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ライイングトライセプスエクステンションは腕を肥大させる筋トレ
ライイングトライセプスエクステンションはバーベル、特にEZバーを使用して二の腕のアウトライン作りに重要な筋肉を鍛えることができるトレーニングです。「効果的に腕を肥大させたい」という方はぜひ挑戦してみてください。まずは、この筋トレで鍛えられる筋肉部位や得られる効果について押さえておきましょう。
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ライイングトライセプスエクステンションで鍛えられる筋肉部位、得られる効果
ここでは、ライイングトライセプスエクステンションで鍛えられる筋肉部位と得られる効果を解説します。目的に沿ったトレーニングを行うことができるよう、鍛えられる筋肉部位や得られる効果について理解しておきましょう。
上腕三頭筋
ライイングトライセプスエクステンションでは、腕の後ろにある上腕三頭筋を鍛えることができます。上腕三頭筋は長頭・内側頭・外側頭の3つの部位から構成され「上腕を閉じる」「肘を伸ばす」といった作用を持つ筋肉です。
また、この種目は腕を縦に振り上げた状態で動作を行うため、腕を縦に振り下ろす動きを担う長頭の部分を効果的に鍛えられます。上腕の裏の内側にある長頭は二の腕のアウトライン作りに重要な筋肉なので「腕を太くしたい」という男性の方や「二の腕痩せを狙いたい」という女性の方におすすめのトレーニングだと言えるでしょう。
(上腕三頭筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)
上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニュー!二の腕に効かせる鍛え方のコツも解説
出典:Slope[スロープ]
ライイングトライセプスエクステンションの効果的なやり方
ここからは、ライイングトライセプスエクステンションの効果的なやり方を解説していきます。正確なフォームや動作を理解して、上腕三頭筋をしっかりと鍛えましょう。
①EZバーを上げきった状態を作る
まずは、EZバーの狭いほうをしっかりと持ちましょう。そのままフラットベンチに横になり、ベンチプレスでバーベルを上げきったような状態を作ります。
②肘を曲げていく
続いて、肘の位置を少し降ろして曲げていきます。このときには肘が動かないよう意識して動作を行いましょう。また、脇を内側向きにしめて肘を閉じ気味にしながら行うと、長頭の部分に負荷を集中させることができます。
③切り返して肘を伸ばす
バーが頭の真上まで来たら、切り返して肘を伸ばしていきましょう。このとき、肘や肩甲骨の位置は固定するようにしてください。肘・肩甲骨の位置が変わると動作がプルオーバーのようになり、上腕三頭筋ではなく広背筋に効くトレーニングになってしまいます。
ずーみー(泉風雅)
ライイングトライセプスエクステンションを行う際は、ナローベンチプレスなど上腕三頭筋のプレス種目も合わせて取り入れると良いでしょう。
ライイングトライセプスエクステンションのコツ&注意点
続いて、ライイングトライセプスエクステンションのコツと注意点を解説します。この種目では「肘が痛い」という問題が起こりがちです。そこで、ここでは肘の痛みに対する対処法をコツ・注意点として取り上げます。まず、肘の痛みの対処法として挙げられるのは以下の3点です。
・ベンチ台を変更するか足をベンチに上げる
・肩甲骨と肘を動かす
・脚を振って動作を行う
それでは、ベンチ台の変更もしくは足をベンチに上げて行う対処法から確認していきましょう。
ベンチ台を変更するか足をベンチに上げる
肘が痛いときの対処法としては、まず上の動画のように足をベンチ台に上げることが挙げられます。また、使用するベンチを腰より頭の位置が低いデクラインのものに変えるのもおすすめです。足の位置を変えて動作を行うことで、肘の痛みを回避できる方もいるでしょう。
肩甲骨と肘を動かす
こちらの動画のように足をベンチ台に上げた状態のまま、肘・肩甲骨の位置をあえて動かすという対処法もあります。これはプルオーバーエクステンションというトレーニングの動作です。筋肉が伸びるストレッチポジションにおいて広背筋の力を借りることで、肘への負荷の軽減が可能になります。
脚を振って動作を行う
脚を振って動作を行うことも、肘の痛みの対処法のひとつです。脚を振る反作用を使えば、ストレッチポジションで肘関節にかかる負担を軽減することができます。
ずーみー(泉風雅)
肘の痛みはライイングトライセプスエクステンションの「上腕三頭筋が最大までストレッチされたときに負荷も最大になる」という特性により、関節への負荷が大きくなってしまうことで起こります。種目の特性によるものなので、仕方ない面もあると言えるでしょう。
ライイングトライセプスエクステンションの最適な重量・回数・セット数
ライイングトライセプスエクステンションの効果をしっかりと得るためには、適切に重量・回数・セット数を設定することも重要です。そこで、ここではライイングトライセプスエクステンションの最適な重量・回数・セット数について解説します。
まず、重量と回数をトレーニングの目的に合わせて設定しましょう。この種目で鍛えられる上腕三頭筋は羽状筋という高重量が得意な形状の筋肉なので、筋肥大を目的とする場合は高重量かつ6~8レップ程度の低回数で行うのが最適です。引き締めや部分痩せ目的で行う場合は軽重量かつ50回以上の高回数に設定してテンポ良く行うと良いでしょう。
また、最適なセット数や頻度はトレーニングの経験によって異なります。筋トレ初心者の方であれば週1回×3セット、上級者の方であれば週2回×6セット程度を目安にしてください。動作に慣れてきたら頻度・セット数を上げるのがおすすめですが、オーバーワークや怪我を防ぐため週3回以上の無理なトレーニングは行わないようにしましょう。
(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのセット数・回数の最適解はコレ!目標別に成長効率を上げるコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
ライイングトライセプスエクステンションは『ダンベル』でもできる?
ライイングトライセプスエクステンションは、EZバーのかわりにダンベルを使って行うことも可能です。バーベルで行う通常パターンよりも肘にかかる負荷は少なくなりますが、バーベルに比べて不安定性が高くなるといった特徴があります。
▼ダンベル・ライイングトライセプスエクステンションのやり方
①ダンベルを向かい合わせるように握る
②ダンベルフライで上げきったような状態になる
③頭上で逆八の字を作るようにダンベルを回す
④ダンベルを降ろす
ダンベルを使う場合も、目的に合った回数で限界が来る重量を扱うようにします。目的が筋肥大なら6~8回ほどで限界が来る重量、引き締めや部分痩せなら50回以上の高回数をこなせる軽重量に設定すると良いでしょう。セット数や頻度については通常のパターンと同様に、筋トレ初心者の方は3セット×週1回、上級者の方は6セット×週2回を目安にしてください。
▼ダンベル・ライイングトライセプスエクステンションのコツ&注意点
・不安定性が高いのでバーベルほどの高重量を扱わない
・丁寧に動作を行うことを意識する
(ダンベルの正しい使い方については以下の記事も参考にしてみてください)
【ダンベルの正しい使い方】初心者向けに胸筋・二の腕・腹筋・肩などの鍛え方を解説!
出典:Slope[スロープ]
ライイングトライセプスエクステンションのバリエーション
続いて、ライイングトライセプスエクステンションのバリエーションを紹介します。「上腕三頭筋により強力な負荷をかけたい」という方は、ぜひ挑戦してみましょう。
①ケーブル(上方向)
ケーブルマシンを使った上方向へのケーブルトライセプスエクステンションは、肘を頭の上に置くスタイルで行うトレーニングです。常に負荷がかかり続けるため、より効果的に上腕三頭筋を鍛えることができます。
▼ケーブルトライセプスエクステンション(上方向)のやり方
①ケーブルを下の滑車にセットする
②マシンに背を向けて立つ
③アタッチメントをしっかりと握る
④前傾姿勢になり肘を固定してケーブルを引く
⑤ゆっくりと切り返す
重量・回数の設定については通常パターンの場合と同様に行います。筋肥大狙いなら6~8回程度で限界となる重量、引き締めや部分痩せを狙うなら50回以上の高回数をこなせる軽めの重量を扱ってください。セット数や頻度についても通常の場合と同じように、トレーニング経験に合わせて決めましょう。
▼ケーブルトライセプスエクステンション(上方向)のコツ&注意点
・ケーブルを引き上げたときに親指が前に向くよう腕をひねると、より強い負荷をかけられる
・姿勢がぶれると他の部位に負荷が逃げてしまうので注意する
②ケーブル(前方向)
肘を顔の横に置いてケーブルを前方向に引くケーブルトライセプスエクステンションでは、初動から上腕三頭筋へしっかりと負荷をかけることができます。また、ケーブルを引けば引くほど負荷を増加させられることもこの種目の大きな特徴です。
▼ケーブルトライセプスエクステンション(前方向)のやり方
①ケーブルを上の滑車にセットする
②マシンに背を向けて立つ
③アタッチメントを握って片足を一歩前に出す
④身体を前傾させてケーブルを引く
⑤ゆっくりと切り返す
前方向へのケーブルトライセプスエクステンションでも、上方向のパターンと同様に重量・回数・セット数を設定します。目的が筋肥大であれば6~8回程度で限界となる重量、引き締めや部分痩せであれば50回以上の高回数をこなせる軽めの重量を扱いましょう。セット数・頻度は筋トレ初心者の方なら3セット×週1回、上級者の方なら6セット×週2回が最適です。
▼ケーブルトライセプスエクステンション(前方向)のコツ&注意点
・重量にこだわりすぎず、正確なフォームで動くことを意識する
・動作中は肘が外側に広がらないよう注意する
③シーテッド
座った状態で行うシーテッドトライセプスエクステンションでは、動作の際にライイングトライセプスエクステンションよりも胴体と腕が離れます。そのため腕の裏の内側にある上腕三頭筋長頭をしっかりとストレッチさせ、より強い刺激を与えることが可能です。
▼シーテッドトライセプスエクステンションのやり方
①座ってEZバーを上げきった状態を作る
②肘の位置を固定したまま曲げていく
③バーが頭の後ろに来たら肘を伸ばす
シーテッドトライセプスエクステンションも、重量・回数・セット数は通常パターンと同様に設定して行います。筋肥大目的なら6~8回程度で限界となる重量、引き締め目的なら50回以上の高回数をこなせる軽めの重量を扱ってください。セット数・頻度については筋トレ初心者の方なら3セット×週1回、上級者の方なら6セット×週2回を目安にしましょう。
▼シーテッドトライセプスエクステンションのコツ&注意点
・肘を内側に絞り、頭に近い位置に固定して動作を行う
・肘を伸ばす際は、肩甲骨の位置が動かないよう意識する
・通常パターンより動作の範囲が広く、肘や肩を痛めやすいので注意する
ライイングトライセプスエクステンションの効果を高める為のポイント
最後に、ライイングトライセプスエクステンションの効果を高める為のポイントを紹介します。トレーニングで得られる効果を高められるよう、先ほど解説した正確なフォームや動作時の注意点と併せて実践してみてください。
食事の内容や回数に気を配る
ライイングトライセプスエクステンションで上腕三頭筋を鍛える効果を高めるには、食事の内容や回数にも気を配る必要があります。筋肉を効果的に鍛えるために重要なのは筋トレ・睡眠・食事の3つです。これらのなかでも、食事は特に重要な要素だとされています。
まずは、筋肉の回復と発達に欠かせないたんぱく質を適切に摂取できるメニューを考えましょう。男性の場合、筋肥大のためには1日に体重1kgあたり約2gのたんぱく質の摂取が必要です。例えば、体重が70kgの方なら1日に必要なたんぱく質の量は約140gになります。
たんぱく質が含まれる代表的な食品として肉類が挙げられますが、肉類100gに含まれるたんぱく質はおよそ20gです。そのため、140gのたんぱく質を摂取するには肉類を700gも摂らなければなりません。また、1回の食事で吸収できるたんぱく質の量は30g程度だとされているので、必要なたんぱく質の摂取量を考えながら食事の回数を決めましょう。
(筋トレに必要なたんぱく質については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレに必要なタンパク質の摂取量は?タイミング〜効果の高い食材まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
ライイングトライセプスエクステンションで上腕三頭筋を追い込もう
ライイングトライセプスエクステンションは、上腕三頭筋を鍛えることで二の腕の肥大や引き締めの効果が期待できる筋トレです。また、ダンベルやケーブルを使うさまざまなバリエーション種目もあります。正確なフォームや動作のコツを押さえ、効果的に上腕三頭筋を追い込んでいきましょう。
(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
ナローベンチプレスのやり方!上腕三頭筋・大胸筋に確実に効かせるコツをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
ダンベルフレンチプレスのやり方!上腕三頭筋に効かせる&肘を痛めないコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ダンベルテイトプレスのやり方!上腕三頭筋に効くコツを長頭&短頭別に解説
出典:Slope[スロープ]