ボディメイク

筋トレ

デクラインダンベルプレスのやり方!大胸筋下部に効かせるコツ〜自宅版まで解説

2020年03月10日

デクラインダンベルプレスは大胸筋下部を鍛えるのに非常に効果的な筋トレ種目です。今回はこのデクラインダンベルプレスの正しいやり方や効かせるためのコツ、また注意点などを紹介します。自宅の床でのやり方も紹介しますので、参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

デクラインダンベルプレスは大胸筋下部を追い込むことができる筋トレ

デクラインダンベルプレスは、大胸筋下部を集中的に鍛えられる筋トレメニューです。デクラインとは頭が脚よりも低くなる傾斜を意味する言葉で、実際にこのメニューでもベンチ台や腹筋台に傾斜をつけて行います。

今回はそんなデクラインダンベルプレスの正しいフォームや上手く大胸筋下部に効かせるコツなどを解説します。それでは最初にこのトレーニングで鍛えられる筋肉の部位や得られる効果について詳しく見ていきましょう。

フォーム解説から見たい人はこちら

(動画で見たい方はこちら)

デクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

デクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉の部位は主に以下の2つあります。

・大胸筋下部
・上腕三頭筋

それではそれぞれが具体的にどのような筋肉なのか、得られる効果と合わせて詳しく見ていきましょう。

大胸筋下部

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-1

デクラインダンベルプレスで主に鍛えられる筋肉は大胸筋の下部です。大胸筋は鎖骨や胸骨などから上腕骨に向かって付いていて、大きく上部・中部・下部の3つに分けられます。デクラインダンベルプレスはこの中でも下部へ集中的に刺激を与えられ、胸のアウトラインを綺麗に整える効果があります。

(大胸筋下部の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

上腕三頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-6

デクラインダンベルプレスでは同時に上腕三頭筋も鍛えられます。上腕三頭筋は肩甲骨や上腕骨などから尺骨肘頭まで付いている筋肉で、肘関節を伸ばす働きがあります。デクラインダンベルプレスではダンベルを持ち上げる時に肘を伸ばすため、上腕三頭筋も鍛えられるのです。

そしてこの上腕三頭筋を鍛えるとベンチプレスショルダープレスなどの押す動作の種目の記録が伸びる効果が得られます。また上腕三頭筋は腕の中で最も大きな筋肉なので、鍛えると腕が太くなりやすいという効果も得られるのです。

(上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

デクラインダンベルプレスの効果的なやり方

それでは次にデクラインダンベルプレスの効果的なやり方を解説します。このメニューは正しい軌道でダンベルを動かさないと大胸筋下部に上手く効かせられません。最大限の効果を得るためにもここで正しいデクラインダンベルプレスのやり方を確認しておきましょう。

①ベンチ台でスタートポジションを作る

まずはデクラインの状態を作ります。ベンチ台の角度を変えても良いのですが、通常のジムでは置いていないことが多いです。そんな時は上記の画像のように足を使って体を傾けましょう。角度は15度が目安で、膝から上背部までを一直線にすることを意識します。

体を傾けた状態を作ったら、肘を伸ばしダンベルを挙げます。これがデクラインダンベルプレスのスタートポジションです。

アイコン

ずーみー (泉風雅)

通常のベンチの足側の支柱にブロックなどを敷いてもデクラインにできます。この時3本支柱のベンチであれば、1本支柱が足側となりますので向きを間違えないように注意しましょう。

②みぞおちまでダンベルを降ろして挙げる

スタートポジションを作ったら、みぞおちの高さまでダンベルを降ろします。この時、通常のフラットベンチでの軌道に慣れていると肘がダンベルの真下に来ないミスがよく起こるため注意してください。

みぞおちまでダンベルを降ろしたら、降ろす時と同じ軌道で元の位置までダンベルを挙げましょう。後は同じ可動域でダンベルの挙げ降ろしを繰り返すだけです。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

高重量を扱う場合、1人でセットするのが難しい種目なので補助者がいる場合は手伝ってもらってください。もし1人だけで危険を感じる時は滑り止めを背中に敷いた足上げスタイルに変更するか、ディップスなどの大胸筋下部を狙える代替種目に変更しましょう。

デクラインダンベルプレスのコツ&注意点

デクラインダンベルプレスのコツや注意点は以下の2つあります。

①ベンチ台は角度をつけすぎない
②肩甲骨を寄せる意識を持つ

この2つを意識するとより安全で効果的なデクラインダンベルプレスができるので、これから1つずつ詳しく見ていきましょう。

①ベンチ台は角度をつけすぎない

デクラインダンベルプレスでは、動作中にベンチ台から滑り落ちてしまいそうになることがあります。この問題の解決策としてはベンチ台の角度を見直すのが効果的です。ベンチ台の場合は前述の通り、15度程度を目安に角度を変えます。ブロックを使っている場合は、高さを最大でも20~35cmまでに留めておきましょう。

またしっかりと足を接地させたり、補助者に足を掴んでもらうのも効果的です。それでもどうしても滑り落ちてしまうという方は、100均などで売っている滑り止めを活用すると問題を解決できるでしょう。

②肩甲骨を寄せる意識を持つ

デクラインダンベルプレスではダンベルを降ろす時に、肩甲骨を寄せずに脇が開き切ってしまう状態になってはいけません。なぜなら肩の三角筋に効いてしまい大胸筋下部に効かせにくくなってしまうからです。

しっかりと大胸筋下部に効かせるためにもデクラインダンベルプレスでは肩甲骨を寄せる意識を持ってください。そして同時に脇が開き切らないように注意しましょう。

デクラインダンベルプレスの最適な回数・重量・セット数について

デクラインダンベルプレスを行う上で最適な重量・回数はトレーニングの目的によって変わります。筋力アップなら1~6回、筋肥大を狙うなら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界になる重量が最適です。ただし、筋肥大が目的の場合は、限界まで追い込めば軽量で高回数でも同等の効果が得られます。

もちろん、これらは正しいフォームを守って初めて得られる効果です。間違ったフォームだと効かないばかりか、怪我につながります。そのためどんな目的でも正しいフォームは守るようにしてください。

最適なセット数については、筋トレの経験によって変わります。初心者の方であれば3セットを週に1回、上級者の方なら6セットを週に2回程度行うのがおすすめです。ちなみに一般的に週1回よりも週2回の方が効果はあるとされています。しかし、多くなりすぎるとオーバーワークになってしまう可能性があるので注意しましょう。

(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)

【自宅版】床デクラインダンベルプレスのやり方

トレーニーの中には家で筋トレをしている人もいるでしょう。そこで次に自宅の床でもできるデクラインダンベルプレスのやり方について詳しく解説します。ベンチはないけど、大胸筋下部を集中的に鍛えたい人はぜひ取り入れてみてください。

①床の上でスタートポジションを作る

まずは上記の画像のようにベンチ台を使う時と同じように足を使ってスタートポジションを作りましょう。この時、滑るのを防ぐために背中に滑り止めなどを敷いておくと安心です。

②みぞおちまでダンベルを降ろす

スタートポジションを作ったら、肩甲骨を寄せる意識を持ち、さらに脇が開き切らないようにしながらダンベルをみぞおちの高さまで下げます。この時、ベンチ台でのデクラインダンベルプレスと同じように肘がダンベルの真下に来るように軌道をコントロールしましょう。

③ダンベルを挙げる

ダンベルを降ろした時と同じ軌道で元の位置までダンベルを挙げます。後は同じように降ろす動作と挙げる動作を繰り返します。

デクラインダンベルプレスの効果を高める為のポイント

最後にデクラインダンベルプレスの効果を高めるために意識したい以下の2つのポイントを解説します。

・正しい呼吸法で動作を行う
・正しく栄養を管理する

それでは正しい呼吸法から順番に確認していきましょう。

正しい呼吸法で動作を行う

効果を高めるためには動作中の呼吸法も意識しましょう。ダンベルを降ろす時に吸って、挙げる時に吐くのが正しい呼吸法です。

動作中に正しい呼吸ができると血中酸素濃度が上がってダンベルを挙げやすくなります。それに加えて、降ろす時に息を吸うと胸が十分に開いてストレッチされ、筋トレの効果がより高くなるのです。

呼吸法はタイミングを取るだけで特に難しいものではありません。そのため初心者であってもしっかりと呼吸を意識してトレーニングを行うようにしましょう。

(筋トレの呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください)

正しく栄養を管理する

デクラインダンベルプレスの効果を高めるためには、栄養管理も重要なポイントです。なぜなら正しく栄養を摂取できていないと、筋肉を最大限に成長させられないからです。

例えば、筋肉をより大きく強くするためには1日に体重1kgあたり2gのタンパク質を摂取するのが推奨されています。また炭水化物についてはタンパク質の倍の量、脂質については3分の1ほどが理想的な摂取量の目安です。

辛いトレーニングを無駄にしないためにも、このような栄養管理もしっかりと行うようにしましょう。

デクラインダンベルプレスで綺麗な大胸筋を手に入れよう!

デクラインダンベルプレスは大胸筋下部を効果的に鍛えられる筋トレです。ベンチプレスやインクラインプレスなど他の胸のメニューと組み合わせれば、バランスの取れた綺麗な大胸筋を作れます。ぜひ日々の筋トレメニューに取り入れて、より効率的に大胸筋を鍛えていきましょう。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)