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ディップスのやり方&効果!大胸筋&三頭筋をデカくするコツ!自宅・加重版も!

2020年04月03日

ディップスは大胸筋や上腕三頭筋などに高い効果のある自重の筋トレ種目です。今回はこのディップスの正しいフォームや最適な回数・セット数などのコツを紹介します。また自宅でのやり方や上級者向けの加重による応用の方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ディップスは効果的に上半身を鍛えられる筋トレ

ディップスは足を浮かせた状態で肘の曲げ伸ばし動作を行う種目です。大胸筋下部や上腕三頭筋が主に鍛えられますが、三角筋前部などにも刺激が入ります。そのため上半身を効果的に鍛えたい人に特におすすめです。

今回はこのディップスの効果的なやり方や上級者向けの応用のやり方、効果をより高めるためのコツなどを紹介します。それでは最初にこのディップスで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果について見ていきましょう。

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(ディップスができない原因については以下の記事も参考にしてみてください)

ディップスで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ディップスで主に鍛えられる筋肉の部位は以下の2つあります。

・大胸筋
・上腕三頭筋

それではそれぞれがどのような筋肉なのか、得られる効果と合わせて解説します。

大胸筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename

大胸筋は鎖骨や胸骨などから上腕骨大結節稜にかけて付いている筋肉です。主に腕を前に押し出したり、閉じる働きがあります。ディップスでは負荷の方向が筋肉の走行と一致する大胸筋下部に特に強い刺激が入る特徴があります。

そしてこの大胸筋下部を鍛えると大胸筋のアウトライン作りに役に立ちます。また他のプッシュ系種目のパフォーマンスアップや基礎代謝の向上などの効果も期待できるのです。

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(大胸筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

上腕三頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename

上腕三頭筋は肩甲骨や上腕骨などから尺骨肘頭にかけて付いている筋肉です。主に肘を伸ばす働きを持っています。また大胸筋や三角筋と共同して押す動作を担ったりもします。ディップスではまさに肘を伸ばしてバーを押す動きを行うため、この上腕三頭筋に強い刺激を入れられるのです。

そしてこの上腕三頭筋は腕の中でも大きな筋肉なので、鍛えると腕を太くしやすいメリットがあります。また女性の場合には二の腕の引き締め効果が期待できます。

(上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ディップスのメリット

ディップスは前述の通り、大胸筋下部の走行方向と負荷の方向を一致させられるのが大きなメリットです。日本人はベンチプレスなどで大胸筋の中部・上部が発達していても、この下部は発達していない傾向にあります。そのため大胸筋のバランスよく発達させたい人は積極的にこのディップスに取り組むのをおすすめします。

ただし、間違ったフォームだと肩関節や三角筋前部を痛める可能性があります。次に正しいフォームを解説しますので、安全性を確保するためにしっかりと確認しておいてください。

ディップスの効果的なやり方

それでは次にディップスの効果的なやり方を解説します。安全に狙った筋肉を効かせるためにも、正しいフォームや動作のポイントをここで押さえておきましょう。

①ディップスバーを持って身体を浮かす

まずは肩幅より少し広めの幅でディップスバーを持ちましょう。椅子などの背もたれを使って行うこともできます。しかし、そのやり方は転倒の危険があるので、出来れば専用のディップススタンドを使用するのをおすすめします。

そして写真のように脚を浮かせ、上体を前傾させましょう。この時、腰は曲がらないようにすることがポイントです。また前傾する時、脚は後ろでクロスさせるような形にしておくといいでしょう。

②肘を曲げる

次に肘を曲げて、身体を降ろしていきます。この時、前腕はバーに対して垂直を保ったまま前傾していきます。そしてみぞおちが両手首を結んだライン上に来るように降ろしてください。

肩甲骨については通常のベンチプレスなどより上方向に寄ってしまいます。しかし、肩が詰まるような形にならないようにしっかりと鎖骨の中心から胸を開いていくようなイメージ下ろしていきましょう。

また肘の角度はあまり曲げすぎると上腕三頭筋にかかる負荷が大きくなります。そのため上の画像のように前腕を垂直にしたまま前傾し、肘を曲げすぎないようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

無理に可動域を広げてしまうと肩関節や三角筋前部にダメージを与えます。それだけでなく大胸筋に負荷を与えられないという状態になってしまいます。確実に効果を得るためにも、それぞれの柔軟性に合わせて対応するようにしましょう。

③肘を伸ばす

大胸筋下部がストレッチされているのを感じられたら、そこから肘を伸ばして元の状態に戻ります。後は同じ動作を繰り返すだけです。正しいフォームで行える可動域は慣れるにしたがって広がってくるはずなので、焦らず取り組むようにしましょう。

ディップスのコツ&注意点

それでは次にディップスのコツ・注意点を解説します。怪我などを予防するためにしっかりと理解しておきましょう。

上体を立てたままにする

ディップスでは上腕三頭筋を狙うためにあえて上体を立てたまま動作を行う人がいます。しかし、これは肩関節の前方に大きなストレスがかかり、また三角筋前部もオーバーストレッチされます。そしてこれが原因となり、怪我を起こす可能性があるためあまりおすすめしません。

そのため基本的にディップスは上体を前傾させて行ってください。そして上腕三頭筋を鍛えたい場合は、上体を立てるのではなく手幅を狭くして動作を行うと良いでしょう。

ディップスの最適な回数・セット数

筋トレは目的に合わせて負荷を調整して回数を変化させるのが基本です。しかし、通常のディップスは負荷を調整することができない自重トレーニングです。そのため正しいフォームで行うことができる限界の回数まで追い込むのを基本とすると良いでしょう。

また無理に回数を設定するのではなく、まずは正しいフォームで限界まで追い込むことが大切です。常に筋肉へ負荷を与えていることを意識しながら行うようにしましょう。

セット数については現在のトレーニングステータスで設定します。具体的には初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度を目安にするのがおすすめです。

【初心者向け】自宅版ディップスのやり方

筋トレはジムではなく、自宅で取り組んでいる人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが、自宅版ディップスです。

よく自宅版として椅子の背もたれを掴んで行う方法を紹介されています。しかし、この方法は椅子が傾いてしまうので少し危険です。そのため椅子の背もたれではなく、ある程度座面が高い椅子や安定した机の上面を使うようにしましょう。もし、そういったものが無い場合はディップススタンドを用意するか、公園の平行棒などを利用するのをおすすめします。

ちなみにディップススタンドはディップスだけでなく、斜め懸垂など他の種目にも使える優れた器具です。自宅で筋トレをする人はこれを機に取り入れてみても良いでしょう。

▼自宅版ディップスのやり方

①ディップススタンドを掴んで脚を浮かせる
②肘を曲げて身体を降ろす
③肘を伸ばして身体を挙げる

自宅版ディップスも通常のものと同じように、負荷を調整することができません。そのため正しいフォームで行える限界の回数を行うのがおすすめです。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行うと良いでしょう。

▼自宅版ディップスのコツ&注意点

・上体を立てたまま行わない
・肘を曲げ過ぎない

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ずーみー(泉風雅)

初心者の方は全体重が負荷となるディップスの前に、体重の半分くらいの負荷になる腕立て伏せをある程度の回数(20回くらい)できるようにしておくと導入がスムーズなります。

【上級者向け】加重ディップスのやり方

上級者は自分の体重だけでは負荷が足りない場合があります。そこでおすすめしたいのが、ディップスや懸垂用の加重ベルトを使って負荷を増やす方法です。また自宅でトレーニングをする方も、リュックにペットボトルや本などを詰めると同じように負荷を増やせます。筋トレの目的に合わせて負荷を調節したい人はぜひ試してみてください。


▼加重ディップスのやり方

①加重ベルトなどを使って負荷を増やす
②ディップスバーを持って身体を浮かす
③肘を曲げて身体を降ろす
④肘を伸ばして身体を挙げる

加重ディップスは自重とは違って負荷を調節できます。そのため筋トレの目的に合わせて、重量や回数を設定すると良いでしょう。具体的には筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行うと良いでしょう。

▼加重ディップスのコツ&注意点

・無理をして負荷を増やし過ぎない
・上体を立てたまま行わない
・肘を曲げ過ぎない

さらに追い込みたい人はジャンプからのネガティブ

筋トレ上級者の中にはさらに筋肉を追い込みたい人もいます。そのような場合には、チーティングを活用すると良いでしょう。上の動画のように脚をついて軽くジャンプし、トップポジションまで行ったらゆっくりとネガティブで負荷をかける方法がおすすめです。ぜひ試してみてください。

ディップスの効果を高める為のポイント

最後にディップスの効果を高める為の以下のポイントを解説します

・オーバーワークに気を付ける
・大胸筋上部やローイング系の種目と一緒に行う

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

オーバーワークに気を付ける

ディップスに取り組む時には頻度の増やし過ぎに注意しましょう。確かに週1回の筋トレより週2回の筋トレの方が効果的とされています。しかし、週3回以上の筋トレがそれ以上の効果を生むかは分かっていません。週3回以上筋トレをすると、オーバーワークになってしまう可能性もあるのです。

多くの方は早く効果を出そうとトレーニングをやりすぎてしまう傾向にあります。しかし、毎日のようにやり過ぎてオーバーワークになってしまうと逆効果です。また集中力の低下など日常生活においても悪影響を及ぼすことがあります。そのため無理をして頻度を増やしすぎないように注意してください。

大胸筋上部やローイング系の種目と一緒に行う

ディップスは大胸筋上部の種目と一緒に行うのも効果的です。既に説明した通りディップスは大胸筋下部に強い刺激が入ります。そのため別で大胸筋上部を鍛えられるインクラインダンベルプレスなどと一緒に行うと、大胸筋をバランスよく成長させられるのです。

また大胸筋の拮抗筋である広背筋などをローイング系の種目で一緒に鍛えるのもおすすめできます。なぜなら拮抗筋と鍛えると大胸筋のパフォーマンスアップや怪我の予防などのメリットがあるからです。どのような種目と一緒に行うべきか悩んでいる人はぜひ試してみてください。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ディップスで大胸筋&三頭筋を効果的に鍛えよう

ディップスは主に胸や腕の筋肉を鍛えることができる筋トレです。またスタンドがあれば家でも挑戦でき、負荷を調整すれば上級者でもしっかりと筋肉を追い込める良さもあります。ぜひ日々のトレーニングに取り入れて、大胸筋や上腕三頭筋を効果的に鍛えていきましょう。