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プロテインは肝臓・腎臓への負担が危険?嘘?論文を元に真相を解明!

2021年02月25日

プロテインは高齢者や糖尿病といった持病のある人でもタンパク質を摂取できるサプリメントです。しかし飲み過ぎると肝臓や腎臓に負担がかかり病気の原因になる副作用が報告されています。プロテインは体に悪いものではありませんが、負担をかけない飲み方を学びましょう。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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プロテインが肝臓・腎臓に負担があって危険というのは嘘?

プロテインは効率よくタンパク質を摂取できるサプリメントということで、筋トレ時の摂取だけでなく美容効果を目的に使用する女性や、高齢者にも健康目的で愛用されています。しかしこのプロテインを摂取すると、肝臓や腎臓に負担をかけてしまい、かえって危険で体に悪いという見解があるのです。

そこで今回はプロテインが体にかける負担について解説していきます。また肝臓や腎臓に悪い影響がでるような間違った飲み方をしないためにも、正しい飲み方や防ぎ方についても確認します。現在プロテインを愛用している人は、改めて肝臓や腎臓に負担のかけない飲み方の知識をつけましょう。

プロテインが肝臓・腎臓に負担があって危険な理由

ここからはプロテインが肝臓や腎臓に負担をかけてしまい危険だという理由について確認していきます。プロテインは正しい飲み方をすれば糖尿病といった持病のある人でも安心して使用することができますが、肝臓や腎臓だけでなく体にどのようなデメリットがあるかチェックしていきます。

(プロテインと糖尿病の関係については以下の記事も参考にしてみてください)

過剰摂取はNG

まずプロテインを飲むことによって、タンパク質を過剰摂取してしまうことが肝臓や腎臓に負担をかけてしまう原因となります。グリコのPOWER PRODUCTIONが発表する「タンパク質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは」によると、タンパク質を摂取した際に体の中で起きる尿を作る作用が過剰に起きてしまうことで肝臓や腎臓の負担が増加するようです。

私たちが摂取したタンパク質は、体内で合成と分解を繰り返します。その過程において、食事から摂ったタンパク質のうち余った(過剰な)ものは分解されて窒素となります。nn窒素を体外に排泄するためには、肝臓・腎臓の働きが必要です。体内の分解過程で必要なくなった窒素はアンモニアに変わります。アンモニアは私たちの体にとって有害な物質であるため、肝臓で無害な尿素に変換されたのちに腎臓で尿として排出されます。nnこのときにタンパク質を過剰に摂取してしまうと、その分多くの窒素を尿に変換しなければならなくなります。そのため肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなり、内臓疲労を引き起こしてしまう可能性があるのです。

引用元:https://cp.glico.jp/powerpro/protein/entry04/

このようにタンパク質の過剰摂取が肝臓や腎臓の内臓疲労に繋がってしまうことが分かりました。これらの臓器の働きが悪くなってしまうと排尿に影響があり、体の中の毒素の排出が滞ってしまうことで健康を害したり、他の病気の原因ともなる危険があるのです。

(プロテインの過剰摂取によるデメリットについては以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインの種類と体の相性

プロテインの種類によっては肝臓や腎臓以外にも、胃や腸に負担をかけてしまうデメリットがあるものがあります。例えばホエイプロテインの原料である乳清には、乳糖という成分が含まれています。この乳糖は腹痛を起こす原因となることがあるので、ホエイプロテインの使用を避ける人がいるのです。

このように自分の体に合わないと感じつつも、特定のプロテインを使用することで、副作用として思わぬ負担を体や内臓にかけてしまっていることがあります。その他にアレルギーなど体の相性と合わないものの使用は危険ですので控えてください。

(プロテインの副作用については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインで肝臓・腎臓へ悪影響があった人の体験談

ここからは実際にプロテインを飲んで肝臓や腎臓に悪影響があったと感じた人の体験談を紹介します。タンパク質の過剰摂取が原因で健康にも被害があることがあることを、リアルな声を聞いて参考にしましょう。

吐き気に加え臓器の負担を感じた



プロテインの摂取が原因で吐き気を催してしまい、肝臓や腎臓にも負担がかかっていることを感じて使用をやめたという体験談です。プロテインの中には消化吸収の早いため胃腸に負担がかかるだけでなく、タンパク質の分解作用により肝臓と腎臓の負担が増えてしまう危険があります。体験談のように負担を感じたら使用は控えましょう。

(プロテインを飲んで感じる吐き気や胃もたれについては以下の記事も参考にしてみてください)

肝臓の数値が上がり黄疸が出た



こちらはプロテインを使用したことで肝臓の数値が上がってしまい、黄疸まで出てしまったという体験談です。黄疸は肝臓の働きが悪くなることで血液中のビリルビンの濃度が高くなり、皮膚や目の白目の部分が黄色く変色する症状です。過剰摂取の影響は、時には見た目にも現れるということが分かります。

尿に異常も・・・



尿蛋白は本来なら腎臓で処理されるはずのタンパク質が、そのまま尿と一緒に排出されてしまう病気です。尿蛋白が続くと、吸収されるはずのタンパク質がそのまま排出されてしまい、体にタンパク質が取り入れられていない状態となってしまうのです。体験談のようにプロテインの過剰摂取が原因で、腎臓に負担をかけてしまってしまうことがあるのです。

プロテインによる肝臓・腎臓への負担はどう防ぐ?

プロテインの飲み過ぎはタンパク質の過剰摂取に繋がり、肝臓と腎臓に負担をかけてしまうことが分かりました。それでは肝臓や腎臓に必要以上の負担をかけないように、プロテインを安全に飲むためにはどのようなことに注意すべきか解説していきます。

タンパク質の摂取量を守る

まず過剰摂取にならないように気を付けることは、1日のタンパク質の摂取量を守ることです。そこで気になるのが、健康な体を維持していくのに必要なタンパク質の1日当たりの摂取量です。この摂取量の目安について森永製菓から「【タンパク質の必要量】タンパク質はどれくらい摂ればいい?」という記事が発表されています。

この記事によると成人男性のタンパク質の推定必要量は50g・推奨量は60g、成人女性は推定必要量は40g・推奨量は50gとされています。普段の食事から摂取するタンパク質量に加え、プロテインの1食当たりで摂取できるタンパク質量を確認し、過剰摂取にならないように注意しましょう。

(タンパク質の摂取量については以下の論文も参考にしてみてください)

プロテインに含まれている成分を確認する

プロテインにはタンパク質以外にも色々な成分が配合されています。もちろん体に悪影響を及ぼす成分が含まれていることはありませんが、時として人によってはアレルギー反応を起こしてしまう成分が配合されている場合もあります。

そこで自分にとって悪い影響のない成分が含まれていないか確認することが大切です。肝臓や腎臓に負担をかけてしまわないように、自分の体に合わない成分が配合されていないプロテインを使用することが、肝臓や腎臓の負担軽減に繋がるのです。

(プロテインのアレルギー成分については以下の記事も参考にしてみてください)

その他、プロテインに関する記事もチェック

プロテインは筋肉増強だけでなく、美容や健康を維持する上でもとても有用なサプリメントです。しかし他にもプロテインの使用によってネガティブな効果があるとの見解もあります。そこでプロテインの使用に関してネガティブな効果について解説された記事を紹介しますので、疑問がある場合はこちらの記事を読んで解消してください。

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動物性プロテインには乳清を原料にして生成されるものがありますが、この乳清に含まれる乳糖が原因でお腹を壊してしまい下痢になりやすいという声があります。そこでこの乳糖がカットされているWPI・WPCという種類のプロテインがありますので、プロテインを使用後の腹痛に悩んでいる人は参考にしてください。

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肝臓・腎臓への負担を防ぐためにプロテインは正しく摂取しよう

今回はプロテインから摂取するタンパク質が肝臓と腎臓にどのような負担を与えているか解説しました。プロテインを過剰摂取してしまうと肝臓や腎臓に大きな負担がかかり、健康にも悪い影響が出てしまうことが分かりました。そうならないためにも1日の摂取量をオーバーしないといった、正しいプロテインの飲み方を守りましょう。