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スクワットの筋肉痛を秒速で治すコツ!効果抜群の予防法&こない人の原因についても解説

2020年05月22日

スクワットで筋肉痛が起きたときは休むべきなのでしょうか?続けるべきなのでしょうか?歩けないほどの筋肉痛にならないための予防法や筋肉痛がこない原因について解説し、股関節や腰に過度な負担がかかりにくいスクワットやストレッチの方法を紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

スクワットで筋肉痛が起こる理由

スクワットは、主に下半身の筋肉を鍛えることができるトレーニングです。下半身に集中して負荷をかけるため、場合によっては歩けないほどやばい筋肉痛が起こってしまうこともあります。

スクワットで筋肉に負荷をかけると、筋繊維がダメージを受けます。傷ついた筋繊維を回復する過程で起きる痛みが筋肉痛です。正しいフォームでスクワットをしても、普段はあまり使わない筋肉を動かした時や、激しい運動をした時によく起こります。

この記事では、スクワットではどの部位が筋肉痛になるのか、スクワットで起こった筋肉痛を治す時のポイントやストレッチの方法、スクワットで起こる筋肉痛を予防する方法を詳しく紹介します。

(筋肉痛の時に筋トレを休むかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください)

スクワットを行って筋肉痛になる部位

スクワットで筋肉痛になりやすい部位は大きく以下の4つがあります。

・大腿四頭(だいたいしとう)筋
・ハムストリングス
・ひらめ筋と腓腹(ひふく)筋
・大臀(だいでん)筋

ここでは、4つの部位について解説します。

大腿四頭筋【スクワットを行って筋肉痛になる部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

大腿四頭(だいたいしとう)筋とは、太ももの前側・外側にある筋肉で、名前の通り4つの筋肉でできています。普段の生活では、股関節や腰の動きを補助し、立ったり座ったりする時の動作に使っている筋肉です。

大腿四頭筋は、様々なフォームのスクワットで鍛えることができるため、筋肉痛になりやすい部位でもあります。スクワットをして太ももの前だけが筋肉痛になるという方は、大腿四頭筋に大きな負荷がかかっています。

(大腿四頭筋のストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)

ハムストリングス【スクワットを行って筋肉痛になる部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

ハムストリングスとは、太ももの後ろ側にある筋肉の総称で、大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋の3つの筋肉でできています。普段の生活では主に、足を後ろに上げる時に使っている筋肉です。また、股関節や腰の運動を補助する役割もあるため、足腰など下半身全体の動きに関係してきます。

太ももの前側にある大腿四頭筋と後ろ側にあるハムストリングスをバランスよく鍛えることで、安定した下半身を手に入れることができます。

(ハムストリングスの鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ひらめ筋と腓腹筋【スクワットを行って筋肉痛になる部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

ひらめ筋と腓腹筋は、ふくらはぎにある筋肉で腓腹筋外側頭・腓腹筋内側頭・ひらめ筋を総称して「下腿三頭筋」とも呼ばれます。ふくらはぎの筋肉には、「筋ポンプ作用」という血管の血液を流れやすくする機能があり、第二の心臓とも言われます。

ふくらはぎを鍛えることで血流が良くなり、下半身のむくみや冷え性を改善することも可能です。

(ひらめ筋と腓腹筋については以下の記事も参考にしてみてください)

大臀筋【スクワットを行って筋肉痛になる部位】

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

大臀筋は、お尻の一番外側にある大きい筋肉で、普段の生活ではあまり使われることのない筋肉です。そのため、筋トレをして意識的に鍛える必要があります。

スクワットで大臀筋に負荷をかけるためには、正しいフォームでおこなうのがポイントです。普段あまり使わない筋肉である分、スクワットをすると、筋肉痛が起こりやすい部位でもあります。

(大臀筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

スクワットで起こった筋肉痛を秒速で治すコツ

スクワットで普段使わない筋肉を使ったり、筋肉に負荷がかかると筋肉痛が起こることがあります。スクワットで起こった筋肉痛を秒速で治すコツは以下の5つです。

・ストレッチをする
・筋肉を休ませる
・筋肉を温める
・ゆっくり寝る
・効果的な栄養をとる

スクワットで起こった筋肉痛を治すコツを詳しく紹介します。

ストレッチをする【スクワットで起こった筋肉痛を治すコツ】

スクワットで起こった筋肉痛を治すためには、ストレッチをするのがおすすめです。できれば、筋トレの前後にストレッチをおこなうのが良いでしょう。

スクワットで筋肉に負荷をかけると、筋肉の温度が高くなります。筋温が高いうちに入念なストレッチをおこなうことで、損傷した筋肉の回復を早めることがができ、筋肉痛が起こりにくくなります。

筋肉痛になってしまったあとでも、ストレッチをして血流を良くすることで、筋肉痛の解消を早めることが可能です。

筋肉を休ませる【スクワットで起こった筋肉痛を治すコツ】

筋肉痛の原因は、運動をした時に傷ついた筋繊維を体が治している時の痛みと言われています。スクワットでの筋肉痛は主に大腿四頭筋や腓腹筋など下半身に多く現れますが、筋肉痛を感じる時に筋トレを続けるのはおすすめできません。

筋肉痛があるときは、その部位の筋トレはおこなわずに軽い運動やストレッチをするのが良いでしょう。筋肉痛があるときは休んで回復を優先することで、筋肉がより強くなります。

(筋肉痛については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉を温める【スクワットで起こった筋肉痛を治すコツ】

スクワットをした直後は、負荷により筋肉が損傷し、熱を持っているため冷やした方が効果的です。しかし、筋肉痛が出てきたら、温めて血流を良くすることがスクワットで起こった筋肉痛を治すコツです。

運動をした日はお風呂に入って、温まった時にマッサージ等をすると良いでしょう。長風呂や運動直後のお風呂は、体の疲労回復を遅らせてしまうこともあるため、短めのお風呂に入ったり、蒸しタオルなどで適度に温めるのがポイントです。

ゆっくり寝る【スクワットで起こった筋肉痛を治すコツ】

スクワット等筋トレをした日は、良質で適度な睡眠時間をとるようにしましょう。睡眠には浅い眠りである「レム睡眠」と深い眠りである「ノンレム睡眠」があり、深い眠りについている時には成長ホルモンが分泌されます。

成長ホルモンには、傷ついた筋肉の回復を助ける役割があり、
スクワットをはじめ、運動をした日はゆっくりと睡眠をとるようにしましょう。深い睡眠の時に分泌される成長ホルモンは、筋肉の回復を助ける働きがあります。

また、十分に睡眠をとることで体の疲労回復にも繋がるため、良質で適度な睡眠時間をとることがポイントです。

効果的な栄養をとる【スクワットで起こった筋肉痛を治すコツ】

スクワットをした後は効果的な栄養をとることで、体の疲労回復を早めたり、筋肉の回復を早めます。スクワットで起こった筋肉痛を治すためには、タンパク質やビタミンCが効果的です。

タンパク質には、傷ついた筋肉の回復を助ける働きがあります。また、筋トレで筋肉をつけたいと思っている人にも効果的な栄養素です。タンパク質を十分にとるためには、プロテインがおすすめです。ビタミンCには、血流を良くする効果があるため、疲労回復を助ける働きがあります。

効果的な栄養素を意識してとることも大切ですが、健康な体を作るためにもバランスの良い食事を心がけましょう。

(栄養素については以下の記事も参考にしてみてください)

スクワットによる筋肉痛に効果的なストレッチ

スクワットによって筋肉痛が起こった時、ストレッチをするのが効果的です。ここでは、筋肉の部位ごとに効果的なストレッチを紹介します。

大腿四頭筋のストレッチ【スクワットによる筋肉痛に効果的なストレッチ】

スクワットで筋肉痛になりやすい大腿四頭筋のストレッチは、座ったまま行えるものを紹介します。大腿四頭筋のストレッチは、太ももをしっかり伸ばすことが大切です。座っておこなう太もものストレッチで、腰や膝、股関節等が痛いと感じたら無理をしないようにしましょう。

▼大腿四頭筋ストレッチのやり方

①右足を伸ばし、左足を畳んだ状態で座る
②後ろに手をついてゆっくりと体を後ろに倒す
③左右の足を入れ替えておこなう

左右交互に20秒ずつ3セットおこないましょう。

▼大腿四頭筋ストレッチのコツ&注意点

・畳んだ方の足を開く角度を調整することにより、集中的に伸ばす場所を変えることもできる
・体を後ろに倒して伸ばすときはゆっくりおこない、腰や膝を痛めないように注意する
・体を後ろに倒すとき、伸ばしている足の方に体をひねることで、さらに伸ばすことができる

太ももはスクワットで筋肉痛になりやすい部位のため、簡単にできるストレッチを取り入れてみましょう。

ハムストリングスのストレッチ【スクワットによる筋肉痛に効果的なストレッチ】

ハムストリングス(大腿二頭筋)は、足を引いたり足をあげたりするときに使うため、スポーツで怪我をしないためにもストレッチが大切です。大腿四頭筋と合わせてバランスよく鍛えることで、安定した足腰を手に入れることができます。

ハムストリングス(大腿二頭筋)のストレッチは、ジャックナイフストレッチを紹介します。立ったまま指先を床につけられるようにすることで、筋肉を伸ばすことができます。

▼ハムストリングスのストレッチのやり方

①膝が90度ぐらいに曲がる高さの椅子に座る
②上半身を前に倒して胸と膝をつける
③両手で両足首を外側から掴む
④胸と膝をくっつけたままお尻を真上にあげる
⑤掴んだ足首を離さないようにできるだけ膝を伸ばす
⑥呼吸をしながら20秒間キープする
⑦繰り返す

以上の動作を10回繰り返しましょう。

▼ハムストリングスのストレッチのコツ&注意点
・お尻をあげる時に膝と胸を離さないようにする
・20秒間キープしている間呼吸を止めないようにする

お尻をあげる角度や膝の伸ばし具合でストレッチの強度を調整できるため、初心者にもおすすめのストレッチ方法です。

ひらめ筋・腓腹筋のストレッチ【スクワットによる筋肉痛に効果的なストレッチ】

ひらめ筋・腓腹筋等で構成されるふくらはぎのストレッチは、スクワットによる筋肉痛に効果的なだけでなく、むくみ解消等女性に嬉しい足痩せの効果も期待できます。

5分以内で実践できるストレッチを紹介しますが、きついと感じたり股関節や腰に痛みを感じたら、休憩を入れたり無理をせずにおこないましょう。

▼ひらめ筋・腓腹筋のストレッチのやり方

①膝をついた状態で四つん這いになる
②お尻をあげてかかとを床につける
③片足を床から離す
④床についている方の足で爪先立ちとかかとをつける動作を繰り返す
⑤左右の足を入れ替えておこなう
⑥仰向けになりかかととお尻を近づける
⑦お尻を床からあげていきかかとをさらにお尻側に近づける
⑧四つん這いからお尻をあげた状態に戻り左右交互に足踏みをする
⑨同じ体勢のまま足を交互に上に振り上げる

各動作を30秒ずつおこないましょう。きついときは各動作の間に10秒ほど休憩を入れましょう。

▼ひらめ筋・腓腹筋のストレッチのコツ&注意点
・四つん這いからお尻をあげる時横から見ると三角形になるようにする
・かかとが床から離れないように注意する

スクワットによる筋肉痛の回復にも効果的ですが、普段からストレッチすることで柔軟な筋肉を手に入れることができます。

大臀筋のストレッチ【スクワットによる筋肉痛に効果的なストレッチ】

大臀筋はお尻の外側にある大きい筋肉です。スクワットによる筋肉痛にも効果的ですが、立ちっぱなし座りっぱなしで凝った筋肉を柔らかくするのにも効果的です。ヨガで「針の穴のポーズ」と呼ばれているストレッチを紹介します。

▼大臀筋のストレッチのやり方

①マットの上などで仰向けに寝る
②右膝を立てて左足首を右膝の上に乗せる
③左手を両足の間から通し、両手で右膝を抱えるように手を組む
④20秒間キープする
⑤足を入れ替えておこなう

足を入れ替えながら2~3セットおこなうと良いでしょう。

▼大臀筋のストレッチのコツ&注意点
・膝の上に足首を乗せる時両足の膝が近くなりすぎないようにする
・余裕があるときは股関節が開くように足を置く
・膝を抱えてキープするときは頭や背中が床から離れないようにする

お尻のストレッチは骨盤体操にもなっています。股関節に痛みを感じない程度にゆっくりとおこないましょう。

スクワットによる筋肉痛をなるべく予防する手段

スクワットによって鍛えられる部位は、普段の生活でも使う筋肉であるため、筋肉痛にならないようになるべく予防したいですよね。ここでは、スクワットによる筋肉痛をなるべく予防する方法を5つご紹介します。

正しいフォームでスクワットをする【スクワットによる筋肉痛の予防法】

スクワットによる筋肉痛を予防するためにはまず、正しいフォームでおこなうことが大切です。間違ったフォームでスクワットを続けていると、鍛えたい部位にきちんと負荷がかからず異なる場所に余計に負荷がかかってしまい、筋肉痛を引き起こしたり、膝や股関節を痛めてしまう原因になります。

スクワットには様々フォームがありますが、共通して意識したいのは以下の3つです。

・重心を足の真ん中に置く
・しゃがむ時に腰が曲がらないようにする
・爪先と膝の位置を合わせる

正しいフォームでスクワットをすることで効果的に目的の部位を鍛えることができ、安定した下半身を手に入れることができます。

負荷をかけすぎない【スクワットによる筋肉痛の予防法】

スクワットによる筋肉痛を予防するためには、無理をして負荷をかけすぎないことが大切です。筋肉は、筋トレによって損傷した部分を回復する過程で強くなっていきます。

負荷の強い運動ばかりをすればいいというわけではありません。適度な負荷で、筋肉を休める時間を取りながら筋トレを継続することが必要です。

スクワットの前後にストレッチをする【スクワットによる筋肉痛の予防法】

ストレッチは、運動の後にするイメージが強いかもしれませんが、運動を始める前にストレッチをすることで、筋肉痛を予防することもできます。スクワットで使う筋肉を事前にストレッチで伸ばし、柔軟にしておくことで筋肉痛になるのを予防します。

スクワットの後はすぐに動かすことをやめてしまうのではなく、軽い運動やストレッチをして徐々にクールダウンするようにしましょう。

スクワットをする頻度を増やす【スクワットによる筋肉痛の予防法】

急に運動をした時や普段あまり使わない筋肉を使った時に筋肉痛になりやすいため、スクワットをする頻度を増やすこともスクワットによる筋肉痛を予防する方法の一つです。

特に太ももはスクワットによる筋肉痛を起こしやすく、普段の生活でも使う筋肉なため、習慣的にスクワットをすることで、下半身の負担を減らすことができます。

水分や栄養をとる【スクワットによる筋肉痛の予防法】

筋トレをして体を作っていく上で、バランスよく栄養をとるのはとても大切です。疲労回復を助ける効果や血流をよくし、筋肉痛になりにくくする効果がある栄養もあるため、普段の食生活にも気を配ってみましょう。

筋トレをして汗をかくと体内の水分が失われていきます。筋トレ前や筋トレ中は適度に水分をとるようにしましょう。十分な水分をとっておくことで、疲労物質が体にたまりづらくなり、筋肉痛予防にも繋がります。

スクワットによる筋肉痛の期間中でも脚の筋トレを続ける?

筋肉痛が起きているときは、筋トレで傷ついた筋肉を体が回復している証拠です。筋トレを続けると、筋肉痛が起こっている部位にさらに負荷をかけてしまうことになり、筋肉痛がなかなか治らない原因になります。

筋肉痛が起きているときは、その部位の筋トレは休むのが良いでしょう。筋肉痛のままトレーニングを続けてしまうと、痛みのために適切なトレーニングができなかったり、疲労が回復しきっていないために怪我をする危険性もあります。

筋肉痛の期間中は、軽い有酸素運動やストレッチをすると良いでしょう。

スクワットによる筋肉痛がこない人もいる?原因は?

スクワットや筋トレをして筋肉をつけたい部位を集中的に鍛えても、筋肉痛にならないこともあります。筋肉痛にならなければ鍛えられていないというわけではなく、筋肉痛にならないのにはいくつかの要因があります。

筋肉痛は、傷ついた筋繊維を回復する過程で起きるため、栄養や睡眠をしっかりとり体のコンディションを整えていれば、筋肉の回復速度が早く、筋肉痛を感じないこともあります。

また、同じ負荷で同じ部位の筋トレを続けていると、筋肉自体が負荷に慣れてしまい徐々に筋肉痛を起こしにくくなっていきます。筋肉痛にならなければ筋トレの効果がないわけではないため、負荷の量や回数を考えながら筋トレを続けましょう。

スクワットによる筋肉痛は効果が出ている証拠でもある

筋肉痛になることは悪いことではありません。筋トレによって傷ついた筋肉が回復する過程で痛みを感じるため、筋肉痛は筋トレの効果が出ている証拠でもあります。

筋肉痛が起きているときはストレッチなどで筋肉を休め、効率の良いトレーニングをしていきましょう。

(ストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)