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インクラインダンベルカールのやり方!上腕二頭筋を短期間でデカくするコツをプロが解説

2020年04月10日

インクラインダンベルカールは上腕二頭筋のピークを作る長頭に特に効く筋トレです。今回はこのインクラインダンベルカールの効果的なやり方や重量・回数などの効かせるためのコツを解説します。力こぶを短期間でデカくしたい人はぜひ参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

インクラインダンベルカールは上腕二頭筋長頭に効果的な筋トレ

インクラインダンベルカールは、インクラインベンチでダンベルカールを行う種目です。主に上腕二頭筋の長頭を集中的に筋肥大させたい時などに向いています。

また上腕二頭筋は、ミッドレンジポジションやコントラクトポジションにて負荷がかかる種目がほとんどです。しかし、インクラインダンベルカールは数少ないストレッチ種目なので、上腕二頭筋のトレーニングの中でもかなり重宝される種目でもあるのです。

今回はこのインクラインダンベルカールの効果的なやり方や効果を高めるポイントを紹介します。それでは最初にこの種目で鍛えられる筋肉の部位と得られる効果について見ていきましょう。

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インクラインダンベルカールで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

先ほど解説したようにインクラインダンベルカールでは主に上腕二頭筋を鍛えることができます。それでは早速鍛えられる上腕二頭筋がどのような筋肉なのか、鍛える事で得られる効果と合わせて紹介します。

上腕二頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html#chapter-6

上腕二頭筋は長頭と短頭から構成される筋肉です。そして主に肘を曲げたり、前腕を回外させる作用を持っています。

通常のダンベルカールでは自分から肘を曲げたとしても、骨で支えてしまったり、三角筋前部でダンベルを上げてしまうことがあります。しかし、インクラインダンベルカールでは肘が体の後ろに来るので上腕二頭筋の長頭が伸びきり、より効果的に長頭に負荷を与えられる特徴があるのです。

この長頭は上腕の外側にある筋肉で、力こぶのピークの高さを作る筋肉となっています。そのためこの種目で鍛えるとより大きく高さのある力こぶが作りやすい効果が得られるのです。ちなみに肩関節を外旋させれば、上腕二頭筋の短頭を鍛えられ、立体感のある腕を作るのにも役立てることができます。

(上腕二頭筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

インクラインダンベルカールの効果的なやり方

それではここからインクラインダンベルカールの効果的なやり方について解説します。間違ったやり方では怪我を引き起こす可能性があります。そのため実践前に正しいフォームや動作のポイントをチェックしておきましょう。

①インクラインベンチの角度を調整する

まずはインクラインベンチを用意します。インクラインベンチの角度は倒し過ぎないように注意しましょう。

おすすめは60度くらいです。柔軟性に余裕がある方や、さらにストレッチを掛けたいという方は45度くらいまでなら倒しても良いでしょう。

②スタートポジョンを作る

ダンベルを持ってインクラインベンチに背中をつけて座ります。大股開きにならないように足をやや閉じ、両腕は床と垂直になるように体の横に降ろしておきましょう。これがインクラインダンベルカールのスタートポジションとなります。

上の画像は短頭を狙うためのスタートポジションです。通常のインクラインダンベルカールのスタートポジョンにセットができたら、最後に肩関節を外旋させて手のひらが外側を向くようにダンベルを構えます。

③肘を固定してダンベルを挙げて降ろす

肘の位置を動かさないようにしてダンベルをゆっくりと挙げて降ろすのを繰り返します。なるべく脇を締めて両手の軌道が平行になるように意識すると上腕二頭筋の長頭によく負荷がかかります。ダンベルを挙げる角度は自然に曲げられる程度で、それ以上無理に曲げ過ぎないよう注意してください。

短頭を狙ったフォームでは上の画像のように肩関節を外旋させたまま肘を固定してダンベルの挙げ降ろしを繰り返します。通常のインクラインダンベルカールと同じように反動を使わないようにゆっくりと動かし、フォームが崩れないようにしましょう。

インクラインダンベルカールのコツ&注意点

インクラインダンベルカールを行う上でのコツや注意点は以下の3つあります。

①勢いよく降ろす
②手首が痛い
③肩が痛い

それでは①の勢いよく降ろすことから順番に解説していきます。

①勢いよく降ろす

上の画像のように、ダンベルを勢いよく降ろすのはインクラインダンベルカールではNGです。勢いよく降ろすと肩が可動域を超えて、体の後ろのほうまで肩が伸びてしまい怪我を引き起こす可能性があるのです。

安全性を確保するためにもダンベルを降ろす時は、フォームが崩れないようにゆっくりと戻すように意識しましょう。

②手首が痛い

インクラインダンベルカールでは手首に痛みを感じるケースが多く見られます。これは上の画像のように手のひらの先端部分でダンベルを持ってしまい、手首が反って負担が増えていることが主な原因です。

この問題への対処としては、ダンベルを手首側で巻き込むように持つようにする方法が有効です。このように持つことで手首の反りを防止でき、手首へのダメージを軽減することができます。また上腕二頭筋が働きやすくなるメリットもありますので、ダンベルの持ち方もしっかりと意識してインクラインダンベルカールを行いましょう。

③肩が痛い

インクラインダンベルカールを行うと肩に痛みが生じることもあります。この場合、主に2つの原因が考えられます。

1つ目は肩の可動域が狭いことです。この場合はしっかりと鎖骨から胸を開くようなフォームを意識すると肩甲骨が良く動くため、痛みがマシになることがあります。しかし、それでも柔軟性が足りずに痛みを感じる場合は、インクラインダンベルカールを中止するか、ベンチの角度をさらに上げるようにしましょう。

2つ目の原因はインクラインベンチの角度です。ストレッチを重視しすぎてインクラインベンチの角度を30度以下に設定する方がいますが、これはNGです。上腕二頭筋は肩甲骨につながっているため、上腕二頭筋に対する過度なストレッチ負荷はSLAP損傷につながる可能性があります。SLAP損傷は関節唇の上腕二頭筋腱付着部が剥離したり断裂したりする肩関節の損傷です。

そのためもしインクラインダンベルカールに痛みを感じた場合はすぐさま種目を中止してください。そして先ほどと同じように痛みを感じない程度のインクラインベンチの角度に調整して対応するようにしましょう。

インクラインダンベルカールの最適な重量・回数・セット数

インクラインダンベルカールを行う上での最適な重量や回数は筋トレの目的によって変わります。筋力アップには1~6回、筋肥大には6~12回、筋持久力アップには15回以上の回数で限界が来る重量を扱うのが基本です。ただし、負荷が軽い場合でも限界までトレーニングを行えば同程度の筋肥大効果が得られます。

ちなみに上腕二頭筋は紡錘状筋に分類されます。この紡錘状筋という種類の筋肉は回数を多くこなすトレーニングが効果が高いとされています。そのため上腕二頭筋を鍛えるインクラインダンベルカールについても低負荷でハイレップ気味に負荷をかけて、仕事量を増やすのがおすすめです。

セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットくらいが目安です。また週1回よりも週2回の方が筋トレの効果が高いという研究結果もありますが、それ以上の効果についてはわかっていません。そのためオーバーワークにならないように無理のない範囲でインクラインダンベルカールに取り組むようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

筋トレに取り組む上で最も重要なのは正しいフォームで限界まで追い込むことです。

インクラインダンベルカールの効果を高める為のポイント

最後にインクラインダンベルカールの効果をさらに高める為の以下のポイントを紹介します。

①上腕二頭筋の収縮種目などと行う
②上腕三頭筋の種目と行う

それでは①の上腕二頭筋の収縮種目と行うことから順番に詳しく見ていきましょう。

①上腕二頭筋の収縮種目などと行う

上腕二頭筋の筋肥大をより効率的に狙うのであれば、負荷のかかるポイントが異なる3つの種目を組み合わせる筋トレの方法がおすすめです。これはPOF法(Position of Flexion)と呼ばれるやり方で、ミッドレンジ種目→ストレッチ種目(伸展)→コントラクト種目(収縮)の順番で筋肉を追い込みます。

上腕二頭筋の筋肥大狙いの場合「アームカール(ミッドレンジ)→インクラインダンベルカール(ストレッチ)→ケーブルカール(コントラクト)」の順番で行うのがおすすめです。ぜひ腕の日の筋トレメニューの組み方として活用してください。

(アームカールについては以下の記事も参考にしてみてください)

②上腕三頭筋の種目と行う

太くたくましい腕を演出するには、上腕の中でもっとも大きい筋肉にあたる上腕三頭筋を一緒に鍛えて筋肥大させることも大切です。また上腕三頭筋は上腕二頭筋に対しての拮抗筋で、一緒に鍛えると上腕二頭筋のパフォーマンスの改善や疲労回復促進効果なども期待できます。

上腕三頭筋の筋トレにはディップスやプレスダウンなどがあります。太くたくましい腕が欲しい方は、インクラインダンベルカールと併せてメニューに組み込んでみましょう。

(ディップスやプレスダウンについては以下の記事も参考にしてみてください)

インクラインダンベルカールで上腕二頭筋を鍛えて極太の腕に

インクラインダンベルカールは上腕二頭筋にストレッチの負荷をかけることができる貴重な種目です。低重量ハイレップでも十分に筋肥大を狙えるので、正しいフォームを意識して重量と回数に注意しながら行ってみてください。そして効率的に筋肥大を起こし、極太の腕を手に入れましょう。

(上腕二頭筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)