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デクラインプッシュアップのやり方!効果のある部位&適切な高さ・回数など徹底解説

2020年04月04日

デクラインプッシュアップは腕立て伏せの応用種目で、強度が高いのが特徴です。今回はこのデクラインプッシュアップの効果的なやり方や適切な高さ・角度・回数などのコツを解説します。また僧帽筋や広背筋などの部位にも効くかや呼吸法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

デクラインプッシュアップは通常の腕立て伏せより強度が高い筋トレ

デクラインプッシュアップは椅子などの台に足を載せて行う腕立て伏せのことです。通常の腕立て伏せよりも負荷が高いため、大胸筋や上腕三頭筋により強い刺激を与えたい人には特におすすめです。

今回はこのデクラインプッシュアップの正しいフォームや効果をさらに高めるポイント、怪我を防ぐための注意点などを解説します。それではまずこのデクラインプッシュアップで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果から押さえていきましょう。

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(腕立て伏せの効果&フォームについては以下の記事も参考にしてみてください)

デクラインプッシュアップで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

デクラインプッシュアップで鍛えられる筋肉の部位は主に以下の3つあります。

・大胸筋
・上腕三頭筋
・三角筋前部

それでは早速それぞれがどのような筋肉なのか、鍛えると得られる効果と合わせて解説していきます。

大胸筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-1

大胸筋は鎖骨などから上腕骨にかけて付いている筋肉で、主に腕を前に押し出したり、前方で閉じる働きをしています。デクラインプッシュアップではまさに腕を床方向に押し出す動作を行うため、この大胸筋に強い刺激が入るのです。ちなみに通常の腕立て伏せとは違う角度で動作を行うため、大胸筋の中でも特に上部に強い刺激が入ります。

そしてこの大胸筋を鍛えると胸板を厚くでき、より逞しい上半身になれるメリットがあります。また見た目だけでなく、コンタクトスポーツでのパフォーマンスアップや基礎代謝の向上などの効果も期待できるのです。

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(大胸筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

上腕三頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-1

上腕三頭筋は肩甲骨や上腕骨などから尺骨肘頭にかけて付いている筋肉です。主に肘を伸ばしたり、大胸筋と連動して押す働きを持っています。デクラインプッシュアップでは腕を伸ばして上体を挙げるため、その時にこの上腕三頭筋に負荷がかかって鍛えられるのです。

そしてこの上腕三頭筋は腕の中でも最大の筋肉なので、鍛えると腕全体が太くなりやすい効果があります。またベンチプレスなどのプッシュ系種目のパフォーマンスアップや猫背改善などの効果も期待できます。

(上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

三角筋前部

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-1

三角筋前部は鎖骨から上腕骨にかけて付いている筋肉で、主に腕を前方向に挙げる働きをしています。また大胸筋と上腕三頭筋と連動して押す動作も行うため、この三角筋前部もデクラインプッシュアップで鍛えられるのです。

そしてこの三角筋前部を鍛えると肩の前側の厚みが増し、上半身がより分厚く見えやすくなる効果が得られます。また上腕三頭筋と同じくプッシュ系種目のパフォーマンスアップや肩こりの予防・改善効果なども期待できます。

(三角筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

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ずーみー(泉風雅)

デクラインプッシュアップでは広背筋僧帽筋も鍛えられるのではと考えている人も少なくありません。しかし、デクラインプッシュアップには広背筋と僧帽筋を鍛える作用はありませんので、勘違いしないように注意しましょう。

デクラインプッシュアップの効果的なやり方

次にデクラインプッシュアップの効果的なやり方を解説します。狙った筋肉を効かせるためにも正しいフォームや大事なポイントを押さえておきましょう。

①ベンチや椅子などを用意する

まずはベンチや椅子など足を載せる台を用意しましょう。この台の高さは高ければ高いほど負荷が大きくなりますが、高くなり過ぎてはいけません。なぜなら高くし過ぎると大胸筋や上腕三頭筋よりも三角筋に効いてしまうからです。そのため台の高さは身体が30度くらいになるもの(身長の約半分の高さ)を最大としておきましょう。

②腕立て伏せの姿勢になる

台を用意したら、台に足を載せて通常の腕立て伏せの姿勢になりましょう。上の画像のように横から見て手、肩、足でしっかりと直角三角形を作るようにしてください。これがデクラインプッシュアップのスタートポジションです。

ちなみにこの時に腰が反ったり、曲がったりする人はしっかりと腹筋に力を入れて体幹を固める意識を持つと良いでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

腹筋などが弱く、身体を真っ直ぐに保てない初心者や女性は膝をついてもかまいません。

③身体を降ろしていく

腹筋に力を入れて頭から足先まで身体が一直線になった状態を保ったまま、肘を曲げて身体を降ろしていきます。この時、鎖骨の中心から大きく胸を開いていく感覚で行えば、大胸筋をしっかりと動かすことができます。ぜひ試してみてください。

④身体を挙げて元に戻る

胸が床に触れる直前まで降ろしたら、肘を伸ばして身体を挙げ、元の状態に戻ります。また挙げる時も降ろす時と同様に腹筋に力を入れて身体が一直線になった状態を保ったままにしましょう。

デクラインプッシュアップのコツ&注意点

デクラインプッシュアップを行う上でのコツや注意点は以下の3つあります。

①肩甲骨が寄せられていない
②肩甲骨が外に出すぎている
③手の平のほうに体重を乗せてしまっている

それでは①の肩甲骨が寄せられていないことから順番に見ていきましょう。

①肩甲骨が寄せられていない

デクラインプッシュアップでよくある問題の1つ、それが肩甲骨を上手く寄せられないことです。上の画像のように肩がすくんで上がった状態になってしまうと、上手く身体を降ろすことができません。それに加えて、肩の前側に負荷が集中し、肩の痛みが出やすくなってしまうデメリットもあります。

しっかりと大胸筋に刺激を入れるためにも、胸を大きく開いて、地面を迎えに行くように肩甲骨を寄せて動作を行いましょう。

②肩甲骨が外に出すぎている

肩甲骨が外に出すぎてしまうのもデクラインプッシュアップで注意しなければいけない問題です。肩甲骨が外に出すぎてしまうと、肩甲骨を前に出す働きを持つ前鋸筋に負荷が流れてしまいます。

確かに前鋸筋も重要な筋肉です。しかし、デクラインプッシュアップは大胸筋や上腕三頭筋を鍛えるための種目なのです。その本来の目的を果たすためにもデクラインプッシュアップを行う時には必ず肩甲骨が外に出すぎないようにしましょう。

③手の平のほうに体重を乗せてしまっている

手の平のほうに体重をかけてしまうのもデクラインプッシュアップのよくある問題です。上の画像のように手のひらに体重をかけると手首が反りかえり、大きな負荷がかかります。そして手首の痛みが出やすい状態になってしまうのです。

この問題については重さを手首の根元で受けるようにするのが効果的な対策法となります。どうしても不安な方や手首の痛みが改善されない方は、手首に負担がかかりにくいプッシュアップバーを使ってみても良いでしょう。

デクラインプッシュアップの最適な高さ・回数・セット数

デクラインプッシュアップで使う台の最適な高さは、8回から12回程度回数がこなせる高さと考えてください。先ほども解説した通り、台の高さは高いほど負荷が高まります。そのためまずは8回から12回程度できる高さからスタートさせ、筋力の向上に合わせて徐々に高くしていくと良いでしょう。

ただし、台の高さは身体が30度くらいになるもの(身長の約半分の高さ)を最大としましょう。もし30度でも負荷が軽いようなら可動域をさらに広げたり、インクラインベンチプレスなどに移行するのをおすすめします。

セット数については初心者の方なら週1回3セット、上級者は週2回6セット程度が目安です。トレーニングステータスの上昇に従い、セット数や頻度を増やしていきましょう。ちなみに週1回よりも週2回の方が効果はあります。しかし、それ以上になるとオーバーワークになってしまう可能性もあるので注意してください。

(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)

デクラインプッシュアップの効果を高める為のポイント

最後にデクラインプッシュアップの効果を高める為の以下の3つのポイントを紹介します。

・正しいフォームで限界まで行う
・呼吸法を意識する
・類似種目や拮抗筋種目と一緒に行う

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

正しいフォームで限界まで行う

デクラインプッシュアップは比較的簡単な動作です。しかし、間違ったフォームではいくら回数をこなしたとしても効果が出にくいばかりか、怪我の原因になったりします。「〇回できた」などといった意味のないエゴや自己満足は捨てて、常に正しいフォームで限界まで行うことを意識しましょう。

呼吸法を意識する

デクラインプッシュアップの効果を高めたいのであれば、呼吸法も意識しましょう。一般的には挙げながら吐き、降ろしながら吸う呼吸法が推奨されています。しかし、この呼吸法は体幹が安定し辛く、力も出にくいといった欠点があるのです。

そのため挙げる時に呼吸を止めるヴァルサヴァ法という呼吸法をおすすめします。この呼吸法だと腹圧が高まって体幹が安定し、筋肉が力が出しやすくなるメリットが得られます。ただし、血圧が上がりやすいのが欠点です。安全のためにも心血管のリスクがある方はこの呼吸法を実施しても良いか必ず医師に相談してください。

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ずーみー(泉風雅)

肩甲骨をさらに柔軟に使いたい方は一般的な挙げながら吐き、降ろしながら吸う呼吸法をおすすめします。

類似種目や背中の種目と一緒に行う

大胸筋や上腕三頭筋をさらに集中的に鍛えたい人は、デクラインプッシュアップを類似種目と一緒に行うのをおすすめします。具体的にはベンチプレスやトライセプスエクステンションなどがおすすめです。

また大胸筋の拮抗筋である背中の種目と一緒に行うのも良いでしょう。なぜなら拮抗筋種目と一緒に鍛えると全体的な筋肉のバランスが取れたり、大胸筋のパフォーマンスがアップするなどのメリットがあるからです。また怪我の予防や回復促進などの効果もありますので、ぜひ試してみてください。

(一緒にやるといい種目については以下の記事も参考にしてみてください)

デクラインプッシュアップで逞しい大胸筋を手に入れよう

デクラインプッシュアップは大胸筋や上腕三頭筋、三角筋前部などを鍛えるのに効果的な筋トレです。また台を用意するだけで、自宅でも簡単に実施できるメリットもあります。ぜひ筋トレメニューに取り入れて、逞しい大胸筋を手に入れましょう。

(プッシュアップ種目については以下の記事も参考にしてみてください)