トレーニングの補助サプリとして人気のHMBには、筋肉を合成促進・分解抑制する効果があります。タイミングや摂取量を考えて飲むことで、より効率よく効果を感じることができるのです。筋肥大を狙っている方や、基礎代謝による脂肪燃焼でダイエット効果を狙っている方も、自分に合ったタイミングと摂取量でHMBサプリを効果的に活用しましょう。