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ショルダーシュラッグのやり方!僧帽筋に効かせるコツ!肩こり・猫背が改善できる!

2020年04月14日

ショルダーシュラッグは初心者でも挑戦しやすく、肩こりや猫背の改善にも繋がる種目です。この記事では、ショルダーシュラッグの正しいやり方や重量、僧帽筋を効率よく鍛えるコツを解説します。ダンベルやバーベルだけでなくチューブ、ケーブルを使用するやり方も紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ショルダーシュラッグは僧帽筋に効果的な筋トレ

ショルダーシュラッグのシュラッグ(shrug)とは「肩をすくめる」という意味です。ダンベルを両手に持ち、肩を上下させます。

ショルダーシュラッグは僧帽筋を鍛えられるほか、肩こりや猫背で悩んでいる方にもおすすめの種目です。まずは、ショルダーシュラッグで鍛えられる筋肉と得られる効果について詳しく解説していきます。

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ショルダーシュラッグで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ショルダーシュラッグで鍛えられる筋肉部位と得られる効果について解説します。ショルダーシュラッグでは僧帽筋が鍛えられますが、その結果次のような日常生活で役立つ効果も得ることができます。

・肩こりの改善
・猫背の改善
・なで肩の改善

肩こりや姿勢についての悩みがある方は、ショルダーシュラッグで僧帽筋を鍛えるとよいでしょう。まずは、鍛えられる筋肉の働きから見ていきましょう。

僧帽筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

ショルダーシュラッグのシュラッグ動作により、僧帽筋の上部・中部を鍛えられます。首と肩の後ろの広い範囲にある筋肉です。腕を引き上げるはたらきがあります。

(僧帽筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

肩こりの改善

肩こりの原因の一つに、首のポジションがよくない状態が考えられます。顎が突き出たようになっており、猫背気味の人は肩こりになりやすいといえます。肩こりが起きているときは、僧帽筋など肩回りの筋肉が収縮した状態で固まり、血流が悪くなっていると考えられます。

そのため、ショルダーシュラッグでしっかりと僧帽筋を動かしてほぐすことで、肩こりの改善が見込めます。また、姿勢の問題が残っていると、根本的な解決になりません。そこで、首のポジションを正しく戻し保つため、(頸部深部屈筋)つまり顎を引く筋肉と一緒に鍛えることも重要になります。記事の後半では、この頸部深部屈筋を鍛えるやり方も紹介しています。

猫背の改善

猫背の人は首が前に出すぎた状態になっています。僧帽筋は肩甲骨を支え、姿勢を維持することにも役立つ筋肉です。ショルダーシュラッグによって僧帽筋を鍛え、同時に頸部深部屈筋も鍛えることで、猫背の改善につながります。

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ずーみー(泉風雅)

シュラッグ運動だけでは肩こり解消や姿勢の改善に効果はでません。むしろ姿勢を悪くしてしまう可能性もあります。そのため、顎を引く筋肉である頸部深部屈筋を鍛えることが重要なのです。

なで肩の改善

なで肩は肩甲骨が常に下がっている状態で、骨格上改善が難しいものではあります。しかし、ショルダーシュラッグで僧帽筋を鍛えると、肩を引っ張り上げるような力がはたらくので、なで肩を改善することにつながるでしょう。

僧帽筋だけでなく、前鋸筋という筋肉を鍛えてるのも、なで肩解消に効果が期待できます。前鋸筋は腕立て姿勢で肘を曲げず、肩甲骨を外に出す、寄せるという動作で鍛えることができます。

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ずーみー(泉風雅)

なで肩の人は僧帽筋に負荷が乗りやすく、シュラッグなどが得意であることが多い印象です。

ダンベル・ショルダーシュラッグの効果的なやり方

ショルダーシュラッグは、負荷をかけるためにダンベルやバーベルなどを両手に持って行います。まずは、ダンベル・ショルダーシュラッグ(ダンベルシュラッグ)から紹介します。

筋トレの効果を最大限引き出すためには正しいフォームで行うことが大切です。このダンベル・ショルダーシュラッグは、肩を引き上げる際に耳にくっつけるように動かす動きが意識しやすいので、初心者にもおすすめです。

①ダンベルを身体の横で持つ

まず、ダンベルを身体の横で持ちます。手幅は腕をだらんと下げた状態と同じ幅か、それよりも少し広いくらいにします。足幅は腰幅程度にし、あまり広げないようにしてください。

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腰が曲がってしまったり、反ってしまったりしないように注意してください。

②肩を上げる

目線は真っすぐを保ち、シュラッグの動作を行っていきます。このとき肩が耳にくっつく意識をしながら行うと、正しいフォームでシュラッグ動作を行えます。肩甲骨を上に挙げるように首をすくめて降ろしましょう。

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限界まで肩甲骨を最大限まで収縮するためには、肩甲骨をただ上に挙げるだけでは十分ではありません。肩を耳に付けるように回すイメージでシュラッグ動作を行うとさらに効果的に鍛えられます。

ダンベル・ショルダーシュラッグのコツ&注意点

正しいフォームがわかったところで、ダンベル・ショルダーシュラッグのコツと注意点を紹介します。注意したい点は、顎を上げないということです。画像付きで詳しく解説します。

顎を上げない

顎が上がってしまう場合は、頸部深部屈筋が上手に働かせられていません。顎が前に突き出た姿勢がひどくなるので、肩こりなどの改善効果が薄まる可能性があります。顎を引いて行うことを意識しましょう。

頸部深部屈筋が僧帽筋や胸鎖乳突筋といった筋肉に負けてしまうと顎が突き出た姿勢の原因になります。頸部深部屈筋の鍛え方については、記事の後半で紹介しています。

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ずーみー(泉風雅)

しっかりと顎を引いたまま動作を行うことで、僧帽筋の活動に負けない頸部深部屈筋のアイソメトリックなトレーニングにもなります。

(ダンベルシュラッグについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベル・ショルダーシュラッグの最適な重量・回数・セット数

ダンベル・ショルダーシュラッグの適切な重量や回数は、筋トレの目的によって設定します。回数設定は、筋力アップが目的であれば1回~6回、筋肥大であれば6回~12回が良いでしょう。筋持久力アップを目指す場合は、15回~限界の回数までが最適です。ダンベルの重量は、この回数でちょうど自分の限界が来るように調整してください。

しかしながら、筋肥大に関しては限界まで行えば、軽量のダンベルでも同等の効果を得られます。筋トレを行う上で重要なのは、正しいフォームで限界まで行うことです。

初心者の方は3セットを週1回から始めてみましょう。上級者の方は6セットを週2回程度がおすすめです。週1回よりも週2回の方が効果があると言われています。しかしながら、週3回となるとそれ以上の効果を得られるかは証明されていません。まずは基本の平均回数をしっかりとこなせるようにしましょう。

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筋肥大に関しては限界まで行えば、軽量のダンベルでも同等の効果を得られます。筋トレを行う上で重要なのは、正しいフォームで限界まで行うことです。

(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)

バーベル・ショルダーシュラッグの効果的なやり方

次に、バーベルを使用して行う、バーベル・ショルダーラッグについてご紹介していきます。基本的にはダンベル・ショルダーシュラッグとやり方や注意する点は変わりません。バーベルのほうが重量を重くできるので、負荷を増やしたい場合にはダンベルよりもバーベル・ショルダーラッグがおすすめです。

①バーベルを持ち、直立する

まずバーベルを両手で持ち、直立姿勢になりましょう。しっかりと腹部に力を入れ、腰が曲がったり、反ってしまったりしないように気をつけてください。手幅はや足幅はダンベル・ショルダーシュラッグと同様です。手幅は腕をだらんと下げた時と同じか、少し広めに保ちます。足幅は腰幅と同じくらいにし、広げすぎないようにしましょう。

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正しい姿勢で行うために、目線は真っすぐで、顎が挙がらないように意識してください。腰が曲がらないようにするには、しっかりと腹圧を高めましょう。

②肩を上げる

ラックからバーベルをハーフデッドリフトの要領で持ち上げます。そこから下半身の力を使わずに、肩甲骨を上に挙げるように首をすくめて降ろします。最大限に筋肉を収縮するためには、ただバーベルを上に挙げるだけではなく肩を耳に付けるように回すイメージで行うとより効果的です。

バーベル・ショルダーシュラッグのコツ&注意点

バーベル・ショルダーシュラッグのコツや注意点を解説します。僧帽筋をしっかり鍛えられるよう、正しいフォームで行えるように意識しましょう。

顎を上げない

ダンベル・ショルダーシュラッグと同様に、バーベル・ショルダーシュラッグでも顎が上がってしまうことに注意しましょう。姿勢について意識し、適切な重量と回数でトレーニングを行いましょう。どうしても顎が上がってしまう場合は、頸部深部屈筋がきちんと活動できていないことが原因ですので、この筋肉を鍛える必要があります。

(バーベルシュラッグについては以下の記事も参考にしてみてください)

バーベル・ショルダーシュラッグの最適な重量・回数・セット数

バーベル・ショルダーシュラッグもダンベルバージョン・ショルダーシュラッグと同様に、トレーニングの目的に合わせて回数を決め、その回数で限界が来るようにバーベルの重量を決めていきます。

回数は、筋力アップの場合は1回~6回、筋肥大が目的であれば6回~12回、筋持久力のためには15回以上肩の上げ下げの動作を繰り返しましょう。筋肥大の場合は、軽量のバーベルで自分の限界まで行うことでも、同様の効果が見込めます。

初心者の方は3セットを週1回行うのが最適です。上級者の方は6セットを週2回行ってください。無理をして筋トレを行うことは効果的ではありません。オーバーワークの原因になるので注意しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

週1回よりは週2回の方がより効果的です。週3回以上となるとさらに効果があるとは証明されていないので注意が必要です。

ショルダーシュラッグのバリエーション

通常のショルダーシュラッグについてご紹介してきました。次にダンベルとバーベル以外の器具を使用したバリエーションを見ていきましょう。

①チューブ

チューブはトレーニングチューブとも呼ばれ、手頃な値段のものも多く1,000円以下でも購入可能です。チューブを使用し、負荷をかけていきます。チューブを足で踏んで行ういます。または、下前方向に固定してそれを引けば、僧帽筋の下部を鍛えられます。

▼チューブ・ショルダーシュラッグのやり方

①肩幅程に足を開き立つ
②チューブを足で固定する
③チューブを持ったままシュラッグする

筋力アップは1回~6回、筋肥大は6回~12回が最適です。筋肥大では、軽量のチューブを使用した場合でも限界まで行えば効果が得られます。筋持久力を目指す場合は、自分の限界を感じる重量のチューブを使用し15回~限界まで行いましょう。

初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回で行うと良いです。正しいフォームを崩さずに限界まで行うことが重要です。

▼チューブ・ショルダーシュラッグのコツ&注意点

・肩を耳に付けるように回すイメージをもつ
・顎を上げない


②ケーブル

ケーブルを引くことで負荷をかけて筋トレを行えます。少し前方向から引き肩甲骨を寄せながら挙げることを意識しやすいでしょう。比較的自由にアタッチメントを選択できることが特徴です。

▼ケーブル・ショルダーシュラッグのやり方

①ケーブルの前に立つ
②ケーブルを両手で持ったままシュラッグする

筋力アップの場合は1回~6回行ってください。筋肥大では6回~12回が効果的で、ケーブルでの負荷を軽くしても限界まで行えば同等の効果を得られます。筋持久力の場合は、15回~限界まで行うことをおすすめします。筋持久力では限界が来る重量で行うことがポイントです。

頻度に関してはまず週1回3セットから始め、慣れてきたら週2回6セット行います。筋トレの際は、正しいフォームで限界まで行うことを忘れずにしましょう。

▼ケーブル・ショルダーシュラッグのコツ&注意点

・目線をまっすぐに保つ
・肩を上げるときには耳にくっつけるように動かす

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ずーみー(泉風雅)

他にも背面でバーを持ちながら行う、ビハインドスタイルやスミスマシンで行うこともできるのでぜひ試してみてください。

肩こりなどの悩みを解決できる頸部深部屈筋のトレーニング

頸部深部屈筋は顎を引き頭を高い位置に保っておくはたらきを持ち、正しい姿勢を保つために必要な筋肉です。簡単に家でできる頸部深部屈部のエクササイズとして次の3つを紹介します。

①四つん這い顎引き
②バランスボール片腕上げ
③バランスボール両腕上げ

①~③の紹介順に難易度は高くなっていくので、徐々にレベルアップしていってください。まずは最も簡単なエクササイズから紹介します。

①四つん這い顎引き

顎を引き、また元に戻す動作により頸部深部屈筋を強化できます。とても簡単な動作ですので、誰でも挑戦することができるでしょう。

▼四つん這い引きのやり方

①両腕を肩幅程に開いて四つん這いの姿勢になる
②顎を引く

顎を引いて戻す動作を繰り返します。30秒1セットから始めてみましょう。肩こりがひどい方は、30秒2セット~3セットを行うことをおすすめします。

▼四つん這い引きのコツ&注意点

・前を向かないように、しっかり下を向いて動作を繰り返す
・腕を曲げずに首を下に引く
・背中は曲がらないように、真っすぐを保つ

首や肩周りに痛みが出る場合は、痛みが出ない程度まで引けば十分効果が得られます。無理はしないようにしましょう。

②バランスボール片腕上げ

バランスボールを使って、頭に負荷をかけて頸部深部屈部の筋肉を鍛えます。片腕を肩から真下に置き、背中をまっすぐにしておくことを意識して行いましょう。

▼バランスボール片腕上げのやり方

①四つん這いの姿勢になり、頭をバランスボールに付ける
②片方の腕を真っすぐに伸ばし、バランスボールの上にのせる
③体重を前方向にかけていく

頭に負荷をかけたまま、なるべく長い時間片腕を上げた状態を保ちます。30秒1セットを目安に行うのが良いでしょう。肩こりがひどい方やこちらのエクササイズに慣れてきた方は、30秒2セット、または3セットに増やしていってもいいでしょう。

▼バランスボール片腕上げのコツ&注意点

・体重を前方向にのせて肩関節を伸ばす
・呼吸は止めずにゆっくりを息を吐く
・バランス良く両腕を行う

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ずーみー(泉風雅)

頸部深部屈筋は、長時間のデスクワークやスマホ操作で疲労が蓄積しやすい筋肉といえるので、特に現代では弱くなりやすい筋肉なのです。

顎が前に出たままの姿勢は、肩こりが悪化し、気分も落ち込むといった負のサイクルに陥ります。そうならないために、

③バランスボール両腕上げ

このエクササイズができるのであれば、かなり頸部深部屈筋は強くなっています。

▼バランスボール両腕上げのやり方

①四つん這いの姿勢になる
②両腕を伸ばし、バランスボールの上にのせる
③体重を前の方にかけていく

頭に負荷をかけたまま、無理のない範囲でなるべく長い時間片腕を上げた状態を保ちます。だんだん時間やセット数を増やしていくとよいでしょう。

▼バランスボール両腕上げのコツ&注意点
・背筋を伸ばす感覚を意識して行う
・難しい場合は、片腕バージョンから始める

さらに負荷を上げたい場合は、片膝立ちやつま先立ちになってやってみましょう。

ショルダーシュラッグの効果を高める為のポイント

ショルダーシュラッグでは僧帽筋を鍛えられますが、他のメニューも一緒に行うことで肩こりや猫背を改善に繋がります。さっそくどのようなトレーニングメニューが合うのか見ていきましょう

一緒に行うべきメニュー

肩こりや猫背を改善するには、頸部深部屈筋を強化することが必要です。仕事などで首の疲労も蓄積し、肩こりだけでなく気分も落ち込みやすくなります。先ほどご紹介したエクササイズなどを行い、頸部深部屈筋を強化しましょう。

また猫背などの姿勢改善のためには背筋を鍛える必要もあります。背筋に効果があるのはラットプルダウン・ワンハンドロウなどがおすすめです。

(ラットプルダウンやワンハンドロウについては以下の記事も参考にしてみてください)

オーバーワークに注意

トレーニングのしすぎはオーバーワークに繋がるので注意しましょう。きちんと筋肉を休ませて筋トレを行うことが大切です。

ショルダーシュラッグで僧帽筋を鍛えて肩こり・猫背を改善しよう

仕事など日常生活の中で、首周りの筋肉に負担をかけていることは多いものです。ダンベルやバーベルを使ってショルダーシュラッグを行うことで、僧帽筋を鍛えられるだけでなく肩こりや猫背も改善が期待できます。チューブを使えば家でも気軽に始められるので、ぜひ試してみてください。

(僧帽筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)