ブレーシングとは?ドローインとの違いは?使い分け〜やり方まで解説!

『ブレーシング』という言葉を聞いたことがありますか?ブレーシングとは呼吸法の一つで、パフォーマンス向上につながる方法として注目されています。そこで今回は、ブレーシングとよく似たドローインとの違いや、それぞれのメリット&やり方について詳しく解説していきます。

監修 |パーソナルトレーナー 柴山智幸
『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。 【所属】 出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表 【資格】 ...
『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。 【所属】 出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表 【資格】 NCCA 全日本コンディショニングコーチ協会認定フィジカルトレーニングコーチ ADVANCE メンタルコンディショニングコーチ BASIC フィジカルトレーニングコーチ養成講師 HP Instagram Twitter

目次

  1. 『ドローイン』と『ブレーシング』とは?
  2. ドローインとは
  3. ブレーシングとは
  4. ドローインとブレーシングの使い分け
  5. ドローイン
  6. ブレーシング
  7. ドローインのやり方
  8. ブレーシングのやり方
  9. ブレーシングを覚えてパフォーマンス向上へ
  10. 筋トレメニューに関する記事もチェック

『ドローイン』と『ブレーシング』とは?

ドローインとブレーシングは呼吸法のことであり、意識的に出来るようになると日常生活〜トレーニングまで幅広い効果が期待できます。人間は無意識に呼吸を行っていますが、この際の呼吸は『安静時の呼吸』と分類されます。反対に、体幹を安定させたり、呼吸をする為の働きを活発化させる為に意識して呼吸することを『意識的な呼吸』と読んでいます。 ドローイングとブレーシングは、この意識的な呼吸にあたるのです。

それでは、ドローインとブレーシングとは一体何なのかを詳しく確認していきましょう。

柴山智幸

ドローインもブレーシングも腹腔内圧:IAP(Intra Abdminal Pressure)を高める動きです。腹腔内圧を高めるために働く筋肉(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群)をインナーユニットやコアと呼んだりします。これらが正しく働くことで腹腔内圧が高まります。


(呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください。)

筋トレの呼吸法!息を止めるのはNG?種目別のやり方〜メリットを徹底解説!

ドローインとは

ドローインは息を吐き切ると同時にお腹を凹ませて、腹横筋の働きを活性化させる呼吸法です。ドローインは10年前ほどに推奨されていた方法であり、現在は期待していた効果が期待できないことがわかり、ブレーシングが推奨されています。

ドローインで腹横筋を働かせて、横から腹部を圧迫することによって骨盤や腰椎を整え、体幹が安定すると考えられていました。しかし、冷静に考えてみると複数ある腹部の体幹だけ働かせて、一方向の力を与えても腹圧が強くかからず、特別に体幹の安定性に効果が期待できるわけではないことに気づくでしょう。

このような中ドローインが広まった当初は、疑いもなくトレーナー達が筋トレ効率を上げる呼吸法としてドローインを推奨していたのです。まだ、ブレーシングよりドローインの方が効き馴染みのある方も多いですが、現在は次に解説するブレーシングが推奨されています。

柴山智幸

腹腔内圧の高まった状態はよくペットボトルを例に表現されます。ドローインの場合はペットボトルを潰している状態です。ドローインは運動動作には向かないので、腰痛が酷い方のリハビリ等で使われます。

(呼吸法を利用した筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください。)

腹筋ローラーは呼吸法が大切!勘違いで『逆』になっている人多数?

ブレーシングとは

ブレーシングは、お腹を凹ませずに力を入れて外側の筋肉による圧力に抵抗するイメージで、インナーマッスルに力をかけて腹圧を高める方法です。ブレーシンでは腹横筋の他に外腹斜筋・内腹斜筋・ 多裂筋・ 骨盤底筋群・横隔膜など腹部全体のインナーマッスルを働かせます。このことにより、四方八方から力が入ることによって中心への力が強くなり体幹に安定感が生まれるのです。

ブレーシングは、先ほど解説したドローインだと一方向からの力しか生まれない為、骨盤や腰椎の安定性に繋がらないといった仮説から生まれた呼吸方法です。したがって、現在はドローインのデメリットが改良されて生まれた『ブレーシング』が推奨されています。

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ドローインをペットボトルで表現すると空気がパンパンに入った状態です。上からの力でも横からの力でも形が変わることがありません。ブレーシングにより腹圧を高めることで体幹を安定させ、強い力を発揮したり、正しい姿勢を作ることができます。腹圧を高めることはとても重要で私のパーソナルトレーニングでは必ずブレーシング等のメニューを行い腹圧を高める状態を作りトレーニングに入ります。

(筋トレと呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください。)

スクワットの正しい呼吸法!腹圧を掛けるコツで高重量も上がる!苦しい際の改善策も

ドローインとブレーシングの使い分け

現在は、ドローインのデメリットを解消する形でブレーシングが推奨されているとお伝えしましたが、ドローインにもメリットがあります。そこで今回は、ドローインとブレーシングの使い分けを解説していきます。

ドローイン

ドローインは腹横筋を特化して動かすことができる為、腰痛対策などリハビリとしては効果的な呼吸方法です。腹横筋が弱ったりうまく動作ができなければ。腰痛や本来使わない筋肉でカバーしてしまう代償動作を引き起こして日常生活〜運動でのパフォーマンス低下に繋がってしまいます。

上記の項目に該当する方は、ブレーシングとは別に行ってみると良いでしょう。しかし、前途した通り体幹を安定する効果は期待できないので勘違いに注意が必要です。

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ドローインは腹横筋を収縮させることができるため、下っ腹が気になる方にはおすすめのエクササイズです。衰えた腹横筋がしっかり働くことで内臓の位置が正常な位置に収まるので、ぽっこり飛び出た下っ腹の改善が期待できます。

(体幹については以下の記事も参考にしてみてください。)

筋トレ・体幹でぷるぷる震える原因は?筋力不足?震えない為の対策まで解説

ブレーシング

ブレーシングは筋トレで重いものを持つ際の安定性の向上や、骨盤や腰椎が安定することによって姿勢改善の効果も期待できます。

スクワットやベンチプレスなどで高重量を扱う際や、サッカーなどのスポーツで相手と衝突する際などに、ブレーシングを使いこなせていると力強く安定感のある動きができます。一瞬で強いパワーを使う動作をする場合には、このブレーシングを使いこなせていると役に立つでしょう。

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トレーニングを実施する前に必ずおこなうべきエクササイズだと考えます。どんなトレーニングでも腹圧ベルトを巻く方がいらっしゃいますが、そういう方にはまずブレーシングのエクササイズをおこなって欲しいです。

(ブレーシング系種目については以下の記事も参考にしてみてください)

サイドプランクのやり方!効果UPのコツで美くびれに!短期間で脇腹が引き締まる!

ドローインのやり方

ドローイングは立って行う方法と寝そべって行う方法があります。ドローインをする際には姿勢を真っ直ぐ保つ必要がある為、猫背などが原因で正しい姿勢を保てない方は、寝そべる方法を選びましょう。そうでない方は、実践的に立って行うことをおすすめします。

▼ドローインの正しいやり方

①頭〜背中〜腰を真っ直ぐにする
②息を限界まで吸い込む
③息を吐きながらお腹を限界まで凹ませる
④凹ませた状態を20〜30秒キープ
⑤1分休憩
⑥繰り返す

▼ドローインのコツ&注意点

・正しい姿勢を保たなくては、腹横筋への負荷が逃げるので出来ない方は寝て行いましょう

・寝て行う際は足の裏を床につけて膝を90度にしましょう

(ドローインのやり方を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。)

ドローイングの効果&やり方!短期間でウエストが細くなる!ダイエット成功談あり

ブレーシングのやり方

ブレーシングのやり方の基本は、ドローインと一緒です。ただ、ブレーシングではお腹を凹ませずに腹横筋だけでなく外腹斜筋・内腹斜筋・ 多裂筋・ 骨盤底筋群・横隔膜など腹部全体に力を入れていきます。アスリートの方でも自分で出来ているのかどうか確認するのは難しいと言われているので、一度トレーナーなど熟練者の方に教わると良いでしょう。

下記の動画では、ブレーシングの細かいお腹の動きまで解説しているので一人で行う際には参考になるので確認してみましょう。

(床で横になっておこなう筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

ヒップアブダクションのやり方!短期間でヒップアップするコツを自宅・マシン別に解説

ブレーシングを覚えてパフォーマンス向上へ

今回はドローインとブレーシングの違い方、使い分け仕方、ドローインとブレーシングそれぞれのやり方について解説してきました。筋トレやスポーツのトレーニングはもちろん重要ですが、ドローインとブレーシングのような呼吸法について理解を深めれば成長のスピードが格段にアップします。しっかりと正しい呼吸方法を身につけて、トレーニングの効率をあげましょう。

柴山智幸

腹圧を高めることができないと100%のパフォーマンスを発揮できていないことになります。ウェイトトレーニングも大切ですが、まず自分の本来の働きをできるようにすることがパフォーマンスアップには大事なので、並行しておこなうことをおすすめします。

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