イニエスタの歴代背番号！シャビと代表・クラブで入れ替わる理由まで！

2018年、日本のヴィッセル神戸に電撃移籍し、大きな話題を呼んだアンドレス・イニエスタは、バルセロナの中心選手として、またスペイン代表として大活躍した名選手です。そんな彼の背番号といえば「8」を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかしイニエスタは、スペイン代表としては、長らく6番を付けています。この記事では、イニエスタがいつから8番を付けているのか、なぜ代表になると番号が変わるのかなどを詳しく解説します。歴代の背番号にまつわる逸話や日本に来た理由なども紹介するので、サッカーファンもそうでない方も、ぜひ読んでみてください。

まずは、クラブチームにおける歴代の背番号について見ていきましょう。バルセロナのイニエスタといえば8番の印象が強いですが、プロに入ったばかりの頃は別の背番号も付けていました。

イニエスタは12歳のときにFCバルセロナの下部組織に入団しました。U-15チームで大活躍し、1999年のナイキ・プレミア・カップでは最優秀選手に選ばれています。2002年になるとトップチームに呼ばれ、UEFAチャンピオンズリーグでデビューを果たしました。そして、そのままチームに定着します。

ちなみに、バルセロナを含むスペインのサッカーチームでは、基本的にトップチームの選手に背番号1番から25番までを割り振り、下部組織の選手には26番以降が与えられます。イニエスタは下部組織にいた当時34番を付けていて、そのままトップチームに定着してしまったため、2002年シーズンは34番で過ごしたというわけです。

（ユースの頃にバルセロナに所属していたことがある久保建英については以下の記事も参考にしてみてください）

2003年になると、イニエスタはトップチームの一員として、24番を付けることになりました。4月には初ゴールも決めています。ただ、この頃は当時FWにいたロナウジーニョの控えという立ち位置だったため、まだ若い番号をもらうことはできなかったようです。

トップチーム3年目となるこの年は、リーグ戦のほとんどに出場しましたが、途中出場ばかりでした。まだチームの中心選手とは言えない段階です。

この年、チームの中心選手だったMFのシャビことシャビエル・エルナンデス・クレウスが怪我をして長期離脱したため、イニエスタは代わりに先発出場することが多くなりました。選手としてのレベルが飛躍的に上がった年です。

この頃になると、バルセロナのチームにおけるイニエスタの存在感はかなり大きくなりました。ジョアン・ガンペール杯ではゲームキャプテンを任され、勝利に貢献します。リーグ戦でも6得点を上げる活躍を見せました。

この年、イニエスタのレアル・マドリードへの移籍の噂が出ましたが、イニエスタは「引退までバルセロナにいたい」と話し、チームに居続けることを宣言します。また同年、8番を付けていたリュドヴィク・ジュリが移籍したため、その背番号を受け継ぐことになりました。

さらに、2008年のFIFA最優秀選手賞では、イニエスタは9位に入りました。ちなみに、同じくバルセロナに所属していたリオネル・メッシは2位に選ばれています。

チームの第4キャプテンになったイニエスタは、世界的な名選手へと成長を遂げました。たびたび怪我に悩まされたものの、メッシのアシストから得点を決めるなどしてバルセロナをUEFAチャンピオンズリーグ優勝へと導きます。ドン・バロン紙が選ぶ年間最優秀選手にもなりました。

（当時チームメイトだったメッシについては以下の記事も参考にしてみてください）

この年もまた、怪我で先発できないことが多かったイニエスタですが、FIFAクラブワールドカップ2009ではFIFAベストイレブンに選ばれるほどの活躍を見せ、チームのリーグ優勝にも大きく貢献しました。

この頃になると、イニエスタは完全にバルセロナの主軸として活躍する選手になりました。クラブはイニエスタの活躍もあってリーグ3連覇を達成します。また、イニエスタはワールドカップの優勝に貢献し、敵チームからも称賛されました。

この年、イニエスタは、出場したリーグ戦で55試合無敗という記録を打ち立てます。UEFAチャンピオンズリーグでは、準決勝までチームを引っ張りました。その活躍により、ロナウドやメッシらとともにFIFAバロンドールの最終候補にも選ばれています。

（ロナウドの背番号については以下の記事も参考にしてみてください）

イニエスタのプレーにはさらに磨きがかかり、この年はアシスト数でリーグトップに輝きます。バルセロナはリーグ優勝に返り咲きました。

この年、イニエスタはバルセロナとの契約を2018年まで更新します。チームはリーグ戦の前に行われるスーペルコパ・デ・エスパーニャで優勝しました。

（この当時バルセロナに所属していたネイマールの背番号については以下の記事も参考にしてみてください）

この年、イニエスタは、UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれます。FIFAワールドカップとUEFA欧州選手権の決勝戦でもすでに選ばれていたため、3つの国際大会でマン・オブ・ザ・マッチに選出されるという史上初の快挙を達成しました。チームも、リーグ戦とコパ・デル・レイとチャンピオンズリーグの3つを制しています。

前出のシャビがチームを退団したことにより、イニエスタはキャプテンに就任しました。チームはリーグ戦のほか、UEFAスーパーカップやFIFAクラブワールドカップ2015でも優勝しています。

この年、バルセロナは若手選手を多く獲得しましたが、イニエスタは変わらず主力選手として活躍を続けました。シャビに続き史上2人目となる、バルセロナでの通算400試合も成し遂げます。チームは、リーグ戦優勝はできなかったものの、コパ・デル・レイでは優勝を果たしました。

ベテランと呼ばれる年齢になっていたイニエスタですが、出場した試合では常に好プレーを見せていました。その後、バルセロナでは史上初となる生涯契約を結びます。チームのコパ・デル・レイ4連覇にも貢献しました。

しかし、シーズンが終了する前に、バルセロナを退団することが発表されます。バルセロナにおける最後の試合では、チームを勝利に導く好プレーを見せ、華々しくラストを飾りました。そして、盛大な退団セレモニーを経て、長い年月を過ごしたバルセロナに別れを告げます。

2018年5月、イニエスタは記者会見でヴィッセル神戸への移籍を発表しました。日本に来た理由としては、「ヴィッセル神戸が自分を必要としていることをしっかり示してくれたから」と話しています。早くチームに合流したいと休暇を返上して来日し、7月22日にJリーグ初出場を果たしました。8月には、出場3試合目にして初ゴールも決めています。

（ヴィッセル神戸に所属していたハーフナーマイクについては以下の記事も参考にしてみてください）

移籍後すぐに主力となったイニエスタは、ヴィッセル神戸のキャプテンに就任します。スペイン国籍の選手としては初めて、Jリーグベストイレブンにも選ばれました。さらに、天皇杯でも安定した活躍を見せ、チームを初のタイトル獲得へと導きます。

この年、ヴィッセル神戸は初めてAFCチャンピオンズリーグに出場します。イニエスタの活躍のおかげで、チームは決勝トーナメントまで進みました。しかしイニエスタは、直後に怪我で長期離脱になってしまいます。

前年の怪我から5月に復帰したイニエスタは、6月になるとゴールも決めました。また、ヴィッセル神戸との契約を更新し、引退するまでヴィッセル神戸にいたい、引退後もチームに関わりたいと語っています。

ここからは、スペイン代表としてイニエスタが付けてきた歴代の背番号と、彼の活躍ぶりを紹介します。強豪国の主軸としてチームを牽引してきたイニエスタについて、もっと詳しく見ていきましょう。

2006年、イニエスタは初めてFIFAワールドカップのスペイン代表に選ばれました。バルセロナにおける活躍は目立っていたものの、まだまだ若手選手だったので、国内でもかなり驚かれたようです。当時の背番号は13番で、ロシアとの親善試合で初めて代表としての試合出場を果たしました。2007年のワールドカップ本戦では初ゴールを決めています。

この年、2001年からスペイン代表として活躍してきた背番号6のダビド・アルベルダが代表から外れました。そのため、イニエスタの背番号が6番に変わります。バルセロナでも主力選手になっていたイニエスタは、代表のなかでも中心的な役割を果たすようになりました。

スペイン代表はUEFA EURO 2008で優勝を果たします。また、決勝戦にフル出場したイニエスタは大会のベストイレブンにも選ばれました。

2010年のFIFAワールドカップでは、スペイン代表は決勝まで勝ち進みました。イニエスタは怪我で出場できない試合もありましたが、3戦目ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるなど、圧倒的な存在感を示し続けます。

決勝のオランダ戦は延長までもつれましたが、イニエスタのゴールによりスペイン代表が初優勝を決めました。勝利後、2009年に急逝した親友のダニエル・ハルケに優勝を捧げるパフォーマンスを行い、イエローカードを受けたものの多くの人の心を打ちます。また、イニエスタは決勝のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、最優秀選手にもノミネートされました。

UEFA EURO 2012で、前回大会に続き優勝を決めたスペイン代表は、主要な国際大会で3連覇という偉業を達成します。まさに黄金時代を迎えていたスペイン代表において、主軸として活躍したイニエスタは、UEFA EURO 2012のMVPに選ばれました。大会後の会見では、歴史的な快挙に携わったことを誇りに思うと語っています。

2013 FIFAコンフェデレーションズカップでは、イニエスタは最も活躍する選手を決める記者投票で2位になり、シルバーボールを得ました。チームは準優勝を飾っています。

2014年のFIFAワールドカップでは、イニエスタはスタメンとして全試合に出場しましたが、スペイン代表はまさかのグループリーグ敗退に終わってしまいます。代表チームは国内から批判を受けることとなりました。

UEFA EUROの3連覇と2014年のワールドカップの汚名返上を目指し、UEFA EURO 2016大会に臨んだスペイン代表は、グループリーグを2位で突破します。イニエスタもアシストなどで貢献しました。しかし、決勝トーナメントの初戦で敗北してしまいます。

この年のワールドカップのグループリーグでは、イニエスタは全試合にスタメンで出場しました。しかし、国内からはプレーに批判が集まり、決勝トーナメントではスタメンを外れます。チームは初戦でPK戦の末ロシアに敗北し、イニエスタは代表からの引退を発表しました。

イニエスタの背番号は、バルセロナでは主力選手になった頃からずっと8番でした。ヴィッセル神戸に移籍した際にも8番をもらっており、その背番号に大いなる愛着を感じていることがわかります。サッカーファンの間でも、「イニエスタといえば8番」というイメージが強いでしょう。

しかしイニエスタは、スペイン代表では13番ののち6番を付けていました。また、かつてイニエスタのチームメイトだったシャビは、バルセロナでは6番を付け、代表では8番を付けています。どういうわけか、2人の背番号は、クラブと代表とで入れ替わっているのです。

このようなことが起きていた理由は、イニエスタとシャビが代表になったタイミングや、当時の代表メンバーにありました。そのあたりを詳しく見ていきましょう。

イニエスタが初めて代表になったとき、代表の8番を付けていたのは、同じくバルセロナで活躍していたシャビでした。バルセロナで6番を付けるシャビがなぜ代表では8番だったのか、その点がイニエスタの背番号にも大きく関係しています。

シャビが代表になった当時、6番はバレンシアに所属するアルベルダが付けていました。アルベルダはシャビよりも年上で、バレンシアでも6番だったため、シャビには6番が与えられなかったのです。

そして、イニエスタとシャビがともに代表の主力選手になった頃、アルベルダが代表選手から外れました。6番が空いたわけですが、シャビは代表として8番に定着していたので、イニエスタが代わりに6番を受け継ぎます。こうして、イニエスタとシャビの番号は、クラブと代表とで入れ替わることになったのです。

イニエスタがヴィッセル神戸に移籍すると発表されたとき、その会見の席にはすでに彼の名前が入った8番のユニフォームが用意されていました。このとき、イニエスタは日本でも背番号8でプレーするものと誰もが自然に考えていたでしょう。

しかし、イニエスタが8番を付けるには、ひとつ問題がありました。この年のシーズン中、ヴィッセル神戸の背番号8は、三田啓貴が付けていたのです。当時のJリーグの規定では、シーズンの途中で選手の背番号を変えることは認められていませんでした。そのため、イニエスタに8番を与えるには、三田を移籍または契約解除にしなければならなかったのです。

こうした状況を受けて、Jリーグが動きました。三田がイニエスタに8番を渡す意向を示していたのもあって、急遽規定を変更し、シーズンの途中でも背番号を変更できるようにしたのです。これにより、三田の背番号は7になり、イニエスタは無事8番を付けることになりました。イニエスタは8番を譲ってくれた三田に、電話で感謝を伝えたそうです。

ここからは、イニエスタが着用していた歴代のユニフォームの販売サイトなどを紹介します。現在所属しているヴィッセル神戸のものはもちろん、バルセロナやスペイン代表のユニフォームも購入できます。

2017-2018年、イニエスタがバルセロナでプレーした最後の年のユニフォームです。前面にはスポンサーである楽天の文字が入っています。

2018年、ヴィッセル神戸に入団した年のユニフォームです。入団会見のときにイニエスタと楽天の三木谷社長が持っていましたが、そのときはJリーグのルール変更が行われる前だったため、イニエスタが8番を付けられるかどうかは確定していませんでした。

最新の2021年モデルです。前面はクリムゾンレッドと白のチェック模様になっています。

UEFA EURO 2012の決勝で着用したもののレプリカです。このときスペインは国際大会での3連覇を達成し、イニエスタも大会のMVPを獲得しました。EURO2008の優勝バッジ付きです。

2013年、FIFAコンフェデレーションズカップでスペインが準優勝したときのユニフォームです。このときのイニエスタは、シルバーボールを獲得する活躍を見せました。

2018年のFIFAワールドカップでのユニフォームです。この年にイニエスタは代表からの引退を発表したので、スペイン代表としては最後のユニフォームです。

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イニエスタといえば、背番号8の世界的名選手としておなじみです。若い頃は他の番号を付けていた時代もありましたが、8番になってからの彼の活躍は、サッカーファンなら誰もが知っています。すでに30代後半のイニエスタですが、今後もそのプレーから目が離せません。