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ナロープッシュアップのやり方!三頭筋に効かせるコツ〜手首・肘が痛い時の対処法まで解説

2020年03月11日

ナロープッシュアップは上腕三頭筋や大胸筋内側を鍛えて、腕を太くする効果が期待できる腕立て伏せです。この記事ではナロープッシュアップのやり方と、上手にできない時や手首・肘が痛い時の対処法などについて解説します。ぜひ参考にして、効率的に腕を肥大させましょう。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ナロープッシュアップは腕を太くする腕立て伏せ

ナロープッシュアップは、手幅を狭くした状態で腕立て伏せを行う種目です。自宅でもトレーニングが可能なので「腕の筋肉を肥大させて太くしたい」という方はぜひ挑戦してみましょう。ではまず、ナロープッシュアップで鍛えることができる筋肉や得られる効果について解説します。

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ナロープッシュアップで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ナロープッシュアップで鍛えることができる筋肉部位は、以下の2つです。

・上腕三頭筋
・大胸筋内側

それではまず上腕三頭筋がどういった筋肉なのか、鍛えることでどのような効果を得られるのかについて確認していきましょう。

上腕三頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-3

ナロープッシュアップで主に鍛えられるのは、腕の後ろ側にある上腕三頭筋です。この種目では通常の腕立て伏せよりも手幅を狭めて行うことで肘の曲げ伸ばしが大きくなるため、上腕三頭筋に負荷がかかります。

上腕三頭筋は長頭・外側頭・内側頭の3つから構成されていますが、そのなかでも長頭を集中的に鍛えられることがこの種目の特徴です。上腕三頭筋の長頭は肘関節を伸ばす作用を持ち、二の腕のアウトライン作りにも重要な筋肉だとされています。そのため、この種目を行うことで「腕を太くする」「腕を引き締める」といった効果が期待できるでしょう。

(上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

大胸筋内側

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i

大胸筋内側も、ナロープッシュアップで鍛えることができる筋肉部位として挙げられます。先ほど紹介した上腕三頭筋とも共働する大胸筋は上部・内側・下部の3つから構成されており、内側は腕を体幹の前面で閉じる作用を持つ部位です。この部位を鍛えると、くっきりとメリハリのついた胸の谷間を作り上げることができます。

(大胸筋内側の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ナロープッシュアップの効果的なやり方

ここからは、ナロープッシュアップの効果的なやり方を解説していきます。上腕三頭筋にしっかりと刺激を与えるために、まずは正確なフォームと動作を身に付けましょう。

①基本の腕立て伏せの姿勢になる

まずは、基本的な腕立て伏せの姿勢になります。横から見たときに、手・肩・足の位置関係が三角形になったフォームを作るよう意識してください。頭はまっすぐの状態にし、身体についても動作の間はまっすぐになったラインをキープできるようにしましょう。

②手幅を狭めて肘を曲げる

続いて、肩幅程度まで手幅を狭めましょう。この状態から肘を畳みながら下ろすように曲げていくと、上腕三頭筋に負荷がかかってきます。また、小指側の小指球と呼ばれるチョップをするところに力を入れると上腕三頭筋が働きやすくなるので、その点も意識してみてください。

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ずーみー(泉風雅)

このときに脇を開いて動作を行うと、上腕三頭筋の外側頭を鍛えることもできます。ただ、脇を開くことで肩が詰まるような形になりがちなので、基本的には脇を畳んだフォームで行うと良いでしょう。

③元の姿勢に戻る

しっかりと肘を曲げたら、元の姿勢に戻りましょう。動作を行う際の呼吸については「元の姿勢に戻る時に息を吐き、肘を曲げる時に息を吸う」ということを意識してください。

また「ナロープッシュアップが上手くできない」という初心者や女性の方は膝つきで行ったり、可動域を狭めたりして負荷が少ない状態から始めるのがおすすめです。トレーニングを重ねながら、徐々に負荷を上げていくようにすると良いでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

ナロープッシュアップを行う際は、以下のメニューも合わせて取り入れてみてください。

・通常のベンチプレス
・上腕三頭筋のエクステンション種目(ライイングトライセプスエクステンション

ナロープッシュアップのコツ&注意点

続いて、ナロープッシュアップのコツと注意点を解説します。効果的にトレーニングを行うために、以下の2点を頭に入れておきましょう。

①体重の乗せ方に注意する
②肩甲骨を自然に動かす

それではまず、体重の乗せ方に注意することから確認していきます。

①体重の乗せ方に注意する

ナロープッシュアップを行う際には、体重の乗せ方に注意する必要があります。上の2枚の画像のように手のひらに体重を乗せるような状態で動作を行うと、手首が曲がったまま重さを支えるため「手首が痛い」といった問題が起こりがちです。

手首の痛みの予防・改善のためには、こちらの画像のように体重を手のひらの根元に乗せるかたちで動作を行うと良いでしょう。ただこの種目の性質上、動作の際に手首が反ってしまうことはどうしても避けられません。「手のひらの根元に体重を乗せても手首が痛い」という方は、プッシュアップバーを使用してみてください。

プッシュアップバーを使う際には、八の字型に並べると自然に脇を閉じることができます。また、動作時はプッシュアップバーをしっかりと手のひらの根元で持ち、少し巻き込むくらいにすると上腕三頭筋を効果的に鍛えられるでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

プッシュアップバーがない場合はダンベルでも代用が可能です。ただ、丸形のダンベルはプッシュアップバーよりも安定しづらく、難易度が少し高いので注意しましょう。

②肩甲骨を自然に動かす

肩甲骨を自然に動かすことも、ナロープッシュアップのコツのひとつです。「この種目は大胸筋ではなく上腕三頭筋を鍛えるものだから」と、上の画像のように肩甲骨を開いたままロックして動作を行う方がいます。しかし、ナロープッシュアップは肩甲骨をロックした状態で行う必要はありません。

手幅が狭いナロープッシュアップでは、こちらの画像のような肩甲骨を動かすフォームでも自然に肘の曲げ伸ばしが大きくなります。そのため、肩甲骨の動きを意識せず動作を行っても上腕三頭筋に強力な負荷をかけることが可能です。

「肩甲骨の自然な動きがイメージしづらい」という方は、こちらの動画のような軌道で行うことを意識してみてください。

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肩甲骨を自然に動かすほうが強い動作を行えるので、結果的には上腕三頭筋に強力な刺激を与えることができます。

ナロープッシュアップの最適な回数・セット数

ナロープッシュアップでは、トレーニングの目的に合った回数で限界が来るよう負荷を調整します。この種目における目的として挙げられるのは「上腕三頭筋の筋肥大」「二の腕の引き締め」です。トレーニングをより効率的なものにするため、それぞれの目的に合った設定を守るようにしてください。

まず、目的が筋肥大の場合は8~12回程度で限界となるよう「動作のスピードを落とす」「重りを背負う」などの高い負荷をかけて行います。また、引き締め目的の場合は20回以上で限界となるよう軽めの負荷に設定するのがおすすめです。「腕立て伏せを20回以上するのがきつい」という方は膝をついて動作を行うことから始めましょう。

セット数については、トレーニングの経験に合わせて設定します。筋トレ初心者の方であれば3セットを週1回、上級者の方であれば6セットを週2回程度を目安にしてください。トレーニングに慣れたらセット数や頻度を上げていきますが、週3回以上のトレーニングは怪我やオーバーワークにつながりかねないため避けたほうが良いでしょう。

(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)

【上級者編】ナロープッシュアップの応用メニュー

ここまでは通常のナロープッシュアップについて解説してきました。続いて、上級者の方向けの応用メニューを紹介します。「より強力な負荷をかけたい」「上腕三頭筋の長頭以外の場所も鍛えたい」という上級者の方は、ぜひ挑戦してみてください。

①デクラインナロープッシュアップ

椅子などの高い台を使って足の位置を高くするデクラインナロープッシュアップでは、通常のパターンよりも大きな負荷をかけることができます。そのため「通常のナロープッシュアップでは負荷が足りなくなった」という方におすすめです。

▼デクラインナロープッシュアップのやり方

①足を椅子などの高い台に乗せる
②基本の腕立て伏せの姿勢になる
③手幅を狭めて肘を曲げる
④元の姿勢に戻る

デクラインナロープッシュアップにおいても、目的に合った回数で限界が来るように負荷を調整しましょう。目的が筋肥大なら8~12回程度で限界になる高負荷、引き締めなら20回以上の反復で限界になる軽めの負荷設定がおすすめです。また、セット数・頻度については、筋トレ初心者の方は3セット×週1回、上級者の方は6セット×週2回を目安にしてください。

▼デクラインナロープッシュアップのコツ&注意点

・背筋をまっすぐに伸ばし、お腹を突き出さないよう注意する
・肘を曲げていく時に息を吸い、元の姿勢に戻る時に息を吐くよう意識する

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ずーみー(泉風雅)

さらに負荷を強めたい場合には、ナローベンチプレスにも挑戦してみましょう。

②ダイヤモンドプッシュアップ

ダイヤモンドプッシュアップはナロープッシュアップよりも手幅を狭くし、手のひらでダイヤモンドの形を作るイメージで動作を行う種目です。脇を閉じずにまっすぐ身体を下ろすことで、上腕三頭筋の外側頭に負荷をかけられます。

▼ダイヤモンドプッシュアップのやり方

①手のひらでダイヤモンドの形を作る
②腕立て伏せの姿勢になる
③脇を閉じないよう意識して肘を曲げる
④元の姿勢に戻る

ダイヤモンドプッシュアップの場合も、目的に合った回数で限界となるように負荷を調整します。目的が筋肥大であれば8~12回で限界が来る高負荷に、引き締めであれば20回以上の反復で限界が来る軽めの負荷に設定してください。また、セット数・頻度については、筋トレ初心者の方は3セット×週1回、上級者の方は6セット×週2回を目安にしましょう。

▼ダイヤモンドプッシュアップのコツ&注意点

・肘を曲げる時には脇を閉じず、まっすぐ身体を下ろす
・頭の方から見た際にもダイヤモンドの形ができるように動作する

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ずーみー(泉風雅)

ダイヤモンドプッシュアップを行う際の手の形や動作の軌道については、こちらの動画を参考にしてください。

(ダイヤモンドプッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)

ナロープッシュアップの効果を高める為のポイント

最後に、ナロープッシュアップの効果を高める為のポイントを紹介します。満足のいく効果を得られるよう、トレーニングを行う際にはぜひ参考にしてみてください。

食事にも気を配る

ナロープッシュアップで得られる効果を高めるには、トレーニングをただ行うだけでなく食事に気を配ることも重要です。特に、筋トレには欠かせないたんぱく質を食事から摂取できるよう意識してください。筋肥大のためには体重1kgにつき2g、引き締めのためには体重1kgにつき1~1.5gのたんぱく質を1日に摂取しなければなりません。

体重70kgの方を例に挙げると、筋肥大を狙うなら140g、引き締めを狙うなら70~105gのたんぱく質の摂取が必要です。また、一度の食事で吸収が可能なたんぱく質の量は約30gだとされています。その点も踏まえて、食事のメニューや回数を工夫すると良いでしょう。

(筋トレ中の食事については以下の記事も参考にしてみてください)

ナロープッシュアップで上腕三頭筋を効率よく鍛えよう

ナロープッシュアップは上腕三頭筋に負荷をかけ、腕の筋肉を肥大させられる筋トレです。また、自宅でも気軽にトレーニングができ、さまざまなバリエーション種目もあります。正しいフォームや動作のコツを身に付けて、効率よく上腕三頭筋を鍛えていきましょう。