HMBサプリとは？成分・効果＆副作用〜運動しない人への必要性まで解説！

HMBとは、必須アミノ酸の一つであるロイシンから生成される成分のことです。正式名称は「β-Hydroxy-β-MethylButyrate（ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸）」です。その頭文字をとってHMBと一般に呼ばれます。厚生労働省の報告書『日本人の食事摂取基準（2015年版）策定検討会』によると、HMBは以下のように定義づけられています。

HMBがロイシンの体内における代謝産物であるなら、ロイシンを多く含む食品を摂取すればHMBも摂取できると考えられます。しかし、摂取したロイシンの5％ほどしかHMBが生成されないということが研究により分かっています。HMBの摂取量は1日あたり3000㎎が推奨されていますが、食品だけで補うにはロイシン自体を60000㎎も摂取しなくてはなりません。

ロイシンが摂取できる食品は動物性タンパク質の肉や魚、チーズやヨーグルトなどの乳製品です。しかし必要なHMBを摂取するためのロイシン60000㎎を食品で摂取するには鶏むね肉で3.2kg、納豆だと4.6kgになります。とても毎日の食事だけで補える量ではありません。ここで有効なのがHMBサプリです。HMBサプリなら手軽に必要量が摂取できます。

1日に必要なHMBを手軽に摂取することができるHMBサプリは栄養補助のためにおすすめです。HMBサプリとは、常温では液体になっているHMBにカルシウムを加えてHMBカルシウムにしたものです。HMBサプリに期待できる効果は大きく分けると以下の2点になります。

・筋肉の合成を促進する
・筋肉の分解を抑制する

この効果から、基礎代謝が上がります。その副産物として広告などでよく目にする脂肪燃焼効果を得ることができると考えられます。ではまず、このHMBの持つ大きな2つの効果について深く掘り下げて確認していきましょう。

HMBには筋肉の合成を促進する効果があります。十文字学園女子大学や筑波大学、東京都健康長寿医療センター研究所が発表した論文『 Beta-hydroxy-beta-methylbutyrateの摂取と筋力運動の併用が閉経後女性の骨格筋量および筋力に及ぼす効果に関する予備的研究』によると以下のように示されていました。

筋トレなどをして筋肉の炎症が起こると、その炎症を修復するための回路が働きます。その回路である、mTORを刺激して活性化してくれるのがHMBカルシウムの役割です。速やかに効果を発揮し、回路を活性化し続けるので、筋肉の合成が促進されるという仕組みになっています。

HMBには筋肉の分解を抑制する効果があることも分かっています。名古屋大学や中国延辺大学付属病院循環器内科学講座による論文が日本老年医学会雑誌第55巻第1号に掲載されました。『サルコペニアの分子メカニズム』というタイトルで、加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下についてHMBの効用を探る研究論文です。

HMBは筋肉の合成を活性化すると同時に筋肉やタンパク質を分解してしまう因子を変容させ、分解を防いでいるということが分かりました。

HMBサプリの効果に関する論文は世界中に数多くあります。ここでは、HMBサプリの効果をエビデンスをもとに見ていきましょう。

Renee A Stancliffeらによる論文『筋肉のミトコンドリア生合成と脂肪酸酸化のロイシン刺激におけるmTORとβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート（HMB）の役割』によると以下のような研究結果が出ています。

またその結果としてこう結論付けられていました。

つまり、mTORは筋肉タンパク質合成を刺激する回路であり、その刺激にはロイシン、ひいてはHMBが有効であるということが示されています。

María D. Girónらの研究『β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート（HMB）は、骨格筋におけるデキサメタゾン誘発オートファジー-リソソーム経路を正常化するか』によると次のような一節があります。

この実験のは最後にこう結論付けられています。

つまり、HMBはFoxoという筋肉の分解を行う成分を抑制し正常化することで筋萎縮に抗う力を持っているということです。このことからHMBの筋肉の分解を抑制する効果が証明されました。

数多くの論文が示す通り、HMBカルシウムを使ったサプリには筋肉の合成を促進する効果、筋肉の分解を抑制する効果が認められています。しかし一部では　HMBサプリには効果はないとされる声も根強くあります。一体どういうことなのでしょうか？

HMBの広告を見ると、飲むだけで痩せるというキャッチコピーが目立つ物もあります。しかしこれは残念ながら嘘なのです。HMBを飲むだけで筋トレなど筋肉を使う運動をすると、何もしない状態よりも痩せるという意味です。HMBは先の論文で引用したように「HMB摂取と筋力運動の併用による骨格筋量の維持や増加への有効性が明らかにされている」ものです。

つまり、筋力運動を併用しない場合の有効性は明らかにされていません。HMBはあくまでも筋トレなどの筋力運動をしたときに筋肉の合成を促進したり分解を抑制したりの補助をしてくれる成分です。HMBを飲むだけで運動しないで痩せるというのは眉唾だと思っておきましょう。

（運動しない人でもHMBを飲むべきかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください）

論文上ではHMBは筋肉の合成を促し、分解を抑制するため、筋肥大に効果があるということが判明しています。では実際にHMBカルシウムのサプリを試した方は効果を実感できているのでしょうか？SNSから実際の使用者の声を探っていきます。

数日続けただけで、筋肉量が1kgもアップしたという口コミがありました。こちらの方の場合、以前にもHMB を利用して筋肉量を増やした経験があるとのことです。HMBの効果は筋トレ初心者ほど短期間で出やすく、筋トレ中級者～上級者になると効果の発現が緩やかになるという口コミもありました。

（筋トレと筋肉痛の関係については以下の記事も参考にしてみてください）

HMBはダイエットにも効果的だという口コミが多くありました。こちらの方はかなりの筋トレをこなして筋肉を鍛えています。これだけの筋肉を維持しながら代謝を上げて減量に成功しているのはやはり、HMBの作用のおかげといえますね。

（減量の正しいやり方については以下の記事も参考にしてみてください）

ダイエット目的でHMBと筋トレを取り入れている方です。体重自体は変化していませんが、基礎代謝は上がり、脂肪が減少しています。同時に筋肉量が上がり落としにくいとされている内臓脂肪まで減少してきています。HMBの他にプロテインも併用していますが、ここまで数値が変わると見た目も大きく変化していると予想されます。

（基礎代謝を上げる筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください）

HMBダイエットを行った方からの口コミです。HMBを飲むだけでバキバキのボディが手に入ると口コミしていますが、明らかに上半身や腹筋を鍛えています。日常的に筋トレを取り入れている方の可能性が高いでしょう。HMBを飲むことで筋トレの効率を上げ、筋肥大や脂肪燃焼の効果を実感できます。

（上半身のトレーニングメニューについては以下の記事も参考にしてみてください）

ダイエットの効果がでにくい部位として有名なのが顔です。それは顔についている皮下脂肪のせいです。皮下脂肪は燃焼がゆっくりなので、落とすには時間がかかります。こちらの方は体重が変わっていないのに顔だけ痩せた、と言われると口コミしています。脂肪が落ちると同時に筋肉もついてきているので体重の数値が変わりませんが見た目に変化が出た例です。

（HMBカルシウムを使ったサプリの口コミについては以下の記事も参考にしてみてください）

HMBカルシウムを使ったサプリは飲むタイミングや適正な摂取量があります。それぞれ、どのような点に気を付けるべきなのか詳しく確認していきましょう。

この時間にHMBを摂取するとより効果を実感しやすくなるというタイミングは大きく分けて2回あります。

・朝食後
・トレーニング後

まず、朝食の後に摂るのがおすすめな理由は、タンパク質にあります。朝食でタンパク質を補いつつHMB を飲めばHMBの効果を最大限に発揮できるからです。また、朝はこれから活動をするという時間帯です。日常生活でも通勤や仕事、家事などで体を動かす機会が多いため効果が出やすいのです。

また、運動前はこれから筋肉を使うということで、HMBが働きやすくなります。飲み忘れてしまった場合、運動後でもいいのですが、筋肉痛や筋疲労低減効果が感じにくくなってしまいます。

HMBとして1日あたり1,500mg～3,000mgが適正量とされています。前述した通り、これを食品だけで補うのは現実的ではありません。HMBカルシウムサプリを活用することをおすすめします。サプリの成分表示にはHMBカルシウムの含有量が記載されています。その記載量をチェックし、一日に何粒飲むのかという規定量を守って摂取していくようにしましょう。

（HMBサプリの摂取量とタイミングについては以下の記事も参考にしてみてください）

HMBはプロテインやクレアチンと併用すると効果が上がるといわれています。これは事実で、実際に併用しているという口コミもSNSで多く見ることができます。

プロテインとHMBを併用すると効果が上がる理由はタンパク質にあります。HMBは筋肉の合成を促進する作用がありますが、そもそも筋肉を作る元であるタンパク質がなければ合成したくてもできません。筋肉を作る上で必要なタンパク質の量は体重1kgあたり1.0～2.0ｇです。食品から摂取するのが難しければプロテインを併用しましょう。

またクレアチンとHMBを併用すると効果が上がる理由はクレアチンが筋肉のエネルギー源になっているからです。筋肉の合成を促進する効果があるHMBを取りながら筋肉の修復をするために必要なエネルギーを補うことでよりスピーディーに筋肉量をアップすることができるのです。

（クレアチンやプロテインとHMBを併用することについては以下の記事も参考にしてみてください）

嬉しい効果が期待できるHMBサプリですが、規定量以上の過剰摂取することに対しては注意が必要です。基本的に摂取しすぎた分は排出され、無駄になってしまいます。しかし、それ以上に問題なのが副作用です。HMBは一部の方にとって副作用を引き起こす可能性があります。

その副作用は臨床研究では証明されていないものの、実際に下痢を起こした方や頭痛になる方もいます。またサプリは代謝する際に肝臓を使用するのですが、多量のサプリを代謝しようと肝臓が働き続けて疲弊してしまう問題もあります。また、血液をろ過して老廃物を尿として排出する腎臓も過労状態になり負担がかかるのです。

（HMBサプリの副作用については以下の記事も参考にしてみてください）

HMBサプリを飲んでみたいなと考えている方はまず試しに一つ購入してみることをおすすめします。しかし、だからといってあまり人気のない商品はつかみたくないですよね。ここで、人気ナンバーワンのおすすめHMBサプリを紹介します。

HMBサプリとは何なのかについて詳しく確認してきました。しかし他にも気になる点や読んでいるうちに疑問点が浮かんできた方もいるでしょう。こちらにはHMBサプリに関する興味深い記事を集めました。気になるものから順にチェックしていきましょう。

EAAも筋肉の増強に効果があるサプリメントとして知られています。HMBとはどのような違いがあるのでしょうか？

筋肉分解を抑制する効果のあるBCAAはHMBとどう違うのでしょうか？併用してもOKなのか確認していきましょう。

人気のファイラマッスルサプリHMBを特集しました。効果や口コミを徹底チェックしましょう。飲めば痩せるというのは嘘だという噂も検証します。

HMBサプリには筋肉の合成を促進する効果と筋肉の分解を抑制する効果があります。そしてそれに付随して脂肪燃焼効果やダイエット効果なども期待できることが分かりました。こんなにうれしい効果がたくさんのHMBサプリですから飲まない手はありません。ぜひ積極的に摂取していくようにしましょう。