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ワンハンドローイングは広背筋を鍛えるのに効果的な筋トレ
ワンハンドローイングは、ダンベルを使って片手でローイングを行う筋トレです。特に広背筋に効かせやすい特徴があります。そのためベントオーバーローイングなどの両手種目で背中に効かせるのが難しいと悩んでいる方にもおすすめです。
今回はそんなワンハンドローイングの効果的なやり方や効かせるコツ、バリエーション種目などを紹介します。それでは最初にワンハンドローイングで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果について押さえておきましょう。
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ワンハンドローイングで鍛えられる筋肉部位、得られる効果
ワンハンドローイングで鍛えられる主な筋肉の部位は以下の2つあります。
・広背筋
・僧帽筋下部
それでは早速それぞれがどのような筋肉なのか、得られる効果と合わせて見ていきましょう。
広背筋
ワンハンドローイングで鍛えられる筋肉は、まず広背筋が挙げられます。広背筋は胸骨や腰椎などから上腕骨にかけて付いている筋肉です。そしてこの広背筋は上腕を前や上から引き寄せる作用を持っています。ワンハンドローイングでは動作の軸が外側に来やすいため、両手で行うよりも簡単にこの広背筋に負荷を掛けられるのです。
そして広背筋を鍛えると逆三角形に近い体型になれたり、腰痛改善や姿勢改善などの効果が得られます。基礎代謝アップも期待できるので、ダイエット目的の人も積極的に鍛えておきたい筋肉と言えるでしょう。
(広背筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
広背筋の筋トレ11選!逆三角形ボディに爆速で近づく鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
僧帽筋下部
僧帽筋下部も、ワンハンドローイングで鍛えられます。この僧帽筋下部は胸椎から肩峰・肩甲棘にかけて付いている筋肉です。腕を下から引き上げたり、肩甲骨を寄せたりする作用を持っています。ワンハンドローイングの正しいフォームでは肩甲骨を寄せるため、その時にこの僧帽筋下部にも刺激が入るのです。
そして僧帽筋下部を鍛えると背中の厚みを増したり、広背筋と同じように姿勢改善の効果などが期待できます。
(僧帽筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)
僧帽筋の鍛え方!自重〜器具使用の筋トレメニュー&背中をデカくするコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ワンハンドローイングの効果的なやり方
これから一般的なフラットベンチに手を置くスタイルのワンハンドローイングのやり方を解説します。ワンハンドローイングで上手く広背筋に効かせるためにも、ここで正確なフォームと動作のコツを把握しておきましょう。
①片身だけ四つ這いになり、ダンベルを持つ
まず半身だけフラットベンチ上に四つ這いになり、もう半身の足は地面につけます。そして地面に足を付けている側の手でダンベルを持ってください。この時、ダンベルを持っている側の方へ身体が沈み過ぎないよう注意しましょう。
ずーみー(泉風雅)
両肩と骨盤の両端で形作る四角形がこのスタートポジション時に傾かないよう気を付けてください。
②ダンベルをお腹に向かって引く
ダンベルをお腹の方へ向かって引き上げ、降ろす動作を繰り返していきます。ちなみにこの動作中に前を向くと顎が上がって肩がすくみます。そうすると広背筋に効かないので、動作中は前を向かないように注意しましょう。
また引く動作を行う時は肩甲骨をしっかりと寄せることを意識しましょう。ただ、肩甲骨の動作可動域が足りていないと肩甲骨が上がり、僧帽筋上部・中部に効いてしまいます。広背筋に効かせるためには肩甲骨を寄せながら下向きに回すように動かすことが効果的なので、ぜひ試してみてください。
ずーみー(泉風雅)
動作を行っている間は、両肩と骨盤の両端で形作る四角形のうちダンベルを持っている点が自然に上下します。
続いて、ダンベルを引く際の角度・回転について押さえておきましょう。ワンハンドローイングではダンベルを引く動作を行う時の角度・回転が3パターンあり、それぞれに異なるメリットがあります。
こちらの画像が基本のパターンです。45度あたりの角度をキープしたままダンベルを引きます。
こちらはダンベルを外側に回しながら動作を行う外旋パターンです。このパターンには肩甲骨が下方向へ寄ることで動かしやすくなるというメリットがあります。しかし、上腕二頭筋への負荷が大きくなるデメリットもあります。
こちらが上級者向けの内旋パターンです。ダンベルを内側に回すこのパターンでは広背筋を最大まで収縮させることが可能です。しかし、肩甲骨が上がりやすくなってしまいますので、フォームが固まっていない初心者の方は基本の角度から行うようにしましょう。
ワンハンドローイングのコツ&注意点
ワンハンドローイングをより効果的に行うためのコツ&注意点は以下の5つあります。
・ダンベルを胸の方へ引いてしまう
・正面を向いてしまう
・腰からダンベルを迎えに行ってしまう
・グリップがもたない
・上腕二頭筋・上腕三頭筋が疲れてしまう
それでは①ダンベルを胸の方へ引いてしまうことから詳しく見ていきましょう。
①ダンベルを胸の方へ引いてしまう
よくある問題としてまず挙げられるのが、ダンベルを胸に向かって引いてしまうことです。このようなフォームでは肩甲骨が上がってしまい、広背筋でなく僧帽筋への負荷が大きくなります。広背筋の走行に沿って動作を行うためにもダンベルはお腹の方へ引くように意識しましょう。
②正面を向いてしまう
鏡など正面を向いてしまうことも、よくある問題のひとつです。先ほども触れたように、正面を向くと肩がすくみやすくなり、広背筋への負担が逃げてしまいます。そのため動作中は目線が前を向かないよう注意しましょう。
③腰からダンベルを迎えに行ってしまう
ワンハンドローイングでは腰からダンベルを迎えに行ってしまうことにも注意してください。なぜならこのフォームだと広背筋がダンベルの重さに対して仕事をしないからです。広背筋の収縮感を得ることはできるかもしれませんが、負荷が逃げる原因になるので体幹部は固定するよう心がけましょう。
④グリップがもたない
ワンハンドローイングではグリップがもたないと悩む人も多くいます。高重量を扱うのであれば仕方ない問題ではありますが、上の画像のように指先で握っているのが原因となっているケースもあります。
この画像のように手首をかぎづめの形にして、手の根元のほうで引っ掛けるようなイメージでダンベルを持つとグリップがもちやすくなります。また肩甲骨が動かしやすくなるメリットもあるので、ぜひ試してみてください。
⑤上腕二頭筋・上腕三頭筋が疲れてしまう
ワンハンドローイングでは上腕二頭筋・上腕三頭筋が疲れてしまう問題もあります。もし上腕二頭筋が疲れるようであれば、胸の方へダンベルを引いている可能性が高いです。なぜなら胸の方に引くと肘の曲げ伸ばしの運動が大きくなり、上腕二頭筋に負荷が掛かってしまうからです。広背筋に効かせるためにもダンベルは胸ではなくお腹の方へ引くようにしましょう。
一方で上腕三頭筋が疲れるのであれば、しっかりと肩甲骨を寄せられていないのが主な原因です。肩甲骨が寄らないと背中の筋肉が行うべき運動を上腕三頭筋の長頭で代償して疲れてしまうのです。肩甲骨をしっかり寄せられるように、正確なフォームで動作を行いましょう。
ワンハンドローイングの最適な重量・回数・セット数
最適な重量・回数は、筋トレの狙いによって異なります。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上の反復で限界になる重量が目安です。ちなみに筋肥大においては軽重量・高回数でも限界まで追い込めば、同等の効果を得られます。
ただ、どんな目的でもフォームが乱れず限界まで追い込めることが大事です。自分自身に合った重量・回数をトレーニングを重ねながら見つけていきましょう。
最適なセット数は、トレーニング経験によって決まります。初心者の方なら3セットを週1回、上級者の方なら6セットを週2回といったペースで進めていくと良いでしょう。セット数や頻度の増加については、トレーニングステータスの上昇を実感できた時に行うのがおすすめです。
(セット数については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのセット数・回数の最適解はコレ!目標別に成長効率を上げるコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
【応用編】ワンハンドローイングのバリエーション
ワンハンドローイングには、通常パターンと異なるメリットを持つバリエーション種目がいくつかあります。通常パターンを正確なフォームでこなせるようになったら、ぜひこちらで紹介する種目にもチャレンジしてみてください。
①立って行うベンチなしワンハンドローイング
立って行うベンチなしのワンハンドローイングは、チーティングを適宜使いやすいのがメリットです。基本的には足を開いて行いますが、より腰高にして上体を倒した状態で行いたい方は足をそろえても構いません。
▼立って行うベンチなしワンハンドローイングのやり方
①足を開いて立ち、片手でダンベルを持つ
②もう片方の手を椅子などで支える
③腹部に向かってダンベルを引き、降ろす動作を繰り返す
重量・回数は、筋トレの目的によって変えます。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上の反復で限界になる重量がおすすめです。セット数は初心者の方なら3セットを週1回、上級者の方なら6セットを週2回を目安に行いましょう。
▼立って行うベンチなしワンハンドローイングのコツ&注意点
・チーティング動作ばかり行わない
・しっかりと広背筋の力でダンベルを引く
②デクラインワンハンドローイング
デクラインワンハンドローイングでは、より低いところに手を置いて行います。そのため深く上体を倒したストレッチポジションからの負荷を掛けられるメリットがあるのです。プルダウン種目ほど広背筋をストレッチできないないのですが、このメニューではその問題を解決できます。
▼デクラインワンハンドローイングのやり方
①足を開いて立ち、片手にダンベルを持つ
②ベンチよりも低い位置にもう片方の手を置いて、スタートポジションを取る
③腹部に向かってダンベルを引き、降ろす動作を繰り返す
重量・回数は、筋トレの目的によって変えます。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上の反復で限界になる重量がおすすめです。セット数は初心者の方なら3セットを週1回、上級者の方なら6セットを週2回を目安に行いましょう。
▼デクラインワンハンドローイングのコツ&注意点
・腰が曲がらないようにする
・ダンベルを引く時に肩甲骨をしっかりと寄せる
ワンハンドローイングの効果を高める為のポイント
最後にワンハンドローイングの効果を高める為の以下の2つのポイントを紹介します。
・限度を超えたトレーニングをしない
・背中のプルダウン種目と一緒に行う
それではこれらのポイントを1つずつ詳しく見ていきましょう。
限度を超えたトレーニングをしない
結果を求めるあまりに最適な重量や回数を守らず、トレーニングをやりすぎてしまう方は少なくありません。しかし、限度を超えたトレーニングは行わないよう注意してください。なぜなら無理をするとフォームが崩れたりして、筋肉や関節の怪我の原因になり得るからです。
またトレーニングの頻度に関しても増やしすぎは禁物です。確かに週1回よりも週2回のトレーニングが効果的であるとされてはいます。しかし、それ以上の頻度で行うトレーニングがより効果を生むかどうかは明らかにされていません。オーバーワークに陥らないために頻度も無理に増やし過ぎないようにしましょう。
(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのやりすぎは危険。病気などのリスク〜オーバーワークの基準&対策を徹底解説
出典:Slope[スロープ]
背中のプルダウン種目と一緒に行う
ワンハンドローイングはラットプルダウンや懸垂などのプルダウン種目と一緒に行うのもおすすめです。他のプルダウン種目と一緒に行うと様々な刺激を筋肉へ与えられ、さらなる成長が期待できます。
またワンハンドローイングで肩甲骨をしっかりと寄せるための筋肉を鍛えられる種目を行うのも効果的です。具体的にはインバーテッドロウ(斜め懸垂)が適しています。上手く肩甲骨を寄せられない人はぜひ試してみてください。
(広背筋のストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
広背筋のストレッチメニュー!どこでも出来て簡単に背中を柔軟にするコツも解説
出典:Slope[スロープ]
ワンハンドローイングで広背筋を鍛えて逞しい背中に
ワンハンドローイングは、広背筋を効果的に鍛えられる筋トレです。ぜひ今回紹介した動作中のフォームやダンベルを引く角度といったトレーニングのコツを押さえて、効果的に広背筋を鍛えてください。そしてさらに逞しい背中を作り上げていきましょう。