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インナーマッスルとは?体幹とは別?作用&鍛える効果〜鍛え方など徹底解説!

2020年11月15日

筋トレブームによってインナーマッスルという言葉をよく耳にするようになりました。しかし、インナーマッスルとはなにか理解していますか?この記事ではインナーマッスルとはなにか解説すると共に、体幹との違いや鍛えるメリットについても紹介します。ぜひ参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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インナーマッスルとは?体幹とは別?

インナーマッスルとは身体の深層に位置する筋肉です。深層筋とも呼ばれ、主に関節を安定させるための役割を持っています。よく一緒に使われる言葉として、アウターマッスルという言葉があります。アウターマッスルとは身体の表面に位置する大きな筋肉です。深層筋と対比して表層筋と呼ばれます。誤解されやすいのですが、インナーマッスルと体幹は違います。

体幹とは体幹筋のことを指し、身体全体の筋肉の胴体の部分のことです。インナーマッスルとは身体全体の筋肉の全ての深層にある筋肉の総称です。つまり、体幹筋の深層にある筋肉だけではなく腕や足の深層にある筋肉のこともインナーマッスルと呼びます。筋トレにおいて自分がどこの筋肉を鍛えているのかを意識することはとても重要です。

そのためにも筋肉についての正しい知識を持ちましょう。次から更に詳しくインナーマッスルについて解説していきます。

インナーマッスルがある位置【体幹編】

体幹筋にあるインナーマッスルを部位別に分けて解説していきます。

腹横筋(ふくおうきん)

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-8

腹横筋とは腹筋の深層にある筋肉です。体幹を安定させる役割を持ちます。お腹に圧力をかけて排泄の補助的な作用を発揮する筋肉でもあります。

多裂筋(たれつきん)

出典:https://bukiya.net/blog/backpainmenu/

多裂筋とは背骨の深層についています。身体を反ったり、片側に傾ける時に使う筋肉です。背骨は構造上、安定性が低いのですがそれを補っているのが多裂筋です。姿勢を維持する上で重要な筋肉になります。

横隔膜(おうかくまく)

出典:http://springs-pilates.com/biomechanics/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%80%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%80%80vol-4-%E5%91%BC%E5%90%B8%E3%81%AE%E4%B8%BB%E5%BD%B9%EF%BC%81%E6%A8%AA%E9%9A%94%E8%86%9C/

横隔膜とは肋骨の下方辺りに位置する筋肉です。呼吸をする際に収縮し、内蔵を押し下げることで肺のスペースを広げ、空気を入れます。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

出典:https://aiko-holistic-lesson.com/2019/06/26/breathing-update02/

骨盤底筋群とは骨盤の底にある筋肉の総称です。膀胱や子宮を支えたり、排泄をコントロールする役割を持っています。

インナーマッスルがある位置【肩関節編】

肩関節にあるインナーマッスルを部位別に分けて解説していきます。

回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)

出典:http://kitchensink11.seesaa.net/article/350103100.html

回旋筋腱板とは4つの筋肉の総称です。肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の4つです。

肩甲下筋(けんこうかきん)

出典:https://www.marutake89.com/brog/567/.html

肩甲下筋とは4つの筋肉からなる回旋筋腱板の1つです。肩を内側に動かすときに作用する筋肉です。

棘上筋(きょくじょうきん)

出典:https://biz-journal.jp/fitness/2020/06/post_11815

棘上筋とは4つの筋肉からなる回旋筋腱板の1つです。腕を横に動かす時に作用します。

棘下筋(きょくかきん)

出典:https://ameblo.jp/tosyuryoho/entry-12279695611.html

棘下筋とは4つの筋肉からなる回旋筋腱板の1つです。腕を外側に動かす時に作用する筋肉です。

小円筋(しょうえんきん)

出典:https://shogokoba.com/blog/archives/6948

棘下筋とは4つの筋肉からなる回旋筋腱板の1つです。腕を外側に捻る時に作用します。

インナーマッスルがある位置【股関節編】

股関節にあるインナーマッスルを部位別に分けて解説していきます。

梨状筋(りじょうきん)

出典:https://hearts-bridge-jp.com/2019/06/05/hip-3/

梨状筋とは大腿骨を外側に動かす時に作用する筋肉です。

外閉鎖筋(がいへいさきん)

出典:http://totubokobayashi.grupo.jp/photo/04539f073f2f4c3ff283474d8ddf9ccc/5653240

外閉鎖筋とは身体の向きを変えたり、歩く方向を変える時に作用する筋肉です。

内閉鎖筋(ないへいさきん)

出典:https://dokodemofit.com/1263

内閉鎖筋とは股関節を外側に動かす時に作用する筋肉です。

大腿方形筋(だいたいほうけいきん)

出典:https://forphysicaltherapist.com/2019-10-20-210850/

大腿方形筋とは股関節を外方向に回す時に作用する筋肉です。

小殿筋(しょうでんきん)

出典:https://seitai-biwa.jp/blog/584

小殿筋は股関節を開いたり、歩行時に骨盤を支える役割を持つ筋肉です。

腸腰筋(ちょうようきん)

出典:https://football-junior-training.com/wp-content/uploads/2018/05/0002-min-1-e1576312912382.jpg

腸腰筋とは身体の上半身と下半身をつないでいる筋肉です。腰の辺りにある大腰筋と骨盤の内側にある腸骨筋が組み合わさって出来ています。深腹筋とも呼ばれている筋肉です。腿や膝を持ち上げる作用があります。

インナーマッスルの作用と鍛える効果

インナーマッスルとは目に見えない筋肉です。この筋肉は普段どのように私たちの身体に作用しているのでしょうか?また、インナーマッスルを鍛えることでどのような効果があるのかも紹介します。

インナーマッスルの作用

インナーマッスルは身体の深層に位置する筋肉です。関節や内臓の働きを安定させる作用があります。身体を動かす際にはアウターマッスルと共に働き、動作を補助する役割があります。姿勢を保つために重要な筋肉です。

インナーマッスルを鍛える効果

インナーマッスルを鍛えることで基礎代謝が上がります。基礎代謝とは私たちが生きていく上で最低限必要なエネルギーのことです。1日で消費するエネルギーの7割を占めていると言われています。脂肪を燃焼するのにも基礎代謝が必要です。よってインナーマッスルを鍛え、基礎代謝を上げれば太りにくい体になります。

インナーマッスルは姿勢を保持するのに重要な筋肉でもありますので、鍛えることで姿勢を正しくすることも可能です。体幹が安定すれば運動能力も向上します。以上の点からインナーマッスルを鍛えることのメリットは多いと言えるでしょう。

インナーマッスルとアウターマッスルの関係

インナーマッスルとアウターマッスルの関係を説明する前に、そもそもアウターマッスルとはなにか知っていますか?ここではアウターマッスルとはなにか、インナーマッスルとの関係性とあわせて紹介していきます。

アウターマッスルとは

アウターマッスルとは身体の表層に位置する、目に見える大きい筋肉です。物を持つ、走るなどの日常の様々な動作で作用する筋肉です。アウターマッスルはウエイトトレーニングなどで鍛えることができます。筋肥大を目的として筋トレをしている方は、このアウターマッスルを鍛えているとも言えます。

インナーマッスルとアウターマッスル

アウターマッスルが身体の表層に位置する大きな筋肉なのに対してインナーマッスルは身体の深層に位置する小さな筋肉です。アウターマッスルは筋肉によって動作が限定的なことが多いですが、インナーマッスルは身体の姿勢の保持や様々な動作に幅広く関係する筋肉です。インナーマッスルの役割の1つにアウターマッスルの動作を補助するというのがあります。

インナーマッスルとアウターマッスルは相互に関係していますが鍛え方には違いがあります。

インナーマッスルの鍛え方

アウターマッスルはウエイトトレーニングなどで鍛えられます。鍛えれば鍛える程、太く大きくできるので成果の見える筋肉です。ではインナーマッスルはどう鍛えるのでしょうか?身体の深層にある目に見えないインナーマッスルの鍛え方を紹介します。

ゆっくり根気強く

インナーマッスルはアウターマッスルのように強い負荷をかけるウエイトトレーニングなどでは鍛えられません。インナーマッスルを鍛えるには正しいフォームでゆっくりとした動作が必要になります。エクササイズをイメージすると良いでしょう。またインナーマッスルは成果の見えにくい筋肉ですので、根気強く継続することが重要です。

ドローイン

体幹トレーニングの基本であるドローインでインナーマッスルを鍛えることができます。ドローインとは呼吸を使ってお腹をへこませたり膨らませたりして体を鍛えるトレーニングです。体幹筋のインナーマッスルである腹横筋などに効果があります。

▼ドローインのやり方
①仰向けの状態で膝を立てる
②ゆっくり息を吐いて限界までお腹をへこませる
③お腹がへこんだ状態を維持しながら浅い呼吸を繰り返す
④30秒程続けて元に戻す

プランク

板という意味があるプランクは文字通り体の姿勢を板のように真っ直ぐ維持して体を鍛えるトレーニングです。体幹筋のインナーマッスルである腹横筋などに効果があります。

▼プランクのやり方
①両肘と両足の4点で体を支える
②お腹をへこませる
③腹筋とお尻を締める
④20秒程姿勢を維持する
⑤3セットを目安に①~④を繰り返す

バックブリッジ

バックブリッジは体幹筋のインナーマッスルである腹横筋と多裂筋を鍛えることができるトレーニングです。

▼バックブリッジのやり方
①両肩と両かかとの4点で体を支える
②お尻を浮かせる
③20秒程姿勢を維持する
④3セットを目安に①~③を繰り返す

サイドブリッジ

サイドブリッジは腹横筋と腹斜筋のインナーマッスルに効果的なトレーニングです。

▼サイドブリッジのやり方
①肘と片足の外側で体を支える
②20秒程姿勢を維持する
③3セットを目安に①~②を繰り返す(反対側も)

(インナーマッスルの鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

インナーマッスルは筋肉痛になる?

普段意識することのないインナーマッスルですが実は筋肉痛になることがあります。くしゃみや咳などの日常の動作で知らず知らずのうちにインナーマッスルを使っているからです。他にも初めて体幹トレーニングをしたという人は筋肉痛になりやすいです。ここでは筋肉痛になってしまった時の対処法を紹介します。

栄養をとる

筋肉痛とは筋肉の炎症です。筋肉の炎症を緩和するには栄養をとることが有効とされています。具体的にはタンパク質と脂質をとると良いです。合わせてビタミンも補給しましょう。コーヒーは筋肉痛には大敵ですので控えるように気を付けてください。

睡眠をとる

しっかりとした睡眠は疲労だけではなく筋肉痛にも効果があります。睡眠中に分泌される成長ホルモンが損傷した筋肉を回復させるからです。睡眠は毎日決まった時間にとることが大切です。規則正しい生活を送るようにしましょう。

水分補給をする

水分補給はとても重要です。人間の体はほとんどが水分で構成されています。体の機能を正常に働かせるためには水分が必要なのです。筋肉痛にも水分は有効ですので、こまめに水分を取るようにしましょう。その分回復が早まります。適量は男性がコップ13杯、女性がコップ9杯です。

体を軽く動かす

体が痛いからといって全く動かないでいると逆に筋肉痛が長引きます。適度にストレッチをするなどして無理のない範囲で体を動かしましょう。筋肉の緊張がほぐれて効果があります。

(インナーマッスルの筋肉痛については以下の記事も参考にしてみてください)

インナーマッスルの嘘や噂

筋トレブームによって広く周知されたインナーマッスルという言葉ですが、そこには様々な嘘や噂があります。ここではそんなインナーマッスルに関する話を紹介していきます。

インナーマッスルは鍛えても意味がない

インナーマッスルはアウターマッスルの動作を補助する役割があります。つまりインナーマッスル単体では大きな動作をすることができません。しかしインナーマッスルを鍛えることで、正しい姿勢の保持や基礎代謝を上げることができるので全く意味がないとは言えません。

インナーマッスルを鍛えるだけで腹筋が割れる

残念ながらインナーマッスルを鍛えるだけでは腹筋は割れません。腹筋を割る為には、アウターマッスルである腹直筋を鍛えることが必要だからです。同時に体重管理も必要な項目になってきます。ただし、腹筋関連の筋トレはほとんどがインナーマッスルとアウターマッスルの両方を鍛えられます。あまり神経質になる必要はないでしょう。

インナーマッスルを鍛えれば怪我をしにくい

インナーマッスルは関節の動作を補助する役割があります。結果として怪我をしにくいと認識されているかもしれません。しかし、インナーマッスルを鍛えるだけでは怪我をしにくい体を作るのには不十分です。捉え方の問題かもしれませんが、総合的な筋力トレーニングが怪我をしにくい体を作るためには重要なのです。

(インナーマッスルの嘘や噂については以下の記事も参考にしてみてください)

インナーマッスルとは何かしっかり理解しよう

インナーマッスルを鍛えることは、筋トレにおいて重要だと言われることが多いです。しかしどう重要なのか正しく認識できている人は少ないのではないでしょうか?間違った噂や嘘も多いです。筋トレは正しい知識の元、効率的にやることが大切になります。盲目的にならずに正しく理解してからインナーマッスルを鍛えましょう。