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糖質制限にはデメリットが多い?
糖質制限をした食事に変えるだけで痩せられると、ダイエット方法として取り入れている人は多くいます。糖質は炭水化物に豊富に含まれているため、パンや白米、麺類といった主食だけでなく、芋類・根菜類の野菜を制限。砂糖や果糖にも注意が必要です。
糖質制限で痩せたという人も多く、一見メリットが大きいように感じますが、実は思わぬデメリットも潜んでいるのです。糖質制限を行う場合には、デメリットやコツを把握して、安全に効果的に進めましょう。今回は、糖質制限におけるデメリットと実践する際のコツを解説します。メリットについても解説しますので、あわせて参考にしてください。
糖質制限によるデメリット
糖質制限では、人間が生きていくために重要な三大栄養素のひとつである炭水化物を制限します。三大栄養素は体の組織を働かせるエネルギー源・組織をつくる栄養素であるため必要不可欠であり、バランスの取れた摂取量が生活習慣病の予防につながるとされています。
極端な糖質制限を行ってしまうと栄養不足に陥り、様々な体の不調となって現れてしまうので注意しましょう。糖質制限では、主に下記5つのデメリットがあります。
①便秘になりやすい
②だるさ・めまいなど疲労感がひどくなる
③口臭が臭くなる
④抜け毛が多くなる
⑤頭がぼーっとする
それでは①便秘になりやすい、から確認していきましょう。
便秘になりやすい
炭水化物には、糖質のほかに食物繊維も含まれています。そのため炭水化物だけでなく、食物繊維不足に陥っている人も多いのです。食物繊維は水分を多く含んでいるので、便をやわらかくする作用があります。水分を含んだ便は膨張することで腸管を刺激し、蠕動運動の促進につながるので便秘解消には効果的なのです。
食物繊維が不足すると便が固くなりやすく腸管への刺激も弱まり、便秘となりやすいので注意しましょう。また糖質制限をして主食を抜くことで、肉や魚といったタンパク質を過度に摂取してしまうという場合も要注意です。大塚製薬によると、以下のような記述があります。
動物性タンパク質が腸内で悪玉菌のエサになり増殖を促すため、腸内環境の乱れにつながる。
肉や魚は動物性タンパク質なので、腸内環境の乱れの原因となる悪玉菌をつくりだしてしまいます。悪玉菌も便秘となる原因のひとつなので、動物性タンパク質の摂取量に対しても気を配りましょう。
だるさ・めまいなど疲労感がひどくなる
だるさやめまい、疲労感が強いと感じたら、低血糖症状を引き起こしている可能性があります。体の組織を働かせるエネルギーとなる炭水化物は、体内でグルコースとなり吸収されます。グルコース量が極端に減少してしまうと低血糖状態となり、だるさやめまいを引き起こしてしまうのです。厚生労働省によると、以下のような記述があります。
血糖値が必要以上に低くなることを低血糖と呼び、血糖値が下がった際の血糖を上げようとする交感神経刺激ホルモンの作用でふるえや動悸の症状が起こる。
引用元:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-085.html
だるさやめまいなどの低血糖症状を感じたら、体からの危険信号であることを覚えておきましょう。
口臭が臭くなる
糖質からエネルギーの産生量が減少すると、代わりにタンパク質や脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出そうとします。脂肪を燃焼するようになると体内にはケトン体が蓄積されていきますが、これが口臭の原因の正体です。FURDIによると、以下のような記述があります。
ケトン体は強烈な臭い物質でもある。ケトン体が血中に増えると呼気や汗、尿に排出され、最終的に体全体から甘酸っぱい臭いを発生させることになる。
ケトン臭の特徴は、「甘酸っぱいにおい」「アンモニア臭」です。糖質制限で体質改善・健康増進したとしても、口臭が臭くなってしまっては素直に喜べません。
抜け毛が多くなる
髪の毛の新陳代謝に重要となるのが、タンパク質です。糖質制限によってエネルギー生産が減少すると、タンパク質を分解してエネルギーをつくり出します。そうなると本来髪の栄養源となるはずのタンパク質が供給されなくなり、抜け毛が多くなってしまうのです。glicoによると、以下のような記述があります。
髪の毛の大部分はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されている。ケラチンは20種類あるアミノ酸の種類のうち一部が結合して作られる成分。タンパク質不足は枝毛や切れ毛の原因にもつながり、薄毛を招く可能性もあるので要注意。
きれいな髪の毛をつくるためには、タンパク質のほかに亜鉛やビタミンの補給もポイントです。食事制限をしていると栄養バランスが偏りがちになってしまい、これらも不足しやすくなるので注意しましょう。植物性タンパク質が原料のソイプロテインは、育毛効果があるので併用するのもおすすめです。亜鉛やビタミンが含まれている商品も多くある点もメリットです。
ソイプロテインの『メリット・デメリット』飲むべき人の特徴〜効果的な飲み方も!
出典:Slope[スロープ]
頭がぼーっとする
頭がぼーっとする、意識が朦朧とするなどの症状が出たら、放っておくと命に関わることもあるため注意しましょう。脳へのエネルギー源ももちろん炭水化物であるため、極端に制限をしてしまうと脳へのダメージが大きいのです。糖尿病情報センターによると、以下のような記述があります。
血糖値が50mg/dLよりも低くなると、昏睡など意識のない危険な状態(重症低血糖)になってしまうことがある。これはたいへん深刻な状態で、命に危険が及ぶことがある。
引用元:https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html
頭がぼーっとするというのは、低血糖症状が重度の状態です。体調を崩しただけだと思い込み、見過ごしてしまわないよう注意してください。
(低血糖の危険性については以下の記事も参考にしてみてください)
マッスル北村の死因は餓死ではない?食事制限による低血糖?噂の真相を解明
出典:Slope[スロープ]
糖質制限にはデメリットだけでなく『メリット』も多数
糖質制限はダイエット法としても一時ブームになっただけあり、思わず試したくなるようなメリットも多いのです。糖質制限を正しい方法で行うと、主に下記3つの効果を得ることができます。
①糖尿病の予防・肥満改善になる
②ダイエット中に食べられるものが多い
③病気の予防になる
それでは①糖尿病の予防・肥満改善になるから確認していきましょう。
糖尿病の予防・肥満改善になる
血糖値の上昇、脂肪の蓄積は過度な糖質摂取が原因です。そのため、糖質制限をすると糖尿病の予防や肥満改善に効果的なのです。糖尿病ネットワークによると、以下のような記述があります。
糖質は三大栄養素の「炭水化物」に含まれていて、血糖値を上昇させる要因になる。糖質の摂取を適正にすれば、血糖上昇を抑えることができる。低炭水化物ダイエットは、短期間で体重減少をもたらし、血糖コントロールを改善するという報告がある。
糖質は体内で血糖値を下げるさようのあるインスリンと結びつきますが、過度な摂取だとインスリンの分泌が追いつきません。体内に糖質が多く蓄積されると血糖値の上昇を引き起こし、糖尿病の発症や症状の悪化につながってしまうのです。適度な糖質摂取を心掛けることで、血糖値も正常に保つことができます。
糖質制限は、糖尿病の食事療法としても用いられています。また本来エネルギー源であるはずの炭水化物が制限されると、脂肪を燃焼してエネルギーを代償。体に蓄積された落としたい脂肪を燃焼してくれるので、ダイエット効果が得られるのです。
(血糖値下降効果のある筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレで血糖値を下げて糖尿病を対策!効果の理由〜正しい運動方法まで解説!
出典:Slope[スロープ]
ダイエット中に食べられるものが多い
糖質制限では、炭水化物以外の食品には摂取に制限は設けられていません。ダイエットで食事制限をしている人のなかには、野菜や豆腐、しらたきといった低カロリーのものに限定したり、食事摂取量や回数を減らしているケースもあるでしょう。株式会社ルネサンスによると、以下のような記述があります。
最もきびしいやり方を例に挙げると、一日にとってもいい糖質の量は50g程度。これは、ご飯にするとおにぎり1個分。
満腹感が得られる程度まで食べることができ、炭水化物も適度な量なら食べてもOKなのでストレスが少ないのです。
病気の予防になる
過度な糖質摂取は、血中コレステロール値の上昇や中性脂肪の増加を招いてしまいます。そのため糖質制限をすることで、血中コレステロールや中性脂肪によって起こる病気の予防ができるのです。大正製薬によると、以下のような記述があります。
血液中のコレステロールと中性脂肪の数値が高くなると、動脈硬化の因子の一つになる可能性がある。
引用元:https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/detail_231.html
血中コレステロールや中性脂肪が多くなると、血液はドロドロになり、動脈硬化を引き起こしてしまいます。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症といった病気になるリスクが高まる危険な状態。心筋梗塞や狭心症は予測なしに動機や胸痛といった発作が起こるため、日常生活に支障をきたしてしまいます。
脳梗塞も後遺症がのこりやすい病気なので、生活が一変してしまうことも考えられます。あまり聞きなれない閉塞性動脈硬化症も、実は怖い病気のひとつ。動脈硬化によって足先の血液循環が阻害されてしまった状態で、壊死に至ると最悪の場合切断となることもあるのです。このような怖い病気を予防できるのは、糖質制限のメリットです。
糖質制限のデメリットを引き起こさないポイント
糖質制限のメリットのみを得るためには、これから解説するポイントを意識しましょう。糖質制限におけるデメリットを引き起こさないポイントは、主に下記5つです。
①糖質全てをカットしない
②食事のバランスを考える
③サプリメントで足りない栄養素を補う
④適度な運動を取り入れる
⑤水分摂取をこまめにする
それでは①糖質全てをカットしないから確認していきましょう。
糖質全てをカットしない
糖質全てをカットしてしまうと、健康を害してしまうリスクが高まります。糖質制限では1日の摂取量の上限が定められているので、完全にはカットしないことが安全に行うポイントです。また糖質を完全にカットしてしまうと、リバウンドの原因となってしまいます。
通常の食事に戻した際に、血糖値が急激に上昇してしまいやすくなり脂肪をつくり出しやすくなってしまうので注意しましょう。
食事のバランスを考える
食事のバランスを考えることは、健康を損ねないためには重要なポイントです。食事制限をする場合、どうしても栄養が偏りがちとなってしまいます。主食を制限するため、肉や魚で満腹感を得ようとしがちです。タンパク質や脂質の制限はないとはいえ、偏った栄養素のみの摂取や暴食はタブーです。
エネルギーの産生を促進したり、自律神経を整える作用のあるビタミン。骨や脳などの体の組織を活性化させるミネラルなど体に必要な栄養素の摂取も心がけましょう。
サプリメントで足りない栄養素を補う
炭水化物を制限すると不足しがちな食物繊維は、野菜だけで補うには限界があります。サプリメントで補う工夫をすると、便秘の予防にもつながります。またエネルギー源としてタンパク質が使われると、髪や皮膚などの新陳代謝が低下。それだけでなく、筋肉の分解による基礎代謝の低下を招いてしまうこともあります。
糖質制限で痩せたとしても、基礎代謝を低下させてしまってはリバウンドのリスクもましてしまうのです。低糖質や糖質ゼロのプロテインも開発されているので、タンパク質も不足しないよう意識しましょう。植物性タンパク質のソイプロテインなら、悪玉菌が増える心配もないのでおすすめです。
適度な運動を取り入れる
食事制限だけでなく、適度な運動も併用しましょう。運動習慣をつくることで、基礎代謝アップによるリバウンドの防止や便秘改善などの効果があります。ただし高負荷のトレーニングを頻回にしてしまうと、低血糖症状をおこしてしまいやすいのでウォーキングや自重による筋トレといって軽〜中等度の負荷がおすすめです。
水分摂取をこまめにする
炭水化物1gには、水分3gが含まれています。炭水化物の摂取量が減ると、必然的に体内の水分摂取量は減少。そうなると血液中の水分量も少なくなり、血がドロドロの動脈硬化状態となってしまうのです。また便秘や頭痛の原因にもなるため、糖質制限をするなら水分摂取をいつも以上に心がけましょう。
その他、糖質制限に関する記事もチェック!
糖質制限を行う人におすすめの他記事を紹介します。理解を深めて、効果的に取り組みましょう。
効果を感じるには痩せるコツがある
糖質制限をしても痩せないという人は、下記の記事で原因やコツをチェックしましょう。
糖質制限ダイエットで『痩せない』原因は?辛い思いをせず痩せるコツまで解説!
出典:Slope[スロープ]
糖質制限のおすすめダイエットメニュー
朝。昼・晩の糖質制限メニューを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【朝・昼・晩】糖質制限ダイエットメニュー&レシピ30選!簡単さ&コスパを重視!
出典:Slope[スロープ]
糖質制限の効果実感はいつから?
糖質制限の効果はいつ頃から実感できるのでしょうか。あきらめずに継続して取り組みましょう。
糖質制限ダイエットの効果はいつから出る?辛い期間は1・2週間ほど?体験談も
出典:Slope[スロープ]
糖質制限で便秘にならないための予防法
糖質制限で起こりやすい便秘を予防して、体の内からきれいになりましょう。
糖質制限での便秘に注意!予防&解消の方法〜治った人の体験談も!
出典:Slope[スロープ]
糖質制限を行う前にデメリットについて理解しておこう
糖質制限では炭水化物を制限することで、便秘や低血糖症状、口臭などデメリットが多くあります。その反面、メリットも多くあります。糖質以外は食事の制限がないため、ストレスの少ないダイエットとしても魅力的。糖質制限のデメリットを引き起こさないポイントを意識し、安全に行いましょう。