糖質制限は本当に危険なのかどうか真相を解明!
ダイエット方法として人気がある糖質制限。これは糖質をカットして脂質やタンパク質メインの食事メニューにするという食事方法です。しかし、最近は糖質制限は危険だと言われていることをご存知でしょうか。そこで、この記事では糖質制限は本当に危険なのか真相を解明します。糖質制限をしようと考えている方はぜひチェックしてみてください。
糖質制限による危険性
それではさっそく糖質制限による危険性について解説します。糖質制限によって起こるとされている危険性は以下の通りです。
・頭が一日中ぼーっとする
・便秘になってしまう
・筋肉が落ちてしまう
・ケトン体が増えてしまう
・血液がドロドロになる
・生活習慣病にかかりやすくなる
・死亡率が高まる
糖質制限をして健康を維持するためには、これらの危険性についてきちんと理解することが重要です。まずは「頭が一日中ぼーっとする」というポイントから確認しましょう。
頭が一日中ぼーっとする
糖質制限を続けると「頭が一日中ぼーっとする」という声があります。しかし、頭がぼーっとする場合は糖質の摂取量が理由ではなく、タンパク質や脂質の摂取量が足りていない可能性が高いです。糖質は摂りすぎると血糖値が急激に上昇します。その状態から血糖値が急激に下がると、ぼーっとしたり眠くなったりします。
午後に眠くなることが多い場合、昼食時に糖質をたくさん摂取したことが原因です。このように糖質の摂りすぎでぼーっとすることはありますが、適切な糖質制限を行っている場合は頭が一日中ぼーっとするということはあまり考えられません。
糖質は、からだの中に入ると「グリコーゲン」という形で肝臓と筋肉中に蓄えられるほか、グリコーゲンを分解した「グルコース(ブドウ糖)」が血液中に「血中グルコース(血糖)」として溶け込みます。これらのグリコーゲンとグルコースが、からだを動かすためのエネルギー源になり、足りなくなると、ぼんやりしたり、ひどい場合は意識がなくなるなど低血糖状態に陥ってしまいます。
しかし、間違った糖質制限を長く続けると頭が一日中ぼーっとするということも考えられます。中部日本放送健康保険組合のサイトに表記されているように、糖質とは体内でグリコーゲンとして蓄えられる栄養素です。また、グリコーゲンを分解したブドウ糖が血液中に血糖として流れ込みます。
このグリコーゲンとブドウ糖が人間のエネルギー源です。そのため糖質の摂取量が少なすぎるとぼーっとしたり、ひどい場合は低血糖状態となり意識をなくしてしまう可能性もあります。ちなみに、人間の身体で糖質を最も必要とするのは脳です。
脳は睡眠中も活動を続けているため、1日に使う全エネルギーのうち18%を消費するとされています。そんな脳のメインエネルギー源となるのが糖質です。そのため、過度な糖質制限を続けると脳が働かず頭がぼーっとしてしまう危険性が高まります。
便秘になってしまう
糖質制限をするとダイエット中の天敵である便秘になる可能性があります。
炭水化物の主な成分は糖質ですが、実は、食物繊維も含まれています。例えば、日本人の主食である米には、100gあたり0.5gの食物繊維が含まれているため、日本人にとって炭水化物は貴重な食物繊維源でもあるのです。
糖質と食物繊維は関係が薄い栄養素というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。しかし、健栄製薬のホームページに表記されているように、炭水化物には糖質だけではなく食物繊維も含まれているのです。糖質制限をするときには多くの方が炭水化物をできるだけ摂らないようにします。
そのため、必然的に食物繊維の摂取量も減ってしまい、便秘になりやすくなってしまうのです。便秘を起こさないためにも、糖質制限をするときはキノコや海藻類など、食物繊維が豊富に含まれている食材を積極的に摂るように意識しましょう。また、食材で摂ることが難しければ、サプリを取り入れることもおすすめです。
(便秘改善に効果的なヨガについては以下の記事も参考にしてみてください)
便秘はヨガで解消!初心者でも即効治る簡単ポーズ〜体験談まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
筋肉が落ちてしまう
間違った方法で糖質制限をしてしまうと、筋肉量が落ちてしまう可能性があります。実際に糖質制限ダイエットをした方の中には、体重と一緒に筋肉も落ちてちょっとした階段の上り下りでもしんどくなってしまったという方もいるのです。
多くの方は糖質制限をする場合、お肉などをメインにしてご飯やパン、芋など炭水化物を含む食材を抜いたメニューを続けます。このような糖質制限ダイエットは、体重を落とすことには効果的です。しかし、健康的なダイエット方法とは言えません。
炭水化物(糖質)が不足している状態だと、体内のタンパク質を分解することでエネルギーが作り出されます。
江崎グリコのサイトにあるように炭水化物(糖質)が足りていないと、体内にあるタンパク質を分解してエネルギー源を作ります。タンパク質は筋肉を作るために必要な栄養素です。そのため、筋肉を維持するためのタンパク質が不足してしまい、体重と一緒に筋肉も落ちてしまいます。
タンパク質が糖質の代わりにエネルギー源となるのなら、その分お肉などでタンパク質を摂取すれば問題ないと考える方もいるのではないでしょうか。実際にエネルギー源の分もタンパク質で補おうとする場合、毎日数kgのお肉を食べる必要があります。しかし、現実的に数kgのお肉を毎日食べることは不可能です。そのため、筋肉はどんどん減ってしまいます。
(低糖質のプロテインバーについては以下の記事も参考にしてみてください)
プロテインバーおすすめランキング15!低糖質・コスパ〜コンビニ・コストコまで比較!
出典:Slope[スロープ]
ケトン体が増えてしまう
糖質制限をするとケトン体が増えてしまうから危険だという意見もあります。ケトン体とは脂肪合成や脂肪分解の中で生まれる中間代謝産物のことです。糖質制限により体内のブドウ糖が少なくなると、血糖値をキープするために体内にあるグリコーゲンがブドウ糖によって分解されてエネルギー源として使用されます。
しかし、グリコーゲンは18~24時間ほどで切れてしまうため、枯渇と同時にタンパク質や脂肪がエネルギー源となるのです。このときに脂肪をエネルギー源にするため、合成・分解をするとケトン体ができます。
1.脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪はそのままの形ではエネルギー源として利用できないため、中性脂肪から脂肪酸が切り離されて血液中のアルブミンと結合し、肝臓に運ばれる。n2.肝細胞に脂肪酸が取り込まれると、カルニチンシャトルと呼ばれる入口からミトコンドリア内に入り、アセチルCoAにまで分解される(β酸化)。n3.アセチルCoAからケトン体であるアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸が作られ、肝臓から放出されて血流にのり、筋肉や脳のエネルギー源として利用される。
脂肪がケトン体となるまでの流れは田中消化器科クリニックのサイトに表記されている通りです。ケトン体が増えた状態のことをケトアシドーシスといいます。ケトアシドーシスになるため、糖質制限は危険性があるとされているのです。しかし、健常人が正しい糖質制限を行っていればケトアシドーシスになる心配はあまりありません。
ケトアシドーシスとは糖尿病や脱水などにより、体内の総ケトン体が7,000μmol/L以上になった状態のことです。脱水症状・意識障害などを引き起こし、ひどい場合は死に至る可能性もあります。しかし、これは糖尿病を患っている方が稀に起こす症状です。一般の健常人が糖質制限でケトン体が多くなったとしても、ケトアシドーシスを起こす心配はありません。
一般の健常人が糖質制限をしてケトン体値が増えると、生理的ケトーシスの状態になります。生理的ケトーシスとは体脂肪が燃えやすい状態なので、ダイエットに最適な体内環境となるのです。
血液がドロドロになる
極端な糖質制限を続けると血液がドロドロになってしまう恐れがあるのです。糖質制限をするときは炭水化物を主に摂らなくなり、タンパク質や脂質がメインの食事を摂るようになります。特にお肉を食べることが多くなるため、必然的に脂質の摂取量が増えてしまいます。
脂質の摂取量が多くなりすぎると、脂質異常を起こして血液がドロドロになってしまう危険性があるのです。実際に極端な糖質制限ダイエットを続け、中性脂肪の数値が基準値を大幅に超えて血液がドロドロになったという方もいます。その結果、酸素を脳に運搬することができず、一過性脳虚血発作を引き起こす可能性も少なくありません。
(低糖質・低脂質のプロテインバーについては以下の記事も参考にしてみてください)
【低糖質・低脂質】プロテインバーのおすすめはコレ!痩せた体験談も!
出典:Slope[スロープ]
生活習慣病にかかりやすくなる
糖質制限をすると生活習慣病になりやすくなるといったイメージを持っている方がいますが、この情報は間違いです。実は生活習慣病を予防するための食事療法として、糖質制限をおすすめしている医師もいます。
世界的に糖質制限食の研究結果の報告が蓄積され、1日の糖質摂取量を120gあるいは150g以下にするような食事法が血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有効であることが示されている。日本人における糖質制限食の無作為比較試験も報告されており、緩やかな糖質制限食の有効性を示している。
引用元:https://www.toukastress.jp/webj/article/2018/GS17-36J.pdf
『適正な糖質摂取についての考察』という論文には、緩やかな糖質制限には血糖、体重、血圧、脂質などメタボリックシンドロームの理由となる要素全てに有効性があると表記されています。現代人は糖質(炭水化物)の摂取量が非常に増えたと同時に、運動量もかなり減った状態です。
そのため、摂取した糖質が消費されず、血液中にはブドウ糖が過剰に蓄積されている状態となっています。ブドウ糖が過剰にあると中性脂肪がどんどん作られるため、脂肪となり肥満になってしまうのです。そのため、糖質の摂取量を抑え血糖値を急激に上げないことをすることで、生活習慣病を予防することができます。
死亡率が高まる
緩やかな糖質制限は心配の必要はありませんが、糖質を完全にカットする極端な糖質制限を長く続けると脂肪率が高まるといった危険性があります。糖質制限はダイエット方法や生活習慣病の食事療法として注目を集めていますが、長期的な効果や安全性についてははっきりとわかっていません。
国立国際医療研究センター病院糖尿病研究連携部の能登洋は、糖質制限による死亡リスクについて海外の医学論文を基に評価・解析しています。その結果を参考にしながら解説します。
全9件の論文がメタアナリシスに選択された。総272,216人(女性66%, 総死亡15,981人)の全死亡リスクは低炭水化物食遵守者で有意に高かった(調整リスク比1.31, 95%信頼区間1.07 – 1.59, p=0.007)。
引用元:https://drc.ncgm.go.jp/news/pressrelease/2012/20130204.html
能登洋が海外の医学論文を基に評価・解析したところ、糖質の摂取量が少ないグループの死亡リスクが1.3倍になることがわかったとのことです。また、糖質制限を長期間続けたところ心血管系の合併症が増え、死亡リスクが上がったという研究結果も報告されています。
糖質制限の危険性を実感した人の体験談
糖質制限が理由で引き起る危険について解説しましたが、実際に危険性を実感した人の体験談が気になるという方もいるのではないでしょうか。そこで、次に糖質制限を行って危険性を実感したという体験談を紹介します。
頭がぼーっとする
昨日から自分に実験で糖質制限(ケトジニック )ダイエットをしてみているんですがほんと体重の減りが早い!1kgがストンと落ちました笑
— ゆーき@ブロガー 筋トレ好き (@gz2d6) December 29, 2020
ただ、糖分をほとんど取ってないので頭がぼーっとする、、。
糖質制限ダイエットをしたところ体重は落ちても、頭がぼーっとするという方は実際にいます。脳がきちんと働かず頭がぼーっとすることが気になるという方は、完全に糖質をカットするのではなく通常より摂取量を減らす緩めの糖質制限に変更しましょう。
体調が悪くなった
なんか体調悪いなぁと思ってたけど、試しにTHE☆定食!みたいなごはん食べてみたらすごく元気になった:sparkles:糖質制限のしすぎよくない!けど明日からまた気をつけてご飯食べよ(*´・ω・)
— うらら (@u_la_la_k) May 18, 2021
糖質制限をして体調がよくなる方もいますが、悪くなってしまう方も少なくありません。実際に糖質制限で体調が悪くなり、きちんと食事を摂るようになったら体調が回復したという体験談もあります。このように極端な糖質制限は危険です。体調不良が続く場合、糖質制限を緩めたり栄養バランスのいい食事メニューを摂ってください。
便秘&身体が冷えた
お米生活意識してからほんとーに便秘とサヨナラだ〜あと食べてる途中から身体があったかくなるの感じる。オートミールで糖質制限ガチガチのときはうんちもなかなか出なかったし身体ずっと冷えてた:innocent:
— :sunflower:ぽん:sunflower: (@03diet03) May 17, 2021
糖質制限をしていたときに便秘&身体が冷えていたという方の体験談です。この方はお米を食べるようになってから便秘は改善しました。
(体の冷えに効果的なトゥレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)
トゥレイズのやり方!脛を鍛えて冷え・むくみ改善も!ダンベル・チューブなどで負荷UP!
出典:Slope[スロープ]
低血糖を引き起こした
ゆるっと低糖質にしてみたら
— みゆき@栄養カウンセラー (@miyuckey712) November 21, 2019
安定しないし低血糖起こすあり様。
やっぱりわたしには糖質制限合わない。 pic.twitter.com/tNPturwE0O
緩めの糖質制限でも身体に合わず、低血糖になってしまうという方も中にはいます。低血糖とは身体の血糖値が必要量以下となる状態です。代謝をきちんと行うことができなくなるので、冷や汗・意識障害・手足の震えなどの症状があらわれる可能性もあります。低糖質が身体に合わないと感じる場合は、すぐに栄養をきちんと摂れる食事に変えましょう。
手足が冷たくなった
300g減ったのに150g戻ってた。結果1ヶ月ちょいで150g減。
— おりこぴよ (@nemnemori12) April 15, 2021
冷え性になったのかな?ってくらい手足が冷たくなったし力も入らなくなったしすごく疲れやすくなったし眠れないほどの手足のゾワゾワが気持ち悪くてなにもいい事なかったのでわたしには糖質制限合わないって事でやめよ:cry:徐々に食事変えてこ
糖質制限を約1ヶ月継続したところ手足が冷たくなったり力が入らなくなった、疲れやすくなった、手足が眠れないほどゾワゾワしたという方の体験談です。こちらの方も糖質制限が体質に合わず、低血糖となっている可能性があります。
(糖質制限なしの『食べまくりダイエット』については以下の記事も参考にしてみてください)
安井友梨の食事テク!糖質制限なし『食べまくりダイエット』が話題に!
出典:Slope[スロープ]
糖質制限は自己流で行うのが危険
ダイエットや生活習慣病予防に効果があるとされている糖質制限ですが、自己流で行うのは危険です。正しく糖質制限を行うためにも、他の記事を参考にしてみてください。
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糖質制限ダイエットを成功させるためには、栄養バランスの整った食事メニューにすることが重要です。こちらの記事では管理栄養士監修のタンパク質や脂質がきちんと摂れるレシピが紹介されているのでチェックしてみてください。
【管理栄養士監修】糖質制限ダイエットのメニュー&レシピ集!痩せた体験談まで!
出典:Slope[スロープ]
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出典:Slope[スロープ]
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