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筋肉痛時の有酸素運動は回復を早める!効果、負荷、おすすめの種目まで紹介

2020年10月07日

ハードな筋トレを行った時に悩まされる筋肉痛ですが、有酸素運動をすることによって筋肉痛が早く回復していきます。筋肉痛時の有酸素運動の効果やかける負荷、おすすめの有酸素運動の種目について解説していきます。今回の記事を参考にして筋肉痛の回復を早めましょう。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

筋肉痛は有酸素運動で回復が早まる?

「筋肉痛がひどくて動けない」と思わず声に出してしまった経験はありませんか。通勤・通学時の歩行や、階段の上り下りなどは筋肉痛を特に感じる瞬間で、できれば痛みが治まるまであまり動きたくないと考えるのではないでしょうか。まして「運動なんてしたくない」というのが本音でしょう。

しかし筋肉痛は有酸素運動をすることによって、回復が早まるという見解があります。「痛みを我慢して運動する?」とまずは疑問が浮かんできますが、果たして睡眠や休息に努めなくても大丈夫なのでしょうか。あえて有酸素運動をすることによって本当に筋肉痛の回復が早まるのか解説していきます。

(筋トレ×有酸素運動については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉痛はなぜ起こる

ハードな筋トレをした後や、普段では使わないような筋肉を使った運動をした際には筋肉痛が起きやすくなりますが、そもそも筋肉痛はなぜ起きるのでしょうか。筋肉は耐えきれないような強い負荷が掛かると、筋肉を構成する筋繊維が切れてしまいます。もちろん切れた筋線維は修復されますが、筋肉痛はこの筋繊維が修復されるときに付随する痛みのことを言います。

有酸素運動とは

有酸素運動とは、酸素を取り込みながら長期的に行う運動を言います。具体例を挙げると、ウォーキングやランニングやサイクリングといった軽い運動が有酸素運動に当たります。有酸素運動は体内にある悪玉コレステロールを減少させる効果があります。また反対に善玉コレステロールを増加させ血行が促進することから、定期的な有酸素運動は健康維持にもよいとされています。

またダイエットにも有効とされていて、有酸素運動をすることによって血流改善や効率の良い脂肪燃焼が期待できます。

(有酸素運動の効果が出るのはいつからかについては以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉痛時に有酸素運動を行う効果

ランニング等の有酸素運動を日常的に行っている人もいますが、筋トレとランニングの組み合わせが筋肉の肥大化を促進させるという見解もあります。果たして筋肉の肥大化や筋肉痛の回復以外にどのような効果があるのでしょうか。

筋肉痛が起きている時に有酸素運動をすることによって、どのような効果があるのか紹介します。

(筋トレ×有酸素運動については以下の記事を参考にしてみてください)

修復の加速効果

有酸素運動によって血流がよくなることから、筋繊維の修復に必要な白血球が修復箇所に集まる効果があります。集中的に集まった白血球によって筋繊維の修復が加速され、結果筋肉痛の痛みが通常よりも早く回復するのです。筋線維の損傷具合により修復までの時間は異なりますが、比較的筋肉痛を感じる時間を短縮させることができます。

筋肉の肥大効果

筋トレによって損傷した筋線維は、修復過程を経て肥大化します。上腕二頭筋の筋トレを続けていると肥大化して力こぶとなるように、大きな負荷がかかった筋肉は大きく肥大化していくのです。

有酸素運動にはこの肥大化を促す効果があるでしょう。有酸素運動により血流が促進され、筋線維の修復箇所に必要な栄養素が運搬されやすくなります。より多くの栄養素が血流に乗って運ばれることによって、効率よく筋肉を肥大化させることが可能です。

筋肉のストレッチ効果

同じ動作が続くと、負荷がかかった筋肉は凝り固まる傾向があるのを知っていますか?筋トレをした後も同じで十分なストレッチができていないと、筋肉の緊張状態が続いてしまい筋肉が凝り固まってしまいます。

その凝り固まった筋肉のストレッチ効果が有酸素運動にはあります。有酸素運動の多くが全身を使った運動なので、凝り固まった筋肉だけでなく全身の筋肉をほぐす効果が期待できるでしょう。

血流促進効果

ハードな運動をしたり筋トレによって筋肉に負荷がかかると、乳酸が溜まり疲労の原因となります。この乳酸によって筋肉が凝り固まってしまうことで、筋肉痛が長引いてしまうのです。

しかし有酸素運動をすることによって血流が促進される効果があります。血流に乗って乳酸が放出され、筋肉痛の回復を早くすることができるでしょう。

インスリン分泌の促進効果

筋肉の肥大化にはアミノ酸が必要と言われていますが、インスリンにはこのアミノ酸の合成を促進させる効果があります。有酸素運動をしてインスリンの分泌が促されることで、筋肉の肥大化を助けてくれるのです。インスリンが分泌されより多くのアミノ酸が生成されるので、短期間での筋肉量増加も可能となります。

筋肉痛時におすすめの有酸素運動

筋肉痛時でもできるおすすめの有酸素運動を紹介します。筋肉痛が起きている時には睡眠や休息を取ることも大切ですが、有酸素運動によって血流が良くなり回復が早められます。ジョギングなどを日常的に行っている人もいますが、無理をせずに取り組めるものを選んで筋肉痛時にも実践してみましょう。

ランニング

ランニングは1番簡単にできる有酸素運動です。ゆっくりとしたペースで15分~30分程度のランニングを行うと、筋肉痛の回復が早まります。普段から1時間程度の長時間ランニングを行っている場合は、普段通りのランニングを行っても大丈夫です。筋肉痛の度合いと相談しながら、オーバートレーニングにならないように注意しましょう。

(ランニングの正しいフォームについては以下の記事も参考にしてみてください)

エアロバイク

サイクリングが有酸素運動の代表であるように、エアロバイクでも有酸素運動を行うことができます。フィットネスジムに通っている人や自宅にエアロバイクがある場合は、30分程度エアロバイクで汗を流してみるのもよいでしょう。エアロバイクによっては負荷をかけることが出来る機種がありますが、軽めの運動を意識して、負荷のかけ過ぎに注意してください。

(エアロバイクの筋トレ効果については以下の記事も参考にしてみてください)

水泳

水泳は大きな負荷をかけることなく有酸素運動をすることができます。プールのあるフィットネスジムに通っている場合はゆっくりと泳ぐことによって、筋肉がほぐれて血流が促進されます。泳ぐことが得意ではない場合はプールの中をウォーキングしても良いでしょう。

あまり負荷がかからない分、楽に運動できますが、時間は30分程度に留めてください。

(水泳を筋トレ替わりにする方法については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉痛時に有酸素運動を行わない方がいいケース

筋肉痛が起きている時に有酸素運動を行うことで、筋肉痛の回復が早まったり、筋肉の増加にも良い影響があることが分かりました。しかし有酸素運動を行わない方がいいケースがあります。そのようなケースを紹介しますので、該当する場合はゆっくりと体を休めることに徹した方が良いでしょう。

全身が筋肉痛

動くこともつらいような筋肉痛が起きている場合は、筋肉痛が和らぐまで回復を待ちましょう。通常は筋トレ後に筋肉痛が続く1~2日間に体を休ませることによって、体内では筋肉の損傷を修復する超回復が行われます。全身が筋肉痛の場合は、この超回復を待つ方がよいでしょう。

また全身だけでなく、特に下半身の筋肉痛がひどい場合も有酸素運動はすべきではありません。腕や胸といった上半身の筋肉痛の回復を促す際に、有酸素運動をした方が効果的です。

強い疲労感がある

ハードな筋トレ後には強い疲労を感じることがあります。十分な休息が取れていれば疲労が翌日に残ることは少ないですが、場合によっては疲労が多く残ってしまうことがあります。このような状態で筋肉痛軽減の目的で有酸素運動はするべきではありません。まずは疲労を回復させるために、十分な睡眠や休息に努めましょう。

筋肉痛が長引いている

筋トレ後の筋肉痛に悩むのは大抵2日程度の期間ですが、一般的に筋トレ後48~72時間かけて体内では超回復が行われているといいます。超回復によって損傷した筋線維が修復されますが、この筋肉痛が長引く場合は修復に時間がかかっていることを意味していると考えましょう。

疲労や肉体の衰えにより、回復時間が長くなっている可能性があります。回復を促すために有酸素運動をするよりも、筋肉痛が治まって完全に回復した状態でトレーニングを再開する方が良いでしょう。

筋肉痛の回復目的で有酸素運動と一緒に行うべきこと

筋肉痛時の有酸素運動は効果的といえますが、体のケアには有酸素運動と一緒に行うべきことがあります。ストレスや睡眠といったケアを有酸素運動と組み合わせて、より効率よく疲労を軽減させて筋肉痛を回復させましょう。

ストレッチ

筋トレや有酸素運動を行う前後にはストレッチを行うことで、筋肉痛の回復を早める効果があります。筋トレ後には負荷をかけた筋肉に乳酸が溜まってしまい、筋肉を凝り固めていまうのです。しかしストレッチを入念に行うことで、凝り固まった筋肉をリラックスさせることができるでしょう。

大切なことは負荷をかけた筋肉部分だけをストレッチすのではなく、全身のストレッチを行うことです。ストレッチ中には呼吸を意識して行うことがコツ。筋肉を伸ばすときに息を吐き、縮める時に吸いこみましょう。

(寝ながらできるストレッチについては以下の記事を参考にしてみてください)

入浴

筋肉の疲労や筋肉痛の回復を早めるためには、有酸素運動後の入浴が効果的です。入浴すると体が温められ、血流が良くなります。筋肉痛の原因でもある筋線維の修復と、筋繊維形成に必要な栄養素の運搬が早められます。

浴槽に浸かっている時には、負荷をかけた筋肉を優しく手で揉んでマッサージすると、より筋肉痛の回復が早められるでしょう。太ももやふくらはぎに負荷をかけるトレーニングをした時には、有酸素運動後や睡眠前に入浴してマッサージを行ってください。

(太もものストレッチについては以下の記事を参考にしてみてください)

十分な睡眠

睡眠は有酸素運動と一緒にやるべきことの1つです。激しい運動をした後は普段より眠気が増すことが多いですが、十分な睡眠が取れていないと体や筋肉に疲労を残してしまったり、筋肉痛の痛みが軽減されません。

また筋肉を肥大化させたり損傷を修復させるホルモンは睡眠時に分泌されます。有酸素運動後に限らず、睡眠時間は7時間確保できることが理想です。十分な睡眠を取ることで疲労の回復に努めましょう。

サプリメントの摂取

有酸素運動後にはアミノ酸やクエン酸といった筋繊維の修復を助けるサプリメントを摂取もすべきです。筋トレ後には筋肉増量や肥大化を目的にプロテインを飲むことが多いように、必要な栄養素はサプリメントを服用する方が効率が良いでしょう。もちろん食事からタンパク質といった重要な栄養素が摂取できますが、食事では十分に補えない栄養素もあります。

有酸素運動後にサプリメントも服用することで、筋肉の肥大と筋肉痛の軽減という両方の効果が促進されるでしょう。

(有酸素運動後のプロテインについては以下の記事を参考にしてみてください)

筋肉痛部分の保温

有酸素運動後に筋肉痛が続いている部分を温めると、筋肉痛の緩和に役立ちます。一般的に運動後に酷使した筋肉をアイシングでケアすることはよくありますが、温めることによって血流が促進されて筋繊維の修復が促進されていきます。

電子レンジで40度~50度に温めたタオルやカイロを使って、筋肉を10分程度温めてみましょう。気持ちがいいからといって長時間温めると低温やけどを引き起こすので注意が必要です。

筋肉痛の回復狙いの有酸素運動はウォーキングだけでもOK!

筋肉痛の回復には有酸素運動が有効ということが分かりました。しかしこれまで紹介してきたランニングやエアロバイク、水泳をするのは大変と感じた時にはどうすればいいのでしょうか。実は筋肉痛の回復狙いの有酸素運動をするのであれば、ウォーキングだけでも十分に効果があります。

ウォーキングは時速3~5キロという、無理なく歩ける速度が目安とされています。あまり早過ぎず、遅すぎずという速度ですので、ランニングにつらさを感じる人はウォーキングがおすすめです。

また時間の目安は15分~1時間程度と幅がありますが、筋肉痛の具合や体調を考慮に入れて30分程度でも十分な有酸素運動になります。ランニングと同じように血流が良くなって筋繊維が加速するので、筋肉痛の回復が早まるでしょう。

(ウォーキングについては以下の記事を参考にしてみてください)

有酸素運動は筋肉痛の回復を早めてくれる!

今回は筋肉痛が起きている時の有酸素運動について、筋肉痛を回復させる効果があることを解説しました。つらい筋肉痛を少しでも和らげたいと誰もが考えますが、ランニングといった有酸素運動が筋肉痛回復を助ける効果があることは意外ともいえますね。

しかし疲労が溜まっていたり睡眠不足のような体調不良時には、疲労回復に努めることが重要です。健康な状態で筋トレを行い、色々なケアと有酸素運動によって筋肉痛の回復が早まります。今回紹介した知識を活用して、トレーニングに役立てましょう。