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ダイナミックストレッチ15種類!筋トレ〜スポーツ前別!効果〜注意点まで解説!

2020年10月10日

【パーソナルトレーナー監修】ダイナミックストレッチは準備運動にプロ選手も取り入れている方法で、ブラジル体操やマエケン体操もその一つです。筋トレやランニング前、サッカー、バスケ、野球など各競技前におすすめのダイナミックストレッチを詳しく紹介します。さらにその効果や注意点まで徹底解説します!

【監修】パーソナルトレーナー 三浦真己

NSPA認定パーソナルトレーナー・介護福祉士。2011年からトレーナー活動を開始し、2013年に奈良市でパーソナルジムを開業。2020年8月、リニューアルオープン、M'sフィットネスクラブ代表。地域密着型・健康志向のストレッチ、個別指導を強みとする。
【SNS】HP / Twitter / Instagram

ダイナミックストレッチとは?

ストレッチには大きく2つの種類があり、体を静止させて柔軟性を高める静的ストレッチと、体を動かしながら行う動的ストレッチがあります。ダイナミックストレッチは動的ストレッチの一種で、サッカー選手が試合前に行うブラジル体操や、野球の前田健太投手が行うマエケン体操も、このダイナミックストレッチに含まれます。

このようにダイナミックストレッチは、高いパフォーマンス力が必要となるスポーツの準備運動としてよく用いられます。また、スポーツをする人以外からも注目されており、筋トレ前やダイエットのため、さらに2019年には任天堂から発売されたゲーム「リングフィットアドベンチャー」にも取り入れられています。

(動的ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダイナミックストレッチの効果

では、ダイナミックストレッチにはどのような効果があるのでしょうか?ダイナミックストレッチの効果を知って、目的に合わせたより効果的なダイナミックストレッチが行なえるようにしましょう。

関節可動域が広がり柔軟性が向上する

動きながら行うダイナミックストレッチでは、関節可動域をより大きくし、筋肉が柔らかくなることで柔軟性が向上します。関節可動域が狭いと、筋肉は縮こまりやすくなり、運動中ではケガをするリスクが高まってしまいます。

特に、股関節や肩関節では、本来であればさまざまな動作ができるはずが、日常生活において可動域が狭いまたは決まった動作が続くことによって、本来の力が発揮しにくくなります。ダイナミックストレッチでは、普段の動作では動かすところまでいかない、という関節可動域を意識して行ってみましょう。

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三浦 真己パーソナルトレーナー

ダイナミックストレッチは可動域が広がり、柔軟性も高まるオススメのストレッチです。効果として静的ストレッチと違いはありません。動きが違いダイナミックストレッチの方が勢いや反動も使って負荷が強い、実戦的に体を動かします。そのため運動をする前のウォーミングアップに最適かもしれません。

血流が促進され筋力の発揮しやすい状態に

動くことで筋肉は収縮を繰り返します。筋肉の収縮は、静脈の血液を心臓へ送り戻す手助けをし、血液循環を良くすることで筋温を上げることができるのです。筋温が上がることで筋肉は柔らかくなり、筋力の発揮しやすい状態になります。また、筋肉が柔らかいと収縮するときの抵抗力が軽減し、無駄なエネルギー消費の節約にもなります。

血流を良くすることは、筋温を上げる効果だけでなく、酸素や栄養を多く運び、さらに筋温が低い時よりも筋肉の酸素利用率が良くなることから、スムーズなエネルギー供給ができる効果もあります。つまり、運動前に準備体操としてダイナミックストレッチを行うと、運動開始から筋パフォーマンスの高い状態で始めることができるのです。

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三浦 真己パーソナルトレーナー

ダイナミックストレッチをすると血流が促進され、筋肉がほぐれ筋力が発揮しやすくなります。注意点としてダイナミックストレッチだからといってダイナミックにやらないように気を付けてやりましょう。大きく、元気一杯に体を動かしてやると関節や筋肉を痛める可能性があるからです。穏やかに、呼吸が乱れないように体が水に浮いているような感覚でやりましょう。

筋線維伝導速度の上昇で筋力がアップ

筋線維伝導速度とは、神経が電気信号を筋肉まで伝える速さのことを言います。この速度は、体温が上がることに比例して上昇します。神経の伝導速度が上がると、筋肉はより速く、またより強く収縮することができるため、運動前にダイナミックストレッチを行うことで強い力を発揮できるようになるのです。

逆に、静的ストレッチを行った後は一時的に筋力が下がる傾向があるとされているため、運動前には向いていないストレッチであると言えます。

筋肉の協調性の向上

筋肉の協調性とは、一つの筋肉が他の筋肉と一緒に連動して動作を行うことや、その能力のことを言います。筋肉一つ一つの個の能力が高くても、協調性が欠けていると上手く体を動かすことはできません。ダイナミックストレッチでは、動きながら行うことで筋肉の協調性を体に覚えさせることができるのです。

しかも、一つの関節を曲げたり伸ばしたりする単純な動作だけでなく、複数の関節を動かすことで広範囲の協調性を高めることができます。たとえば、歩く時の足は足首や膝、股関節が動きますが、スポーツとなると、より多くの関節がより複雑に動きます。ダイナミックストレッチで全身の筋肉の協調性を高め、より良いパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。

【筋トレ前】におすすめのダイナミックストレッチ

筋トレ前のダイナミックストレッチは、パフォーマンス力の高い状態で筋トレを始めることができるため、より筋トレ効果が高まります。ここから紹介する動画を見ながら、ぜひ試してみましょう。

筋トレ前のおすすめダイナミックストレッチ【10分15種目】

こちらの動画では10分間で15種目のダイナミックストレッチを行なっています。うつ伏せの状態から始める簡単なストレッチから始まり、座位から立位へと徐々に全身を大きく使うようなプログラムです。1つの種目を30秒間続け、10秒の休憩をはさんだ後、次の種目を行います。

筋トレ前のおすすめダイナミックストレッチ【3分7種目】

3分間で全身を使うダイナミックストレッチメニューです。7種目のダイナミックストレッチはそれぞれ複数の動きを組み合わせているため、少ない種目でも全身が温まります。トレーニング時間がなかなか取れない、という方におすすめのメニューです。

筋トレ前のおすすめダイナミックストレッチ【10分16種目】

10分間で16種目のメニューを行なうダイナミックストレッチです。同じ部位のストレッチをさまざまな方向からアプローチし、肩や首、股関節などの細かい部位まで丁寧にストレッチさせることができます。動画ではそれぞれの動きに合わせた姿勢づくりのポイントが紹介されており、ダイナミックストレッチが初めてという方にも分かりやすくなっています。

筋トレ前のおすすめダイナミックストレッチ【14分10種目】

こちらの動画では、およそ14分間で10種目のダイナミックストレッチが紹介されています。下半身をメインとした種目では柔軟性や可動域の向上だけでなく、バランス力や体幹も鍛えられます。また、同時に上半身の動きを組み合わせることで、全身を連動させた種目となっており、筋トレ前だけでなく日常動作のパフォーマンス力アップにもおすすめです。

【ランニング前】におすすめのダイナミックストレッチ

ランニング前におすすめのダイナミックストレッチを、部位別に紹介します。簡単にできるものやしっかり体の温まるものなど、その日のコンディションや時間の都合などに合わせて行えます。

(ランニング前の準備運動については以下の記事も参考にしてみてください)

股関節周辺

一定時間同じ動作を続けるランニングは、偏った部位に疲労がたまりやすく、特に股関節は酷使されます。ランニング前にはダイナミックストレッチを行い、筋肉や関節を温めケガを防ぎましょう。こちらの動画では、股関節を大きく回したり、前後に振るダイナミックストレッチが紹介されています。どれも簡単に行えるので、ぜひ走る前の習慣にしておきましょう。

股関節周辺(マラソン前におすすめ)

さらに先ほどの動画よりも強度を上げた股関節のダイナミックストレッチが、こちらの動画で紹介されています。マラソンなどの長時間のランニングを行う場合には、こちらのダイナミックストレッチも取り入れてみましょう。柔軟性が足りない方は、少しきついと感じる動作があるかもしれません。その場合は、無理をせずにできる範囲で行いましょう。

膝周辺

走る時には膝に負担がかかりやすく、長く走ると膝が痛くなるランナー膝という故障を起こす場合もあります。こちらの動画では膝痛を和らげたり防ぐためのダイナミックストレッチが紹介されています。膝の可動域改善だけでなく、膝痛の原因にもなる股関節や足首の体操もあります。膝痛に悩む方はぜひ実践してみましょう。

肩甲骨周辺

ランニング前に忘れてしまいやすいのが、上半身の準備運動です。特に肩甲骨は腕を振るために重要な働きをするため、ランニング前にほぐして温めておくことが大切です。姿勢を保ちながら、徐々にリズミカルに動かしていき、肩甲骨の動きを意識しながら行いましょう。さらに上半身を動かしておくことは、ランニング中の呼吸活動を楽にする効果もあります。

大殿筋

大殿筋は、大腿骨と骨盤を体の背面でつなぐ大きな筋肉で、骨盤を支えたり太ももを後ろに振る働きがあります。そして、走る時には足で地面を蹴り出すときに大きく働きます。つまり、大殿筋のパフォーマンスを上げておくと、ランニングのスピードアップにもつながるのです。また、腰痛の予防にもなります。

【スポーツ前】におすすめのダイナミックストレッチ

プロのスポーツ選手のほとんどが取り入れているダイナミックストレッチは、一般の競技者にもおすすめです。各スポーツの動きに合わせたダイナミックストレッチを紹介しますので、ぜひ個人だけでなくメンバー同士でも取り入れてみましょう。

サッカーの前におすすめのダイナミックストレッチ

サッカー選手が試合前に行うウォーミングアップとしてよく知られているのがブラジル体操です。ブラジル体操は、ダイナミックストレッチを歩きながら行うもので、より全身の協調性が高まる体操です。そのため、走る、飛ぶ、踏ん張る、ターンするなど複雑な動きの多いスポーツにはブラジル体操がおすすめです。

仲間とリズムを合わせて行うことで、チームワークも良くなると言われています。サッカーの前には、ぜひメンバーと一緒に掛け声に合わせながらブラジル体操を行ってみましょう。こちらの動画では、下半身、筋断裂防止、上半身、さらに前進を使う体操という構成でプログラムされています。単純な動作から、徐々に複雑な動作へ変化させて行うとよいでしょう。

(サッカーがうまくなる筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

バスケの前におすすめのダイナミックストレッチ

こちらの動画でも、バスケ前のおすすめとしてブラジル体操が紹介されています。バスケには素早い切り替えや瞬間的なダッシュ力といった、俊敏性と同時に発揮できるパワーが重要です。そのため、細かいステップやアップテンポのリズムでブラジル体操を行うのがおすすめです。

有酸素運動の効果も加わることで、呼吸数や心拍数、体温が上がり、さらに関節の動きや全身の協調性が良くなることで、プレイ開始から高いパフォーマンスを発揮することができます。サッカーと同様に、メンバーと一緒に行ってチームワークを高めるのもおすすめです。

野球の前におすすめのダイナミックストレッチ

野球での独特な投球動作のパフォーマンスを上げるために、ダイナミックストレッチは有効です。投球動作は上半身の動きが注目されがちですが、より遠く、速く投げるためには下半身から上半身に向かって動きを連動させることが大切です。そのため、こちらの動画はハムストリングを主なターゲットとした全身を使うダイナミックストレッチが紹介されています。

ハムストリングをターゲットとしたダイナミックストレッチは他にもありますが、腕や上半身も使って実際の動作に近づけて行うことで、投球パフォーマンスを上げる効果が高まります。野球の練習を始める前だけでなく、試合やゲームではベンチで待つ間に行うのも良いでしょう。

(野球投影とトレーニングとの関係については以下の記事も参考にしてみてください)

野球の前におすすめのダイナミックストレッチ【マエケン体操】

こちらはプロ野球選手の前田健太投手が、自身の公式チャンネルにて紹介するマエケン体操の動画です。マエケン体操は、前田選手が試合前などに行う準備運動で、高校時代から続けているという肩回りの動きを良くするダイナミックストレッチです。今では小学生も真似をするほどの有名な体操となりました。

マエケン体操は、ただ腕を振り回しているだけではありません。投球動作に近づけるよう、腕を振り下ろす際に、なるべく高い位置から肘を回します。そして、肘から手首の順に連動させていくことがポイントです。また、腕を回す運動の他に、肩甲骨の動きを良くするダイナミックストレッチも紹介されています。

バレーの前におすすめのダイナミックストレッチ【ブラジル体操】

こちらの動画では、小学生バレーボール選手が練習や試合前に行うブラジル体操が紹介されています。バレーボールはどのポジションでも肩をよく使うため、ケガ防止のためにも腕を大きく使う運動が多く取り入れらています。肩が柔らかいとアタックやサーブの動きが良くなるため、腕や肩を動かす準備運動をしっかり行っておくと良いでしょう。

足の動きは、通常の歩行からサイドステップやバックステップ、ジャンプやジョギングなどがテンポよく行われており、前後左右上下すべての方向への俊敏性が良くなります。特徴的なのは、メンバー同士の動きと声を合わせていることです。バレーボールではスポーツ中のコミュニケーションも大切です。大きな掛け声でチームワークも高めておきましょう。

(ジャンプ力の向上については以下の記事も参考にしてみて)

水泳の前におすすめのダイナミックストレッチ

水泳は、他の陸上スポーツと違い、水という液体を扱う特殊なスポーツです。こちらの動画では23種目ものダイナミックストレッチが紹介されており、水に浮いた姿勢をキープするための体幹を使う運動が多くあります。少しづつ覚えて徐々に増やしていくと良いでしょう。

推進力に必要な腕の動きでは、大きなストロークを作るためのダイナミックストレッチが有効で、体の軸がブレないようにして肩甲骨や胸の動きを意識しながら行うことが重要です。平泳ぎやバタフライなどで使う、体幹を前後にくねらせるための運動も紹介されています。柔軟性やインナーマッスルといった水泳特有のパフォーマンスアップを意識しながら行いましょう。

(水泳を筋トレ代わりにするメリットについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダイナミックストレッチを行う際の注意点

ダイナミックストレッチを行う際には、いくつかの注意点があります。効果が半減してしまわないよう、以下に上げる項目に注意して行いましょう。

筋収縮を意識する

静的ストレッチでは、伸ばす筋肉を意識することがほとんどですが、ダイナミックストレッチでは、収縮する筋肉を意識することで効果を高めることができます。筋肉が収縮する時、反対側にある拮抗筋は神経支配により伸びるようになっています。

ダイナミックストレッチはこの神経作用を利用したもので、より収縮を意識することでダイナミックストレッチの特性が活かされます。

強い反動をつけない

動きながらストレッチする、というと反動をつけやすくなりがちです。しかし、急激に反動を受けた筋肉は、反射的に収縮する性質があるため、効果を下が下がってしまいます。反動をつけないためのコツは、動作が静止する瞬間を意識することです。ブラジル体操などでテンポアップして行う際は、特に意識しておきましょう。

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三浦 真己パーソナルトレーナー

ダイナミックストレッチをする時に強い反動をつけないようにする事は大切です。だからといって反動を一切使うなというわけでもありません。多少の反動は使います。体幹がぶれない、崩れない範囲での反動なら問題はなしです。例えばダイナミックストレッチをしてる時にバランスを崩す時があります。それは体幹がぶれて、崩れているサインなので、体のバランスを意識してやりましょう。

運動前の準備体操として行う

ダイナミックストレッチの筋温や心拍数、呼吸数が増加する効果や、筋肉の協調性を高める効果などから、運動前に行う準備体操として活用されてます。これを運動後や、寝る前などのリラックスしたい、体を回復させたいという時に行ってもその効果は得られません。その場合は、静的ストレッチを選ぶと良いでしょう。

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三浦 真己パーソナルトレーナー

ダイナミックストレッチは準備運動として最適です。寝る前とかにダイナミックストレッチをすると興奮して寝付きにくくもなるので、静的ストレッチが最適です。人によって個人差もあり、体が冷えて、硬くなって目がさえて寝れないという人もいます。その人は弱い強度でダイナミックストレッチをすると寝付きやすくなったりもします。僕のお勧めは弱めのダイナミックストレッチをして静的ストレッチをすると筋肉がほぐれてから筋肉を伸ばすことが出来るので寝付きが悪い時はやっています。

周囲の安全を確認する

動きながら行うストレッチのため、手足がぶつからない程度のスペースを確保してから行いましょう。また、種目によっては不安定な姿勢になるものもあるため、転倒しないようすることや、壁や椅子の背もたれを利用するなどの工夫をすると良いでしょう。

徐々に強度を上げる

まだ体の柔軟性が高くない時に無理に大きな動きや強い力を使うと、ケガをする危険が伴います。ダイナミックストレッチを行う際も、最初は軽く様子を見ながら動かし、徐々に動きを大きくしていくようにしましょう。

ダイナミックストレッチでパフォーマンスを向上しよう

ダイナミックストレッチには、柔軟性や関節可動域の向上だけでなく、体を温め、筋肉が最大のパフォーマンスを発揮するための神経活動や協調性にも効果があります。スポーツの大会や試合前だけでなく、普段の筋トレや練習前にもダイナミックストレッチを取り入れて、より高いパフォーマンスが発揮できるようにしましょう。

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三浦 真己パーソナルトレーナー

ダイナミックストレッチをすることでパフォーマンスは向上します。ダイナミックストレッチといわれても馴染みがないですが、昔からやっていたラジオ体操、ラジオ体操もダイナミックストレッチです。色んなダイナミックストレッチがあり覚えてやるのは大変ですがラジオ体操ならやりやすいと思うのでやってみてください。

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