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筋トレ・運動の知識

寝る前の筋トレは逆効果?睡眠・ダイエット等へのメリット・デメリットを解説

2020年05月20日

寝る前に筋トレを行うことは良いことなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。食事やプロテインを摂るタイミング、就寝時間を考えて行わないと睡眠やダイエットにも影響が出てしまいます。昼間に忙しく夜に筋トレしたい人はぜひチェックしてください。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

寝る前の筋トレは逆効果?

結論から言えば、寝る前の筋トレが効果がないということはありません。きちんとやり方を整えればむしろ良い効果もあります。ただし、寝る直前の筋トレや、やり方を考えない高負荷な筋トレは確かにデメリットが多くなります。

まずは寝る前の筋トレのメリット・デメリットから紹介しますので、しっかりとチェックしてみてください。

(筋トレの効果的な時間帯については以下の記事も参考にしてみてください)

寝る前に筋トレを行うメリット

寝る前の筋トレはメリットがたくさんあります。具体的なメリットについて紹介していきます。

程よい疲労感で良質な睡眠につながる【寝る前の筋トレのメリット】

寝る前の筋トレを無理なく行うことで程よい疲労感が得られると、そのまま良質な睡眠につながります。ガンガン負荷をかける筋トレではなく、適度に汗をかいて疲れる程度の筋トレはオススメです。

良質な睡眠は疲労回復効果が高く、筋トレで溜まった疲労物質の代謝を高めてくれます。次の日に疲れを残すことなく筋トレを継続できるため、筋肉の成長のためにも重要です。

また、良質な睡眠は食べ過ぎを抑えてくれるレプチンというホルモンの分泌を高めてくれるため、ダイエットにもオススメです。ダイエットで痩せるためにも、しっかりと寝れるようになるということは重要です。

筋肉が成長しやすい【寝る前の筋トレのメリット】

寝る前の筋トレは筋肉が成長しやすく、筋トレ効果が得られやすいためオススメです。理由としては超回復しやすいことと、成長ホルモンが分泌されやすいことが挙げられます。

超回復しやすいことは上述の良質な睡眠が関わります。疲労物質が排出されやすいことで筋肉への栄養補給の効率が高くなるため、筋肉の超回復が早くなりやすいと言われているのです。

また、成長ホルモンは睡眠時の血糖値が低いと出やすいと言われています。筋トレによって糖分を消費し、血糖値が下がれば成長ホルモンが分泌されやすくなります。成長ホルモンは筋肉や骨の成長、疲労回復に関わるので、疲れやすい方や身長を伸ばしたい人にもオススメです。

(超回復×筋トレの理論については以下の記事も参考にしてみてください)

仕事帰りでもできる【寝る前の筋トレのメリット】

日中は忙しくて筋トレに時間を割けないという方も多いのではないでしょうか。そんな方でも寝る前の筋トレであれば、自宅でも時間をとってできるのでオススメです。

筋トレは継続することがとても重要で、たまに高負荷で筋トレをしても継続できなければ意味がありません。そのため、負荷が小さくても寝る前の筋トレを継続することで効果的な筋肉の成長を促せます。

寝る前に筋トレを行うデメリット

寝る前の筋トレはやり方・注意点を守らなければデメリットとなることもあります。デメリットについて紹介していきます。

寝る直前の筋トレは睡眠の阻害になる【寝る前の筋トレのデメリット】

寝る直前の筋トレは睡眠を阻害してしまう可能性があるでしょう。筋トレを含めて、運動すると自律神経の交感神経が優位になります。交感神経は車でいうとアクセルの役割を果たす神経なので、体が興奮状態になってしまうのです。

通常寝るタイミングでは、自律神経の副交感神経が働かないといけません。副交感神経はブレーキの役割を果たして体を休めてくれるのですが、寝る直前に体が興奮状態になるとブレーキがかかりにくくなってしまい、睡眠の効率が悪くなります。

そのため、寝る直前の筋トレや高負荷な筋トレを行なって体を興奮させるようなことは控え、睡眠時間から逆算して良い時間帯で行うようにしましょう。

栄養補給が難しい【寝る前の筋トレのデメリット】

寝る前の筋トレは栄養補給が難しくなります。通常は筋トレをして糖質やタンパク質をとれば筋肉の補強につながるのですが、寝る前の筋トレで通常通りの栄養補給を行うと睡眠の阻害につながってしまいます。

消化にエネルギーを使うため体が休まらないということと、消化・吸収によって血糖値が高まれば成長ホルモンの分泌効率が悪くなるためです。プロテインを取る程度の補給でとどめ、がっつりとした食事は控えた方がいいでしょう。

寝起きが悪くなる可能性がある【寝る前の筋トレのデメリット】

寝る前の筋トレは上述の通り、睡眠の質を悪くしてしまう可能性があります。睡眠の質が悪くなれば睡眠中の疲労が取りきれず、寝起きが悪くなってしまいかねません。

寝起きが悪くなればその日の作業効率が悪くなってしまい、日常生活にも支障が大きくなってしまいます。無理な筋トレは次の日まで影響してしまうため、逆効果になってしまうでしょう。

寝る前に効果的な筋トレメニュー

寝る前の筋トレはあまり高負荷なものは控えるべきです。自重トレーニングや低負荷でできるものががオススメです。ここから寝る前の筋トレでオススメのトレーニングを紹介します。

腕立て伏せ【寝る前の筋トレメニュー】

腕立て伏せは自重トレーニングの王道的種目で、大胸筋や上腕三頭筋、三角筋の前部繊維など押す筋肉を鍛える種目です。肩甲骨の動きを意識することで背部の筋肉にも刺激が入ります。

▼腕立て伏せのやり方
①肩幅より少し広めに手を置き、つま先を立てて体をまっすぐにする
②肘を曲げて、体をまっすぐにしたまま体を下ろしていく
③床につく直前で止め、元に戻す

頻度は週1回3セット程度から慣れてきたら2回3セットまで増やしましょう。負荷量としては疲労困憊になるまではせず、少し息が上がる程度にとどめてください。

▼腕立て伏せのコツ&注意点
・肩がすくまないように、体を一直線にしたまま行うようにしましょう
・手の方にばかり負荷をかけず、足でもしっかりと踏ん張るようにしましょう

肩を竦ませないように、肩甲骨から動かすようにして体を上下動させましょう。また、手の方にばかりに体重を乗せないように注意してください。これらは肩や手首の痛みを出さないために重要なことです。痛みが出たら無理をしないようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

正しいフォームを維持できなければ、膝をついて負荷を小さくすることも重要です。正しいフォームで行わないと筋トレの効果が悪くなるばかりか、怪我にもつながりかねません。回数をこなすことよりも、正しいフォームで腕立て伏せを行うように心がけましょう。

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パームカール【寝る前の筋トレメニュー】

パームカールは上腕二頭筋を鍛えられるトレーニングです。この筋トレには自分の手で抵抗して負荷を決められる自重トレーニングなので、負荷量の調節が大切な就寝前の筋トレにはとても有効なトレーニングです

▼パームカールのやり方
①行いたい側の手首に反対側の手を当てる
②肘から曲げて、捲き上げるように肘を曲げていく
③ゆっくりと元に戻す

初心者は週1回3セット、上級者は週2回3セット行うようにしましょう。負荷量はあまり無理をしないように、限界の6〜7割程度に抑えて、睡眠を阻害しないように注意してください。

▼パームカールのコツ&注意点
・手首や肩の動きで肘の動きをごまかさないようにする
・押し下げる方向にもしっかりと力を入れれば、反対側の上腕三頭筋も鍛えられます。

手首や肩の動きで動かしてしまうと上腕二頭筋へかかる負荷が小さくなってしまいますので、しっかりと肘から動かしましょう。反対側の力を入れると反対側の上腕三頭筋も鍛えられます。

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ずーみー(泉風雅)

肘を曲げていくとき、手のひらに抵抗を加えるやり方だと上腕二頭筋への負荷が大きくなります。しかし、手首が反り返ってしまいやすいため、手首の痛みにつながる可能性があります。注意してください。

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バックエクステンション【寝る前の筋トレメニュー】

いわゆる、背筋運動としてやったことがある方も多いのではないでしょうか。脊柱起立筋・ハムストリングス・大臀筋を鍛えるための運動として、寝る前に自宅でできる筋トレとしてはとてもおすすめできるトレーニングです。

▼バックエクステンションのやり方
①床にうつ伏せに寝ます
②背中をゆっくりと反らしていきます

初めは週1回3セット、徐々に週2回3セットに頻度を増やしていきましょう。負荷量としては、軽く汗をかく程度にとどめておきましょう。10回が限界であれば、6・7回程度に抑えることが大切です。もし負荷が小さければダンベルを持ちましょう。

▼バックエクステンションのコツ&注意点
・背中を反らす時に、両脚が持ち上がることは気にしないようにしましょう
・腰から反るのでなく、胸のあたりから反る意識を持ちましょう

背中を反らすと、反作用でどうしても脚が浮くことがあります。脚が浮くこと自体は効果に支障はないので、気にしないようにしましょう。腰から動かすと腰痛に繋がりやすくなるので、みぞおちの上あたりから動かす意識を持ってください。

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ずーみー(泉風雅)

床と接地している部分が下腹部だと、腰から動かすようになりやすいです。お腹の上の方やみぞおちのあたりを接地させると、腰痛に繋がりにくいフォームで行うことができます。

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バイシクルクランチ【寝る前の筋トレメニュー】

腹直筋や腹斜筋を鍛えられて、自宅でも簡単にできる筋トレです。手軽に行うことができるので、寝る前にトレーニングしたいという人にはオススメのトレーニングです。

▼バイシクルクランチのやり方
①仰向けに寝て上背部を浮かせ、両脚も軽く浮かせます
②手と反対側の脚を近づけます
③反対も同様に行い、テンポよく交互に動かします

週1回3セットから初めて、慣れてきたら週2回3セットに回数を増やしましょう。こちらの筋トレも回数は軽く汗を書く程度にとどめ、睡眠の阻害にならないように注意してください。

▼バイシクルクランチのコツ&注意点
・腰が反っていたり、背中が床にくっついていると腹筋に効かないため注意しましょう
・お腹を凹ませるドローインでなく、膨らませて固定するブレーシングという呼吸法で行いましょう

腹筋のトレーニングなので、腹筋に刺激が入るように軽く上背部を浮かせるように行いましょう。また、このトレーニングはお腹周りを固定して動かす必要があるので、凹ませるのでなく膨らませて固定力を高めて行なってください。

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ずーみー(泉風雅)

この筋トレは腹筋だけでなく、腸腰筋への刺激も入ります。腸腰筋は骨盤と背骨・股関節を固定したり動かしたりする上で非常に重要な筋肉なので、このトレーニングで腸腰筋と腹筋が鍛えられたら他の種目のパフォーマンスも高くなります。なので積極的に試してみてください。

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サイドプランク【寝る前の筋トレメニュー】

サイドプランクは体全体の安定感を高めてくれる体幹の筋肉を鍛える種目です。体幹を鍛えることで、その他のトレーニングのパフォーマンスを高めることができるため、積極的に行なってもらいたい筋トレです。

▼サイドプランクのやり方
①横向きに寝て、肘をついて足から頭までまっすぐになるように整えます
②お尻を持ち上げ、身体をまっすぐのまま保持します
③30秒ほど保持します

まずは週1回3セットから、余裕ができてきたら週2回3セットに増やしましょう。30秒ほどの保持が理想ですが、息が上がるという方はもう少し短い時間でやっても構いません。

▼サイドプランクのコツ&注意点
・腰が反ったり丸くなったりしないよう、身体が一直線になるように注意しましょう
・負荷が大きいという方は膝をついて、フォームが崩れないように注意しましょう

サイドプランクで最も重要なことはフォームを直線で維持することです。どんなに長い時間できたとしても、フォームが崩れていたら意味がないため、負荷が大きくてフォームが崩れる方は無理せず膝付きで行いましょう。

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ずーみー(泉風雅)

サイドプランクを行うときに、上になった脚を挙げると体幹と同時に股関節の外転筋を鍛えられます。また、脚を挙げる時の動揺・グラグラが体幹への刺激となり、より体幹を鍛えられます。

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レッグレイズ【寝る前の筋トレメニュー】

レッグレイズは腹筋の特に下部の筋肉に加えて、腸腰筋を鍛えることができるトレーニングです。走ったり、骨盤を固定するのに重要な筋肉を鍛えられるので、運動のパフォーマンスを上げたい方にオススメです。

▼レッグレイズ
①仰向けに寝る
②膝を伸ばしたまま、足を持ち上げていく
③ゆっくりと元に戻していく

まずは週1回3セットからスタートし、週2回3セットに回数を増やしていきましょう。他の種目と同様に、疲れすぎない負荷量を設定してください。

▼レッグレイズのコツ&注意点
・腰が反り返らないように注意しましょう
・下腹部に意識を集中して、太ももの前側を使わないように注意してください

腰を反ってしまう場合は腹部の筋肉が負荷に耐えられていない証拠です。無理をせず、膝を曲げて行なっても構いません。また、太ももの前が疲れる方は大腿直筋を使っている証拠です。お腹の腸腰筋を動かすように意識しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

床に仰向けに寝るだけで腰が反っていて、腰が痛いという方もいらっしゃるかもしれません。その場合、腰の下にタオルなどを敷いて、腰の痛みが出ないように工夫してみてください。それでも痛ければ、無理をしてはいけません。

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フロントランジ【寝る前の筋トレメニュー】

フロントランジは下半身の筋トレメニューで、筋肥大だけでなく機能的に鍛えることも可能なトレーニングです。下半身全体を鍛えられるので、就寝前に汗を流すにはもってこいです。

▼フロントランジのやり方
①直立してたちます
②前に脚を持ち上げ、踏み出します
③上半身をまっすぐにしたまま、沈み込みます

週1回3セットからスタートし、トレーニングに慣れてきたら週2回3セットに増やしていきましょう。自重だけで10回が限界だとしたら、6〜7回程度の負荷に留めましょう。負荷が小さければダンベルなどを持って負荷を強くしても良いです。

▼フロントランジのコツ&注意点
・脚の角度は両脚が90°になる程度ですが、大まかな目安でこだわる必要はありません
・つま先と膝の向きは揃えましょう
・腰が反ったり、身体が丸くなったりしないようにしましょう

膝が前にづすぎてしまうと大腿四頭筋にばかり負荷がかかりますが、おおよそ90°程度を意識すれば問題ありません。また、つま先と膝の向きがバラバラだったり、腰をまっすぐにできないと膝や腰のけがにつながりかねないので注意しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

下半身全体を機能的に使うためには股関節の動きを意識することが重要です。股関節の動きをしっかりと出すことで、大臀筋やハムストリングスにも刺激が入り、下半身全体の機能を高める効果につながります。

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フルスクワット【寝る前の筋トレメニュー】

フルスクワットはスクワットの中でも大きく可動域をとるトレーニングです。そのため、筋肥大に有効だとされています。

▼フルスクワットのやり方
①脚を肩幅程度に広げます
②お尻を後ろに引きながら膝を曲げていきます
③股関節の大転子が膝のお皿よりも下に来たところあたりで止め、元に戻します

初心者のうちは週1回3セット、慣れてきたら週2回3セットを目標に行いましょう。

▼フルスクワットのコツ&注意点
・重心は足の真ん中を結んだ線の上に来るようにしましょう
・しゃがむときに腰が曲がらないようにしましょう

これらのフォームをしっかり守るためには、ハムストリングスと大臀筋の柔軟性が必要になります。フルスクワットと合わせて、ストレッチもしっかりと行いましょう。

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ずーみー(泉風雅)

よく膝がつま先より前に出ないようにという意識で指導されますが、それは間違いです。お尻を後ろに引くようににして体を前傾させながら行えば、膝がつま先より前に出ず自然と曲がってきますので、お尻の位置を意識してみてください。

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ヒップリフト【寝る前の筋トレメニュー】

ヒップリフトは大臀筋を中心に、股関節を後ろに引く動作に関わる筋肉を鍛えられる筋トレです。スクワットなど、伸びる刺激が多い大臀筋を縮める方向に鍛えられる良いトレーニングで、就寝前にも手軽に行えます。

▼ヒップリフトのやり方
①仰向けに寝て、ふくらはぎが90°になるように垂直に脚を立てる
②お尻を持ち上げ、膝から頭までまっすぐになるようにする

最初は週1回3セットから初めて、週2回3セットになるように継続していきましょう。自重のみでは負荷が小さいという方もいるかもしれませんが、負荷を上げすぎると睡眠の妨げになります。ダンベルなどで、6〜7割程度に収まるように調整してください。

▼ヒップリフトのコツ&注意点
・足幅を変えると鍛えられる大臀筋の繊維が変化しますので、意識しましょう
・足が遠すぎると大臀筋よりもハムストリングスの効果が高くなりますので、注意しましょう

大臀筋をしっかり鍛えるためには足幅・お尻と足の距離が大事です。足幅とつま先を広げると大臀筋上部に、足幅を狭くつま先をまっすぐにすると大臀筋下部に効きます。大臀筋を狙うために、幅と足の距離感を大事にしてください。

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ずーみー(泉風雅)

ヒップリフトは股関節の伸展作用を大臀筋のみで行うことができ、ヒップアップにも有効です。そのとき、下部繊維ばかり鍛えると垂れ下がって見えるため、上部繊維もしっかりと鍛えるように注意しましょう。

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スタンディングカーフレイズ【寝る前の筋トレメニュー】

カーフレイズはふくらはぎの筋肉を鍛えられるトレーニングです。下腿三頭筋の筋肉は全身の血流にも関わっており、この筋肉を鍛えることで血流の改善にも繋がりやすいです。そのため、就寝前のトレーニングで溜まった疲労物質を代謝する上でも重要なトレーニングです。

▼スタンディングカーフレイズのやり方
①まっすぐ立つ
②かかとを上げてつま先立ちをする
③ゆっくりとかかとを下げる

初心者の方は週1回3セット、上級者は週2回3セットを目やすいに行いましょう。

▼スタンディングカーフレイズのコツ&やり方
・ふくらはぎの筋肉が動いていることを感じながら行いましょう
・下腿三頭筋をしっかりと効かすため、かかとを動かす幅を大きくしましょう
・上半身をたたむような、悪い姿勢では効果が弱くなってしまいます

下腿三頭筋の収縮を促すために、背筋はまっすぐに伸ばしてかかとを大きく上下に動かしましょう。まっすぐのフォームを維持できなければ壁や台に捕まっても構いません。まっすぐなフォームで行うことを心がけてください。

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ずーみー(泉風雅)

スタンディングカーフレイズで負荷が小さければ片脚で行なったり、ダンベルを持つことで負荷量を上げられるため、試してみてください。その場合、バランスを保つことが難しければ壁や台を持つようにしましょう。

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寝る前の筋トレは毎日行っても大丈夫?

初心者の場合、寝る前の筋トレを毎日継続することはオススメしません。理由は、初心者の場合、筋肉痛になるリスクもありますし、毎日することで効果が薄れてしまう可能性があるためです。慣れてきたら寝る前の筋トレを毎日行うことは大丈夫ですが、必ず部位を変えるようにしましょう。

上半身メニュー→体幹メニュー→下半身メニュー→休みの日といったローテーションのように、部位を変えて行うことをオススメします。なぜなら週2回以上、同じ部位の筋トレをしても効果に変化がないと言われているからです。

闇雲な筋トレを行なっても効果はあまりありません。特に初心者のうちは、無理をせず1部位を週1回3セット程度で抑えても良いでしょう。

寝る前に筋トレを行う人への注意点

寝る前に筋トレをするときにはいくつかの注意点があります。必ずチェックしてから夜の筋トレを行なってください。

適度なトレーニングを心がける【寝る前に筋トレをする注意点】

夜に筋トレを行う場合、疲労困憊になるまでやらないようにしましょう。交感神経が活発になりすぎてしまい、眠れなくなる可能性があります。眠れないと疲労回復もできず、成長ホルモンの分泌もされにくいため筋肉も成長しません。適度なトレーニングを行なってしっかりと睡眠をとることが大切です。

筋トレの後にはストレッチを行う【寝る前に筋トレをする注意点】

夜に筋トレをした後に重要なのはストレッチをしっかりと行うことです。疲労を次の日に残さないこともですが、就寝前に交感神経を沈めるということが大きな目的になります。

日中は交感神経、夜には副交感神経が優位に働くことで人間のリズムは整いますが、就寝前に筋トレをすることで交感神経が働いてしまいます。その場合、良い睡眠が阻害されてしまう可能性が高くなります。

就寝前にゆっくりと深呼吸しながらストレッチすることで、副交感神経へ刺激が入ります。それが良い睡眠につながるため、必ずストレッチもセットで行いましょう。

筋トレ後に入浴する【寝る前に筋トレをする注意点】

筋トレ後に入浴することで良い睡眠に繋がります。筋肉の疲労回復のためと、汗が残ったままだと気持ち悪くて眠りにくいということ、入浴することで副交感神経が優位に働くことが理由として挙げられます。

筋トレした後は基本的に疲労物質が溜まっています。入浴して血流を良くすることで疲労物質が代謝されやすく、筋肉の回復につながりやすくなります。

入浴するタイミングも重要で、ベッドに入る1時間〜1時間半前に入ると有効です。お風呂に入って体温が上がり、下がったタイミングで眠くなりやすくなります。その体温が下がるのに1時間半程度かかります。時間を逆算して筋トレするようにしましょう。

眠い時は無理をしない【寝る前に筋トレをする注意点】

寝る前の筋トレをするときに、体調やその日の仕事内容によっては疲れが溜まっていて眠いという方もいるでしょう。そのような場合は無理をせずに筋トレしないのが一番です。無理をして筋トレをしても効果がないばかりか、怪我のリスクにもつながります。眠い場合には無理をせず、寝ましょう。

筋肉痛がある場合も無理をしない【寝る前に筋トレをする注意点】

寝る前の筋トレが習慣化していて日課として行う方もいますが、筋肉痛がある場合にはたとえ日課でも行うべきではありません。筋肉痛がある場合には筋肉を休めないと成長しません。むしろ逆効果で、筋肉が弱くなっていく可能性があります。

筋肉痛があるときには超回復のためにも、無理をせず休むようにしましょう。

筋トレ後の飲酒は厳禁【寝る前に筋トレをする注意点】

筋トレと同様に、毎日の晩酌が日課だという人もいるかもしれません。しかし、寝る前に筋トレをする場合にはアルコールの摂取は厳禁です。

筋トレでは血管や心臓などに負担をかけてしまいます。そこに輪をかけてアルコールで負担をかけると、身体にとって悪影響でしかありません。もちろん、お酒を飲んで筋トレをすることももってのほかです。筋肉だけでなく内臓系への負担も考えて、寝る前の筋トレをする日には飲酒しないようにしましょう。

寝る前に筋トレを行う場合の食事・栄養の摂り方

筋トレをしていく上で食事は非常に大切です。夜の筋トレのための食事・栄養の取り方があるので、チェックしてください。

筋トレの1時間半〜2時間前に食事をすませる【食事・栄養の摂り方】

夜の筋トレをする際には、食事は1時間半前から2時間前にはすませましょう。これは食事の消化・吸収にそのくらいの時間がかかるためです。

筋トレをする上でエネルギーはとても大切で、食事直後ではまだ食事での栄養が体に吸収されていません。また、食事直後に筋トレをすると、筋トレと消化両方にエネルギーが必要なため、消化も筋トレも中途半端になってしまいます。

そのため、しっかりと消化・吸収した上で筋トレをする必要があります。食事は筋トレ1時間半〜2時間前にすませましょう。ただし、プロテインであれば消化吸収が早いので、筋トレ1時間前でも大丈夫です。

筋トレ直後はプロテイン程度で済ませよう【食事・栄養の摂り方】

筋トレ直後の栄養補給は重要ですが、夜の筋トレ夜の筋トレとなると話は変わります。就寝前の食事は消化にエネルギーが必要となり、良質な睡眠の妨げになる可能性が高いためです。

プロテインであればすぐに消化・吸収されるため、就寝までには消化されている可能性が高いです。また、プロテインには筋トレ後の筋肉の回復に必要な成分が豊富に含まれています。

ここでのプロテインはホエイプロテインでも構いませんが、ソイプロテインであればイソフラボンの効果と成長ホルモンの相乗効果で美容にも良い効果があります。美容のことを考えている方であれば、ソイプロテインもオススメです。

筋トレ前にBCAAのサプリを飲むと効果的【食事・栄養の摂り方】

筋トレ前にBCAAというアミノ酸が含まれているサプリを飲むと、より効果的に筋トレができます。このサプリに含まれるBCAAは必須アミノ酸のうち、筋肉の再合成や疲労回復に関わるアミノ酸です。

吸収が早いものなので、筋トレ前や筋トレ中にスポーツドリンクなどと一緒に摂取しましょう。そうすることで筋トレ後の疲労感の軽減や筋肉痛の予防につながります。

(BCAAを飲むタイミングについては以下の記事も参考にしてみてください)

寝る前の筋トレは正しい知識を身につけてから行おう

寝る前に筋トレを行うことは、メリットもありますがデメリットもあります。夜の時間帯を利用すれば日中忙しい方でも、時間を有効活用して筋トレが可能です。この記事をチェックして、夜寝る前に筋トレしてみてください。