ボディビルダー鈴木雅とは？巨人との契約〜生い立ち、筋トレ・食事・サプリなど

JBBF日本ボディビル選手権9連覇という偉業を成し遂げた鈴木雅は、ボディビル界のゴールデンボーイとも呼ばれています。また、ボディビルダーとしての輝かしい実績を積み上げる一方で、現在は株式会社THINKフィットネスのゴールドジムトレーニング研究所所長としても活躍中です。

体脂肪率は、コンテストコンディション時で5％、大会のないオフシーズンでも10％程度をキープしているようです。食事管理やトレーニングを継続しておこなう妥協のない姿勢が、数々の大きな大会での素晴らしい結果に繋がっています。

この記事では、鈴木雅のこれまでの経歴と共に、筋トレ方法やトレーニング前の食事法を紹介。そして気になるプロ野球巨人軍とのトレーナー契約の経緯、さらには日本ボディビル選手権2019年大会の欠場の理由など、盛り沢山の内容で迫っていきます。

2010年に日本ボディビル選手権で初優勝を果たした鈴木雅ですが、ボディビルダーとしての道のりは、決して初めから順風満帆ではなかったようです。それでは、気になる生い立ちや経歴を見ていきましょう。

1980年に生まれた鈴木雅は、福島県福島市の出身です。小中学生の頃はクラスで一番背が低かったようです。また、スポーツは好きなものの、遊びに熱中し過ぎて体調を崩すこともありました。

鈴木雅に転機が訪れるのは、高校一年生の冬です。当時、野球部のピッチャーだった鈴木雅は、『ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル』というメジャーリーグ選手が書いた本に触発されて、ウエイトトレーニングを開始します。

当初は野球のトレーニングの一環として筋肉をつけるために行っていましたが、バッテリーを組んでいた友人と楽しく競うようにウエイトトレーニングを続けます。そして、高校卒業時にはベンチプレス110kgを持ち上げられるまでの実力をつけました。

帝京大学文学部の心理学科に入学した鈴木雅は、日々の学業とアルバイトの両立に追われて高校時代には日課だったウエイトトレーニングからしばらく離れてしまいます。一日一食で済ませてしまう日も多くなり、60kg台あった体重も50kg台へと減少していました。

2000年頃の日本は、人気に火がついていた総合格闘技やK-1の影響もあり、筋トレが一大ムーブメントとして流行。鈴木雅も、その流れに背中を押されて多摩スポーツジムに入会します。ジムで出会った仲間から、須江正尋、マッスル北村らボディビルダーの映像を見せられて、ボディビルの世界に興味を持ちました。

その後、田代誠が『月刊ボディビルディング』で連載していた、解剖学的アプローチを主軸に据えたウエイトトレーニングの方法を知ります。ボディビルダーの田代誠が説く、トレーニングをする上でのロジカルな考え方や知識を、鈴木雅は自身のベースとして蓄積していきました。

（田代誠については以下の記事も参考にしてみてください）

大学を卒業後、鈴木雅は株式会社THINKフィットネスに入社します。田代誠を含めた周囲の勧めもあり、2004年に東京オープン選手権の75㎏超級でボディビルダーデビューを飾りました。しかし、結果は惜しくも同点の2位。同年の東京クラス別選手権にも75㎏超級で参加をしましたが、3位という結果に終わります。

苦い思いを味わった鈴木雅は、食事管理とトレーニングを見直して、2005年の東京選手権で見事優勝を果たします。同年の日本ボディビル選手権にも東京ボディビル連盟推薦という異例の形で出場を決めて、12位に入賞しました。

日本ボディビル選手権での結果を受けて、鈴木雅は5年間かけてバルクアップする計画を立てます。地道な努力が実を結び、年を追うごとに優勝圏内へと順位を伸ばした鈴木雅は、2010年の日本ボディビル選手権で初優勝の栄冠を手にしました。

2010年の日本ボディビル選手権の優勝以降も、鈴木雅の快進撃はとどまるところを知りません。2018年に日本選手権を9連覇するという偉業を果たしたのみならず、2016年にはアーノルド・クラシック・アマチュア男子ボディビル選手権の80㎏級で日本人として初優勝を飾っています。ボディビル界のゴールデンボーイという異名に恥じない快挙です。

（ボディビルポーズの種類や名前については以下の記事も参考にしてみてください）

10連覇を狙っていた2019年の第65回日本ボディビル選手権ですが、鈴木雅は負傷の影響により欠場となりました。その結果、2016年の全日本ジュニアボディビル選手権の優勝で頭角を現していた横川尚隆が、絶対王者不在のまま初優勝となります。一部では現役引退も噂された鈴木雅ですが、現在の段階で明言はしていないようです。

2021年1月、鈴木雅が球団スタッフとして、プロ野球の巨人軍と契約したことが明かされました。年間100日ほどの契約で、若手選手のウエイトトレーニングや食事指導など、フィジカル面の強化に力を注ぐ模様です。

今回の抜擢の裏には、日本シリーズで巨人軍がソフトバンクホークスを相手に2年連続で全敗を喫したことに理由があるようです。ソフトバンクホークスは、2010年よりボディビルダーとして世界的にも活躍した髙西文利とアドバイザー契約を結び、選手の育成に役立てています。そのため、巨人軍がソフトバンクホークスのノウハウを見習ったとの見方が有力です。

また鈴木雅は、2020年に出版された書籍『ゴールドジムメソッド　フォー・ベースボールプレイヤーズ』で、野球選手の体づくりに関してのメソッドを元巨人軍の星野真澄らとともに監修しています。その際に結ばれた縁も、抜擢理由の一つではないかと言われています。

巨人軍のフィジカルトレーナー契約が記憶に新しいものの、鈴木雅は元々ゴールドジムのトレーニング研究所所長としても活動しています。また、2020年の6月にはオンラインサロン『鈴木雅塾』も開講しました。幅広いフィールドで活躍する鈴木雅の仕事内容、そして気になる年収に迫りましょう。

鈴木雅はゴールドジムのトレーニング研究所所長として、年間50回ほどの社内・外部研修を実施しています。大手スポーツジムのインストラクター平均年収は320万円～480万円程度と言われていますが、ボディビル界でもレジェンドだと評される鈴木雅の知名度がもたらす経済効果を考えると、年収1,000万円以上の可能性もあります。

雑誌での対談企画や、2013年からはウエイトトレーニング雑誌『IRONMAN』の企画でお笑い芸人オードリーの春日俊彰をパーソナル指導するなど活躍しています。世界チャンピオンの指導と本人の努力の甲斐もあり、春日俊彰は2015年、東京オープンボディビル選手権大会の75kg級において5位入賞という好成績を残しました。

ただ、あくまでゴールドジムのトレーニング研究所所長という肩書がついてくることもありますので、収入の内訳は不明です。しかしながら、特別報酬だけでも一般的なサラリーマンを凌ぐ年収を叩き出している可能性は高いと言えます。

（パーソナルトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください）

2020年6月からは、DMMオンラインサロン『鈴木雅塾』を開講。月額11,000円で、鈴木雅による月2回のレギュラー講義や月1回の特別講義の動画を見ることが出来ます。公式ホームページによると、対象者は「中・上級者トレーニー、ボディビルマニア」などの記載があるため、前提条件として筋トレや筋肉に関する基礎的な知識を有している人向けのようです。

なお、この『鈴木雅塾』に関してもゴールドジム講師としての肩書がついているため、個人での契約というわけではなさそうです。

2021年1月、鈴木雅がプロ野球の巨人軍とトレーナー契約を結んだことが明かされました。自身がかつて野球をしていたこともあり、ボディメイクで培った知識を存分に活かして、故障リスクを低減させる選手の体づくりをサポートしていくことでしょう。

収入面も気になるところですが、プロスポーツチームのトレーナーの平均年収は300万円～1,000万円、中には2,000万円越えもあるようです。鈴木雅のトレーニング指導の下、若手選手のフィジカル面が向上してチームの貢献につながったとなれば、特別報酬が発生する可能性もあります。

日本選手権9連覇のみならず、国際的なコンテストでも通用する鈴木雅のボディメイク術の秘訣はどこにあるのでしょうか。鈴木雅が推奨する筋トレをチェックしていきましょう。

鈴木雅は理論に基づいた筋肉トレーニングを行うことの重要性を説いています。筋力を伸ばす、筋肉を破壊する、筋肉をパンプアップさせる、というこの3つが、筋肉の機能面を伸ばすための生理学的なアプローチとして大切だと言うのです。

また、トレーニングをするにあたって、鈴木雅は分割法を用いてメニューを組んでいます。多摩スポーツジムで知り合った中央大学ボディビル部の中島土から教えてもらったというこの方法を、現在も採用しているようです。

分割法では、背中、肩・三頭、脚、胸・二頭というように、トレーニング部位を日にちごとに分けて筋トレをおこないます。そうすることで、激しい運動によって破壊された筋肉を一旦休ませて、回復したタイミングで再び筋トレをすることができます。分割法は各部位の筋肉を効率よく鍛えるために、とても効果的な方法です。

（分割法については以下の記事も参考にしてみてください）

鈴木雅と言えば、鍛え上げられた脚の筋肉の美しさにも定評があります。こちらのYouTube動画では、「一番効く脚トレ6種目」として、以下のトレーニング内容を取り上げています。

・レッグプレス　10回×3セット
・ハックスクワット　10回×3セット
・レッグエクステンション　10回×3セット
・シーテッドレッグカール　10回×3セット
・アウターサイ　10回×3セット
・インナーサイ　10回×3セット

脚のトレーニングのポイントとしては、シートへ座った時にしっかりと骨盤を立てて姿勢を正すことが大切であると説いています。また、体が硬いために結果的に膝だけを使っていたという事態が起こらないよう、ストレッチや柔軟体操の重要性についても指摘。お尻、ハムストリングス、大腿四頭筋をバランス良く鍛えましょうとのことです。

（レッグプレスについては以下の記事も参考にしてみてください）

それでは、鈴木雅の食事法や摂取しているプロテイン、サプリメントを紹介します。ボディメイクをする上でぜひ参考にしてみてください。

こちらの動画は、『IRONMAN JAPAN』のYouTubeチャンネルで配信された、食事やプロテインの摂取法に関する疑問点に答えた動画です。トレーニングをする際に体の中のタンパク質が不足していた場合、筋肉が分解されてしまうため、鈴木雅はトレーニング前の摂取が大切だと言っています。

筋トレの1時間前であれば、少量の甘いものとプロテインを摂取。また筋トレの2時間前であれば、普通の食事と、固形のタンパク質として肉や魚を摂取するべきであるとしています。そしてトレーニング後にはリカバリーとしてのプロテイン摂取を推奨していました。

タンパク質の摂取量の目安として、一般の人は1日あたり体重×1ｇとされています。しかし、筋トレで多くのタンパク質を消費するボディメイク対象者は、体重×2ｇのタンパク質を食事やプロテインで摂取すべきと答えています。

プロテインに関しては、免疫力を高めるために品質の保証された製品を推奨しています。選定のポイントとしては、アレルギーの原因にもなる乳糖が含まれていないものや、パウダーがさらさらでシェイクした際にきちんと溶けるものがオススメのようです。

鈴木雅自身は、ゴールドジムのCFM製法で作られたホエイプロテインを愛用しています。特徴としては、CFM製法という独自の技術により不純物がろ過されて、高純度のタンパク質を効率的に摂取できることです。鈴木雅は1か月に6～8kg程度のプロテインを摂取するようで、筋肉づくりのみならず健康そのものにも直結するため、品質にもこだわっています。

（筋トレ前にプロテインを飲むメリットについては以下も記事を参考にしてみてください）

こちらの動画は、筋肉系YouTuberとして活躍中のジュラシック木澤とのスペシャルコラボ動画です。対談の中で、サプリメントとしてはビタミンとクレアチンを摂取することを明かしています。これらの栄養素は体感として即効性があるものではないものの、コンディションや体調を普段から整えるために摂取しているようです。

そして、いつも通りの状態でいかに自分のベストな体を作れるかが大切であると鈴木雅は語っています。鍛え抜かれた体を作るには、地道な努力の継続が不可欠なことがこの動画から分かります。

ボディビルの専門誌やYouTubeでも見かける機会の多い鈴木雅ですが、プライベートについて言及することはあまりありません。気になる結婚相手や嗜好品について紹介していきます。

鈴木雅は2012年2月に、水間詠子というボディビルでも活躍した経歴を持つ15歳年上の女性と結婚しています。水間詠子は、1997年のアジア女子ボディビル選手権52kg以下級で優勝した、実力を持っている選手です。チャンピオンの重責と栄光を分かち合えるパートナーとして、お互いに惹かれ合うのも納得です。

2017年に発売された『鈴木雅　PERFECT BOOK』では、好きなアロマの香りはイランイランであることを明かしています。絶対王者の意外な側面に驚きもありますが、イランイランの効能には「疲れを癒すリラックス効果」もあるとのことで、ハードなトレーニングを終えた後のオフの時間も大切にしているのでしょう。

メソッドに基づいたハードな筋トレ、そして徹底した食事管理で作り上げられた鈴木雅の筋肉美を堪能しましょう。

上腕二頭筋と三角筋のもっちりとした絶妙なカーブが完璧な仕上がりです。特にポージングをしているわけではありませんが、王者の風格あるたたずまいです。

こちらは一般イベントに参加した、日本ボディビル選手権4連覇の頃の鈴木雅です。日の当たる場所で見ると、筋肉の陰影がよりはっきりとします。

2021年1月3日、Instagramからの画像です。全身が美しく鍛え上げられていますが、見事に盛り上がった大腿部が目を引きます。

盛り上がった全身の筋肉が、他の選手を圧倒する完璧なフォルムです。

2019年2月28日に投稿されたInstagramからの画像です。以前アーノルド・クラシック・アマチュア男子ボディビル選手権に出場した際の写真ですが、浅黒い肌に仕上げ切った筋肉のコントラストがトレーニングの成果を物語っています。

2016年のアーノルド・クラシック・アマチュア男子ボディビル選手権で初優勝を飾った写真です。皆で優勝の喜びを分かち合っていますが、美しく割れた腹筋が目を引きます。

こちらはバックポーズですが、引き締まった背中と大臀筋が威厳すら感じさせます。

綺麗なカーブラインを描く三角筋と上腕二頭筋が、別次元級に美しい一枚です。トレーニング風景も絵になります。

須山翔太郎選手との一枚です。トップ選手同士の見事としか言いようのない筋肉美に、目が釘づけになります。

2018年日本ボディビル選手権9連覇を果たした際のInstagramへの投稿写真です。全身の筋肉が隈なく鍛え上げられており、どの部位を取っても完璧な一枚です。

数々のボディビル大会での輝かしい実績を持ち、現在もボディビルの普及においてその活動の幅を広げている鈴木雅について紹介しました。ロジカルなメソッドに基づく筋トレの実践と、たゆまぬ努力が素晴らしい結果に結びついていることが分かります。魅力的な鈴木雅の筋肉を目指して、日々の筋トレに励みましょう。