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デクラインベンチプレスのやり方!角度・下ろす位置などのコツ&代用メニューを解説!

2020年04月06日

デクラインベンチプレスは大胸筋下部を集中的に鍛えられる筋トレです。今回はこのデクラインベンチプレスの効果的なやり方や最適な手幅・角度・下ろす位置などのコツを解説します。大胸筋に効かないNGフォームや代用種目も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

デクラインベンチプレスは大胸筋下部に効果的な筋トレ

デクラインベンチプレスはベンチプレスをデクラインにしたベンチで行う種目です。主に大胸筋下部を強化したいという人に向いています。

今回はこのデクラインベンチプレスの効果的なやり方や効果を高めるコツなどを解説します。それでは最初にデクラインベンチプレスで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果について見ていきましょう。

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デクラインベンチプレスで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

デクラインベンチプレスで鍛えられる主な筋肉の部位は、大胸筋下部です。これからこの大胸筋下部がどのような筋肉なのか、鍛えると得られる効果と合わせて解説していきます。

大胸筋下部

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

大胸筋下部は腹直筋鞘前葉から上腕骨にかけて付いている筋肉で、主に腕を斜め下へ押し出す働きをしています。デクラインベンチプレスでは身体を斜めにするためバーベルの軌道が変化します。その結果、内転という腕を横から振り下ろす動きが強くなるため、その働きを持つ大胸筋下部が主に鍛えられるのです。

そしてこの大胸筋下部をデクラインベンチプレスで鍛えると大胸筋下部のアウトラインを整える効果があります。また通常のベンチプレスなどで鍛えられる上部や中部とのバランスが取れて、綺麗な大胸筋になれる効果も得られるのです。そのためインクラインベンチやフラットベンチばかりで筋トレをしている人には特に取り組む価値がある種目だと言えるでしょう。

(大胸筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

デクラインベンチプレスの効果的なやり方

それでは次にデクラインベンチプレスの効果的なやり方について説明します。基本的にデクラインベンチプレスはデクライン専用のベンチ台で行うのがおすすめです。しかし、そのようなベンチ台がないジムは多くあります。

そこで今回は通常のフラットベンチでもできるデクラインベンチプレスのやり方を解説します。ジムにフラットベンチしかなくてデクラインベンチプレスを諦めていた人もぜひ参考にしてみてください。

①スタートポジションを作る

まずはベンチ台に仰向けに寝て、足を台に乗せましょう。そしてお尻・下背部を浮かせて上体を斜めにします。この時、上体が傾いていればそれで良いので、無理に腰を強く反らないように注意しましょう。また上体を傾けた時に背中が滑るようなら100均で売っている滑り止めなどをベンチに敷いておくのをおすすめします。

そしてその状態のままバーベルをラックアップします。手幅はボトムポジションで前腕が地面に対して垂直になる幅にすると良いでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

ベンチ台の足にブロックを敷くとデクラインの状態を作れます。しかし、通常のベンチプレス台でそれを行うとラックにバーベルを戻す時にベンチ台がひっくり返るので絶対にやってはいけません。

②バーを降ろす

スタートポジションを作ったら、バーベルを降ろしていきます。この時、バーを下ろす位置は身体が傾いているため、自然と通常のベンチプレスよりもお腹側になります。

③バーを挙げる

バーを身体に触れるまで降ろしたら、同じ軌道でバーを挙げ元の位置に戻ります。後は同じ動作を繰り返しましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

ベンチプレスで守るべき項目として「降ろす時には肩甲骨を寄せる」「肘は常にバーベルの真下」が挙げられます。これはデクラインベンチプレスでも共通ですので、しっかりと意識しましょう。

デクラインベンチプレスのコツ&注意点

次にデクラインベンチプレスを行う上での以下のコツや注意点を解説します。

・ボトムで肩甲骨を寄せられてない
・トップで肩甲骨が外に出過ぎている
・手の平のほうでバーを持ってしまっている

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

ボトムで肩甲骨を寄せられてない

デクラインベンチプレスでは上方向に肩甲骨が上がり過ぎてしまうパターンが非常に多いです。しかし、肩が上にすくんで上がってしまうと、バーをスムーズに降ろすことができません。

通常のベンチプレスに比べてデクラインベンチプレスではやや上方に肩甲骨が寄ってしまうのは自然なことです。しかし、それが過剰にならないよう気を付けてください。通常のベンチプレスと同様にしっかりと胸を開いてバーベルを迎えにいくように肩甲骨を寄せて動作を行うようにしましょう。

トップで肩甲骨が外に出過ぎている

トップで肩甲骨が外に出過ぎてしまうフォームも注意してください。このフォームでは前鋸筋という肩甲骨を前に出す筋肉に負荷が乗ってしまい、大胸筋下部が効かない原因になります。前鋸筋も重要な筋肉ではありますが、大胸筋を鍛える意味ではこの動作はNGです。そのため挙げた時にも肩甲骨を寄せておき、外に出過ぎないようにしましょう。

手の平のほうでバーを持ってしまっている

1枚目の画像のように手の平のほうでバーを持つのもNGです。このような状態では手首が反りかえり、手首の痛みが出やすくなってしまいます。その手首の痛みを予防するためにも2枚目の画像のようにバーベルの重さを手首の根元で受けるようにしましょう。

手首の根元で持っても不安な方や痛みが改善されない方はリストラップなどを使うのをおすすめします。

デクラインベンチプレスの最適な角度・回数・重量・セット数

デクラインベンチプレスを行う上での最適な角度は大胸筋下部の筋肉の走行方向と負荷のかかる方向が一致する角度です。しかし、これは個人差がありますので、いくつかの角度を試して一番大胸筋下部に効きやすい角度を見つけるのをおすすめします。

また最適な重量や回数については他の筋トレメニューと同様に筋トレの目的に合わせて変えましょう。具体的には筋力アップなら1から6回、筋肥大なら6から12回、筋持久力アップなら15回以上でそれぞれ限界が来る重量が目安です。ちなみに筋肥大に関しては、限界まで行えば軽い重量の高回数でも同等の効果を得ることができます。

セット数についてはトレーニングステータスによって増やしていきます。初心者の方は週1回3セット、上級者の方なら週2回6セットを目安に行うと良いでしょう。

スミスマシンを使用したデクラインベンチプレスのやり方

スミスマシンを使っても同様にデクラインベンチプレスを行うことができます。スミスマシンを使ったデクラインベンチプレスは軌道が固定されている分、力の発揮に集中できるのが大きなメリットです。通常のやり方ではバランスが取りにくい方などはぜひ試してみてください。

ちなみに斜め軌道のスミスマシンを使う場合は、挙げるにつれて足の方へバーが流れる向きで使うようにしましょう。

▼スミスマシンを使用したデクラインベンチプレスのやり方

①ベンチ台の上に寝て、足を乗せる
②下背部とお尻を浮かせて上体を斜めにする
③バーを持って、胸に向かって降ろす
③バーを挙げて、元の位置に戻す

フラットベンチを用いる場合と同様に筋力アップなら1から6回、筋肥大なら6から12回、筋持久力アップなら15回以上でそれぞれ限界が来る重量で行いましょう。セット数については初心者の方は週1回3セット、上級者の方なら週2回6セットが目安です。

▼スミスマシンを使用したデクラインベンチプレスのコツ&注意点

・セーフティーバーを設定しておく
・肩甲骨を寄せて動作を行う
・手の根元でバーの重さを受けるように持つ

デクラインベンチプレスの効果を高める為のポイント

最後にデクラインベンチプレスの効果を高める為の以下の3つのポイントを紹介します。

・類似種目と一緒に行う
・家でやりたい場合は代用種目で鍛える
・オーバーワークに注意

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

類似種目と一緒に行う

デクラインベンチプレスは大胸筋下部に集中的に刺激が入ります。そのためデクラインベンチプレスだけだと大胸筋への刺激が偏ってしまい、最大限に成長しない可能性があるのです。

そこでおすすめしたいのが、類似種目と一緒に行うことです。例えば、大胸筋中部を鍛えられるベンチプレスや大胸筋上部を鍛えられるインクラインベンチプレスなどがおすすめできます。これらの類似種目と一緒に行うと大胸筋を全体的にバランスよく刺激を与えられるため、さらなる成長を期待できるのです。

大胸筋を綺麗に発達させたい人はぜひ試してみてください。

(ベンチプレスとインクラインプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)

家でやりたい場合は代用種目で鍛える

筋トレをする人の中にはジムではなく、家でトレーニングをしたい人もいるでしょう。そんな人にデクラインベンチプレスの代用としておすすめしたいのが、ディップスです。ディップスは自重トレーニングでありながらも大胸筋下部に強い刺激を与えられる優れた種目なのです。家で筋トレする人はぜひ代用種目として取り入れてみてください。

(ディップスについては以下の記事も参考にしてみてください)

オーバーワークに注意

先ほども解説したように一般的にトレーニングステータスが上昇するにしたがって1部位当たりの頻度やセット数を増やしていきます。実際に週1回よりも週2回のほうが効果はあるとされています。しかし、週3回以上がそれ以上の効果を生むかは不明なのです。

また頻度が多くなりすぎるとオーバーワークになってしまう可能性があります。一度オーバーワークになると筋力の低下や怪我など様々な悪影響が出てしまうので注意しなければいけません。実際、多くの人はやりすぎてしまうことが多いので、決して無理はせずに自分に合ったセット数や頻度を見つけていきましょう。

デクラインベンチプレスで綺麗な大胸筋を手に入れよう

デクラインベンチプレスは大胸筋下部を鍛えるのに非常に効果的な筋トレです。通常のベンチプレスやインクラインベンチプレスなどと取り組めば、全体的にバランスの取れた綺麗な大胸筋を作れます。ぜひ日々のトレーニングメニューに取り入れて、理想的な大胸筋を手に入れましょう。

(大胸筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)