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腓腹筋の筋トレ&ストレッチ!外側を鍛えてヒラメ筋とのバランスの良いふくらはぎへ

2020年05月21日

腓腹筋は、ヒラメ筋とともにふくらはぎを構成する筋肉です。筋トレやストレッチで腓腹筋を鍛えれば、美しい脚が手に入るのはもちろんのこと、健康維持にも役立ちます。この記事では腓腹筋の鍛え方や筋トレのコツ、ストレッチメニューなどを解説するので、ぜひ取り組んでください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

腓腹筋の構造・作用

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-13

腓腹筋は、ヒラメ筋とともにふくらはぎを構成する筋肉です。腓腹筋外側頭と腓腹筋内側筋に分かれており、これにヒラメ筋を合わせて下腿三頭筋と呼びます。腓腹筋はヒラメ筋の外側にあり、ヒラメ筋を覆うように付いています。

腓腹筋は足関節の底屈や、膝関節の屈曲に作用します。つま先で立つときなどに働くため、走る、ジャンプするといった、日常生活でもスポーツでも頻繁に行う動作において作用します。

また、ヒラメ筋が遅筋という持久力に関わる筋肉であるのに対し、腓腹筋は速筋に分類されます。ヒラメ筋は水泳やジョギングにおいて役立ちますが、腓腹筋は短距離走やバスケットボールに向いている筋肉です。

それでは、腓腹筋の筋トレやストレッチを行うことによるメリットを見ていきましょう。

筋トレメニューからみたい方はこちら

腓腹筋の筋トレ・ストレッチをするメリット

腓腹筋を含む下腿三頭筋は、走ったりジャンプしたりといった動作のほか、姿勢の保持にも関わっています。そのため、筋トレして鍛えることによりさまざまなメリットがあります。ではその内容を詳しく見ていきましょう。

スポーツにおけるパフォーマンスがアップする

腓腹筋は足関節と膝関節の動きに関わっているため、筋トレで鍛えることにより、を使ったあらゆる動作の改善が見込めます。具体的には、ジャンプ力が上がったり、足が速くなったり、瞬発力が上がったりといった効果が期待できます。

また、腓腹筋を強化することにより、歩行がスムーズになり、転倒しにくくなります。日常動作においてもメリットがたくさんあるので、スポーツをする方だけでなく、高齢者もぜひ鍛えてください。

引き締まった脚になる

腓腹筋を含む下腿三頭筋を鍛えることにより、引き締まったふくらはぎが手に入ります。男性らしく筋肉質な脚を手に入れたい方は、ぜひトレーニングしてください。また、脚を細くしたい女性にも、腓腹筋及び下腿三頭筋の筋トレはおすすめです。

血行が促進され冷えなどが改善される

腓腹筋やヒラメ筋のあるふくらはぎの筋肉は「第2の心臓」と呼ばれており、脚だけでなく全身の血流に関係しています。そのため、腓腹筋を含むふくらはぎの筋肉を鍛えることで、全身の血行が促進されます。その結果、疲労や冷え性、むくみなどの症状の改善が期待できます。

なお、血行を良くするためには、腓腹筋などをストレッチでほぐすことも重要です。健康を維持するためにも、筋トレ後はしっかりストレッチをしましょう。

腓腹筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ

ここからは、腓腹筋をはじめとするふくらはぎを鍛える筋トレを解説します。かかとを上げるカーフレイズがよく知られていますが、そのバリエーション種目やその他の筋トレも解説するので、自分に合ったメニューを見つけてください。

腓腹筋の筋トレメニュー①スタンディングカーフレイズ

スタンディングカーフレイズは、立った状態でかかとを上下する筋トレです。腓腹筋やヒラメ筋といったふくらはぎの後ろ側の筋肉を鍛えることができます。ダンベルを使用する方法もありますが、まずは自重で正しいフォームを身につけましょう。

▼スタンディングカーフレイズのやり方

①壁などに手をついて真っ直ぐ立つ
②つま先をついてかかとを上げる
③ゆっくりとかかとを下げる

スタンディングカーフレイズの最適な回数は、正しいフォームが維持できる限界の回数です。セット数は、トレーニングのステータスに応じて設定しましょう。初心者は週1回3セットから始め、慣れてきたら徐々にセット数を増やしていきます。上級者は週2回6セット程度がおすすめです。ただ、やり過ぎてオーバーワークにならないように注意してください。

▼スタンディングカーフレイズのコツ&注意点

・しっかりふくらはぎの筋肉が収縮している感覚を掴む
・上げるときに上半身を畳まないように気を付ける

負荷を上げてさらに腓腹筋を鍛えたいときは、ダンベルやバーベルを持って行うと良いでしょう。ダンベルを使用する場合は、バランスを取るために壁などに手をついて行ってください。

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ずーみー(泉風雅)

男性らしい太くどっしりとしたラインをつくりたい場合は、下で解説するシーテッドカーフレイズも併せて行うと良いでしょう。一方、メリハリのある女性らしいふくらはぎをつくりたい方は、スタンディングカーフレイズを中心に行うのがおすすめです。

(スタンディングカーフレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

腓腹筋の筋トレメニュー②シングルレッグカーフレイズ

シングルレッグカーフレイズは、片足で行うスタンディングカーフレイズです。片足で行うことにより、自重だけでも負荷を強めることができ、腓腹筋を含むふくらはぎへの筋トレ効果も高くなります。

▼シングルレッグカーフレイズのやり方

①片足で直立する
②つま先をつけてかかとを上げる
③かかとを下げる

シングルレッグカーフレイズの最適な回数は、スタンディングカーフレイズと同じく正しいフォームで行える限界の回数です。セット数も同様に、トレーニングのステータスに応じて設定しましょう。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼シングルレッグカーフレイズのコツ&注意点

・バランスを崩しやすいので、壁や机に手を置いて行う
・かかとの上下の動作はしっかり呼吸してゆっくり行う
・筋肉の収縮を感じられるまでしっかりとかかとを上げる

筋肉を発達させるためには、反動を使わずにゆっくり動作を行うことが重要です。

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ずーみー(泉風雅)

ウェイトを使用しないで負荷を上げるには、片足で行う以外にも、踏み台や段などを使用して可動域を広くするという方法があります。

腓腹筋の筋トレメニュー③ドンキーカーフレイズ

ドンキーカーフレイズは膝を伸ばし、股関節を屈曲して行う筋トレです。ふくらはぎのなかでも特に腓腹筋に効果的な負荷をかけることができます。

▼ドンキーカーフレイズのやり方

①膝くらいの高さの椅子に手をかける
②足を腰幅くらいに開き、股関節から体を曲げる
③膝を真っすぐ伸ばしたままつま先立ちになる
④かかとを下ろす

ドンキーカーフレイズの最適な回数は、他の自重トレーニングと同じく正しいフォームが維持できる限界の回数です。セット数も同様に、トレーニングのステータスに応じて決めてください。

▼ドンキーカーフレイズのコツ&注意点

・膝の曲げ伸ばしを大きくしない
・かかとを下ろすときは床まで下げきらずに切り返す

つま先をまっすぐか少し内側に入れて行うと腓腹筋の外側に、ハの字に開くと腓腹筋の内側により負荷をかけることができます。

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ずーみー(泉風雅)

自重のみでは負荷が軽いという場合は、ジムなどでレッグプレスマシンを使って行いましょう。通常よりも可動域を広く取れるので、腓腹筋やヒラメ筋により効果的な負荷をかけることができます。

(ドンキーカーフレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

腓腹筋の筋トレメニュー④シーテッドカーフレイズ

シーテッドカーフレイズはヒラメ筋に効果的な負荷をかけられる筋トレで、ダンベルを使用して負荷を上げることもできます。腓腹筋とバランス良く鍛えていきましょう。

▼シーテッドカーフレイズのやり方

①椅子に座り、脚を前方に向ける
②膝を曲げかかとを上げる
③かかとを下ろす

自重のみで行う場合のシーテッドカーフレイズの回数は、他の自重トレーニングと同じく正しいフォームで行える限界の回数です。ダンベルを使用する場合は、筋トレの目的に応じて回数を設定してください。筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力アップのためには15回以上が目安です。

セット数は、他のトレーニングと同じく初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットがおすすめです。

▼シーテッドカーフレイズのコツ&注意点

・姿勢を崩さず、ふくらはぎの筋肉の収縮を意識する
・ダンベルを膝に置くと痛いという方は少しずらすか、横方向で使う

自重のみで行うと負荷がかなり小さいです。腓腹筋をより効果的に鍛えたいときは、ダンベルを膝に置いて負荷を高めると良いでしょう。ダンベルの真下につま先が来るようにするのがポイントです。

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ずーみー(泉風雅)

シーテッドカーフレイズは特にヒラメ筋の肥大に効果があるトレーニングです。ヒラメ筋は足首にも付いているので、足首を太くしたくない方は行わないでください。足を細くしたい方は、ふくらはぎの上部にある腓腹筋に効果の高いスタンディングカーフレイズの方がおすすめです。

(シーテッドカーフレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

腓腹筋の筋トレメニュー⑤トゥレイズ

トゥレイズは家でもできる筋トレです。腓腹筋だけでなく、前脛骨筋も鍛えることができます。座って行う方法もありますが、腓腹筋を鍛えるなら立って行った方が効果的です。

▼トゥレイズのやり方

①直立に立つ
②片足を軽くあげ、つま先を上に持ち上げる
③元に戻す

トゥレイズの最適な回数は、正しいフォームが維持できる限界の回数です。チューブケトルベルで負荷を上げるときは、8~12回行えるように負荷を調整するのが良いでしょう。セット数は他の筋トレと同じくトレーニングのステータスに応じて設定してください。

▼トゥレイズのコツ&注意点

・指が過度に反り返らないように気をつける

まずは自重で行い、正しいやり方をマスターしましょう。その後、負荷を上げる場合には、バンドタイプのチューブやケトルベルを使用するのがおすすめです。

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ずーみー(泉風雅)

ケトルベルを使用するときは、取っ手の部分に足をかけて行います。足の上部分を圧迫しないように、タオルなどをかませると良いでしょう。

(トゥレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

腓腹筋の筋トレメニュー⑥ジャンピングスクワット

通常のスクワットお尻太ももを中心に鍛える筋トレですが、軽い重量で瞬発的に行うジャンピングスクワットでは、腓腹筋やヒラメ筋といったふくらはぎの筋肉も効果的に鍛えることができます。

▼ジャンピングスクワットのやり方

①直立し、足は肩幅ぐらいに広げる
②ふかくしゃがむ
③つま先に力を入れてジャンプする
④静かに着地し再び真上にジャンプする

ジャンピングスクワットの最適な回数は、他の自重トレーニングと同様に正しいフォームが維持できる限界の回数です。疲れてくるとフォームが崩れてきます。フォームの崩れは膝を痛める事にもつながるので、正しいフォームで行うことを意識しましょう。

セット数も他の筋トレと同じく、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安にしてください。

▼ジャンピングスクワットのコツ&注意点

・膝がつま先より前に出ないようにする
・関節への負担を軽くするためになめらかに着地する
・膝が内側に入らないようにする

呼吸に関しては、それほど意識する必要はないですが、ジャンプするときに自然に吐き、着地したら自然に吸うようにすると良いでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

腓腹筋を含むふくらはぎへの効果を高めたいときは、バーベルを持って行うこともできます。また、腕立て伏せと組み合わせたバーピージャンプでは、全身を効果的に鍛えることができます。

(ジャンピングスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

腓腹筋のストレッチメニュー

ふくらはぎは全身の血流に大きな影響を与えています。筋トレで強化するだけでなく、ストレッチで柔らかくすることでも血行不良の改善効果が期待できます。太くて硬い筋肉を作りたい男性も、柔軟性を持った健康的な体を手に入れるために、ストレッチも欠かさずに行ってください。

腓腹筋のストレッチ①

アキレス腱を伸ばすストレッチです。腓腹筋などふくらはぎの筋肉も伸びていることを意識しながらストレッチすることにより、さらに筋肉をほぐすことができます。

▼アキレス腱ストレッチのやり方

①壁に直立に立つ
②壁に両手をつき、片足はそのまま後ろに開く
③アキレス腱、ふくらはぎが伸びていることを意識する
④20秒ほど伸ばしたら足を入れ替える

アキレス腱のストレッチは、ただ立って行うよりも壁や手すりを使う方がよりふくらはぎを伸ばすことができます。ストレッチ中はしっかりふくらはぎとアキレス腱が伸びていることを意識しましょう。

▼アキレス腱ストレッチのコツ&注意点

・伸ばしている足はしっかり膝も伸ばす
・呼吸はゆっくりと深呼吸しながら行う

両手を壁につけることで体勢が安定するため、筋力の弱い高齢者の方でも行やすいストレッチです。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

腓腹筋は筋膜を介してハムストリングスとつながっています。そのため、膝を伸ばし、骨盤を前傾させてハムストリングスも伸びるように行うと、腓腹筋のストレッチ効果も高くなります。

腓腹筋のストレッチ②

内側、外側、中央と分かれている腓腹筋を全体的にほぐしたい方は、こちらのストレッチを行ってみましょう。特に、寝る前や起きてすぐの時間に行うことで、血行を良くすることができます。

▼両足を伸ばすストレッチのやり方

①床にマットを敷き、膝をつけて座る
②両手を床につき、足の裏も床につけ四つん這いの体制になる
③膝を伸ばし、両足のアキレス腱を伸ばす
④ふくらはぎの筋肉が伸びていることがわかるところで姿勢を止める
⑤20秒その姿勢を維持する
⑥足先を内側、外側に向けて1回ずつ行う

は頭より高く持っていき、ふくらはぎが伸ばせる体勢を作りましょう。ふくらはぎを伸ばしている間は、膝も曲げず伸ばし続けるようにしてください。

▼両足を伸ばすストレッチのコツ&注意点

・かかとは浮かせず、しっかりアキレス腱とふくらはぎを伸ばす
・呼吸はゆっくりと深く行う
・足先を変えたときに伸ばしている筋肉をしっかり意識する

伸ばす筋肉を分けることにより、腓腹筋のそれぞれの部位をしっかりと伸ばすことができます。それにより、足のむくみや疲労の解消にも繋がります。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

お尻を上に持ち上げたときに、足首の上にお尻が来てしまうと腓腹筋が伸びません。お尻を上に持ち上げつつ、足は後ろに引くようにしてください。

腓腹筋のストレッチ③

自分の体だけでなく、タオルなどの道具を使うストレッチもあります。タオルを使うことでさらに足を伸ばすことができるため、より筋肉に効かせることができます。

▼タオルを使ったストレッチのやり方

①床にマットを敷きその上に寝転がる
②右足の指先にタオルを引っ掛けその両端をもつ
③右足を天井に向けて伸ばす
④3分〜5分伸ばす
⑤もう片足も同じように伸ばす

タオルを使い、脚を限界まで伸ばすことにより、腓腹筋が伸びている感覚を掴むことができます。片足が天井を向いているとき、もう片方の足は床から離れないように注意しましょう。時間は3分〜5分と長いですが、呼吸をゆっくり深く整えて筋肉を伸ばすことが大事です。

▼タオルを使ったストレッチのコツ&注意点

体幹や骨盤がぐらつかないようにする
・股関節が柔らかい場合は足をさらに開いて伸ばす

このストレッチは寝ながら行えるうえ、タオルを使うことでより足を伸ばすことできるので、体が硬い方でも限界まで足を伸ばすことができます。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

腓腹筋を伸ばすときは、可能な限り膝を伸ばすことが重要です。もし仰向けで膝を伸ばすことが難しければ、座って行っても同様の効果があるので試してみてください。

腓腹筋を鍛えてバランスの良いふくらはぎへ

腓腹筋の筋トレは、自重のみで行える種目が多いです。自宅でも手軽に行えるので、積極的に鍛えていきましょう。また、筋トレ後は、ストレッチで筋肉をほぐしてください。適切なトレーニングを積み重ねて、自分の目標とするふくらはぎを作り上げていきましょう。